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常緑樹は年間を通して緑の葉を茂らせるため、庭のシンボルツリーや生け垣として人気の庭木があります。今回は庭木におすすめの常緑樹を3タイプ(低木・中木・高木)に分けてご紹介するほか、日陰にもおすすめの常緑樹もご紹介します。
樹木には、秋になると葉が落ちる「広葉樹」と、一年中緑の葉を楽しめる「常緑樹」の2つの種類があります。
常緑樹とは、秋や冬になっても葉が落ちることなく、一年中緑の葉を茂らせている樹木のことです。観葉植物のほとんどが、この常緑樹に該当します。
常緑樹は、葉の形状によって広葉常緑樹と針葉常緑樹に分けることができるほか、成木の樹高によって、低木・中木・高木に分類することが可能です。
また、常緑樹は次のようにメリットの多い樹木です。
特筆すべきデメリットはないものの、あえて挙げるとすれば、次のような点がやや残念です。
低木の常緑樹は、高さが概ね2メートル以下のものを指しています。小さいということもありますし、そもそも生長が遅めなので、剪定もラクであまり手間がかからないことから、庭木としても人気です。
では、低木の常緑樹にはどのような種類のものがあるのでしょう?まずはおすすめからご紹介します。
4,000以上の園芸品種があるといわれているシャクナゲは、花色も豊富で豪華な花姿なので、庭木としてとても人気があります。
また、庭木としてだけでなく大きな鉢植えで楽しむことも可能です。
鋭くとがった緑の葉が特徴的なヒイラギナンテンですが、花は黄色い穂のように咲き、四方に広がるのが特徴的です。
とても丈夫で、病害虫の心配もほとんどありません。ゆっくりと生長するため剪定もほとんど必要なく、手間がかからないのも庭木として人気の理由です。
甘い香りとともに春の訪れを知らせてくれるジンチョウゲは、手毬のように丸く花が咲く人気の庭木です。
生長が遅いジンチョウゲは、剪定などはそれほど必要ありませんので、お手入れの手間が少なくてすみます。
小さな葉が密生し、初夏の時期になると白色や黄緑色の花を咲かせます。暑さや寒さに強く、日本庭園や生垣などに用いられることが多いです。イヌツゲは風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなるため、定期的に剪定しましょう。
初夏から秋にかけて釣鐘型の白い花が咲き、生垣や室内の観葉植物として楽しめます。アベリアと言えば光沢のある緑色の葉が特徴的ですが、種類や品種によって花色や葉の色などもそれぞれ異なります。
日本に自生する常緑樹で、梅のような花を咲かせることから「シャリンバイ」という名が付けられました。温暖な環境を好み、5~6月頃にかけて見頃を迎えます。ブルーベリーのような実は食用向きではありませんが、染料として利用されます。
中木の常緑樹とは、概ね2メートルから5メートル程度の種類ものを指しています。では、中木の常緑樹をご紹介していきましょう。
ヘラの形をした厚くて光沢のある葉っぱのマサキは、よく生け垣に利用されているのを見かけます。鮮やかな緑は和洋どちらの庭にも合うので、生け垣として人気です。
直径5ミリほどの小さな花をたくさん咲かせ、赤く熟した実は3つから4つに裂けるのが特徴的です。
サザンカは、日本固有の種で、昔から庭木や生け垣として人気です。冬に美しい花を次から次へと咲かせてくれるので、冬でも庭を華やかにしてくれます。
サザンカはツバキの仲間ですが、ツバキよりも葉は小さく、サザンカの花は散るときに花びらが1枚1枚ハラハラと散っていきます。
橙色の可憐な花に強い香りがあることで知られているキンモクセイは、庭木としてとても人気があります。
先端が細長くなる楕円形の葉に小さなギザギザがあり、葉のつけ根には橙色の小さな花が束になって付くのが特徴的です。
また、キンモクセイは大気汚染や潮風にすら強い、とても丈夫な樹木です。
葉の光沢が美しいサカキは日本では昔から神事に使われ、神社などの生垣に多く見られます。梅雨の時期になると白い小花を咲かせ、秋になると黒い実をつけます。サカキは緑色の葉が一般的ですが、斑入りの品種も出回っています。
アジアに生息する常緑樹で、神社仏閣や公園などに植えられていることが多いです。シャシャンボには「小さな坊や」という意味がこめられ、小さな実を沢山実らせることが由来です。ブルーベリーに似た花や実をつけ、実は食用もできます。
