ミニトマト(プチトマト)といえば、家庭菜園で挑戦したい定番の人気野菜ですね。ミニトマトの栽培自体はとても簡単ですが、味や実つきを追求するには、水やり頻度や肥料など、色々な工夫が必要な奥深い野菜ともいえます。
今回は、家庭菜園の定番であるミニトマトの育て方について詳しくご紹介します。プランター・鉢植えで栽培する場合、地植えで栽培する場合に分けて説明しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ミニトマトとは、どんな野菜?
ミニトマトはビタミンA、タンパク質、カルシウム、食物繊維など豊富にふくまれており、大玉のトマトよりも栄養豊富な野菜です。
家庭菜園では、「アイコ」という品種のミニトマトが人気です。アイコは病気や裂果に強く、実つきもよいため、初心者におすすめの品種です。
ミニトマトの苗の選び方
ミニトマトは、初心者は種まきから育てるよりも、苗を購入して栽培する方が無難です。以下に記載した良い苗の特徴を参考にして苗を選んでみましょう。
- 茎の太さがえんぴつ程度
- 花やつぼみがついている
- 根がポットの底穴から見える
また、ミニトマトは接ぎ木苗と実生苗が販売されていますが、接ぎ木苗のほうがおすすめです。実生苗は接ぎ木苗に比べて安価ですが、比較的病害虫の被害を受けやすいので注意してください。
畑での栽培をされ、連作される方は接木苗がおすすめ、プランター栽培の方は実生苗がおすすめです。
ミニトマトの苗を植える時期
ミニトマトの植え付けに適した時期は4月下旬〜5月中旬ごろです。昼間の気温が20〜30度くらいになる時期が生育に適しています。苗の本葉が6〜7枚でたら植え付けを行いましょう。
ミニトマトの栽培に適した環境
栽培する場所
ミニトマトは、日当たりがよく、風通しのよいところを好みます。直射日光が当たる場所でもよく育ち、品質の良いトマトを作るには日当たりの加減がとても重要です。
プランター・鉢植えのサイズは?
ミニトマトは、鉢植え・プランターなどでも栽培できます。
鉢のサイズは、苗一株に対して10号程度が目安で、丸型の深鉢がおすすめです。ミニトマトの根は地面に深く伸びていくので、プランターの高さが30cm以上ある深型のものを選ぶのがポイントです。
ミニトマトの土づくり
プランター・鉢植え栽培の土づくり
ミニトマトを鉢植えやプランターで育てる場合、市販の野菜培養土を使用すると便利です。最近ではトマト専用の用土も販売されており、袋のまま育てられるものもあります。
自分で用土を配合する場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:バーミキュライト1の比率で混ぜ合わせたものを用意しましょう。酸度を調整するため、植え付けの2週間前に苦土石灰を用土10ℓに対して10gほどまぜて、なじませておきましょう。
地植え栽培の土づくり
ミニトマトを地植えで育てる場合、植え付け2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり100gまいて耕してください。その1週間後に1㎡あたり堆肥2kg、化成肥料100gを畑全体にまいて、よく耕したら畝を作ります。
畝は高さ10〜15cmほど、幅は80cmほどになるように作るといいでしょう。ふたたび1週間時間をおいて、土をよくなじませてから植え付けをしてください。
ミニトマトの植え方
プランター・鉢植え栽培の植え方
- プランター・鉢植えに用土を入れ、植え穴をあけて水をたっぷりあげる
- ミニトマトの苗はわき芽(主枝と葉の間から出る芽)をすべて摘み取る
- 苗ごとバケツなどに浸し、たっぷり水を含ませる
- 根鉢を崩さないように植え付けたら、株元に土寄せして軽く手で押さえる
- 植え付け後1週間は、表面の土が軽く乾いたら水をたっぷりあげる
プランター・鉢植えに植え付けが終わったら、支柱を立てましょう。プランター・鉢植えで育てる場合、支柱の上から鉢全体に寒冷紗をかけることがおすすめです。こうすることで、病害虫の被害を予防できます。
植え付け後は、苗が新しい場所に引っ越ししたのと同じ状態です。しっかり土と馴染むように、たっぷりお水を上げましょう。
プランター栽培の場合は、底からお水が出てくるほどたっぷりとあげます。
地植え栽培での植え方
- 苗ごとバケツなどに浸し、たっぷり水を含ませる
- ミニトマトの苗はわき芽(主枝と葉の間から出る芽)をすべて摘み取る
- 根鉢を崩さないようにポットから取り出す
- 根鉢の大きさ程度の穴を堀り、50cmずつ間隔を空けて苗を植える
- 株もとに土を寄せるようにして軽く抑え、土と根を密着させる
- 株の周辺を囲うようにドーナツ状の土手を作り、その中にたっぷりと水やりをする
- 根鉢の大きさ程度の穴を堀り、50cmずつ間隔を空けて苗を植える
