
アケビは、一般的に果実として知られていますが、アケビはアケビ属に属している植物の総称のことです。
日本では森の中など自生しています。
見た目からは果実の味を想像しにくい植物ですが、今回は、そのアケビの育て方について紹介します。
基礎情報
日当たり
アケビは、基本的に日当たりを好む植物です。そのため、育てる際は、日当たりのある場所に置くのがベストです。
かといって日当たりがないとダメということではなく、半日陰程度であれば、日当たりが良くなくても育てることは可能です。
置き場所
基本的にたいていの植物にも言えることではありますが、アケビの置き場所も日当たりがよく風通しの良い場所に置くのが良いです。
ただし、先程、アケビは日光を好むと述べましたが、夏の時期に直射日光の当たる場所に置いておくと葉焼けする恐れがあります。
そのため、特に夏の時期は、西日の当たらない場所に置くようにしましょう。
アケビは暑さや寒さにも強い傾向にありますが、特に新芽の時期は、霜には弱いので、冬場は保護してあげるようにしてください。
水やり
夏
水やりに関しては、土の表面が乾いたら、鉢底の穴から水が流れ出るほどたっぷり与えるようにしてください。
特に夏の時期は、気温が高く、日差しも強いので、水の乾燥がはやくなるため乾燥しないように注意して水やりするようにしましょう。
そのため、1日に1度の水やりではなく、乾燥の様子次第で1日に2、3回ほどあげるようにしてください。
ただし、庭植えの場合は、基本的に降雨だけで大丈夫なので、水やりは必要ありません。
冬
冬の時期は、アケビの休眠期であるので、基本的に水やりは控えるようにしてください。
目安としては、1日に1回ではなく、2、3日に一度の水やりくらいのペースが良いです。
肥料・追肥
アケビは、肥料を好むので、時期によって肥料を使い分けながら肥料与えていくようにしましょう。
基本的に10〜12月に有機質肥料、2月に寒肥として化成肥料を、また、成長期である4〜5月の時期に「マイガーデン植物全般用」肥料を与えるようにしてください。
もし、毎回肥料を変えるのが面倒であれば、有機質肥料あるいは化成肥料のどちらかを使うようにしてください。
また化成肥料は速効性のあるものを選ぶようにしましょう。
用土
用土は、基本的に水もちの良いものであれば、選ぶ必要はありません。
もし市販で売られている用土を用いるのであれば、赤玉土の小粒が7〜8、腐葉土が3〜2の割合で配合している配合土を選ぶようにしてください。
基本的には、土質を選ぶ必要は述べましたが、土質によって成長に影響を与えるので、実付きにも影響が出ます。
植え替え・植え付け・種蒔
植え替えは、アケビの成長に合わせて、必要であれば、するようにしてください。
基本的に若木であれば、1年に1度のペースで毎年するようにしてください。
老樹の場合は、成長も緩やかなので2、3年に1度のペースでも問題はありません。
植え替えの時期ですが、アケビの休眠期となる11月〜2月にかけての間に行うのが良いです。
特に休眠期は水分をあまり必要としなくなるので、ちょっとした乾燥でも安全に植え替えをすることができます。
植え付けは、5月〜6月の時期に行うのが適しています。
増やし方
増やし方は、接木かあるいは挿し木でするのが一般的です。
栽培で慣れていない場合は、接木は難易度が高いので、挿し木を選択するのがおすすめです。
接木をする場合は、休眠期である2月上旬〜3月上旬にかけてするのが良いです。
一方で、挿し木は、開花期を終えた6月頃に行うのが適しています。
病気・害虫
アケビがかかりやすい病気はうどんこ病や黒点病、すす病などがあります。
特にうどんこ病は被害が大きく、果実にも影響を与えるので発病した場合はすぐに防除するように注意しておく必要があります。
特に湿度が低いや風通しがわるい場合に起こりやすいので管理にも十分注意が必要です。
害虫にはアブラムシやイモムシなどがいます。
イモムシは放置しておくと葉を食い荒らしてしまうので、見つけたらすぐに取り除くようにしましょう。
アブラムシも同様に見つけたらすぐに除去しましょう。
アブラムシは植物の汁を吸うので、そこにいるだけでは被害がないように感じるかもしれませんが、しっかり除去しておかないと果実などの成長にも影響を与えてしまいます。
アブラムシやうどんこ病には殺虫殺菌剤などのスプレーを散布という対策で防ぐこともできます。
管理温度
アケビは、前述したように、暑さにも寒さにも強い植物です。
そのため、夏の直射日光や冬の霜の当たる場所にさえ管理しておかなければ、基本的に気温に関係なく、容易に育てることができます。ただしどこでも育つと言う訳ではありません。
新芽の時期に霜などに当たると枯れてしまうこともあります。新芽の間は、気温によっては室内に避難させてあげましょう。
種類・品種
アケビの品種には、三つ葉系という品種があります。
なかでも代表的な品種には「紫宝」や「蔵王紫峰」、「紫幸」、「ジャンボアケビ」、「ムベ」などがあります。
また三つ葉系以外にも五つ葉系というものも存在します。
この2つの品種の違いは、品種分けの仕方からもわかるように葉の枚数によって変わります。
この違いによって実の付き方や成長速度に違いが出てきます。
また、果実の味や枝の付き方なども変わってくるので、三つ葉と五つ葉を同時に育てると違いを見ながら育てることができるので、良いかもしれません。
花の形態(どんな花を咲かせるのか)
アケビは、休眠期から覚めた3月〜5月頃にかけて花を咲かせます。
アケビはつる性ということもあり、花の咲く時期になるとアケビのあちらこちらに花を咲かせるようになります。
花の色は白や薄い紫色といった色が一般的です。
通常の植物は雄花と雌花をが一緒に咲きますが、アケビは雄花と雌花が別々に咲きます。
果実は、受粉することによって実るものですので、アケビの場合、どちらか一方の花しかない場合は果実が実らないので注意が必要です。
トリビア
花言葉
アケビの花言葉には、「才能」や「唯一の恋」などがあります。
アケビは果実から種、茎など色んな部分が食用や生薬、また生活用品などにも活用をすることができます。
「才能」という花言葉は、そんな多様性から由来しています。
一方で、「唯一の恋」は、アケビの特徴として、雄花と雌花が別々に咲くことから由来しています。
由来伝承
アケビの由来には、2つの説があります。
まずはアケビの果実は売れると実が割れる様子から口を開けた様子を連想させ「開け実」とつき、それが時代とともに変化し、アケビとなった説です。
そして、もう1つは、先程も述べた割れた果実のその口を開けている様子が、あくびをしている様子に見えることから「アケビ」となっていた説があります。
また、アケビの別名である「通草」は、アケビのツルのなかが空洞になっているその様子ことから由来しているとも言われています。
まとめ
今回は、アケビの育て方について紹介しました。
本文でも紹介したようにアケビは果実から茎まで色んなものに応用することができます。
単に観葉植物として育てるだけでなく、食用や薬用、生活用品などのたくさんの目的を持って栽培するのもおすすめです。
特に観葉植物を育てるのに目的がほしい方には、適している植物と言えるかもしれません。
また自分で育てたアケビの果実で料理をするのは、市販で売られているアケビで料理するのとはまた違った観点で、美味しさや喜びを感じることができるでしょう。

takenaka
お花と植物を愛するライター。 お花と植物と共に暮らすグリーンライフに憧れて、去年お庭付きの一軒家に引っ越しました。まだまだ理想のお庭にはほど遠いけど、週末の楽しみは少しづつお庭の手入れをすることです♪