
ヒャクニチソウ(百日草)は、百日祝い(お食い初め)という、赤ちゃんが生まれてから百日前後で行われるめでたい伝統儀式のように長い期間花が咲き続けます。別名ジニアとも呼ばれる、ガーデニングでも人気の植物です。そんなヒャクニチソウ(ジニア)の育て方をを見てみましょう。
ヒャクニチソウ(ジニア)の日当たり
ヒャクニチソウは日当たりが良いことを好みます。日光不足になると、途端に花つきが悪くなって生育が悪くなります
直射日光に強い性質があるので、できるかぎり外で育てることをおすすめします。
ヒャクニチソウの花を長く楽しむためにも、日当たりには注意しましょう。
ヒャクニチソウ(ジニア)の置き場所
ヒャクニチソウを育てるときは、日当たりがよく風通しのよい場所が最適です。直射日光にも平気なので、日当たりの良い屋外で管理しましょう。
梅雨の時期はあまり雨に当たらせないほうがいいので、鉢植えなら軒下やベランダなど雨風が入らない場所に移動させましょう。
特にヒャクニチソウのエレガンスという品種は、長雨に当たると病気に罹りやすくなります。そのため、地植えなどの場合はマルチングを行うと良いでしょう。
ヒャクニチソウ(ジニア)の水やり
夏の水やり
ヒャクニチソウは水をとても好みます。水切れしないためによくよく注意が必要です。特に夏は蒸発がはやいので、水切れが起こりやすくなります。水切れになると、葉っぱがしおれて花も小さくなります。
鉢植え、庭植えともに水はたっぷりあげて、乾燥しないようにしましょう。水やり頻度については朝夕2回程度が基本ですが、その日の土の乾き具合によって調節すると良いです。
全体的に水をかけるよりも、土が跳ねないように株元に水与えましょう。そうすることで病気の予防にもなります。
また降雨の泥跳ねで土中の細菌が飛び散ると病気にもなりやすいので、予防をかねて庭植えは、腐葉土を株元に敷くマルチングをしておきます。
冬の水やり
冬も夏と同じく乾燥させないようにします。ヒャクニチソウは耐寒性がないため、寒さには弱いので注意しましょう。
ヒャクニチソウ(ジニア)の肥料・追肥
ヒャクニチソウの植え付けの際に、元肥として緩効性の肥料を混ぜておくといいでしょう。1週間から10日に1回の頻度で、液体肥料を与えます。
ヒャクニチソウの花の開花期間は長いため、花を長いこと咲かせるためにも肥料はできるだけ切れないように追肥しましょう。本葉が5枚ほどになり、苗がある程度育ってきたら肥料を与え始める頃合いになります。
ヒャクニチソウ(ジニア)の土づくり
ヒャクニチソウを育てるときは、水はけのよい土を選びます。水切れさせないために通気性と保水力のある土がよいでしょう。一般の草花培養土でもいいですし、赤玉土と腐葉土7:3の割合で配合しても良いです。
おすすめとしては草花培養土に腐葉土と牛糞の堆肥を混ぜ込んでおけば、有機物の多い肥沃な用土になるため、鉢植えで育てやすくなるでしょう。
また、ヒャクニチソウはアルカリ性寄りの土を好むので、植え付ける2週間前には苦土石灰を散布し、土を中和しておくといいでしょう。日本の土は弱酸性寄りですので、土壌づくりをしっかりしておくと丈夫な株に育ちます。
ヒャクニチソウ(ジニア)の種まき・植え付け・植え替え
種まき
ヒャクニチソウの種まきは、4月から5月の間が適期になります。
植え付け
植え付けは気温が温かくなった5月から7月上旬ごろまでに行います。また秋であれば9月の中頃から下旬がよいでしょう。植え付けるときに、土をやや高く盛り上げてから植え付けると、水はけがよくなりますよ。
植え替え
ヒャクニチソウは一年草なので、植え替える必要はありません。花後に枯れてしまいます。
ヒャクニチソウ(ジニア)の増やし方
