アップルミントは、リンゴのようなフルーティーな甘い香りと、ハッカに似た香りが特徴のミントです。かなり繁殖力が強く、初心者でも簡単に栽培することができます。
今回は、ミントティーや料理の飾りにも使える人気のハーブ、アップルミントの育て方をご紹介します。
アップルミントはどんなハーブ?育て方は簡単?
- 連作障害
- あり(3年目以降は新しい場所に植え替える)
- 栽培期間
- 一年中可能
- 生育適温度
- 15〜25℃
アップルミントは、シソ科ハッカ属の地中海が原産のハーブです。他のミントよりも肉厚で、葉が丸く、葉の表面に産毛のような毛が生えているのが特徴です。生のまま使うことができます。
リンゴとハッカを合わせたような甘く優しい香りが特徴で、ハーブティーやデザートだけではなく、サラダやソースなどにも使えます。
アップルミントの栽培環境
アップルミントは日当たりがよく風通しの良い環境を好みます。直射日光に当たりすぎると葉焼けを起こして萎れて枯れてしまうので、半日陰の環境で管理しましょう。
病害虫に強く、丈夫で育てやすいので初心者でも簡単に栽培できます。ただし、繁殖力が非常に強いため、植える場所には注意しましょう。
地植えで育てると、環境が合えば手がつけられないほど繁殖してしまう可能性があります。
鉢植えやプランターを用いると、繁殖しすぎる心配もなく、室内でキッチンハーブとして育てることもできます。
アップルミントの種まき
アップルミントの種まきは、春まきなら3月下旬〜5月まで、秋まきなら9〜10月です。
アップルミントは非常に種が小さいので、同量の砂と混ぜてから、育苗ポットや育苗箱にばらまきしていきます。軽く土をかぶせて、土が乾かないよう水やりして、日陰で管理します。
本葉が3枚ほどになったら、育成の悪いものや密集しすぎて生えている苗を、間引きします。葉が6枚以上になったら、植え付けしてください。
- 乾いた砂つぶと種を同量用意し、混ぜる
- 薄い紙を使ってまんべんなく土にまく
- 軽く土をかけ、霧吹きなどで水をやる
- 本葉が3枚以上出たら、生育の悪い株や密集している部分の苗を間引く
- 本葉が6枚以上出たら、植え付け苗の完成!
薄い紙(新聞紙でもOK)をかけての水やりのほか、あらかじめ土を水で濡らしてから種をまく方法もおすすめです。
アップルミントの土づくり
アップルミントは、水はけと保水性の良い土を好みます。
鉢植え・プランター栽培の土づくり
鉢植え・プランター栽培のアップルミントは、市販のハーブ培養土を使うのと良いでしょう。
地植え栽培の土づくり
地植え栽培のアップルミントは、植え付け2週間前から、苦土石灰で中性よりに調整していきます。
- 植え付け2週間前:1㎡に対して苦土石灰を100gまいてよく耕す
- 植え付け1週間前:1㎡に対して堆肥2Kg、化成肥料100gを畑の全面にまいてよく耕す
- 植え付け直前:幅70cm〜80cmの畝をつくる
アップルミントの植え方
アップルミントを植える適期は、春まきの場合は4月〜6月中旬、秋まきの場合は9〜10月です。
鉢植え・プランター栽培の植え方
アップルミントは深く根を張るので、5〜6号鉢よりも大きなサイズの容器に植え付けましょう。鉢植えの場合は、ひとつにつき一株だけ植えるのがポイントです。
プランターの場合は株間を10〜15cmほどとって植え付けるのがポイントです。
- 鉢植え・プランターの底に鉢底石を入れ、半分ほど用土を入れる
- 根鉢を崩さないように苗を取り出す
- ひとつのプランターにつき、一株植えつける
- すき間に土を入れ、割り箸などでつつきながら苗を固定させる
- 鉢底から流れるくらいたっぷりと水をやる
地植え栽培の植え方
アップルミントは非常に繁殖力の強い植物です。地植え栽培にする場合は、他の植物よりも一段高い場所に植え付けたり、地中深くまで板やブロックを埋めて、地下茎が伸びないように管理するのが大切です。
対策をしないと、すごい勢いで地下茎が伸びてしまい、増えすぎて管理できないほど繁殖してしまいます。このように、とんでもない勢いで増えていく植物を「爆殖植物」と呼びます。
- 植える場所を囲うように、地中深くまで板やブロックを埋める
- 根鉢を崩さないように取り出す
- 根鉢と同じ大きさの植え穴を掘り、株間15cm、条間30cmで苗を植えつける
- 株元に軽く土を寄せ、根と土をしっかり密着させる
- たっぷりと水をやる
アップルミントの水やり
鉢植え・プランター栽培の水やり