シンボルツリーとしても人気があるオリーブは、地中海地方に自生する常緑高木です。シルバーグリーンの葉が美しく、古くから平和の象徴として用いられています。オリーブはピクルスやオイルなどに加工できます。
高木の常緑樹というと、だいたい樹高5メートル以上のものを指すことが多いのですが、どのような種類の樹木があるのでしょう。代表的な人気の高木の常緑樹をご紹介します。
関東地方で多く見られるシラカシは、主に公園樹や生け垣として利用されています。先端に向かって細長い形をした葉っぱは、表にはツヤがあり裏は白っぽいのが特徴的です。
そんな葉のわきから雄花が垂れるように咲いて、その上に小さな雌花が咲きます。病害虫も少なくとても丈夫なので、管理しやすい樹木です。
クロガネモチは丈夫でよく育ち、枝いっぱいに直径5ミリから8ミリ程度の丸い実をつけます。光沢のある葉っぱとの赤い実のコントラストが美しく、 庭木として人気です。
幹がまっすぐに伸びて樹形は卵形にまとまるので、それほど剪定の必要がなく管理しやすいでしょう。
緑色の葉っぱに、サクランボのようにかわいらしく実る赤い実が特徴的なソヨゴは、庭木として人気です。
その名のとおり、風にそよそよなびくキレイな樹形で、それほど剪定を必要としないので、お手入れの手間も少なくて済みます。
シルバーグリーンの葉が特徴で、庭木はもちろんハーブとしても人気があります。コアラが食べる植物としても知られるユーカリはオーストラリアなど南半球に生息し、約500~1,000以上の種類があると言われています。
台湾や日本に生息する常緑樹で、モクレンのような花姿が特徴です。昔から縁起の良い木として知られ、神社仏閣の境内などで多く見かけます。オガタマノキには初夏に緑色の実がなり、成熟することで赤色に変化します。
梅雨の時期になると、円錐状の白い小花を咲かせます。真夏には小さな赤い実を沢山つけ、その姿がサンゴのようであることから「サンゴジュ」と名付けられました。サンゴジュは耐陰性があるため、日陰の環境でも育ちます。
日光は、植物の生長に欠かせないとても大切な要素ですが、なかには日陰でも育つ種類や、むしろ日陰を好む種類の植物もあります。
実は常緑樹には、日照時間の短い日陰でも育ちやすい種類が比較的たくさんあるのです。庭には、どうしても家の日陰になってしまう場所がありますよね。次に、そのような場所でも育ちやすい常緑樹をご紹介します。
とても丈夫で育てやすく、日陰でもよく育つアオキは、庭木として人気です。園芸品種もたくさんあり、葉っぱに黄色の斑が入るものなどもあります。
楕円形の実が特徴的ですが、実は冬になっても落ちず、春頃まで残っています。
日陰でもよく育つクチナシは、艶やかで美しい葉を持ち、直径7センチから8センチほどの、甘い香りのする白い花を咲かせます。
秋には、長さ6センチから7センチほどの実を付けますが、実は黄色の染料としても使われています
東南アジアや日本が原産で、耐陰性や耐暑性があるため病気にもかかりにくいです。カクレミノは横に生長しないため狭い場所でも育てることができ、洋風・和風のちらの雰囲気にもマッチすることから庭木として人気があります。
大きな葉が特徴のヤツデは、その葉姿から「テングノハウチワ(天狗の羽団扇)」という異名を持ちます。秋から冬にかけてボール状の白い花を咲かせ、その後緑色の実をつけて次第に黒紫色に変化します。ヤツデは丈夫な常緑樹なので、庭木として人気があります。
アセビは冬から春にかけて白色やピンク色のつぼ型の花を数多く咲かせ、可愛らしい印象です。その花姿とは裏腹に花の部分には毒性があり、馬がアセビの花を食べるとふらふらすることから漢字では「馬酔木」と書きます。
ここでは、庭木のシンボルツリーにピッタリな常緑樹とはどのような樹木なのか、またどのような種類があるのかご紹介しました。
常緑樹には丈夫で育てやすいものが多く、一年中緑の葉が落ちないのでシンボルツリーや生け垣に向いています。樹高により低木・中木・高木に分けることができますので、それぞれ人気の常緑樹をご紹介しました。
常緑樹は比較的お手入れのラクなものが多いのも嬉しいですね。庭造りの際には、ぜひ本記事を参考に常緑樹を取り入れていただければ幸いです。
GreenSnap編集部