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山野草という言葉を知っていますか。聞いたことはあるけれど、どの植物を指すのかわからない、という人もいるかもしれませんね。山野草とはひとつの植物を指す言葉ではなく、野山に自生して育つ植物の総称です。
これまでは見過ごしていたかもしれませんが、山野草に注目するとその魅力に気づくでしょう。
山野草とはひとつの植物を指す言葉ではありません。山や野原などで見かける、人間の手で植えられたわけではない自生した草花のことをいいます。ひとつのカテゴリ、ととらえられますね。季節ごとに違った山野草を楽しむ人は少なくありません。
山野草のことを知って、季節の移ろいを山野草で感じてみましょう。では四季別の山野草について詳しくみていきます。
一輪草は九州から広く本州の野山に自生する小さく白い花です。おそらく名前は認識していなくても、一輪草そのものを見たことがある人は少なくないでしょう。よく似た花に「二輪草」があります。
片栗は料理の材料の「片栗粉」とはまったく関係のないものです。春に花を咲かせる山野草の代表ともいえる花で、3月ごろの早春に紫に近い濃いピンクの花を咲かせたかと思うと、夏を迎える前に休眠してしまう、ほんの一時期しか出会えない草花でもあります。
金鳳花はその名前のように、金色かと見間違えそうなほど鮮やかな黄色の花を咲かせることで知られています。ただ金鳳花には肌につくと炎症を起こしたりする毒が含まれています。素手では決して触らないようにしましょう。
桜に似た5枚の花弁で色とりどりに咲く桜草は、春の草原を鮮やかにし、人の目を楽しませてくれる存在です。白やピンクのほか、紫は2色以上の色が混ざった花もみられます。寒い時期には休眠し、春の開花に備える草花です。
蘭の仲間で、日本各地に自生する人の手をあまり必要としない「野生」の蘭です。同じ野生の蘭でも秋から冬に咲くのは「寒蘭(かんらん)」です。
夕焼けに染まる空の色を例えて「あかね色」と称することがありますね。茜は古くその根が染料として使われた草花でした。茜の花は夕焼けの空のような鮮やかなオレンジあるいは赤ではなく、つつましやかな白く小さいものです。意外ですね。
鋭いとげのある葉をもつ薊。花も空に向かって咲く細い花弁がまるでとげのように見えます。名前の由来はやはりとげの多さから。薊の素となった「あざ」という言葉は一部地方で「とげ」を意味する言葉なのだそうです。
日本の女性を表す言葉のひとつに「大和撫子」がありますね。撫子はその由来となる花です。古くから日本では愛されてきました。「名でたくなるほど愛らしい」のが花の名前の由来だとか。柔らかい花弁の様子も女性らしいですね。
スーパーの店頭などで簡単に手に入るいちごの花は白い色をしています。一方で紅花苺はワインレッド。赤よりの濃い紫のような色味をしています。苺、という名前だけあって秋になる実は食べられますよ。
柚香菊はその名のとおり「柚子の香りがする」ということで名付けられたといわれています。古くから日本の野原に自生する山野草なので、目にしたことがあるかもしれません。本当に柚子の香りがするのか、ぜひ確かめてみてくださいね。
岩桔梗はその名のとおり、岩場や礫地に自生する花です。高い山に咲く高山植物の一種でもあります。小さな紫の花が荒涼とした岩場に安らぎを与えてくれます。
有名な歌の歌詞に出てくる虫の名前と同じですね。朮はキク科の植物で小菊に似た小さな花を咲かせます。中国では漢方として使われることもあります。
女郎花は秋の七草のひとつにも数えられるほど、日本では親しまれている草花です。いくつもに枝分かれした先に小さく黄色い花を咲かせます。男郎花は近縁花として知られています。
男郎花は女郎花の近縁花で、茎や葉が女郎花よりも太く力強いことから、対比する名前が付けられた、と言われています。女郎花が黄色い花を咲かせるのに対し、男郎花は白い花を咲かせます。
寒葵で印象的なのは、花よりも深く濃い緑に白い葉脈が生える、ハート型の「葉」のほうかもしれません。実際に花はあまり目立たず、地面に這うように広がる葉の根元に筒状の花をそっと咲かせます。常緑の草花なので、緑が少ない冬の季節には重宝される植物のひとつでしょう。
和食などに緑の彩りを添えてくれることでおなじみの三葉も、山野草の一種です。名前の由来はそのまま、葉が三枚出るから、といわれています。
キク科の植物で、和名である柏葉白熊(かしわばはぐま)の由来は、葉が柏の形に似ていることと花の咲く様子が白熊とされていたヤクの尾の毛に似ていたところから名付けられたといわれています。雑木林などに自生し、あまり目立たずひっそりと咲く花です。
福寿草は日本原産の多年草のひとつです。冬から春にかけてはっきりとした黄色の花を咲かせます。冬が終わりを告げ、暖かくなる春を迎えるころに咲くことから新春を祝う花として古来より親しまれている花です。
日本水仙は咲く時期が真冬と枯れる草木が少なくない季節において、珍しい植物のひとつです。気温の低い時期に咲くことから耐寒性に優れているだけではなく、あまり人間が手をかけて世話をしなくてもしっかり咲いてくれるタフさから、ガーデニングしやすい植物として選ばれることもあります。
エビネには春咲きと夏咲きの2種類があり、一般的に「エビネ」と呼ばれるのは春に咲く種のほうです。花の咲く姿が海老の背中のように見えることが名前の由来とされています。
リンドウは日本各地で見られる、山野草の代表格です。品種改良が頻繁に行われ、園芸を楽しむ人にも親しまれている草花のひとつ。地植えだけではなく鉢植えにしても見栄えがしますよ。
ガーデニングの初心者におすすめの山野草のひとつがこの「オダマキ」です。おすすめ、というのも咲く花は色鮮やかで庭を彩ってくれますし、寒さに強くもともと自生していた植物なので丈夫だから。山野草用の培養土を買うと、さらにかんたんに育てられそうですよ。
スミレは北海道から沖縄の離島まで広く分布し、自生している山野草のひとつ。もはや説明もいらないほど日本ではなじみのあるはなですね。ぜひ野原から家庭へ場所を移して、美しい花を愛でてはいかがでしょうか。
サギソウは日本各地の湿地に生える蘭の一種。名前の由来を聞かなくてもわかるほど、花の咲く姿は鳥の鷺に似ていますね。球根性で、冬には茎も花も枯れ、球根のみで寒い季節を乗り切る植物です。
山野草、とひと言でいってもその種類は多種多様。季節ごとに区切っても数えきれないほどの草花があります。いくつか紹介しましたが、山野草の中には園芸用に品種改良されたものや、原種のままでも家庭で育てられる種があります。
山などに行って楽しむもよし。家庭で植えて楽しむもよし。それぞれで山野草を楽しんでくださいね。
GreenSnap編集部