ポインセチアはクリスマスシーズンによく見かける、真っ赤な葉が特徴の植物です。秋冬は鉢花として室内で育てている方も多いと思いますが、じつはふつうに育てただけでは葉が赤くならない可能性もあるんです。
そこで今回は、ポインセチアを赤くするための短日処理についてご紹介します。
【動画】簡単にわかるポインセチアの短日処理
この動画ではポインセチアの短日処理の方法や時期を簡単にまとめています。まずは、こちらの動画をチェックしてみましょう。
より詳しく知りたい方は、以降の内容を参考にしてくださいね。
ポインセチアはどんな植物?
ポインセチアは、メキシコ西部を原産とするトウダイグサ科・ユーフォルビア属の常緑性低木です。野生種は軽い霜に当たっても枯れないほど耐寒性がありますが、園芸品種は寒さに弱いので、鉢花として室内で育てるのが一般的です。
鉢花といっても実際の花は葉の付け根に小さく咲くだけで、赤い花びらのように見えるのは、じつは葉の一部が変形してできた「苞(ホウ)」という部分なのです。
そのため、ポインセチアは冬の時期になると、緑色だった葉(苞)がだんだん赤く色づいていき、クリスマスシーズンには真っ赤に染まった鉢花として長期間楽しむことができます。
ポインセチアが赤くならないのはなぜ?
そもそもなぜ赤くなるの?
そもそもポインセチアはなぜ赤くなるのかというと、虫を赤色で誘き寄せて受粉をうながす習性があるからなのです。花が小さく受粉しにくいというデメリットを、特有の進化を遂げて克服した結果ともいえますね。
そのため、ポインセチアは花芽がつくと同時に、だんだんと色づいて冬開花ごろには赤くなります。
赤くならない原因は?
このような習性があるのにもかかわらず、なぜか赤くならないという方が多いようですが、ポインセチアが赤くならない原因は単純で、つまりは花芽をつける環境条件に満たしていないからです。
じつはポインセチアには「短日植物」といって、日中の時間が短くなることで花芽をつける性質があります。そのため下記のような育て方では、花芽がつかず苞も赤くなりません。
- 長時間日当たりのいい場所で育てている。
- 夜になっても室内灯や街灯があたる場所で育てている。
- 1日の気温の変化が激しい場所で育てている。
ポインセチアを赤くする「短日処理」とは?
ポインセチアを赤くするには、光の当たらない真っ暗な時間を12時間以上保つ必要があります。そのためには他の植物とは違った、短日処理というお手入れが必要です。
短日処理とは、一定の時間ポインセチアを日光にあて、そのあと日光を遮断することによって、冬が来たと錯覚させる方法です。これにより花芽分化が進み、同時に葉が赤く色づいてきますよ。
短日処理といっても、要は一定時間暗闇になるようにすればいいだけなので、とても簡単です。一例として、段ボールつかった短日処理のやり方をご紹介します。
ポインセチアの短日処理のやり方
用意するもの
- ポインセチアの鉢花
- ダンボール
- ダンボールを覆える大きさの袋や布
短日処理の手順
- ポインセチアの鉢に段ボールをかぶせる。
- さらに全体を覆うように、布や黒のビニール袋をかぶせる。
- 17時~7時までそのまま遮光し、7時〜17時まで日当たりのいい場所に置く。
毎日、夕方17時~朝7時までの14時間ほどかぶせたままにしておきます。
そのあと朝7時~夕方17時までの10時間は、十分に日光が当たる場所において完了です。
ポインセチアの短日処理はいつからいつまでやる?
ポインセチアの短日処理は、9月下旬〜10月中旬頃の気温が18度〜20度になった頃に行います。短日処理を始めた日から約1ヶ月〜1ヶ月半ほど継続することで葉が赤くなっていきます。
ポインセチアの寿命を伸ばしたいという場合は、9月の中旬頃からはじめるのもおすすめです。
赤く色づくまで2ヶ月ほどかかる場合もあるので、焦らずにじっくり行いましょう。赤く色づき始めたら短日処理をやめる合図です。毎日ポインセチアの様子を見ながら行ってみてくださいね。
短日処理でポインセチアを赤くきれいに色付けよう
ポインセチアを赤くするには、短日処理を行う必要があります。毎日行うのは少し手間ですが、赤く色づいたときには喜びもひとしおですよ。
クリスマスには、自分で育てたポインセチアを楽しんでみてくださいね。
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