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シュンギクといえば、独特の香りとほのかな苦味が美味しい、冬の鍋料理の定番野菜ですね。栄養価の高さに加え、栽培期間も短く、育てやすいので初心者にもおすすめの野菜です。
今回は冬が旬の葉物野菜、シュンギクの育て方についてご紹介します。
シュンギクは秋冬が旬の野菜ですが、栽培シーズンは春まき・秋まきと年に2回あります。育て方のポイントは、直射日光を避けた日当たりと風通しのいい場所で栽培することです。
生育適温は15〜20℃ほどで冷涼な気候を好み、春まきは病害虫が発生しやすくなるので、初心者は春まきでの栽培がおすすめです。
シュンギクを育てる前に、種まきをする品種がどのような系統なのかを調べておきましょう。
シュンギクには株姿が異なる「株立ち型」品種と「株張り型」品種の2系統があります。それぞれ間引きと収穫方法が異なるので、注意してください。
株立ち型のシュンギクは、一本の太い茎が伸び、そこから分岐してわき芽が伸びていく株姿をしています。
収穫方法ははわき芽を剪定も兼ねて切り落とすように行う、摘み取り収穫です。一回の収穫量は少ないですが、長期間収穫ができるので、栽培適温が続く秋まき栽培に向いた品種です。
株張り型のシュンギクは、地面から複数の茎が伸び上がる株姿をしています。
収穫方法は根っこからそのまま引き抜く、抜き取り収穫です。全て抜いてしまうので継続して収穫はできませんが、1回の収穫量は多いです。シュンギクはそもそも暑さでトウ立ちしやすいので、株張り型は春まき栽培をして一気に収穫するのが向いています。
シュンギクは酸性土壌に弱いので、種まきの前にしっかりpH調整をしてあげましょう。適正pHは6.0〜6.5ほどの、中性に近い弱酸性を好みます。
シュンギクをプランターで栽培する場合、深さが15cm以上あるものを選ぶといいでしょう。標準サイズの600〜650サイズのプランターで十分に育てられます。
用土の配合は赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1+化成肥料20〜30/ℓを混ぜ合わせましょう。1週間後、pH調整のため用土1ℓあたり苦土石灰を2gほど混ぜ、さらに1週間時間を置いてなじませてから使いましょう。
地植え・畑でシュンギクを栽培する場合、種まきの2週間前から準備しましょう。畑の土1㎡に対し、苦土石灰100〜200gをまいてよく耕しましょう。1週間時間をおいたら、1㎡あたり堆肥を2kg、化成肥料を100g、畑全体にまいてよく耕し、さらに1週間時間をなじませてから使います。
シュンギクの種まきの適期は、3月中旬〜4月中旬の春まきと、9月上旬〜10月中旬の秋まきの2回です。ただし、シュンギクは冷涼な環境を好み、30℃以上になると生育が鈍るので、初心者は秋まきをおすすめします。
プランターでシュンギクを栽培するときは、プランターに用土を入れたら、指などで深さ1cm弱の溝をつくり、そこへ1cm間隔でタネを筋まきしていきます。二条とるときは間隔を15cmほど開けてください。土を軽く寄せ埋めたら、たっぷりと水をあげてください。
地植え・畑でシュンギクを栽培するとき、まず畝を高さ15cm、横幅75cmでつくっておきましょう。板などを使って深さ1cmほどの溝をつけますが、条間は15cm開けるようにしてください。タネを重ならないように筋まきしたら、土を寄せ埋めてたっぷりと水をあげましょう。
シュンギクの種まきをした後は、発芽までは水を切らさないように管理しましょう。この時期に水が切れると、のちの生育に影響が出ます。発芽地温は約20℃です。だいたい1週間ほどで発芽します。
発芽以降は、プランターと地植え・畑栽培で水やり方法が異なります。
プランターでシュンギクを栽培する場合、水やりは表面の土が乾いたらたっぷりとあげるようにしましょう。乾燥に弱いので、水切れには注意してください。出来るだけ朝の時間帯に水をあげるといいでしょう。
地植え・畑でシュンギクを栽培する場合、水やりは長期間雨が降らないときに限り、土が乾いていることを確認して、与えるようにしましょう。シュンギクは乾燥に弱いので3〜4日ほど雨が降らないなら、水やりしてあげましょう。
シュンギクの間引きは、株張り型なら収穫までに2回、株立ち型なら3回ほどおこないましょう。
間引きするときは残したい株の根を傷つけない(周りの土を極力動かさない)ようにしましょう。間引く株を人差し指と中指で挟んでゆっくり引き抜くのがおすすめの方法です。
間引きをした後は、株が倒れないように軽く土寄せしてください。
シュンギクの追肥は、株の様子を見ながら収穫までに2〜3回ほど行うといいでしょう。それぞれ間引きをした直後に施肥をするようにします。
1㎡あたり20〜30gほどの化成肥料を、列の間に均等にまいたら、表面の土をほぐしながらよく混ぜ、株が倒れないように土寄せします。
シュンギクの収穫時期は、種まきから30〜50日ほど経ったころです。草丈が15〜20cmほどになったころが収穫の目安となります。
株立ち型のシュンギクは、最初の収穫のときに下葉を3〜4枚残してハサミで摘み取りましょう。数週間後、残した3〜4枚の下葉から新しくわき芽が伸びてきて再び収穫できます。
2回目以降の収穫では、新しく生えたわき芽の葉を2〜3枚残して、それ以外の葉を摘み取りましょう。
株張り型のシュンギクは株ごと根元からハサミで刈り取るか、引き抜いて収穫します。引き抜いたシュンギクは、根をその場でカットしておくといいです。
シュンギクは比較的病害虫の被害は少ない野菜です。ただし、べと病、炭疽病は湿度が高くなりがちな時期に発生しやすいので、高畝にして水はけをよくしたり、薬剤散布で防除しましょう。
害虫は春はアブラムシ、秋はヨトウムシやネキリムシに注意してください。
シュンギクはとくに秋まきで、旬である秋冬に収穫するのがおすすめです。ちなみに春まきでは、とう立ちしてしばらくすると、黄色いかわいらしい花も楽しめます。プランターでも簡単に育てられるので、みなさんもぜひ栽培に挑戦してみてください。
七尾びび