ヒャクニチソウの増やし方は、「種まき」が一般的です。発芽温度は20度以上の温かい気温ですので、4月以降が適期になります。
鉢植えなら、セルトレーや播種箱に撒いてから育てると育てやすくなります。まず清潔な土に種を撒き、種が隠れる5ミリほど覆土します。
その後はたっぷりと水を与えて乾燥させないようにさせ、日当たりのよい暖かい場所で管理すると発芽してきます。本葉が2、3枚になったら肥えた土を入れて小鉢に植え替えます。
庭植えなら株間を30cmほど空けて植え付けるとよいでしょう。小さな種なので、2粒ずつ撒けばよいです。
ヒャクニチソウ(ジニア)の育て方で注意すべき病気・害虫
ヒャクニチソウがかかりやすい病気は、うどんこ病や斑点細菌病、灰色かび病などです。
マルチングをしておかないと、雨で跳ねた泥の中にいる細菌がヒャクニチソウにつき、そこから発病する確率が高くなります。予防しておけば発症率は下がるので、水やりの仕方や雨には気をつけましょう。病気に侵された株は早めに処分します。
また、風通しをよくして、株の蒸れを防ぐと病気にかかりにくくなります。ヒャクニチソウの中でも、リネアリス(ホソバヒャクニチソウ)とよばれる系統はうどんこ病の耐性があるためかかりにくいです。
ヒャクニチソウにつきやすい害虫は、高温期に多いアブラムシやハダニです。殺虫剤を散布して駆除しましょう。
ヒャクニチソウ(ジニア)の管理温度
ヒャクニチソウは、生育・発芽温度ともに20度から25度と高温なので、暑さには強いといえます。ただし、過湿や蒸れなど弱く風通しをよくして育てましょう。また、寒さにも強いので、比較的霜が降りてくる手前の時期まで花を楽しめます。
ヒャクニチソウ(ジニア)の切り戻し・剪定
ヒャクニチソウの花を長く楽しむためのコツは、花が咲き終わった、その都度花がらを摘んでおくことです。切り戻しとして花の盛りがすぎてから、茎を上から数節下で短く切り詰めると、横から新しい芽が生えてきます。
リネアリスとプロフィージョンは花がら摘みを行う必要はなく、切り戻すことで再び花を咲かせます。小さな手入れを心がけることで、より長く花が咲き続けますよ。
ヒャクニチソウ(ジニア)の花
ヒャクニチソウ(ジニア)の花は、カラーバリエーションに富んでいるので、寄せ植えにも最適です。八重咲きや絞り咲きで多様な花姿です。開花期間はおよそ5月から11月までと長い間楽しむことができます。
ヒャクニチソウ(ジニア)の花言葉
ヒャクニチソウは「不在の友を思う」や「遠い友を思う」、「いつまでも変わらぬ心」や「絆」といった、友人や旧友に送りたい花言葉の意味を持ちます。昔を懐かしむ意味が多く込められていますね。
ヒャクニチソウ(ジニア)の名前の由来
ヒャクニチソウは、その名の通り、長い期間花が咲き続けることから和名がつきました。ヒャクニチソウは一般的な呼び名ですが、江戸時代には「長久草」や「浦島草」と言われていたこともあります。
またアメリカでは若さと老年という意味をこめ、ヒャクニチソウは「Youth-and-old-age」と呼ばれています。
流通名として呼ばれるジニアはヨハンゴットフリート・ジンと呼ばれるドイツの著名な植物学者を記念してつけられたそうです。時間の流れを感じさせる花になりますね。
ヒャクニチソウ(ジニア)の育て方はかんたん!
長い期間花を楽しめることから人気のある、ヒャクニチソウ(ジニア)の育て方を紹介しました。
過湿や蒸れに気を付けることで病気の発症を抑えられるので、初心者の方でも育てやすくなります。
園芸入門者の方には、ヒャクニチソウで長く開花させたという自信をつけてもらい、ぜひ他にもトライしようと熱意に変えて園芸を楽しんでください。
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