私のクラスではいつも生徒さんが自由に花材を選びますが、今回は皆同じでというリクエストがあり、挑戦しました。
ユリ、スターチス、アスターかマムとギボウシ
Stefan(ステファン)君の作品
私のブルーの器に生けました。ユリを短く使っています。花器がそう大きくないので高く使わないと決めました。
アドバイス:
クジャクアスターも短くして後ろに入れ、ギボウシの葉とコントラストを出していますが、アスターはもう少しユリの近くに添えるように持ってきたほうが、ユリの色がきれいに見えるでしょう。
Ruth(ルース)さんの作品
ユリを中心にして少し長めにギボウシの葉を入れています。クジャクアスターも長短に変化をつけて入れました。
アドバイス:
スターチスをどこに入れるか考えてうまく使えないというので、使う必要がないと思うなら、入れなくてもいいと指導しました。
Cherry(チェリー)さんの作品
お稽古に来れずに花材を取りに来て、自宅で生けました。正面ではなく横から写真を撮っています。
スターチスを長く使いました。
アドバイス:
写真は正面から撮ってください。
この写真からだとギボウシと百合の高さがよくわかりませんが、百合の葉の位置とギボウシの高さが似ているようで気になりました。
Anita(アニータ)さんの作品
ユリを二分化して生けました。スターチスを広げて入れています。
アドバイス:アスターが入っているのに役目を果たしていません。もう少し有効的に使いましょう。高さや角度を変えて見える場所に入れましょう。
Aurie(オーリー)さんの作品
ユリではなくスプレーマムを前面に持ってきた作品です。
クジャクアスターを選んだ人とマムを選んだ人がいます。お花屋さんでアスターの数が足りずにこういうことになりましたが、色は同じです。
アドバイス:
スプレーマムをメインに入れても、色のバランスを考えると、百合をもう少し正面に向けてもよかったですね。
Danise(デニース)さんの作品
大きなユリをドーンと見せることに集中した作品です。ユリの横に連なるように入れたマムがオレンジ色の美しさを引き立てています。スターチスを広げたことにより、重くなりがちな黒い花器のアレンジをうまく見せています。
アドバイス:
茎についていたマムを使い切って、あと2本正面と左側にも入っていましたが、多すぎるので外しました。本当はあともう2本抜きたかったのですが、地味なのは嫌という本人の意向を尊重しました。
Mary(メアリー)さんの作品
1番の古株のメアリーさんは、与えられた花を生けるのはとても上手です。
もってきた花器もちょうどいい大きさで安定感のあるいいお花が入りました。
アドバイス:
スターチスはもう少し長く使ってもよかったです。左に入っていなかったので、短いですが添えました。
Donna(ダナ)さんの作品
大きめの私の水盤を使って生けました。マムとギボウシをもう少し高く使っていました。
アドバイス:
ギボウシの葉が長く使っていて空中に浮いているような違和感があり、下げるように指導したら、切りすぎて少々短すぎました。ユリが開けば、その迫力で視線がそこに行くので、葉は短くても大丈夫でしょう。
まとめ
もう1人ジョーンさんが花材を取りに来て、自宅で生けましたが、水盤と剣山を使うところ間違えて花瓶に入れて生けていたことと、写真のピクセルが低くかったため今回は紹介できませんでした。
同じ花材で生けた花を見比べてみると、花器はバラバラですから、それぞれ違って見えます。その面白さと個性を出しにくいという難しさを、生徒さんは味わったのではないでしょうか?難しかったという意見とつまらなかったという意見がありました。
決められた花材を与えられた時、作り手は自分が何を生けたいか。ではなく、どう生けることを求められているのか、と考えると、自ずと形が決まってくると思います。
次回はまた個性たくさんの作品集へと戻ります。今回もみどりのまとめを見ていただいてありがとうございます。
同じ花材でも個性が出て楽しいですね☺️👍