warning
error
success
information
チューリップといえば、秋に球根を植えて春に咲く花として、小さな子供からお年寄りまで、知らない人はいないほどポピュラーな花ですよね。
鉢植えにしたり花壇に地植えして育てられますが、正しい球根の植え方や植える時期を守らないと失敗してしまうこともあります。
そこで今回は、春にキレイな花を咲かせるための正しいチューリップの育て方について、わかりやすくご紹介します。
チューリップは秋植え春咲き球根植物です。球根は掘り上げて植えることで、毎年開花を楽しむことができますよ。
ただしチューリップと一口にいっても、その種類は今や6500種を超えるとも言われています。花色や柄、花びらの形はさまざまなのですが、育てる前に知っておきたい品種選びのコツと球根選びのコツをまとめました。
チューリップは品種によって草丈がまったく異なります。矮性種だと草丈20cm、一般種だと30〜40cm、高性種だと50〜60cmほどです。
花壇や寄せ植えで育てるときは草丈を考慮して品種選びをすることも大切。とくに冬春に人気のパンジーやアリッサムは草丈が低いので、草丈が高いチューリップを無造作に植えると隠れてしまうこともあります。他の花との組み合わせも考えながら品種を選びましょう。
じつはチューリップは春に咲くイメージがあるかもしれませんが、種類によっては12月から咲くものもあります。これは寒さに一定期間当たることで開花するチューリップの習性を利用して、人工的に冷蔵処理したアイスチューリップというものです。
そのほかにも品種によっては開花時期が下記のようになっているので、咲かせたい時期によって品種を選ぶようするといいですよ。
開花時期が違うチューリップを複数植えれば、リレー栽培といって数ヶ月にわたってチューリップの開花を楽しめますよ。最近ではリレーチューリップなどの商品名で球根がセット販売されていることもありるので、それを買ってみるのもおすすめです。
チューリップが立派に美しい花を咲かせるかどうかは、球根選びにかかっています。最初の球根選びの良し悪しによってそのあとのチューリップの生育に大きな違いが出てくるので、植える品種が決まったら、下記を参考に健康な球根を入手しましょう。
鉢植えやプランターでチューリップを育てる場合は、どのサイズの容器に対して球根をいくつ植えるかによって、花が咲いたときの見た目がかなり変わります。
本来は球根を植えるときに球根同士の距離を離したほうが、翌年の開花に向けてエネルギーを蓄えやすくなるのですが、1回限りの開花と割り切るなら密植したほうが美しく見えますよ。
4号鉢 | 5号鉢 | 8号鉢 | 650cm | |
密植する | 5〜6球 | 7〜8球 | 20球 | 20〜25球 |
密植しない | 1球 | 3球 | 8〜10球 | 10球 |
チューリップの球根の植える時期は10月下旬から11月頃です。ただし地域によってはこの時期になっても寒過ぎたり暑過ぎたりすることもあるでしょう。そういうときはちょうどまわりの木々が紅葉する時期を目安に植えるといいですよ。
とはいえ、この時期を逃してしまっても霜が降りていなければ、12月頃までは植えることができます。逆に、まだ20度以上ある暖かい時期に植えると、根っこが育たないうえに病気になりやすくなってしまうので注意しましょう。
チューリップは直射日光を避けた日当たりのいい場所で育てましょう。
チューリップは寒さに一定期間当てたあとに暖かさを感じさせることで花が咲くようになるので、冬の間は戸外に置き、むしろしっかりと寒さに当てることが大切です。
とはいえ適度なのは4〜9度ほどの低温です。霜がつくと弱るので霜の降りる地域ではビニールで覆うなどの霜対策をしておきましょう。
ちなみに鉢植えであれば移動して管理することで早めに咲かせたり、長く咲かせることができます。植え付けから1〜2ヶ月は寒さにあて、そのあと室内の日当たりのよい窓辺に置いておくと、早めに花を咲かせられますよ。また、花が咲いた後は半日陰に移すと花持ちがよくなります。
