warning
error
success
information
青空のようなブルーの花を咲かせるネモフィラは、ひたち海浜公園をはじめとした名所がたくさんある人ことでも知られていますよね。栽培期間は長いですが、育て方も簡単なので初心者にもおすすめの、春のガーデニングにぴったりな花です。
今回はそんな人気のネモフィラの育て方について詳しくご紹介します。
ネモフィラとは、別名「瑠璃唐草(ルリカラクサ)」という、4〜5月頃の春に開花する一年草の草花です。
秋まき一年草ではありますが、地植えにすればこぼれ種からよく育つので、毎年気づけば咲いている宿根草のような存在でもあります。
草丈は10〜20cmほどと低めで、よく枝分かれしてこんもりと茂ります。プランターや鉢に植えるとあふれるように咲いてとても美しいですよ。
また、ほふく性もあるので地植えすれば横に這うように広がっていき、見事な花畑やグランドカバーとして楽しめます。
ネモフィラの名所として有名な「国営ひたち海浜公園」では、空と溶け込むように丘一面にネモフィラが咲かせてあり、その周囲には大きな樹木はありませんよね。このことからもわかる通り、ネモフィラは基本的に日当たりの良い場所を好みます。
ネモフィラを花壇のグランドカバーとして育てたい方も、なるべく周囲に樹木があまりない環境で育ててみるといいかもしれません。とはいえ、少々の日陰でも育ってはくれます。
ネモフィラはもともと北アメリカ原産の一年草なため、比較的耐寒性は高く、霜や凍結さえなければ屋外でも育てることは可能です。花壇などの屋外で育て、室内には取り込まないでおきましょう。
ネモフィラの種まき時期は9〜10月頃が適期です。地植えで過去にネモフィラを育てていた場所には、種が落ちている場合が多く、こぼれ種で育ちやすいので勝手に生えてくることもあります。
ネモフィラは直根性といって、根が地中深くにまっすぐ伸びる性質をもっています。そのため植え替えをすると根が傷つきやすく弱ってしまう可能性があるので、花壇や庭、プランターなどに直播きして育てます。
ネモフィラの種は嫌光性のため、発芽までは日光を当てないようにして、乾燥させずに育てます。
プランターや鉢植えなら日陰に移動し、地植えならネットを張るかやダンボールをかぶせるなどして遮光してください。
1〜2週間ほどして発芽したら、徐々に日当たりのいい場所へ移動させましょう。
また、地植え栽培でばら蒔きした場合は、本場4〜5枚ほどになったら株間隔15cmほどになるように間引きしてください。
ネモフィラは水はけのよい、乾燥気味の土であれば、とくに問題ありません。そのため、市販の草花向けの培養土でも育成は可能です。ただし肥料分の多いものは、使わないほうが美しく生長させられるでしょう。
なお自力で配合してみたいのならば、鉢植えの時は赤玉土小粒6・腐葉土4の割合の配合土にしてください。
ネモフィラの苗の植え付けに最適な時期は、冬が来る前の秋10〜11月頃です。この時期に植え付けをするとしっかりと根を張ることができて株が大きくなるため、春に花がたくさん咲くようになります。
ネモフィラは直根性であり移植を嫌うので、基本的には種まきから同じ場所で育てるのが望ましいですが、苗から育てる場合は地植えなら15〜20cm間隔、鉢植えプランターなら10〜15cm間隔で植え付けていきましょう。根を傷つけないように根鉢は崩さず植えます。
また、苗の深植えも避けましょう。苗が不安定になるさいは、株元にバークチップや小砂利を置くことで固定してしまいましょう。
なお、ネモフィラは花後に種をつけて夏頃に枯れてしまうので、植え替えは不要です。
ネモフィラは季節ごとに水やり方法を変える必要はありませんが、水のやりすぎには注意しなければなりません。また、ネモフィラは秋まきの一年草のため、夏には枯れてしまうので夏の水やりは必要ありません。
プランターや鉢植えでネモフィラを育てるときは、土の表面が白く乾いてきたら、水を与える程度にしておきましょう。基本的に乾燥気味にしておくのがベストです。冬は鉢の土の表面が乾いたら、都度水を与える程度で問題ありません。
花壇や庭に地植えしているネモフィラの水やりは、種まきから発芽して安定するまで、もしくは植え付けから安定するまでは水やりをしますが、根を張ったら基本的に水やりせずに育ててください。
