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ジニア(百日草)は、百日祝い(お食い初め)という、赤ちゃんが生まれてから百日前後で行われるめでたい伝統儀式のように長い期間花が咲き続けます。別名ジニアとも呼ばれる、ガーデニングでも人気の植物です。そんなジニア(百日草)の育て方を見てみましょう。
色鮮やかで可愛らしい印象のジニアは、5月~11月頃に咲く花です。キク科ジニア属の植物であるジニアは、和名では「百日草(ひゃくにちそう)」と呼ばれています。百日草という名前は、100日以上も長く咲き続けるということが由来です。
メキシコ原産のジニアは江戸時代後期に日本に伝わり、当時の日本では開花期が長いことから「長久草(ちょうきゅうそう)」と呼ばれていました。また、ジニア(Zinnia)の学名は、18世紀に活躍したドイツ人医師、植物学者である「ヨハン・ゴットフリート・ツィン(Johann Gottfried Zinn)」の名前にちなんでいます。
現在では、品種改良によって様々な種類のジニアがあります。品種が多いことから、ジニアの草丈や花びらの大きさ、そして咲き方などは多種多様です。色鮮やかな花のジニアは、赤やピンク、そして黄色やオレンジ、さらに複色などがあります。
ジニアは種まきからでも簡単に育てることができます。ジニアの種まきは、4月中旬~5月頃が最適の時期です。
発芽温度は約20~25度ほどで、気温が低い場合は芽が出にくくなるので注意しましょう。発芽温度が守れていれば、種まきから1週間ほどで芽が出ます。
ジニアは品種によって異なりますが、発芽率は90%くらいと言われています。古い種はそれよりも発芽率が下がります。
ジニアの種は他の植物と比べると大きめで種まきがしやすいので、初心者でも簡単にできますよ。ジニアの種まきはポリポットにまいて育苗してから、苗を植え付けて育てるといいです。
5月以降であればジニアは花壇やプランターの土に直接まく、直播きという方法でも種まきできますが、1ヶ月は花壇が寂しい状態になってしまうので、育苗してから植え付けするのがおすすめです。
種まきには容器以外にも、市販の種まき用培養土を用意しておきましょう。
なお、花壇やプランターに直播きする場合は株間を20cm間隔にして、2粒ずつまきましょう。
ジニアの苗を植える時期は4月下旬~7月、または9月頃が最適な時期です。気温が20度以上になってから植え付けするようにしてください。
苗から購入して育てる方は、4月ごろからジニアの苗が出回り始めます。葉色が濃くて病班などがないこと、葉と葉の間隔がつまっていて徒長していないことを確認して選びましょう。
ジニアの苗の植え付けは下記の手順でおこないます。
なお、ジニアは直根性といって、主に1本の太い根が株全体を支えています。本来は移植を嫌うので、苗を植えるときは根を傷つけないように作業しましょう。
プランターでジニアを育てる場合は、市販の草花用培養土と用意しておきましょう。自分で配合する場合は[赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1]の割合で混ぜて、緩効性化成肥料を足しておきます。
そのほかプランター容器、底石を用意しておいてください。
花壇などに地植えしてジニアを育てる場合は、苗の植え付けの2週間前に土作りをしてから苗を植えましょう。苦土石灰と堆肥を準備しておいてください。
ジニアは風通しと日当たりが良い場所で育てましょう。ジニアは直射日光に当たっても平気なくらい日光を好みます。日光不足になると、途端に花つきが悪くなって生育が悪くなるので注意しましょう。
ただし、梅雨の時期はあまり雨に当たらせないほうがいいので、鉢植えなら軒下やベランダなど雨風が入らない場所に移動させましょう。
ジニアは長雨に当たると葉に泥がついて病気に罹りやすくなります。そのため、地植えなどの移動できない場合はマルチングを行うと良いでしょう。
ジニアは水をとても好みます。水切れしないためによくよく注意が必要です。特に夏は蒸発がはやいので、水切れが起こりやすくなります。水切れになると、葉っぱがしおれて花も小さくなります。
鉢植え、庭植えともに水はたっぷりあげて、乾燥しないようにしましょう。水やり頻度については朝夕2回程度が基本ですが、その日の土の乾き具合によって調節すると良いです。
全体的に水をかけるよりも、土が跳ねないように株元に水与えましょう。そうすることで病気の予防にもなります。
冬も夏と同じく乾燥させないようにします。ジニアは耐寒性がないため、寒さには弱いので注意しましょう。
ジニアの植え付けの際に、元肥として緩効性の肥料を混ぜておくといいでしょう。1週間から10日に1回の頻度で、液体肥料を与えます。
