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カクレミノ

カクレミノの花言葉|花の特徴や由来、種類はある?

カクレミノ

花が咲くイメージのないカクレミノ。こちらは花言葉があるんでしょうか。ここでは、カクレミノの花言葉や、その特徴、育て方などをご紹介します。

カクレミノの花言葉

カクレミノはグリーンのイメージはありますが、花のイメージはあまり持ちませんよね。しかし、カクレミノにも花言葉が設けられています。カクレミノの花言葉は、「耐え忍ぶ」、「ずる賢い」です。

「ずる賢い」とはあまり良い花言葉ではありませんよね。こちら、昔話が由来しているのです。「天狗の隠れ蓑」という昔話をご存じでしょうか。この話の主人公の少年は、ただの竹を遠眼鏡とウソをついて天狗の宝である隠れ蓑と交換します。

しかし、少年の母親が隠れ蓑をあやまって囲炉裏で燃やしてしまうのです。残念に思った少年は、隠れ蓑の灰を身体に塗ってみました。すると、塗った部分の体が消えたのです。少年は悪知恵を働かせ、透明な状態になり村で盗み食いをしました。しかし、少年が舌なめずりをしたため、口の周りの灰が消えてバレてしまうのです。村人にそれを目撃されて、逃げる少年。そして、川に落ちてしまいます。

全身の灰が落ちて人前で裸になってしまうというお話です。これが由来となって、「ずる賢い」という花言葉がつきました。

「耐え忍ぶ」という花言葉は、カクレミノの特徴に由来します。カクレミノは日陰を好むのです。普通の植物では育ちにくい場所でしっかりと育つことから、「耐え忍ぶ」という花言葉がつきました。

カクレミノの基本情報

学名
Dendropanax trifidus
科・属
ウコギ科カクレミノ属
原産国
日本
別名
ミツデ、テングノウチワ、ミツナガシワ、ミソブタ

日本原産ということもあり、和風なお庭に向いていますが、洋風のお庭にもアレンジしやすいです。

カクレミノの由来

変わった名前のカクレミノ。漢字で書くと、そのまま「隠蓑」となります。こちらは花言葉の由来でもご紹介したように、天狗の宝物の隠れ蓑から由来しています。カクレミノの葉の形がまるで天狗の隠れ蓑のような形であるため、名前が付きました。

また別の説もあります。それは、葉が蓑に似ているから名付けられたとも言われています。蓑は昔の傘のこと。

カクレミノの特徴

花よりも葉に特徴があるカクレミノ。葉には艶と光沢があり、卵型をしています。幼木のうちは、3裂ほどにさけたカエデのような葉を付けます。成長と共に卵型のみとなるのです。このように、葉の形が変わっていくのもカクレミノの特徴と言えます。

カクレミノの花期は6~8月。しかし、カクレミノの花はほぼ目立ちません。咲いていてもあまり気が付かれないことが多いです。花の色は白、黄緑の花。密集して咲くのも特徴です。カクレミノは縁起の良い樹木とも言われていて、災厄などから守ってくれるとされています。そのため、贈り物にも選ばれる植物でもあるのですよ。

カクレミノの種類、品種

カクレミノの種類は細かく分類されていません。ミツデなど名前は色々ありますが、すべて同一植物です。

カクレミノは庭木でも鉢植えでも楽しめる

カクレミノは太陽の光ではなく、日陰を好みます。お庭でに当たりの悪いスペースがあれば、そちらで育ててください。暗い場所でもしっかりと育ちます。カクレミノはやや湿った土を好むため、ジメジメした場所で育てると良いでしょう。上へと伸びる植物で、すらっとしています。

横に枝を伸ばさないため、スペースを取らず、隣に植えた植物の成長の妨げにもなりません。育てやすいため、初心者の方にも向いています。寒さにはやや弱い植物です。室内でも育てられますので、鉢植えにして観葉植物としても楽しめます。

すらっとしているので、お庭に地植えすればシンボルツリーになるはず。寒い地域では鉢植えにして、冬場は室内に入れるのがおすすめです。

カクレミノの育て方|種まきや挿し木、剪定の方法は?

