カブはアブラナ科の野菜で、収穫までの期間が短いので、家庭菜園初心者も栽培が楽しめる野菜です。また、小カブであればプランター栽培など、場所を取らず育てられるのでおすすめですよ。
今回は、手軽に育てられて美味しいカブの育て方についてご紹介します。
カブはどんな野菜?育て方は簡単?
- 連作障害
- あり(1〜2年空ける)
- 栽培期間
- 3月下旬〜6月上旬、9月〜12月中旬
- 生育適温度
- 20〜25度
カブは中央アジアからヨーロッパ南西部が原産のアブラナ科の根菜です。栽培期間が短く、失敗が少ないので初心者の家庭菜園にもおすすめの野菜です。
日本では古くから親しまれてきた野菜で、「聖護院かぶ」や「天王寺カブ」など、地域によって様々な品種が残っています。地植えはもちろん、プランターを用いて栽培することもできます。実を食すのはもちろんですが、葉も栄養豊富な野菜です。
カブの栽培に適した環境
カブは適度な日当たりと風通しの良い場所を好みます。日当たりが悪いと十分に根が育たないので注意しましょう。生育適温は20〜25度前後と、比較的冷涼な気候を好みます。
カブは耐暑性は高くないので、真夏を避けた春と秋に栽培できます。アブラナ科の野菜であるカブには害虫がつきやすいので、防虫ネットなどでしっかりと予防しましょう。
カブの栽培に適したおすすめプランターは?
プランター栽培には、小カブ品種が適しています。プランターの深さが15cm程度あれば問題ありません。ほとんどのプランターやコンテナで対応できるでしょう。
カブの土づくり
カブは栽培期間が短いので、早めに土作りをして微生物の活性化を促して、安定した土壌で育てるようにしましょう。土質としては保水性、排水性のバランスが優れた土を好み、適正なpH値は5.5〜6.5の中性に近い弱酸性です。
プランター栽培の土づくり
プランター栽培のカブの場合、用土の配合は、赤玉土小粒6:バーミキュライト3:川砂2の比率で配合しましょう。苦土石灰を用土10Lあたり10g、化成肥料を20g混ぜて1週間おいてから使用してください。市販の野菜培養土もおすすめです。
地植え・畑栽培の土づくり
地植えや畑でカブを栽培する場合、種まきの3週間前から準備を始めましょう。
まず畑1㎡あたり100gの苦土石灰をまいてよく耕したら、その1週間後に畑1㎡あたり2kgの堆肥と、化成肥料100gを、畑全体にまいてよく耕します。種まきはそのさらに2週間後に行うと、養分の吸収が効率よく進みます。
カブの種まきの方法
カブの種まき時期
カブの種まきは一般に、3月下旬〜4月下旬に行う春まきと、9月上旬から10月上旬に行う秋まきの2回です。
ただし、春まきは気温が高い時期にかぶる可能性が高いので、初心者は秋まきで育て始めるのがおすすめです。気温が徐々に下がっていく秋では、春に比べて害虫も少なくなります。
プランター栽培での種まき
- 深さ15cm以上のプランターを用意する
- 鉢底ネットや鉢底石を底が見えなくなるまで敷きつめる
- プランターに用土をいれる(3〜4cm分余裕をもっていれる)
- 棒などで深さ約1cmのまき溝をつける(2条引く場合、条間は10〜15cm)
- 溝に1cm間隔でタネをまいたら、土を寄せ埋める
- 底からしみ出るまで、種が動かないように優しく水やりをする
- 防虫ネットや寒冷紗をかけて、害虫を予防する
地植え・畑栽培での種まき
- 土作りをすませたら、畝を高さ10〜15cm、横幅70〜80cmで立てる
- 条間を小カブで15cm、中カブで25cm、大カブで50cmほどとって、深さ1cmのまき溝をつくる
- それぞれのまき溝に1cm間隔で種をまいたら、ごく薄く土かぶせる
- たっぷりと水をあげる
- 防虫ネットや寒冷紗をかけて、害虫を予防する
種まきから発芽までの管理方法
