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庭木に好まれる樹種のなかには、放っておくと高さ10m以上になるものも多いです。管理しやすい大きさで楽しむのためには、定期的に剪定してあげましょう。
今回は庭木の剪定で用意する道具や方法、剪定の時期などについてご紹介します。
庭木を剪定する目的はおもに以下の通りです。
庭木や花木は毎年のように枝葉を伸ばし、放っておくとどんどん茂り、枝同士が混みあってきます。そうすると、樹形が乱れたり枝葉が蒸れたりして、病気の原因になります。そうなる前に、不要な枝や病気などで枯れた枝葉を剪定によって取り除きましょう。
そうすると、内部の幹まで日が差し込みやすくなり、樹木全体が健全に育ちやすくなります。
次に剪定に必要な道具をご紹介しましょう。
上記を一式用意しておくと作業がしやすいかと思います。ハサミ類は片手で握る剪定バサミだけでなく、両手で持って刃を動かす刈り込みバサミがあると、枝をこんもりとした形に切り揃えることができます。
大型の樹木、茂り過ぎた枝葉を一気に刈り込むこともできるので、通常の園芸ハサミと一緒に揃えておくと便利です。
ノコギリは剪定ハサミや刈り込みバサミでも切断しにくい太い枝を切るときに使います。
太い枝の場合は無理にハサミで切り落とそうとすると枝を傷つけたり、切り口がゆがんだりするので見た目も良くありません。そこから病気にかかってしまうこともあるので、最初からノコギリで丁寧に切り口が整うように切断しましょう。
脚立は植えている木の大きさにもよりますが、ご家庭でご自身で上って作業される場合は大体4~6尺ぐらいまでが持ち運びしやすく、一人でも安全に上り下りできる高さです。
それ以上の高さが必要な場合は、万が一足を滑らせて落ちてしまうと大けがにつながります。ヘルメットを着用し、自分以外の誰かに脚立を支えてもらうなど十分な安全策が必要です。
3脚式のタイプのほうが前に重心をかけやすく、安定しやすいです。その他、少しでも斜面になっている場所や、石ころなど障害物のある場所では、脚立が安定して自立するように向きを変えたり、障害物をよけてから立てて使いましょう。
支えになる人に付き添ってもらったりまたほうきや熊手などは、剪定後の掃除に使います。剪定後は地面にたくさんの枝葉が落ちるので、それらを集めるために必要な道具です。
樹木の種類によって剪定時期は多少前後します。
基本的に木の成長が盛んな時期は通常であれば剪定は行いません。その理由としては、枝葉を切り落とすことで樹液が流れ出で木全体がダメージを受けてしまったり、誤ってその年に咲く花芽のついた枝を切り落としてしまうことがあるからです。そうなると、実るはずの果実がならないなど大きな影響が及ぶので避けましょう。
落葉樹には、軽い剪定なら行ってもよい夏やまだ気候が暖かい秋の時期があります。初夏または秋の剪定では、成長過程で一度切り戻しを行うことで通気性や日当たりを良くする効果があります。
また一度枝を短くすることで台風が発生しやすい時期に枝が折れてしまうのを防ぐ効果もあります。
枝葉を大きく刈り込むのがこの冬の剪定です。庭木が活動し始める春先に備えて不要な枝を切除したり、葉を大幅に減らすというような庭木が活動を開始する春に備えて、不要な枝を切除したり葉を大幅に減らすような大がかりな剪定を行うことが多いです。
庭木には主に、常緑樹、落葉樹、花木などがあり、それぞれ生育特徴が異なり、剪定の時期も少しずつ異なります。
常緑樹は耐寒性の低い樹木が多いため、剪定は暖かい時期におこなうのがおすすめです。
常緑樹は、一年中葉をつけていますが、成長に必要なだけ光合成をして都度養分をつくるので、養分を蓄えることが得意ではありません。そのため、晩秋や冬期に剪定し、光合成に必要な葉を多く失ってしまうと、自ら養分をつくりだすことができなくなり、木が弱ってしまうので、この時期の剪定は避けましょう。
常緑樹の剪定は3月下旬~4月下旬の新芽が出る前、5月下旬~6月頃の新葉が茂り落ち着いた頃が剪定に適しています。