カクレミノPhoto by えめめさん

カクレミノは、年間を通して艶やかな美しい葉姿を楽しめる植物です。和風庭園に植えられていることが多いですが、洋風の庭にもよく合います。今回は、そんなカクレミノの育て方についてまとめました。

カクレミノを育てる場所

カクレミノは日陰もしくは明るい日陰で育てるのが適しています。直射日光に当たると、葉や幹を傷めてしまうことがあるので注意しましょう。

乾燥も苦手なため、寒風が吹きつける場所や土が乾燥しやすい場所は避けてください。加えて、寒さに弱いので東北地方や北海道などでは、地植えでの栽培は難しいでしょう。

また、カクレミノの枝は横に広がるというよりも、上に向かって直立ぎみに伸びていくため、壁と塀の狭いスペースに植えるのにも向いています。

なお、カクレミノは列植しやすいものの、葉の密度がそれほど高くないうえ、成長するにつれ下葉が落ちていくので生垣には向きません。

カクレミノの水やり

カクレミノは適度に湿度がある状態を好むため、土が乾いていたらたっぷりと水やりをしましょう。

カクレミノの肥料

カクレミノは基本的に肥料を与えなくてもよく育ちます。ただし、土に栄養が足りていない場合は、堆肥を混ぜ込むとよいでしょう。肥料過多になると、葉が茂りすぎることがあるので注意しましょう。また、窒素分が多いと枝が徒長しやすくなります。

カクレミノの土

カクレミノは痩せた土では育たないので、肥沃な土を用意してください。地植えの場合は、植える場所の土に腐葉土を混ぜ込んで使いましょう。鉢植えの場合は、市販の培養土を使うと手軽に植えられます。

カクレミノの植え付け・植え替え

カクレミノの植え付け・植え替え時期は、気温が比較的高い4月〜5月、9月〜10月が適期です。地植えの場合は根鉢の1回り大きい穴を掘り、その中に苗木を置いて土をかぶせます。植え付け後にたっぷりと水を与えれば完了です。

カクレミノを鉢植えにする場合は、根がつまってきたら、1回り大きい鉢へ植え替えます。植え替え後も、たっぷりと水やりをするようにしてください。

カクレミノの増やし方(種まき・挿し木)

カクレミノは「種まき」や「挿し木」で増やすことが可能です。

種まき

種まきをする場合は、11月頃に青黒色に熟した実を採取し、その中から取り出した種を翌年の3月〜4月頃にまきます。種は乾燥しないよう、湿らせた砂の中に埋めて種まきの時期になるまで保管しておきましょう。

挿し木

挿し木をする場合は、元気な枝を15cm程度カットし、枝の切り口を水に1時間ぐらい浸して十分に水揚げします。水揚げをしたら用土に挿し、乾かさないように注意しながら日陰で管理していきましょう。発根して新葉が5枚程度にまで育ったら、庭や鉢に定植します。

カクレミノの手入れ・剪定

剪定

カクレミノをコンパクトに育てたい場合は、春から夏頃に枝を切りつめましょう。カクレミノは芽吹く力が強いので、好みの箇所で切り落として問題ありません。

防寒対策

また、先述の通り耐寒性があまりないため、カクレミノを地植えにしている場合は、寒さ対策としてマルチングをするとよいでしょう。なお、マルチングには土の乾燥を防ぐ効果もあります。

カクレミノの育て方で注意すべき病気・害虫

カクレミノを育てる上で、特に注意したい病害虫はありません。ただし、乾燥した環境下でカイガラムシがつくことがあります。カイガラムシは主に葉や枝、幹に寄生して液汁を吸い生育を阻害する害虫です。

見つけ次第、歯ブラシなどでこそげ落として退治しましょう。もし大量に発生してしまった場合は、カイガラムシ用の薬剤を使って駆除するとよいです。カイガラムシの成虫は、貝のような硬い物質に覆われているので、通常の薬剤ではあまり効かないことがあります。

カクレミノの花

カクレミノは成木に成長すると、黄緑色の五弁の花を咲かせます。花の開花時期は、6~8月にです。

カクレミノの花を鉢植えで栽培してみよう!

壁際などの狭いスペースに植えられるカクレミノは、ちょっとした目隠しとして役立つ植物です。また、鉢植えにして室内で栽培すれば、観葉植物として楽しめます。剪定の仕方や増やし方なども簡単なので、ぜひ育ててみてください。

※トップ画像はえめめさん@GreenSnap