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フウロソウ

フウロソウ(風露草)の育て方|置き場所や日当たり加減、水やりの頻度は?

フウロソウ、Photo by ユンホァンさん

フウロソウは、世界に分布するフクロソウ目フウロソウ科の約800種類の被子植物で、この中には多年草や一年草、低木が含まれています。フクロソウ科の下にはフウロソウ属、テンジクアオイ属、オランダフウロなどの数種類の属があります。この中でもフウロソウ属は約430種類があり、10数種類が日本国内に分布しています。

一方、テンジクアオイ属は南アフリカのケープ植物区に多く分布しており、その数は約280種類にのぼります。原種は約20種類でしたが、交配によって多くの園芸品種がつくられています。

なじみのある「ゼラニウム」という名称はフウロソウ属の学名でもあり、フウロソウ属とテンジクアオイ属の総称としても使われてきました。しかし現在ではゼラニウムはテンジクアオイ属に分類されており学名とあわせて考えるとややこしくもあります。ここでは園芸において「ゼラニウム」と呼ばれている「フウロソウ属」と「テンジクアオイ属」の2種類に絞り、育て方や種類について紹介します。

フウロソウ(風露草)を育てる場所

国内で自生しているフウロソウの多くは、耐寒性はあるものの耐暑性は弱く、真夏の暑さに弱い山野草です。寒冷地では夏越しが容易ですが、暖地での夏越しは難しいです。しかし最近では夏に強い品種も流通しています。

フウロソウを育てる場所は、半日陰か明るい日陰が適しています。フウロソウを地植えにする場合は、落葉樹の下などのやや湿った場所で育てましょう。

フウロソウ(風露草)の水やり

フウロソウを地植えにした場合も鉢植えにした場合も、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをします。

フウロソウ(風露草)の肥料

フウロソウの植え付けや植え替えのときに、元肥として緩効性の化成肥料を入れておきましょう。

鉢植えへの追肥は3~9月に、月1~2回の割合で大幅に薄めた液体肥料を施します。地植えの場合はそれほど肥料を必要としないので、与えるならより控えめにしましょう。

フウロソウ(風露草)の土

フウロソウを育てるときは、水はけの良い用土を用いましょう。鉢植えにするなら、市販の山野草の用土を使います。

フウロソウ(風露草)の植え付け・植え替え

フウロソウの植え付け・植え替えの時期は、温暖地では2月~3月中旬、寒冷地では3~4月と10月が適期です。鉢植えは生長に合わせて大きな鉢に植え替えをしましょう。地植えの場合も3~5年に一度は株分けを兼ねて植え替えてください。

フウロソウ(風露草)の増やし方

フウロソウの増やし方は「種まき」と「株分け」です。種まきは温暖地で2月~3月中旬、寒冷地では3~4月が適期です。株分けは植え替え時に行いましょう。

フウロソウ(風露草)の手入れ

高性種(草丈の高い品種)のフウロソウの場合、茎が倒れるようなら支柱を立てましょう。真夏に日光が当たりすぎるようであれば遮光してください。

フウロソウ(風露草)の育て方で注意すべき病気・害虫

かかりやすい病気

軟腐病やうどんこ病にかかる場合があります。軟腐病は水はけの良い用土で予防しましょう。うどんこ病にかかった葉は早めに取り除いてください。

つきやすい虫

ヨトウムシやアブラムシ、ハダニがつくことがあるので、見つけ次第駆除してください。

フウロソウ(風露草)の種類

フウロソウ(風露草)は、世界に分布するフクロソウ目フウロソウ科の約800種類の被子植物で、この中には多年草や一年草、低木が含まれています。フクロソウ科の下にはフウロソウ属(学名:Geranium=ゼラニウム/ゲラニウム)、テンジクアオイ属(学名:Pelargonium=ペラルゴニウム)、オランダフウロ属(学名:Erodium=エロディウム)などの数種類の属があります。

ここでは、園芸において「ゼラニウム」と呼ばれるフクロソウ属とテンジクアオイ属の一部の種類を紹介します。

フクロソウ属

  • アケボノフウロ(曙風露):多年草。学名のゲラニウム・サングイネウムとして流通している。
  • アサマフウロ(浅間風露):多年草。名前の通り浅間地方に自生する。絶滅危惧IB類。
  • アメリカフウロ(亜米利加風露):一年草。雑草。
  • イチゲフウロ(一花風露):多年草。ゲンノショウコに似ている。
  • エゾフウロ(蝦夷風露):多年草。日本固有種。
  • ゲンノショウコ(現の証拠):多年草。生薬の一種で名は「胃に実際に効く証拠」に由来。別名ミコシグサ(御輿草)。
  • グンナイフウロ(郡内風露):多年草。別名イブキグンナイフウロ。
  • コフウロ(小風露):多年草。フクロソウ属の中でコフウロだけが互生する。
  • シコクフウロ(四国風露):多年草。別名イヨフウロ(伊予風露)。変種にカイフウロ、ヤマトフウロ、ヤクシマフウロなどがある。
  • タチフウロ(立風露):多年草。ハクサンフウロと似ているが分布場所は被らない。
  • チシマフウロ(千島風露):多年草。名は千島に自生することに由来。
  • ハクサンフウロ(白山風露):多年草。エゾフウロの変種。
  • ヒメフウロ(姫風露):一年草または越年草とされる。別名シオヤキソウ(塩焼草)。
  • ビッチュウフウロ(備中風露):多年草。イヨフウロと似ている。

