
パキポディウムは人間で言う胴体の部分になる茎がシルバーグレーの色をしています。
その茎にはとげも生えているのが印象的でサボテンに見えますがサボテンの仲間ではありません。
今回はパキポディウムの育て方をご紹介します。
基礎情報
日当たり
パキポディウムは、春・夏・秋は強い日差しを最低限必要な条件です。
直射日光に浴びせることが重要です。
日当たりが悪い場所でも育つことが出来ますが、幹が細くなってしまいますので注意しましょう。
冬場でも日当たりの良い場所に飾ります。
植物のマニアの中でも美しく育てる情報に正解が分かっていないため必要最低限のことはしてあげましょう。
日当たりが良くなければ光を求めて上に伸びていきます。
その結果膨張したことで茎が細くなりガリガリの姿になってしまいます。
置き場所
一年中日当たりの良い場所で管理してあげることです。
一年を通してレースカーテン越しで日の当たるところで育てると無難です。
きれいに育てる正解の情報が少ないパキポディウムを長く生かしてあげるためには
「日当たりの良い場所」と「冬場は加湿になる場所」が重要です。
風通しの良い場所であることも必要です。
風が通らない場所で管理していると幹が太く生長しようとしなくなります。
水やり
夏
夏の水やりは非常に育てる上での大事な作業になります。
この時期の水やりに関してもパキポディウムにとって必要最低限のことですので忘れないようにしましょう。
夏場の水やりは、水をあげすぎないことです。
乾燥気味な環境を好むので降雨だけの水分量でも良いくらいです。
雨に打たれても育つので室外でもいいでしょう。
雨が長期間続いている場合は、屋根のある場所に移動させましょう。
長い間雨に当たると腐ってしまいます。
冬
冬場は夏場よりもさらに乾燥させることです。
葉が落ちて休眠期になったパキポディウムの株には断水します。
水やりはあまり気にせず、温度の高い場所で管理することを優先させましょう。
過湿にならないように乾燥気味で管理します。
過湿は腐る原因に繋がります。
月に1〜2回の水やりで十分です。
肥料・追肥
パキポディウムの肥料は、液体肥料を使って与えます。
与える頻度は月に1回を目安としましょう。
必要であれば月に2回与えても良いでしょう。
水やりもそうですが肥料を与えなさすぎても茎の途中から細く頼りない形になってしまいます。
突然枯れることはありませんが、見栄えの良さに差が出ます。
緩効性化成肥料でも代用できるのでどちらかを施しましょう。
用土
乾燥好きなパキポディウムは水はけの良い土を選ぶようにしましょう。
また、多肉植物・サボテン用の土を利用することも出来ます。
配合土にする場合は、川砂と腐葉土を6対4で混ぜて使いましょう。
市販で販売されている土の水はけに不安を感じるようでしたら、軽石または赤玉土の小粒も混ぜてみてください。
植え替え・植え付け・種蒔
パキポディウムの植え替えには、2〜3年のスパンで鉢を大きいものに植え替えてあげる必要があります。
パキポディウムは上へ上へと生長する塊根植物です。
植え替えをするときは、絵に絡まっている土を手でほぐしてあげましょう。
2〜3年でぐんぐん生長するので鉢とのバランスが悪くなり、倒れてしまう恐れがあります。
とげのある品種の場合は、直に触ると怪我をしてしまう可能性がありますので、
ガーデニング用の手袋や革の手袋をはめて植え替えを行うと安全です。
植え付けと植え替えに時期は、3月〜5月に行いましょう。
種まきに関しては、一般的には入手が難しいとされています。
種蒔で増やす場合は、6月と7月の間に蒔きましょう。
増やし方
前述にもありましたが、パキポディウムの増やし方で種蒔があります。
この方法を行うと中々入手できないとされています。
その他に挿し木のように茎の途中から切って土にさすと根が出てきます。
しかし切られた本体の部分から葉を出しますが見栄えが良くなくなるのであまりおすすめできません。
その他の方法では挿し木でも増やせますがこちらも難しいとされています。
挿し木を行うには、幹が腐っていて仕立て直さなければならないときにします。
挿し木は3月〜5月が適期です。
腐っている部分が入らないように幹を切ります。
切り口を日陰で乾燥させて、土に植え替えます。しばらくは水を与えません。
やや乾燥した環境で管理しましょう。
病気・害虫
パキポディウムにかかりやすい病気はウイルス病や生長点黒化病になることがあります。
ウイルス病は不治の病でかかってしまった場合は、その幹ごと焼いて捨てます。
ウイルス病の主な症状には、元の緑の葉に薄緑や黄色の混じったモザイクがかかったようなものが見られます。
さらに葉が変形したり縮んでしまうこともあるため感染しないように注意しましょう。
アブラムシなどの害虫や感染していた植物に使われたはさみなどで感染します。
ニンゲンの手でも感染する恐ろしい病気ですので常に清潔を保つようにしましょう。
生長点黒化病は生長点と呼ばれる新しい細胞を作る部分が黒くなり生長できなくする病気です。
