寄せ植えは、広い庭や花壇がなくても、省スペースであらゆる草花を楽しめるガーデニング手法のひとつです。好みの大きさや、雰囲気にあった鉢をつかって寄せ植えをすると、玄関などの狭いスペースでも、一気に華やかになりますよ。
一見すると、つくるのが難しそうな寄せ植えですが、基本知識や作り方を覚えれば、ガーデニング初心者でも簡単につくれます。
今回は、寄せ植えの基本的な作り方や、おしゃれにつくるコツなどをご紹介します。
寄せ植えでガーデニングをもっと楽しもう!
寄せ植えとは、1つの鉢やプランターに複数の草花を組み合わせて植えたものです。単体の草花だけで植えたものよりも、花色や花姿が違う複数の草花を組み合わせることで、より華やかになったり、より好みの雰囲気のガーデニングが楽しめるようになりますよ。
寄せ植えに使う草花に決まりはありませんが、寄せ植えを失敗せずに楽しむためには、組み合わせのコツを知っておくといいでしょう。
寄せ植えの基本!どんな花を組み合わせるべき?
① 置き場所に合った草花を組み合わせる
寄せ植えをつくる前に、どんな場所に置いて飾るのかを考えておきましょう。
例えば、日が当たりにくい玄関の角におきたい場合は、耐陰性のある草花を組み合わせる必要があります。また、日当たりがよいアプローチに飾るのであれば、直射日光に強い草花を組み合わせるなど、置き場所の環境に対応している草花を選ぶといいでしょう。
② 生育環境や性質が同じ草花を組み合わせる
寄せ植えの花の組み合わせには、花の生育環境や性質が同じかどうかも大切です。
例えば、夏の寄せ植えで人気なペチュニアは、直射日光が当たっても大丈夫なほど日光を好む性質がありますが、同じ夏の花のゼラニウムは、直射日光に当たりすぎると弱ります。
このように、日照条件や乾燥を好むかどうかも合わせて、生育環境と性質が同じ草花を組み合わせましょう。
寄せ植えの基本!必要な材料と道具とは?
寄せ植えをつくるのに必要な材料と道具はこちらです。
- 鉢もしくはプランター
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 草花用培養土
- 植える草花
- スコップ、もしくは移植ゴテ
- ハサミ、もしくはナイフ
- グローブ
- ジョウロ
このほか、園芸シートや、トレー、バッドがあると、土汚れが広がらず、後片付けもしやすいでしょう。
寄せ植えの基本!どんな鉢に植えるといい?
おしゃれな寄せ植えをつくるなら、花の組み合わせと同じくらい、鉢の素材やデザインも大切な要素となります。
鉢やプランターの素材は次のような種類があります。それぞれ素材によって特性が異なりますが、仕上がったときの雰囲気も変わるので、画像も参考にしてみてください。
素焼き・テラコッタの鉢
素焼きやテラコッタの鉢は、土を焼き固めてつくる鉢です。通気性と排水性がよく、草花全般に適した環境をつくれます。自然な風合いで、ナチュラルガーデンなど、あらゆるスタイルとなじみます。
木製の鉢
木製の鉢やプランターは、排水性がよく、安価で手に入ります。自然な風合いが草花との相性もいいですが、地面と接しているところから腐りやすく、菌が繁殖しやすいので注意しましょう。
プラスチックの鉢
プラスチックの鉢は、安価で手に入り、色や形などのデザインが豊富です。軽いので移動管理も楽ですが、通気性や排水性がやや劣ります。スリット鉢という鉢底から切れ込みが入った鉢をつかったり、用土の水はけをよくして使うといいでしょう。
グラスファイバーの鉢
グラスファイバーとは、ガラス繊維をもとにしてつくらた素材で、デザイン性に優れており、カラーバリエーションも豊富です。通気性や排水性がよく、軽くて丈夫な性質ですが、比較的価格が高めです。
ブリキの鉢
ブリキの鉢は安価でデザイン性が高く、サビやすいのでフレンチガーデンやジャンクガーデンなどとの相性がいいです。
アイアンの鉢
アイアンの鉢やプランターは、デザイン性と耐久性が高く、イングリッシュガーデンやナチュラルガーデンにもおすすめです。ハンギングバスケット状になっているものが多いので、水苔などを合わせながら寄せ植えします。
寄せ植えの基本!作り方や手順は?