テンジクアオイ属

  • ゼラニウム系統:四季咲きペラルゴニウムまたはゼラニウムの名で呼ばれる。
  • ペラルゴニウム系統:一季咲きペラルゴニウムまたはゼラニウムの名で呼ばれる。
  • アイビー・ゼラニウム系統:四季咲きペラルゴニウムまたはツタバゼラニウムと呼ばれる。
  • センテッド・ゼラニウム系統(香料用ゼラニウム):バラの香りを持つローズゼラニウムをはじめとして、レモン・オレンジ・ミント・シナモンなどさまざまな香りを持つ品種がある。

フウロソウ(風露草)の花

フウロソウの花は、種類や品種によって咲く時期も見た目も異なります。春から秋の長期にかけて開花するものが多く、花色はピンクや紫、赤色などさまざまあります。

フウロソウ(風露草)の花を育ててみよう!

たくさんの種類があるフウロソウ科の中でも、園芸において「ゼラニウム」と呼ばれている「フウロソウ属」と「テンジクアオイ属」の2種類の栽培方法を紹介しました。

フウロソウは暖地では夏越しが難しい中級者向けの植物です。夏の日光には注意を払い、半日陰や明るい日陰で育てることをおすすめします。

※トップ画像はユンホァンさん@GreenSnap

フウロソウの花言葉|花の特徴や開花時期は?ゼラニウムと同一種?

ゼラニウムと聞くと、ピンと来ますが、フウロソウというとあまりしっくり来ない方が多いかもしれません。フウロソウの一部はゼラニウムとも呼ばれます。では、フウロソウの花言葉は何でしょうか。

このページでは、フウロソウの花言葉と花の基本情報や特徴をご紹介しています。またフウロソウにはどんな種類があるのでしょうか。これからフウロソウをお迎えしたい方はぜひご参照ください。

フウロソウの花言葉

フウロソウの花言葉は「変わらぬ信頼」、「妬み」です。

花期が4~9月。初夏が最盛期とは言われていますが、長い期間に花を楽しむことができるため、「変わらぬ信頼」という花言葉が付いたのでしょう。寄り添って咲くことも信頼し合っているように見えるのかもしれません。

フウロソウの基本情報

学名
Geranium
科・属
フウロソウ目フウロソウ科
原産国
東アジア
別名
ゼラニウム

フウロソウは、フウロソウ目フウロソウ科に属する植物の総称です。そのため種類が豊富で、多岐にわたります。なんと400種類以上あると言われています。そのうち、フウロソウ属の学名がGeraniumです。

園芸界ではゼラニウムという名で流通しますが、ゼラニウムはフウロソウ科テンジクアオイ属となります。つまり厳密にいうと、ゼラニウムはすべてのフウロソウの別名とはなり得ないのです。

フウロソウの由来

フウロソウの名の由来についてご紹介します。フウロソウは漢字で書くと、「風露草」です。周囲を木々で囲んだ草刈り場のことを風露野と呼びます。風露草は、そんな草刈り場つまり風露場に生える草という意味となるのです。

よく草刈り場にフウロソウが生えていたのでしょう。

フウロソウの花の特徴

フウロソウの特徴は花期が長いこと。4月から9月まで花を楽しむことができますが、そのなかでも特に初夏が一番見ごろです。フウロソウは種類が多いため、花はカラーバリエーションが豊富。

色は、赤、ピンク、白、青、紫と多岐にわたります。花が終わると、花弁が散りますが、花柱は残ります。花柱とは、柱頭と子房のこと。花びらが散っても、花の中心部だけが残るというイメージです。種類は多いですが、どれも花弁は5枚です。

フウロソウの種類、品種

フウロソウは何といっても種類が豊富。ここでは、代表的なものをご紹介します。

ミツバフウロ

その名からも想像がつくように、ミツバフウロの葉は3つに裂けます。枝分かれをよくするため、広がりやすいです。

グンナイフウロ

フウロソウのなかでは花期が短めで6~8月。横向きに咲く特徴があります。

アメリカフウロ

東アジアが原産のフウロソウですが、こちらはアメリカ原産のフウロソウです。他の種類と比較すると、花は小さめ。

フウロソウは人気の園芸植物

フウロソウは種類がとても多いです。カラーも豊富なので、好みの色のお花がきっと見つかるはず。フウロソウは種類が多いため人気の園芸植物なのですよ。こちらは、冬の寒さにも強く、育てやすい植物と言えます。

山や野原でも自生するほどなので、比較的強い植物と考えられています。フウロソウは、半日陰でも育ち、直射日光を嫌います。お庭で育てる場合は、育てる場所に注意しましょう。フウロソウは種類のよって花弁の形が若干異なります。花弁に切れ込みが入った種類のフウロソウは愛らしく個性的。

種類によって、冬に落葉させるものと、常緑を保つものがあります。葉を落とすかどうかの違いでも品種を選んでみるとよいかもしれません。