鉢植えやプランターにチューリップを植える場合は、市販の草花用培養土がおすすめです。最近ではチューリップ専用の培養土も市販で出回っているので、そちらを使うのもいいでしょう。
培養土とは栽培に適するように数種類の土を配合したもののことで、これさえあればかなり手軽に植えられます。初心者の方はまずは培養土で育てるといいですよ。
もし自分で配合する場合は、赤玉土6:腐葉土2:川砂2ほどの割合で混ぜ、そこへ用土1ℓあたり苦土石灰5gを混ぜ、その1間後に緩効性肥料を規定量混ぜてから使いましょう。
花壇に地植えするときは、球根を植える2週間以上前から土づくりを始めましょう。チューリップは弱アルカリ性の土壌酸度を好む植物ですが、日本の土壌の多くは酸性雨によって若干酸性に傾いています。
そのため、花壇の土1㎡(深さ20cm)に対して苦土石灰200gをよく混ぜて、1週間寝かせておきます。そのあとは1㎡あたり腐葉土を5kg、緩効性肥料を規定量混ぜて、さらに1週間寝かせてから植え付けに使いましょう。
チューリップの球根は玉ねぎのような形をしていて、尖った部分から新芽が伸び、丸いおしり部分から根っこが出ます。
もし、根っこが出てくる丸いおしりの部分に茶色い薄皮がついたままになっているようなら、根っこが出るときに邪魔になるので傷をつけないように注意しながら剥いてあげましょう。
また、中には皮が剥けにくい球根もありますが、そういったときは無理に剥がさずにそのまま植えても大丈夫です。発根の邪魔にならない場所についている薄皮も剥かずに植えて問題ありません。
チューリップの球根を植えるときは尖った方が上になるように植えます。
また球根は真上から見ると栗のように平らになっている面と、膨らんでいる面があるのがわかりますよね。チューリップの葉が出る方向は決まっていて、だいたい平らの面から葉が伸びていくので、面の向きをそろえて植えると、葉の向きがきれいにそろってより美しく見えますよ。
球根同士の間隔は、下記を参考にしてください。
工程3の球根同士の間隔については、球根1個分ほどに密植させた方が見栄えもよくて美しく華やかになりますが、翌年また開花する確率は低くなります。
密植しない(翌年も花を楽しみたい)場合は、最低でも球根2個分、余裕をもって3個分の間隔をあけて植えると、球根がしっかりと太って翌年も花が咲きやすくなりますよ。
また開花までどこに植えたかわかりやすくするためにも、ネームプレートを挿しておくのもおすすめです。
チューリップは、朝のうちに鉢土が乾いていることを確認して、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。水やりをするときは、一気に流れ出てしまうような与え方をするのではなく、水を十分吸収できるように、ゆっくりと与えます。
土が乾かないうちに水やりをしすぎると、球根が腐ってしまうので注意してください。その一方で冬場に一度でも乾燥させすぎると花が咲かなくなる可能性があるので、鉢土の具合を見ながら適度に水やりすることが大切です。
とくにチューリップの球根を植え付けてから2週間程度の、根っこが出るまでの間は鉢土が乾き切る前、表土が乾いてから水やりする程度で構いません。
庭にチューリップを地植えした場合は、球根を植え付けるときにたっぷりと水を与えますが、その後はとくに水やりの必要はなく、自然の雨の恵みに任せておけば大丈夫です。
ただし、15日以上雨が降らずに土が乾燥するようなら水やりをしてあげてください。
チューリップは、肥料を与えなくても花を咲かせられますが、球根を植え付ける際に、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。
市販の培養土なら元から肥料が配合されているので追加で入れる必要はありませんが、自分で配合する場合や地植えする場合は必要になるのでこの記事の土づくりの項目をチェックしてみてください。