ジニアの花の開花期間は長いため、花を長いこと咲かせるためにも肥料はできるだけ切れないように追肥しましょう。本葉が5枚ほどになり、苗がある程度育ってきたら肥料を与え始める頃合いになります。
ジニアの花が咲き終わったら、花がらはこまめに摘むようにしましょう。また、咲き終わった花を早めに摘み取ることで、次の花が咲く準備が出来ます。
また、ジニアの花付きをよくするためにも、梅雨や夏の時期に切り戻しをしてあげましょう。切り戻しでカットする位置は上から2節目の葉の上です。
リネアリスとプロフィージョンなどの品種は花がら摘みを行う必要はなく、切り戻すことで再び花を咲かせます。小さな手入れを心がけることで、より長く花が咲き続けますよ。
ジニアは別名百日草(ヒャクニチソウ)と呼ばれる一年草で、初夏から晩秋までの間に咲き続ける植物です。開花期間が長いので、ジニアと同じような開花時期に花を咲かせる植物と寄せ植えするのもおすすめです。今回はジニアの寄せ植えの作り方や相性のよい植物、寄せ植えの管理方法などをご紹介します。
ジニアと同じく夏の花の定番であるマリーゴールドを用いて、植木鉢やバスケットに寄せ植え際の作り方をご紹介します。土の作り方などは他の植物でも対応できる方法です。
ジニアの寄せ植えで相性のよい植物は、下記の4つのポイントです。色や品種の異なるジニア同士の寄せ植えもおすすめですし、いろんな草花と組み合わせみましょう。
具体的におすすめの草花をいくつかご紹介します。
ジニアをメインとする場合、ジニアよりも花が小さいセンニチコウはバランスが取りやすいです。メインのジニアをピンクやオレンジの鮮やかなカラーにするならば、それを引き立たせるために、少しくすんだ色合いのセンニチコウを選ぶとよいでしょう。
ペチュニアは暑さに強く、日当たりにも比較的強い草花です。開花時期も5〜9月ごろでジニアと近いので、一緒に寄せ植えをすれば長期間楽しめますよ。
ペチュニアもかなり花色が豊富なので、ジニアの色合いと合わせてチョイスしましょう。
ジニアと寄せ植えするとおすすめな植物として、葉ものとしても便利なつる性のハゴロモジャスミンや、病害虫が少なく星形とラッパ型の小花が寄り集まるように咲くペンタスなどがあげられます。
また開花時期が比較的長いジニアには、鮮やかな緑を長く楽しませるコキア、常緑のセダムなども用いるとナチュラルでシックな仕上がりになるでしょう。
植え付け前に配置を考える際に、正面から見て逆三角形になるように配置するときれいにまとまります。
また手前に低い株、奥に背の高い株を配置するとバランスがよくなります。また植え付け場所はできるだけ中心をあけて、配置し、風通しを良くします。根鉢を崩さなくても無理なく入る株数を植え付けるようにしましょう。
ジニアは、種まきやさし芽で増やすことができます。
種は花がらから採取し、封筒などに入れて冷蔵庫で保管しておきます。春過ぎの十分に暖かくなった時期に、先に紹介した方法で種まきしましょう。
さし芽の場合は、ジニア茎を切り戻して切り落とした枝を水に約30分浸し、その後土に挿します。1か月から1か月半程度で根が生えてくるので、その期間は半日陰にて管理するようにしましょう。また、土を乾かさないために定期的に水やりをしましょう。
ジニアがかかりやすい病気は、うどんこ病や斑点細菌病、灰色かび病などです。
マルチングをしておかないと、雨で跳ねた泥の中にいる細菌がジニアにつき、そこから発病する確率が高くなります。予防しておけば発症率は下がるので、水やりの仕方や雨には気をつけましょう。病気に侵された株は早めに処分します。
また、風通しをよくして、株の蒸れを防ぐと病気にかかりにくくなります。ジニアの中でも、リネアリス(ホソバジニア)とよばれる系統はうどんこ病の耐性があるためかかりにくいです。
ジニアにつきやすい害虫は、高温期に多いアブラムシやハダニです。殺虫剤を散布して駆除しましょう。
ジニアは基本的に冬越しはできません。とはいえ、環境によっては11月上旬まで咲くことがあるので、晩秋まで楽しめます。
鉢植えの場合、室内に取り込めば冬越しできる可能性もありますが、一年草の性質上、あまり繰り返し咲く体力をためておけないので、翌シーズンの花は少ないか咲かない可能性もあります。
自然の摂理にまかせて、無理に冬越しさせないほうがいいでしょう。
長い期間花を楽しめることから人気のある、ジニア(ジニア)の育て方を紹介しました。
過湿や蒸れに気を付けることで病気の発症を抑えられるので、初心者の方でも育てやすくなります。
園芸入門者の方には、ジニアで長く開花させたという自信をつけてもらい、ぜひ他にもトライしようと熱意に変えて園芸を楽しんでください。
藤原 正昭 (ふじはら まさあき)