鉢植えでアップルミントを育てるときは、鉢の表面の土が乾いたら水をたっぷりとあげてください。水やりの時間帯は朝夕の涼しい時間帯に行いましょう。
地植え栽培の水やり
地植えでアップルミントを育てるときは、基本的に水やりは必要ありません。ただし、あまりに雨が降らずに乾燥する場合には、適度に水やりをしてください。
アップルミントの肥料・肥料
アップルミントは肥料を与えなくても、強健に育っていきます。基本的に肥料は必要ありませんが、株が弱っている場合や、さらなる収穫をしたい場合は、5月〜9月に追肥をすると良いでしょう。
ただし、肥料の与え過ぎは、肥料焼けを起こしますので、様子を見ながら与えてください。
追肥のタイミングは、植え付け1ヶ月後の生育期、開花期、収穫後の、それぞれ1〜2ヶ月に1回が目安です。規定量の緩効性化成肥料、もしくは発酵油かすを施しましょう。
アップルミントの切り戻し・剪定
アップルミントは、生育旺盛なので、放っておくとどんどん茎が伸びて葉が茂ってしまいます。蒸れやすい梅雨の前には、葉を透かすように剪定を行うと良いでしょう。ただし、春は剪定しすぎないことが大切です。
梅雨入り前の切り戻し・剪定
雨が多い梅雨の時期は、蒸れて弱ったり、多湿による根腐れを起こしやすいので、茎を切って、通気性をよくすることが大切です。できれば、梅雨が始まる前や合間の天気が良い日に剪定を行いましょう。
冬場の切り戻し・剪定
アップルミントは、冬場に茎をカットしておけば新芽が出やすくなります。冬場は株元と地面の境にある地際ギリギリでカットし、冬越しをしましょう。春になれば再び元気に葉が生えてきます。
アップルミントの収穫
アップルミントの草丈が20cmほどになり、葉が茂ってきたら収穫適期です。
収穫は剪定も兼ねながら行いましょう。葉を数枚残して切り落とすことで、風通しも良くなり、わき芽が伸びて次の収穫につながります。
茎の先から葉ごとハサミなどでカットして収穫します。茎から収穫することで、その下から更にわき芽が生えて長い期間収穫を楽しめます。
また、花の鑑賞を目的としない場合には、花を咲かせる体力を無駄に使ってしまうので、芽の先端を摘みとる「摘心」をすると良いでしょう。
アップルミントの増やし方
アップルミントは「挿し木」「株分け」で増やすことができます。
アップルミントの挿し木(水耕栽培)
アップルミントの挿し木は4〜5月、もしくは9〜10月が適期です。茎を10cmほどの長さに切り落として、先端の葉っぱ2、3枚を残して、他の葉は全て落とします。
切り口を数時間水につけてから、赤玉土小粒にさして、乾かさないように管理してください。土に挿さず、水に挿したまま育てる水耕栽培をすることもできます。
アップルミントの株分け
アップルミントの植え替えと同時に、株分けをしていきましょう。掘り起こした株を、均等に根から切り分けていきます。それぞれ新しい鉢や地面に植え付けることで、株分けできます。
アップルミントの植え替え
アップルミントの植え替えの適期は、4〜6月、もしくは9〜11月です。プランターに根が回ってしまったら、土から掘り起こして、古い根を整理し、新しい用土を入れて植え替えしましょう。植え替えの頻度は下記を参考にしてください。
- 鉢植え・プランター栽培:毎年の植え替えをしてください
- 地植え栽培:2〜3年に1回の植え替えをおすすめします
アップルミントの病気・害虫
アップルミントはミントの仲間なので、基本的には虫や病気には強い植物です。しかし、水はけが悪い環境や高温多湿の環境では病害虫に被害に遭うことがあります。
適度に剪定を行い、風通しの良い環境をキープしてくださいね。
アップルミントの薬効はどんなもの?
アップルミントには殺菌効果があり、摂取することで、口臭予防や、便秘改善の効果があると言われています。また、ハッカとアップルの混ざった爽やかでフルーティーな香りには、リラックス効果があり、煮出したミントとお風呂に入れても楽しめます。蚊などの虫除けにも効果的です。
ただし、妊婦の方の常飲や使用は、健康を害する可能性があるので、避けてください。
アップルミントを栽培して収穫を楽しもう!
リンゴとハッカの中間のような甘く優しい香りのアップルミント。名前も可愛いですが、水耕栽培などでキッチンの脇にあるととても素敵ですね。
普通のミントよりもフルーティーな香りなので、ハーブティーや生で楽しむデザートにもおすすめのハーブです。ぜひご自宅で育てて、収穫を楽しんでくださいね。
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