カブを種まきしたら、たっぷりと水をあげて、土を乾かさないように注意しながら管理しましょう。カブには害虫がつきやすく、ハモグリバエの被害に遭うと見た目がとても悪くなってしまいます。防虫ネットをかけて、しっかりと害虫を予防しましょう。
秋まきの場合は、台風などの雨などで荒れないように、発芽までは敷きわらや不識布を被せておきます。プランター栽培の場合も、軒下などに移動させておくと安心です。
カブの間引きのタイミング
カブは収穫までに3回間引きを行います。間引きでつくりだす間隔は、育てているカブによっても異なるので、上のイラストを参考にしてください。
下記を目安に、生育の悪い方を間引きしましょう。
- 1回目の間引きは本葉が1〜2枚になったら
- 2回目の間引きは本葉が2〜3枚になったら
- 3回目の間引きは本葉が5〜6枚になったら
カブの肥料・追肥の与え方
カブの追肥は、2回目の間引きと同じタイミングで行います。プランター栽培であれば1株あたり5gほど。地植え栽培であれば列の間に1㎡あたり20〜30gの化成肥料を均一に施しましょう。
指先で土の表面と肥料をほぐすように混ぜたら、株元に土寄せします。このときはの生え際に土が入らないようにしてください。
様子を見て、生育不調そうであれば、3回目の間引きのときにも、同じ方法で追肥するといいでしょう。
カブの水やりのコツ
プランター栽培の水やり
プランター栽培のカブは、表土が乾いたら、たっぷりと水やりをしましょう。土の中の水分が急変すると裂根を起こしやすいので、極端な乾燥状態や、過湿状態にはしないようにしてください。水やりは、基本的に朝夕の涼しい時間帯にたっぷりと行います。
地植え・畑栽培の水やり
地植え栽培のカブは、基本的に水やりは必要ありません。自然の降雨のみで育ちますが、雨がしばらく降らず土が乾燥した状態が続く場合は、たっぷりと水やりをしましょう。
ただし長時間の過湿には弱いので、夕方以降の水やりは控えてください。
カブの収穫時期はいつ?サインはある?
カブの収穫時期は、春まきなら5月中旬〜6月上旬、秋まきなら10月中旬〜12月中旬が適しています。
収穫の目安は直径ではかりましょう。小カブは直径4〜5cm、中カブは直径8〜10cm、大カブは直径20〜30cmほどが目安となります。収穫が遅れると裂根するので注意してください。
カブの実が割れるのはどうして?
カブは、収穫が遅れることで実が割れることが一番多い野菜です。また、生育後期に急激に大きくなると、実の生長が追いつかずに割れてしまいます。乾燥気味のところに急激な雨などで水分が入ると実が割れてしまうので、土の乾燥が続かないように注意しましょう。
また、肥料が不足しても実が破れやすくなります。たっぷりの堆肥をすき込み、水はけと水持ちの良い土壌を作りましょう。
カブの実の表面がボコボコなのはどうして?
カブの実の表面がツルツルにならないのは、害虫による食害が原因であることが多いです。アブラナ科のカブは害虫の被害に遭いやすく、害虫はカブの皮を食べてしまいます。目の細かい防虫ネットを張るか、土壌に混ぜるタイプの殺虫剤を用いて被害を防ぎましょう。
カブの栽培で注意すべき害虫・病気
カブを育てるときに注意すべき害虫は、アブラムシ、コナガ、ヨトウムシなどです。害虫を、見つけたら捕殺し、殺虫剤を散布しましょう。
また、カブがかかりやすい病気には根こぶ病などがあります。アブラナ科の連作を避けることで、ある程度防止できます。
カブを栽培して家庭菜園を楽しもう!
カブを育てるときのポイントは、極端な環境の変化を防ぐことです。例えば極端な乾燥状態からの水やりや、間引きを一気にしてしまうことで栄養供給のバランスが崩れることを嫌います。その点に気をつけさえいれば、カブの栽培は簡単なので、皆さんも是非挑戦してみてください。
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