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コシアブラは、落葉高木のウコギ科に属していて、タラノキを新芽の状態で刈り取った「タラの芽」と並ぶ山菜のひとつです。コシアブラも同様に新芽が食用とされていますが、まだまだメジャーではありません。そんなコシアブラの育て方を紹介します。
タラノキの芽であるタラの芽と同じように、コシアブラの芽は食用として活用されています。タラの芽は「山菜の王様」といわれていますが、コシアブラは「山菜の女王」といわれています。
芽が出て、葉があまりに育ちすぎると食べられませんが、育ちきっていない葉がまだうぶ毛を持ち、つぼみのようになっているコシアブラは筆葉といわれ、もっとも食べごろで、最上級品とされています。
コシアブラの芽には、頂芽、脇芽、胴芽などがあります。
この頂芽がもっとも味わいに優れ、脇芽は少し味が薄くなっています。胴芽には味がしないそうです。この芽をすべて摘み取ってしまうと、木は枯れてしまいますので、山菜採りのさいには、芽を一つだけ摘むのがルールです。
コシアブラの芽は、タラの芽のようにトゲもなく、タラの芽よりもはるかに香り高く、その香りは独特です。
コシアブラ苗の植え付け時期は、11月頃〜翌2月頃が適期です。コシアブラは自然のものだと、最終的に大きいもので20mにもなりますが、育苗しはじめてから2〜3年間はあまり大きくなりません。また、種まきの場合は、発芽まで1年以上は必要とします。
コシアブラは日当たりのいい場所を好みますが、若木のときは半日陰で育てましょう。大きくなったあとは、日差しに強くなるのであまり気にしなくて大丈夫です。
若木の間は鉢植えで育てることができますが、成長すると10m以上になるので、ある程度大きくなったら地植えに切り替えてください。
沖縄を除く日本に分布しており、野山に自生している木です。暑さ寒さにも強いので、管理温度には敏感にならずとも十分に育ちます。
コシアブラは乾燥を好まないので、植え付けから根付くまでの2〜3ヶ月間は毎日水やりをしてください。大きくなったら土が乾いたら水やりをし、冬の間も凍結しないよう水やりをするとよいです。
コシアブラは、日本各地に自生しているので、基本的には植え付けただけで生長していきます。肥料をやる場合は、12月頃に酒粕や、骨粉などの有機肥料を与えて下さい。
コシアブラの種まきをするときは、鹿沼土と軽石を混ぜ合わせた、水はけと通気性のよい土が適しています。苗から育てる場合も、種から蒔く場合と同様、水はけと通気性の良い土を好みます。
ヨトウガの幼虫であるヨトウムシが、コシアブラの葉っぱを食べていることがあります。割り箸などで、幼虫を払って下さい。
鉢植えから根が飛び出るほど成長したコシアブラは、地植えに植え替えることも可能です。
地植えにする場合は、水やりをしばらくやめて土を乾燥させたあと、根鉢よりひと回り大きい穴を掘り、掘った土に腐葉土を混ぜてから植え付けます。
腐葉土を混ぜ余った土は穴の円周を縁取るように、土手をつくってください。植えつけたら支柱を立てて、麻ひもなどで倒れないようにくくりつけてください。
最後にたっぷり水やりして完了です。
鉢植えだと限界があるため、剪定をして盆栽のように成長を抑制するか、幹を狩りとって、分根によって種を保存しておきましょう。
コシアブラの増やし方には、「分根」や「挿し木」という方法があります。
分根の方法は、根が傷つかないように丁寧に扱い土を掘ります。そして、根の上部・中部が1cm以上の太いものを使い、またこの根が乾燥している場合は冷蔵庫のなかで水道水に一晩つけます。
新しい鉢に、鹿沼土と軽石を混ぜた土を入れて、根を横たえて入れます。すると、その根からまた新たなコシアブラが育ち始めます。この根からもまた根が生え始めて、その根も同じ手順でコシアブラを増やすことができます。
また、挿し木によって増やすことも可能ではありますが、あまり発芽率が高くありません。
挿し木とはそのまま、枝を切り取って、別の鉢に植え替えることです。分根の際に上の枝も切ってしまうので、もっとコシアブラを効率的に増やしたい方は、この挿し木も並行して行って下さい。
コシアブラの収穫時期は、芽吹きの始まる春頃です。春を迎える前に剪定しておくと、茎を作ろうとたくさんの脇芽が出てきます。
そして、芽が出て、葉がうぶ毛も持った状態の、葉を開かせる前の状態で、摘み取って下さい。
コシアブラは生長速度がとても早く全長10m以上にもなる樹木です。そのため十分な広さがないと近隣への迷惑となってしまう場合があります。
また、山の中で育つ植物のため一般的な家庭菜園に向いていないことも理由として考えられます。
コシアブラの育てる場所をしっかりと考えた上で、十分なスペースが確保できるのであれば安心して育てることができるでしょう。
コシアブラはタラの芽よりもはるかに香りが高く、天ぷらにしても香りが飛ぶことはありません。
しかし、タラの芽のように低木ではなく、成長すると20メートルにもなってしまう巨木ですから、コシアブラの芽は採取が難しく、園芸に用いる種としては中級者向けとなります。
しかし、おうちに庭があるのでしたら育てて植え替えれば、もしくは庭がなくとも、分根して増やしていけば、毎年山菜の女王である希少な高級食材であるコシアブラを、毎年自分で採取できますよ。
スペースさえ確保できれば、栽培自体は難しくないので、是非皆さんも育ててみて下さい。
GreenSnap編集部