ネモフィラは、水や肥料が多すぎると茎葉が異常に茂り、背丈が高くなり草姿が大幅に乱れるなど、軟弱に育ってしまいます。そのため、肥料を与える場合には少量ずつということを心がける必要があります。
鉢植えやプランターでネモフィラを育てる場合には、緩効性化成肥料を置き肥として、葉の色がよくなくなった際には液体肥料を足す程度で問題ありません。
一方、地植えの場合には、肥料は元肥も控えめに与えておいたうえで、植え付けましょう。その後は葉色が悪くなったときにだけ、即効性化成肥料を足すぐらいで大丈夫です。頻度としては年2回ほど。もしくは春・秋に月1~2回液体肥料を与えるのもよいでしょう。
ネモフィラが育つのに適した温度は5℃〜20℃です。比較的冷涼な気候を好む耐寒性一年草なので、特別な防寒なども必要ありません。暖地ならばむしろ露地植えでも、十分に冬越しが可能です。
ただし寒冷地でマイナス5℃以下になる場合がありならば、霜には弱くないですが霜柱に弱いため、霜よけをはじめとした防寒が必要になります。軒下で育てるか、もしくは霜が降りなくなる春に植えてしまいましょう。
ネモフィラを育てる際に注意すべき病気は、ウドンコ病、灰被病でしょう。
ウドンコ病というのは、葉や茎の表面が白い粉にみえるカビで覆われる病気です。発見したら早い段階で、殺菌剤をまいて病気の広がりを抑制しましょう。一方の灰色カビ病は、多湿状態で起こりやすい病気になっています。菌による病気であり、茎や葉が溶けるようにして腐っていきます。
その都度、茎、葉が混み合っていれば間引き、傷んだ花をこまめに取り除くことが対策となるでしょう。
ネモフィラを増やす方法は、「種まき」が基本です。詳しい種まきの方法については前述の通りです。
ネモフィラは春に花が咲き、花が枯れる5月〜6月頃に種を取り出し、それらを秋まで乾燥し貯蔵しておきます。そして9月〜11月の間に秋まきしましょう。ネモフィラの種は2mmくらいで、発芽適温は20℃ほどですので、ポットなどにいれて温かい場所で発芽させてください。
なお、種まきをせずとも、前年のこぼれ種で発芽することもよくあるようです。
ネモフィラにはさまざまな種類がありますが、中でも人気なのは「ネモフィラ・メンジーシー」でしょう。花の中心が雲のように白く、まるで青い空のような花を咲かせるのが特徴です。
ネモフィラの花色は、ほかにも紫や白いものもあります。そのほかにも、5つの花びらの先に点々とした濃紺の斑点の入った「ファイブ・スポット」や、花弁が黒紫色でレースのような白い縁取りのついた「ネモフィラ・ペニー・ブラック」、白の斑点模様の入った「ネモフィラ・スノーストーム」などが挙げられます。
長日で開花するネモフィラは、多肉質の繊細な茎の先に愛らしい花を咲かせます。種類によって色が異なり、青と白、紫と白、真っ白といったカラーの花を、株を覆うほどに数多く咲かせます。花の中心部には、黒い点が5つ見て取れるでしょう。
なお、ネモフィラは葉もさまざまな色をしており、タマゴ型や楕円形の羽状の複葉で、切り込みが入っているものもあります。
ネモフィラの花言葉には、「可憐」「どこでも成功」「あなたを許す」といった意味があります。
ほかにも「初恋」「愛国心」「荘厳」「すがすがしい心」などの花言葉の意味も持っています。いずれにせよ、お祝いの花としても非常に素晴らしいものなので、愛らしい姿を愛でつつ育ててみてください。
luckyandlien
geranium
このように「一年前育てていたネモフィラがいつの間にか咲いてた。」や「枯れたと思ったら、しばらくして一株だけ復活していた。」といった経験がある方も多いようです。そのサプライズ感もネモフィラを育てる楽しみになりそうですね。
今回は可憐な少女のような花・ネモフィラの育て方について簡単にご紹介しました。
ネモフィラは水やりの手間があまりかからず育てやすいですが、美しく咲かせるには、手入れとチェックが多少欠かせません。先に紹介させていただいたこと以外にも、開花している間に、花柄や枯れた葉をこまめに摘み取るなどの剪定も行うようにしてください。
また湿気が籠るのも嫌うため、密生し始めたら下草の部分を刈り込んで風通しを良くしましょう。冬には霜柱などで苗が浮き上がらないように、霜よけやマルチングも必要です。大事に育てれば、きっともっと愛らしく咲いてくれますよ。
※トップ画像はPhoto by Hana to Nekoさん@GreenSnap
GreenSnap編集部