原因として生長点にいたハダニが悪さをしてパキポディウムの樹液が出てくるため変色していると考えられています。
はっきりとした原因が見つかっていない厄介な病気です。
そして、パキポディウムの害虫には、アブラムシやハダニなどがいます。
葉を食べたり、生長を止まらせたりするので早急に駆除をしましょう。
カイガラムシは茎から養分を吸汁して枯らせてしまう害虫です。
発見したら植物を傷つけないように歯ブラシなどを使ってこそぎ落としましょう。
自分でできないときは、オルトラン水和剤やアクテリック乳剤などの薬剤を撒き散らすことで駆除できます。
薬剤は月に2〜3回程丁寧に散布するとカイガラムシがいていなくても発生を防ぐことが出来ます。
市販で売られている害虫駆除の薬剤を使用しましょう。
管理温度
パキポディウムは高温に強い植物ですが、寒さには弱いです。
夏の気候に関してはあまり気を配らなくて済みます。
冬場の管理が重要です。
パキポディウムは5度以下の気温に耐えられません。
室外に置いていた場合は、10度より下になったときに室内に移動させましょう。
室内でも日当たりの良い気温の高い温かい場所を選んでください。
株を生き残らせるためには、7度〜8度が必要です。
ヒョロヒョロにならないように育てるには、13度〜15度の温度で管理しましょう。
美しさを保たせて鑑賞するには、10〜12度の管理下のもとで育てます。
種類・品種
パキポディウムは南アフリカやアンゴラやマダガスカル島などに分布するキョウチクトウ科の一種でおよそ20種類があります。
見た目がサボテンのような形をしていますが、サボテンの仲間ではありません。
多肉植物や観葉植物として知れ渡っています。
パキポディウムの主な品種には、ラメリーやジェエイやなどがあります。
幹が大きく根が小さく4つに伸びるパキポディウム・ロスラーツム・グラキリスと呼ばれるのも存在ます。
ラメリーは高い背に生長するパキポディウムの中でも育てやすい種類です。
「ラメレイ」という名前でも呼ばれることがあります。
自生地では6メートルにも育ちます。
日本でも1m〜2mにも生長することが出液るので高くなっても良い場所をセレクトしましょう。
さらに、シバ女王の玉櫛という呼称のあるパキポディウム・デンシフローラムという品種もあります。
こちらの品種も育てやすいので、パキポディウムの入門編になる品種とされています。
デンシフローラムは花が咲くと3つに分かれる枝が印象強い植物です。
デンシフローラムは茎がシルバーグレーの色をしています。
茎全体にトゲがあり先端に楕円形の葉が何枚かつけるユニークな形をしたパキポディウムです。
パキポディウム・ブレウィカウレという品種もご紹介したいです。
ブレウィカウレは地面を這うように横に膨張した形の茎が印象強いパキポディウムの仲間です。
葉の形が茎からたくさん生え上を向いています。
卵のような形をしているのが可愛く見えます。
黄色い5枚のきれいな花が咲きます。
このパキポディウムは、育てるのが困難とされています。
花の形態(どんな花を咲かせるのか)
パキポディウムの花には、赤、黄色、白といった大きな花を咲かせます。
色も濃いので咲かせると目につくのでインテリアで飾っていてもおしゃれに見えるでしょう。
開花時期は3月〜5月の春ごろです。パキポディウムの花は25度以上で花を咲かせます。
トリビア
風水
パキポディウムの形が独特な植物は「東」の芳香との相性がよいとされています。
東に置くことで活力や元気が沸く力があるとされています。
由来伝承
パキポディウムという名前は、
ギリシア語である「太い」という意味があるpachys(パキス)と「足」という意味のpodos(ポドス)から付けられています。
肥大した茎の姿を見て付けられています。
パキポディウムの和名には「亜阿相界(ああそうかい)」という流通名になっています。
亜阿相界は、植生している地域が亜細亜(アジア)と阿弗利加(アフリカ)の境界にあることから名付けられています。
日本人からするとふざけているように聞こえるかもしれませんが真剣に付けられている和名です。
また、パキポディウム・ブレウィカウレと呼ばれる品種の和名が、「恵比寿笑い」と言う園芸名が付けられています。
このパキポディウム・ブレウィカウレは英名でbrevicaleと綴になっており、「短い茎の」という意味が付けられています。
まとめ
パキポディウムについての育て方などをご紹介しました。
花が咲くと分裂する個性的な品種がある多肉植物です。
日当たりがよく風通しの良い場所であればきれいに育てることが出来ます。
パキポディウムは品種によって育てやすかったり育てにくいとされていますので育てる際は注意して購入しましょう。
春にはその肥大した茎からは想像できないきれいな花を咲かせるので是非育ててみてください。
※トップ画像はPhoto by Tooさん@GreenSnap

ELLY
旅と緑が大好きなグリーンライター。 旅先では観光より現地の植物を見るのが好き。