寄せ植えの基本の作り方は、大きく3step分けて考えると、簡単につくれます。
① 鉢と土の準備をする
② 草花の配置を考える
③ 草花を植える
それでは、それぞれの工程について、詳しく説明していきます。
寄せ植えの作り方① 鉢と土の準備をする
まずは用意した鉢に土をいれて、草花を植える下準備をしましょう。鉢の底穴をふさぐ鉢底ネットを敷いたら、鉢底石を鉢の深さ5分の1ほど入れましょう。深さが30cm以上ある深鉢であれば3分の1ほどを目安に敷くといいでしょう。
鉢底ネットと鉢底石を敷いたら、草花用培養土をいれていきます。この時点では、植える草花の根鉢の高さを考慮して、半分〜3分の1ほどと浅めにとどめてください。
草花用培養土とはどんなもの?
草花用培養土は、草花が生育するのに適した配合用土のことです。自分で配合する場合は、「赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1」に、元肥に緩効性肥料を加えて使いましょう。
市販の草花用培養土は、手軽に始められるのでおすすめですが、元肥の有無など、配合資材を確認しておくといいでしょう。
寄せ植えの作り方② 草花の配置を考える
鉢の下準備ができたら、草花の配置を考えていきましょう。まずはポットに入れたまま、鉢の中に仮置きしていきます。
おしゃれな寄せ植えの配置にはコツがある!
寄せ植えでの草花の配置は、鑑賞する角度が全方位か一方向かで大きく変わります。全方位であれば、中心に向かって草丈の高い草花を置くといいでしょう。こんもりとした仕上がりをイメージします。
一方向の場合は、後方に草丈の高い草花を置き、手前にいくにつれて低くなるように配置すると、全ての草花がよく見えるようになります。
寄せ植えの作り方③ 草花を植える
草花の配置が決まったら、さっそく草花を植えていきます。苗をポットから優しく取り出し、根鉢をほぐしましょう。
このとき、根がびっしりと回るように生えている場合は、根鉢の高さ半分まで、下からハサミで「十文字切り」しましょう。根を一度切ると、刺激されてそのあとの活着がよくなります。
十文字切りした根鉢を開くようにして、苗を土の上に置いたら、隙間に土をいれこんでいきます。入れる土の量は、鉢の縁から3cmほど開けておきましょう。これは「ウォータースペース」といって、余裕を持たせておくことで、水やりをしたときに土が流れないようにするテクニックです。
草花を植える順番とは?
草花を植える順番は、草丈の高い花から順に植えていくといいでしょう。そのあとはメインとなりそうな大きな花を植え、最後に隙間を埋めるように、細かい花を植えていきます。
寄せ植えの基本!おしゃれにつくるコツとは?
寄せ植えの基本をおさえたら、よりおしゃれにつくるコツを覚えて、ワンランク上の寄せ植えをつくってみましょう。
おしゃれにつくるコツ① いろんな形の草花を組み合わせる!
草花には、草丈が高さや、花径の大きさ、ほふく性やつる性など、さまざまな形の性質があります。これらをうまく組み合わせることで、高さのあるダイナミックな雰囲気や、つるが縁を囲うようなナチュラルな雰囲気の寄せ植えがつくれます。
おしゃれにつくるコツ② 組み合わせる花の色を意識してみる!
おしゃれな寄せ植えをつくりたいなら、組み合わせる花の色についても考えておきましょう。とくにおしゃれにつくれるのは、次の3通りの配色パターンです。
単色の寄せ植え
寄せ植えする花の色を1色だけに決めて、組み合わせる方法です。黄色い花だけを寄せ植えしたり、白い花だけを使って寄せ植えします。
同系色の寄せ植え
寄せ植えする花の色のテーマを決めて組み合わせる方法です。寒色系なら、紫・青・白を、暖色系なら赤・オレンジ・黄色の花を組み合わせるといいでしょう。
反対色(補色)の寄せ植え
寄せ植えする花の色に、反対色の2色を組み合わせる方法です。反対色とは、色相環を見たときに反対側に位置する色のことで、紫と黄色、赤と青、青とオレンジ、ピンクと緑などが代表的な例です。
寄せ植えの基本をおさえて、おしゃれなガーデニングを楽しもう!
寄せ植えは、花の色はもちろん、姿形、配置、鉢のデザインなどによって、幅広い作品がつくれます。同じ材料でつくったとしても、その仕上がりは十人十色ですので、ぜひ、基本の作り方を覚えて、自由に寄せ植えをお楽しみください。
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