チューリップへの追肥として使うのは、液肥がおすすめです。芽が出てから花が咲くまでの間に、液肥を10日に1回、水やりの代わりに与えると効果的です。
チューリップは、芽が伸びはじめたころからアブラムシが付きやすくなるので注意が必要です。アブラムシは、モザイク病を引き起こす原因にもなりますので、殺菌殺虫剤をまいて未然に防ぎましょう。
もしアブラムシが付いてしまった場合は、増える前にすぐに駆除します。殺虫剤で駆除するほか、テープで貼り付けて取る方法などもありますので試してみてください。
とくに雨が多いと発生しやすい病気が「褐色斑点病」です。灰色かび病ともいいます。褐色斑点病は、葉や茎に小さなくぼんだ斑点ができて拡大していきます。花びらにも小さな丸い斑点ができ、そのうちそれが大きくなってカスリのようになります。
このほかにもチューリップがかかりやすい病気はいくつかありますが、病気になった株は治りません。他の株にも影響を与えてしまうため、残念ですが球根ごと取り除いて処分してください。
また、球根を植える前に水に溶かしたベンレートなどに浸けて消毒をしておくと、病気を予防する効果が期待できます。また、芽が出てからは定期的に葉っぱに消毒剤を散布することで、病気を予防できます。
またチューリップは他の花と一緒に植えることで、鉢植え・プランターでよりキレイに咲かせることができます。
一般的なチューリップは他の花と比べて草丈が高いので、チューリップの球根を中心に植えて、その周りを囲うように草丈の低い草花を周りに植えてあげるといいです。
これをガーデニング用語でダブルデッカー、トリプルデッカーというのですが、草丈が2段階、3段階あるものを組み合わせると美しい寄せ植えができますよ。
相性のいい花や寄せ植えのコツはこちらの記事を参考にしてください。
チューリップを鉢植えで育てるときは、とくに球根の向き次第で見え方が変わるので、好みに合わせて植えるといいですよ。
球根の向きを放射状に並べると、鉢から葉がこぼれるようにボリューミーで豪華な咲きっぷりが楽しめます。
球根の向きを一方向にそろえて並べると、葉の流れもそろって整列したような美しくスタイリッシュな花姿が楽しめます。
チューリップの花が終わりそうになったら、葉っぱと茎を残して、早めに花がらを摘み取ってしまいましょう。摘み取るときのポイントは、次の3点です。
花が終わっても花がらを取らないでいるとどうなるかというと、種ができますので、余分な栄養を種に取られてしまい、球根に栄養分が行き渡らなくなってしまいます。
また、なぜハサミを使わないのかというと、病気を持っている株があった場合に、ハサミを使ってカットすることでウィルス病が伝染するリスクがあるからです。
花が終わったあとも、葉っぱと茎は光合成し、球根に栄養を蓄え続けていますので、葉っぱが黄色く枯れるまでは引き続き水やりを続けましょう。
また、チューリップの花がまだ元気なうちに早めに摘み取って、切り花として花瓶に生けて楽しむのもおすすめです。
チューリップの球根は、葉っぱが黄色く枯れたら掘り上げて保管したほうが、翌年の花も咲きやすくなります。
とはいえ、地植えであればそのまま植えっぱなしでも花が咲く可能性があります。また生命力の強い原種チューリップはむしろ植えっぱなしにしたほうがいいので、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
チューリップといえば、春の花壇に咲いている花の定番で、誰もが知っているポピュラーな花ですよね。チューリップは、最初の球根選びさえ間違わなければ、比較的簡単に育てられるので、初心者の方にも向いています。
チューリップを失敗なく美しく咲かせるのに確実な方法は、信頼できる種苗メーカーで、大きくてきれいな球根を買って植えることです。春には、立派な美しいチューリップの花をお楽しみくださいね。
TowA
気まぐれ(=^ェ^=)
ネガティヴママさん
ゆうゆう
ひままりん
GreenSnap編集部