ミニトマトを地植えで育てる場合は、植え付け後の水やりが済んだら、株元にわらを敷いていきます。こうすることで過度な温度変化に対応でき、雑草の繁殖や雨水の跳ね返りによる病気も防げます。また、植え付けと同時に支柱を立てましょう。
ミニトマトの水やり
ミニトマトはもともと高原地帯に自生している野菜なので、基本的には乾燥気味に育てることで、甘みの強いおいしいミニトマトに育てることができます。水をやりすぎると、甘みの少ない水っぽいトマトになってしまうので注意してくださいね。
ただし、乾燥が続いた後に大雨が降るなどして急激に水分を吸い上げると、実がぱっくりと割れてしまうことがあります。ミニトマトが急激に水分を吸い上げないように、高畝にしてマルチングをしたり、支柱と透明ビニールを使って簡易的な雨除けをしてもいいでしょう。
水やりは午前中のなるべく早い時間までに、泥はねしないように低い位置から株元に水をあげてください。
プランター・鉢植え栽培の水やり
ミニトマトをプランター・鉢植えで育てる場合、成長段階によってあげる頻度を調整しましょう。最初の実がなるまでは、鉢内の土全体が乾いてから底穴から水がもれ出すくらいたっぷりと水をあげてください。
また、水やりに慣れていないうちは、割り箸などを土に刺し、湿り具合を確かめてから水やりをするといいでしょう。果実が大きくなってきたら、土が乾燥していても気にせず、葉先が少ししおれてから水をあげるようにしてください。
地植え栽培の水やり
ミニトマトを地植えで育てる場合は、葉先がすこし萎れてから水をあげましょう。表面の土は乾いているように見えても、地中深くに張った根が水分を吸収しています。葉の萎れ具合を目安に水やりをしましょう。
ミニトマトの肥料・追肥
ミニトマトは、5月下旬〜7月下旬に追肥を行ってください。一番花の果実がふくらみ始めた頃が目安です。追肥は、リン酸が多く含まれた化成肥料、液体肥料を施すと良いでしょう。生育の様子を見ながら、1〜2週間に1回のペースで追肥を施すといいでしょう。
ミニトマトの手入れ(誘引・芽かき・人工受粉・摘心)
ミニトマトの栽培方法は基本的にトマトと同じです。しかし、摘果だけは行わないので、手入れの際は注意しましょう。
誘引・芽かき
ミニトマトの誘引と芽かきは、植え付け1週間後から、週に1回繰り返し行いましょう。ひとつの節に茎が2本生えている場合は、細い方のわき芽を手でかき取って芽かきをしてください。
次に、花がついた部分の上下の節に、紐をかけて誘引していきます。その際、支柱と茎はぴったりくっつけずにゆとりを持たせて、八の字に縛りましょう。
人工受粉
ミニトマトを確実に実らせるためには、人工授粉を行うと安心です。5月上旬〜中旬の時期に、支柱もしくは花首を軽く叩いて株全体を振動させましょう。
こうすることで、受粉を促すことができます。日照不足の場合には、着果ホルモン剤を花だけに吹きかけてあげるといいでしょう。
摘心
ミニトマトをたくさん実らせるためには、摘心を行いましょう。適度に摘心を行うことで、栄養が実に回って、味の良いミニトマトを作ることができますよ。摘心の詳しい方法は、収穫の方法は、関連記事を参考にしてくださいね!
ミニトマトは花が咲いたあとはどうなる?
ミニトマトの花が咲く時期は、6〜8月頃です。
トマトと同様に黄色の花を咲かせます。花が咲いた後に実がなり、実が完熟するまで大体1ヶ月半ほどかかるといわれています。ミニトマトは、一段目の花が咲いた後に、二段目、三段目も花が咲いていきます。
花の寿命は短いので、受粉を行う場合は花がついたあとにすぐ行いましょう。
ミニトマトの収穫
ミニトマトの収穫時期は、開花から50日程度といわれています。実がヘタの周辺まで赤く熟し、手で触れた時に簡単に取れたら収穫しましょう。
このとき、房ごと取らずに一粒ずつ収穫するか、ヘタの部分をなるべく短めに切って収穫しましょう。収穫の詳しい方法は関連記事を参考にしてくださいね!
ミニトマトの黒い斑点の正体は?食べても大丈夫?
ミニトマトの表面に黒い斑点ができている時、食べても大丈夫なのか気になりますよね。この黒い斑点は、畑で育ったトマトによく見られるもので、生長している最中に虫が針を刺した跡です。食べても全く問題ないので、美味しくいただいてくださいね。
ただし、トマトを持つと柔らかかったり、部分的に溶けていたり、傷んだ匂いがしてカビが生えている場合などは食べないようにしてください。
ミニトマトの育て方のコツを抑えて、プランター栽培に挑戦しよう!
ミニトマト(プチトマト)は今や、家庭菜園キットとしても販売されているので、初めて家庭菜園を始めたい方にとっては、ぴったりの野菜ですね。初心者のかたは種からではなく、苗から栽培を始めるといいでしょう。
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