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どんより気分に陥りやすい梅雨の時期は、街の色彩も全体的に暗い雰囲気になってしまいます。しとしと雨の向こうに紫のアジサイを見つけると、少しだけ心が和らぎます。
今回は、アジサイの仲間である小ぶりなヤマアジサイの育て方を紹介します。サワアジサイとも呼ばれ、湿気のある場所や沢沿い野山に自生していますよ。
ヤマアジサイの植え付け時期は、3〜4月または9〜10月です。ヤマアジサイは地上部が大きくなりやすいので、鉢植えで育てより地植えにするほうが育てやすいくおすすめです。
植え付けの2〜3週間前に土に腐葉土を混ぜ込んでおきましょう。
ヤマアジサイを育てるときは、市販されている培養土を用いるので問題ありません。
アジサイの特徴として、土のpHが酸性かアルカリ性かによって花の色が変化しますが、ヤマアジサイはとくに土中のpH濃度に作用されやすいです。
酸性に偏ると青みがかり、アルカリ性だと赤みがかかります。紫や赤に近い色を咲かせたいのであれば、土の酸性化を防ぎましょう。
方法としては、石灰を根本にまいたり、水やりの水を水道水からアルカリ性のものに変更したりすると、アルミニウムイオンが根から吸収されにくいので、赤色になりやすくなります。
多少難しいですが、咲かせたい色になるよう、土作りにこだわるのもいいかもしれません。培養土に含まれている化合物をみて、足し合わせたり混ぜたりして、酸性やアルカリ性に近いものにすると、化学の知識も身につきますね。
ヤマアジサイはできれば午前中はやわらかい光が入ってくるような半日陰の場所または明るい日陰を好みます。直射日光が当たる日当たりのよい場所では、夏などは葉焼けを起こす可能性が高くなります。また、地植えにする場合は、西日を避ける場所に植え付けてください。
鉢植えであれば、風通しのよい半日陰に置くとよいです。
地植えの場合は、ほとんど水やりの必要はありませんが、乾燥していたら行ってください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。とくに夏は朝夕2回水やりを忘れないようにしましょう。
ヤマアジサイの水を好むので、地植えと鉢植えともに水切れに注意しましょう。水切れすると途端に元気がなくなってしまいます。
冬は落葉して休眠期に入るので、控えめにしますが鉢植えは土が完全に乾いた状態が続かないように水やりしましょう。
ヤマアジサイの肥料は芽吹き始める前の2月下旬〜3月開花時期の間、緩効性肥料を追肥します。
また、梅雨の時期に花を咲かせ、梅雨が過ぎたあたりの花が咲き終わったあとのお礼肥を与え開花に使ったエネルギーを補うとよいです。
剪定は花が咲く前の7月頃までに済ませておくことが大切です。8月以降に行うと、来年の花が咲く花芽まで切り落とすことになるので、できれば夏までに済ませておくことです。
ヤマアジサイを育てていると、生育期である春から初夏にかけて、アブラムシ、オオミノガ、カイガラムシが発生しやすいです。
オオミノガはみのむしとして知られている虫です。ミノに隠れて葉や樹皮を食い荒らします。見つけ次第捕殺するようにしましょう。
ヤマアジサイは冬は落葉して、休眠します。ある程度寒さにあてることで翌年の花芽をつけますが、霜にはあたらないよう腐葉土やわらを敷いて保温するとよいです。寒冷地では、雪に当たって傷まないように鉢植えにして軒下などに移しましょう。
また、水やりは生育期よりやや控えめにし、夕方の水やりは地面が凍り根を傷める可能性があるので、午前中に水やりしてください。
鉢植えヤマアジサイの植え替えは、植え付けと同様3〜4月と9〜10月が適しています。1〜2年に1回
ヤマアジサイの鉢は、素焼き鉢では通気性がよすぎて乾燥しやすいので、プラスチックか駄温鉢がおすすめです。しかし、プラスチックはヤマアジサイの風情を活かしにくいので、できれば駄温鉢に植え付けると風情を活かすことができます。
ヤマアジサイの増やし方には、「挿し木」と「株分け」という方法があります。
挿し木は、剪定で切り取った枝から増やすことができます。夏が来る前に剪定し、6月頃に夏ざしするといいでしょう。
株分けは、あまり小さくなりすぎると親株も切り取った株もだめになるので、あまり小分けしすぎないほうがよいです。
今回はヤマアジサイの育て方を紹介しました。控えめであっても存在感のあるヤマアジサイは、日本の梅雨によくあった花です。雨が続くどんよりした時期ですが、ヤマアジサイを植えてお花を楽しみましょう。
GreenSnap編集部