米ナスは、アメリカ種のブラックビューティーという品種を元に日本でつくられたナスの仲間です。丸いイメージがあるので丸ナスと米ナスを間違えてしまいそうですが、実はとても見分けやすい特徴があります。丸ナスやそのほかのナスのヘタは紫色、米ナスのヘタは緑色です。米ナスと同じような形をしていても、ヘタが紫色ならそれは丸ナスとに分類されます。ここではヘタが緑色である米ナスの育て方を詳しく紹介します。
米ナスの栽培場所
米ナス日当たりや水はけ、風通しが良い場所、有機質の豊富な土壌で栽培します。
また、米ナスは特に連作(同じ植物を同じ場所で続けて栽培すること)に弱い野菜です。種まきから栽培を始める場合は、米ナスを一度植えた場所には5年ほど、ほかの植物を植えてください。
米ナスの水やり
「ナスは水でつくる」といわれるように、米ナスの栽培にも水やりは欠かせません。ナス科の植物は乾燥を嫌うので水切れには注意してください。一度水切れをすると回復が難しくなります。
米ナスを地植えにした場合も、プランターに植えた場合も、こまめに水やりをしてください。
米ナスの肥料
米ナスをはじめとしたナス科の植物は収穫期間はとても長いです。収穫が始まってからの期間肥料が足りていないと極端に実付きが悪くなります。定植後は肥料を切らさないようにタイミングよく追肥を行いましょう。
また、5月下旬~9月下旬は、米ナスに追肥を行う期間です。定植の1か月後から2週間に1度の割合で追肥をします。
- 畝(うね)に沿って浅く溝を掘る
- 溝に1平方メートルあたり20~30グラムの化成肥料をまく
- 外側の土を肥料にかぶせて溝を埋める
- 畝に土寄せをする
米ナスの土
米ナスを定植する2週間前から土作りをしましょう。
- 2週間前:土に苦土石灰を1平方メートルあたり100グラムまいてよく耕す。
- 1週間前:堆肥:1平方メートルあたり2キログラム、化成肥料:1平方メートルあたり100グラムを土全体にまいてよく耕し、畝を作る
米ナスの植え付け・植え替え
ナスは種まきから育てるのがとても難しいので、接ぎ木苗を購入して定植するのが一番確実です。
米ナスを定植する2週間前から土を改良し、畝をつくっておきます。なお、畝は高さ10~15センチ、幅70~80センチでつくり、米ナスは60センチ間隔で植え付けましょう。
米ナスの植え付け時期は、寒冷地なら5月下旬~6月下旬、温暖地なら5月上旬~6月下旬、暖地なら4月中旬~5月下旬に行います。気温が上がり、苗の本葉が6~7枚になったら定植の適期です。苗は60センチ間隔で植え付けてください。
- 根鉢を崩さないようポットから苗を引き出す
- 根鉢がすっぽり入るサイズの穴を掘り苗を入れる
- 株元に土を寄せ、根と土が密着するように土を軽くおさえる
- わき芽を全て取る(一番花がある場合、その一つ下のわき芽だけ残す)
- 株の周囲にドーナツ状の土手を作り、その中にたっぷり水やりをする
米ナスの収穫
米ナスは、花が咲いたあと約1ヶ月ほどしたら、収穫時期となります。一般的なナスよりも、収穫できるようになるまでに少し時間がかかるのが特徴です。
米ナスの育て方で注意すべき病気・害虫
かかりやすい病気
米ナスをはじめとするナス科の植物は連作すると「青枯れ病」が発生します。予防のためにも連作は止めましょう。
つきやすい虫
アブラムシやダニが発生しやすいので薬剤で駆除します。ヨトウムシ、テントウムシは見つけ次第捕殺してください。
なお、米ナスの株元に敷きわらやマルチシートを張ることで、病害虫を予防できます。万一発生してしまった場合は早めに対処しましょう。
米ナスの増やし方
米ナスの増やし方は「種まき」が一般的です。わき芽を挿し木で増やす方法もありますが、成功率はあまり高くないようです。
米ナスの手入れ(芽かき・支柱立て)
米ナスは芽かき、支柱立てなどの手入れが必要です。時期としては5月上旬~5月下旬に行います。
芽かき
一番花が出たら、その花を挟んだ上下のわき芽1本ずづだけを残し、他のわき芽を取り去ります。こうして主枝1本、側枝2本の3本仕立てにします。
支柱立て
芽かきのあと、株に沿って長さ1.5メートルほどの支柱を立てます。8の字結びで余裕を持たせて主枝に固定してください。
米ナスの栽培ポイント
- 長期間栽培するが、難易度は中くらい
- 乾燥を嫌うのでみずやりはこまめに
- 栽培・収穫期間が長いので追肥を欠かさない
- 主枝1本・側枝2本の3本仕立てにする
- 高温を好むので気温が上がってから定植する
米ナスの栽培に挑戦してみよう!
ここまで米ナスの育て方を栽培場所、水やり、肥料、用土、病害虫、植え付け、植え替え、手入れなどの項目に細かく分けて解説してきました。
米ナスは栽培難易度は中くらいですが、栽培期間と収穫期間が長い野菜です。手間はかかりますがたくさんの実が収穫できます。また、ナス科の植物は高温多湿の環境を好むので、日本の風土によく合った野菜です。ぜひおうちでの栽培にチャレンジしてみてください。
※トップ画像はふうどうさん@GreenSnap
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