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イングリッシュガーデンなどでよく見かけるつるバラは、数多くの品種があります。木立ちのバラも綺麗ですが、アーチやフェンスなどに誘引して観賞するつるバラは、お庭などでもひと際存在感を放ちます。
つるバラの育て方は木立ちのバラと共通する部分もあり、ポイントを押さえれば決して難しくはありません。今回は、つるバラの育て方を地植えや鉢植えにわけてについて、初心者にもわかるようにご紹介していきます。

つるバラはラージ・フラワード・クライマーという系統に分類され、つる性のバラです。アーチやオベリスクなどに人工的に誘引して観賞することができます。
一般的なつる性植物のように自然につるが伸びるわけではなく、枝を長く伸ばすのが特徴です。つるの長さは品種によって異なりますが、1年間に約1~6mほど伸びます。
主な開花時期は5〜6月中旬頃で、咲き方は、一季咲き、繰り返し裂きそして四季咲きがあり、花の大きさは小輪から大輪までさまざまです。
花色は赤やピンク、白色や複色など実に豊富で、香りは品種によって強いものもあります。
つるバラは、成長期はとくに日当たりのよい場所を好むので、半日以上日の当たる場所において育てましょう。
初心者の方は、フェンスや支柱が立てられるかを考慮した上で、大苗を地植えで育てるのがおすすめです。新苗から育てる場合は、2年ほど鉢植えで管理したあと、地植えにするとよいでしょう。

つるバラは、なるべく日当たりと風通しがよい場所で育てましょう。
日当たりが悪いと花つきが悪くなるほか、うどんこ病などの病気にかかる可能性もあります。
つるバラの水やりは、水はけが悪いと根腐れの原因にもなるため、乾燥と湿気のバランスを良くすることで根を良く張らせましょう。また、花や蕾などに水がかかってしまうと病気の原因にもなるため、水やりは株元にするよう心がけましょう。
鉢植えの場合は、1年を通して土の表面が乾いてきたらたっぷり水やりをします。
地植えは基本的に降雨に任せてよいですが、おもに夏の時期など雨が少なく乾燥しているときは水やりします。
つるバラの追肥は、発酵油かすの固形肥料などの置き肥を定期的に与えましょう。なお、生育期間中は、液体肥料を与えても問題ありません。
地植えの場合は、冬の時期に発酵油かすの固形肥料などを施しましょう。
咲き終わったバラをそのまま放置しておくと病気などの原因になるため、咲き終わりそうなバラは早めに取り除きましょう。
つるバラの寒さに弱い品種を育ててる場合は、マルチングをして防寒対策をしておきましょう。
つるバラは、黒星病やうどんこ病にかかりやすい植物です。黒星病は梅雨の時期に最も多く、葉に水がかかると黒い斑点ができて黄化してしまいます。
うどんこ病は春と秋に感染しやすく株が白い粉で覆われてしまい、生育に影響を及ぼします。水やりや肥料の量を調整して、日当たりと風通しが良い環境で育てるよう心がけましょう。

つるバラの植え付け時期は、新苗であれば4〜6月ごろ、大苗は11〜2月が適しています。
つるバラの栽培には、水はけが良くて有機質に富んだ用土が適しています。
用土を自作する場合は、「赤玉土(小粒)約6~7:堆肥約3~4」の割合で混合しましょう。そのほか、市販のバラ専用培養土を使用しても構いません。
もし庭土の水はけが悪い場合は、1株あたり10ℓほどの堆肥を多めに混ぜておいてあげると良いでしょう。
つるバラの植え替え時期は、休眠期である12~2月が適期です。鉢植えの場合は、1~2年に1度の頻度で、2回りほど大きな鉢に植え替えましょう。
つるバラの鉢替えはやや難しいので、大きめの鉢を用意し、鉢の縁までの高さが約4~5cmほど残るように土を足していくことがポイントです。
つるバラは放っておくだけでは、フェンスに巻き付いたりしません。そのため、人工的に誘引させることで、バラのアーチや壁などをつくることができます。
つるバラの枝を水平から30度くらいに寝かせて誘引すると、より日光が当たりやすく花つきがよくなります。

つるバラを小さく育てるには、花後の剪定を大胆に行う必要があります。
剪定時期は休眠期である冬の12下旬〜1月中旬が適期です。翌年にも花をたくさんつけさせるためにも、誘引と同時に剪定を行うのがおすすめです。
花が終わったら50cm以下程度に切り、葉が6〜7枚程度になったら枝先も切り戻します。これによって、枝数が増え、花つきもよくなりながらも小さく樹形を保つことができます。
ただし、樹高2m以上になるような品種の場合は、風通しをよくし、害虫の発生や病気になるのを防ぐ程度にして、枝の先端を10〜20cmほど切る程度にとどめましょう。

つるバラは「挿し木」で増やすのが一般的です。挿し木は、6月または10~11月頃に五枚葉の枝を2節程切りとって土に挿したら、約30~50日で発根します。
つるバラは品種が豊富で、花の咲き方や花色などもさまざまです。つるバラのお手入れは決して難しくなく、アーチやフェンスなどに誘引して観賞が楽しめます。
興味があれば、ぜひともご自宅のお庭などでつるバラを育ててみてはいかがでしょうか。

GreenSnap編集部