なお、関東以南の比較的温暖な地域では、8月~10月に軽剪定を行う程度でしたらかまいません。冬を除いて3の倍数の月に剪定をすると覚えておくといいでしょう。
常緑樹の庭木として主なものは、下記の樹種です。
落葉樹を大きく刈り込む場合は、落葉後、木が休眠期に入る12月~2月頃の真冬がおすすめです。軽めの剪定ならば3月、6月、9月、10月でもかまいません
生垣などに使用されていることも多いので、形状をより美しく保ちたい場合は夏や秋に軽剪定をして整えることも可能です。
落葉樹の庭木の主なものとして、下記などがあります。
花木の剪定は、基本的に花が咲き終わったらすぐ剪定しましょう。
花が咲き終わってそのままの状態にしておくと、木は次の子孫を残すために結実しだして、必要以上に体力を使ってしまいます。
そうなると次に出てくる芽が弱かったり、花がつきにくい痩せた花木になってしまうので、花が咲き終わったら強く剪定して、あとは3月、6月、9月ごろに弱剪定をしましょう。
庭木に好まれる花木の主なものとして、下記などがあります。
庭木の剪定の際、”忌み枝(いみえだ)”といって、樹木の景観や良質な成長の妨げになり、樹木にとっては不要な枝を総称してこのように呼びます。
忌み枝を剪定しなければいけないことはわかっていても、どのような枝なのかわかりにくいかと思います。忌み枝にはさまざまな種類があります。正しく剪定するためにも、忌み枝の種類や特徴を把握しておきましょう。
「切り戻し」とは枝の長さが伸びたものを高さを抑えるために剪定することです。この剪定方法は、果実などが大きく育つ樹木に対して実を大きくしたり花をたくさん咲かせたい時などに用いる方法です。
まだ葉っぱが茂っている樹に対して、大きさや高さを揃えるために伸びすぎている部分を切り落とす剪定方法です。生えてきたばかり枝を切る場合は、芽の上の3㎜くらいの箇所をまっすぐではなく「斜め」に切るのがポイントです。
枝おろしとは、植え替え後に樹全体に栄養がうまくいきわたるようにするため、太い枝を付け根から切り落とすことです。その場合はノコギリを使うことも多いです。
枝がたくさん絡み合っている部分に対して、その後の生長に支障が出ないように、枯れ枝や、絡み合うような不要な剪定バサミで切り落とす方法です。枝抜きを行うことで、幹へ均等に日光が当たるようになり、樹木全体の健全な生長を促します。
刈り込み剪定とは、刈り込みバサミや電動バリカンを用いて、樹木の高さや幅などの形を整える目的で行う方法のことです。生垣やトピアリーなどに用いられます。
刈り込み剪定は樹の表面を面として揃えて切ることが基本になりますが、この時にただ刈り込むだけではブツ切りされた枝からその後勢いよく飛び出すことがあります。
剪定後、樹の表面から覗き込み、太い枝や強く伸びそうな枝は、枝の隙間から少し奥までハサミを入れ、小枝のある位置で切り戻ししておきましょう。
植物によっては、定期的に剪定をしたほうがいいものがあります。枝の種類を見極められるようになれば、どの剪定方法がいいのかを決められるようになります。
剪定直後の木は、人間が切り傷をおおうなどケガをした状態に近いので、切り口から雑菌が入りやすい状態になっています。そこで剪定後は一般的に切り口の処理として、「癒合剤(ゆごうざい)」と呼ばれる切り口をコーティングして保護する薬品を塗布します。
切り口をコーティングすることで、乾燥や雨風により切り口の表面の状態が悪化するのを防ぎます。
癒合剤を塗ったあとは、切り口の再生を促進させるために日光が良く当たる場所に置きます。
また癒合剤を塗ったあと、水やりをする場合は、受け皿に溜まった水をこまめに捨てる、気温が下がる夕方から夜の時間帯にやるなど、普段より水やりの量を控え、水をあげすぎないように心がけましょう。
今回は庭木の剪定に必要な道具のほか、剪定する枝の見極め方などをご紹介しましたが、慣れるまでは難しく感じることも多いと思います。
ご自身で判断が難しい場合は無理して作業を進めて大事な樹を傷めてしまうことにもなるので、その場合は最初から業者に頼むのが賢明です。
GreenSnap編集部