太陽が照りつける暑い夏には、つめたく冷やしたスイカが食べたくなりますよね。みずみずしくさっぱりした甘さが特徴のスイカは、夏場の一息にぴったりの野菜です。スイカを畑で収穫してみたい!と思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、スイカの育て方について詳しくご紹介します。
スイカとはどんな野菜?育て方は簡単?
- 連作障害
- あり(4〜5年空ける)
- 栽培期間
- 5月〜8月まで
- 生育適温度
- 25〜30℃
スイカは、ウリ科スイカ属の野菜です。熱帯アフリカ原産で、日本には中国を経由して渡来しました。スイカは育てるのが難しいと思われがちですが、気温や日当たりに注意すれば、家庭菜園でも比較的かんたんに育てることができます。
小玉スイカは、手ごろなサイズ感で育てやすい品種です。初心者の方は、小玉スイカから育て始めるのがおすすめですよ。
スイカを植える時期は?
スイカを植える時期は、5月上旬〜5月下旬です。スイカは高温と乾燥した環境を好むので、遅霜の心配がなくなった5月頃から植えるのがポイントです。
気温が足りないと苗が育たない場合があるので、心配な場合は、苗の周りをビニールで囲ったり、ホットキャップを利用して保護しましょう。
スイカの土づくり
スイカを栽培するときは、植え付けの2週間前から土壌の準備をします。スイカは酸性の土壌をとても嫌うので、あらかじめ苦土石灰をまいておくことが大切です。
- 植え付け2週間前:1㎡に対して苦土石灰を100gまいてよく耕す
- 植え付け1週間前:1㎡に対して堆肥2Kg、化成肥料100gを畑の全面にまいてよく耕す
- 植え付け直前:幅70cm〜80cmの畝をつくる。この時点でマルチを敷いておくと、地温が高くなり育ちやすい
スイカの苗の植え方
スイカの苗をホームセンターなどで購入する場合は、葉色が濃く、茎ががっしりした丈夫な接ぎ木苗を選ぶのがポイントです。
- 水を張ったバケツに苗を沈め、根鉢にたっぷりと水を含ませる
- 1m間隔で根鉢がすっぽり入るくらいの穴を掘る
- 根鉢を崩さないように苗を取り出し、掘った穴に植え付ける
- 土と根が密着するように、株元に土を寄せて押さえる
- 土が跳ね返らないように、優しくたっぷり水やりする
- 水やり後、株元に敷きわらをしく
スイカの水やりの頻度
スイカを地植えで育てている場合、水やりはほとんど必要ありません。日照りが続き、葉が萎れてきた場合は、朝夕の涼しい時間帯に水をやりましょう。
スイカは多湿を嫌うので、過剰に水やりをすると果実の味が水っぽくなる可能性もあります。
スイカをプランターで育てている場合は、土が乾いたら水をあげましょう。真夏の暑い時間帯は避け、朝夕の涼しい時間帯に水を与えるのがポイントです。プランター栽培の場合は、スイカを収穫する10日ほど前になったら水やりを控え、乾燥気味に育てるようにしてください。その方が甘さのある美味しいスイカになります。
スイカの摘心・誘引
スイカの雌花は、子づるや孫づるにつくことが多いので、本葉が5〜6枚のころに親づるの先端を摘心します。こうすることで、子づると孫づるの生長を促すことができます。
また、子づるが伸びたら、生育の良いものを3本残して他は摘み取りましょう。そして、子づるが畝から直角に出て行くように誘引します。つる同士が絡みあわないように注意しましょう。
泥の跳ね返りを防いで病害虫を予防するため、子づるが伸びる畝の外側にもしきわらを敷いておきましょう。
スイカの人工受粉
6月上旬〜6月下旬、人工受粉を行いましょう。人工受粉を行うことで、スイカに確実に実をつけられます。雌花の花柱(雌しべの先)に雄花の雄しべをつけて、花粉をつけましょう。受粉させた日を記録しておくと、収穫の時に便利ですよ。
雌花と雄花の見分け方は以下を参考にしてくださいね。
- 雌花:がくの下が膨らんでいる
- 雄花:がくの下に膨らみがない
スイカの摘果
スイカの実がつきすぎた場合は、ひと株につき、2玉の実がつくように摘果しましょう。たくさんの実がついたまま育てると、実の大きさがまばらになったり、偏りが出たりしてしまいます。
スイカの肥料・追肥
スイカの追肥は、果実がソフトボールくらいの大きさになったタイミングで行いましょう。スイカは植え付けのあとはしばらく追肥の必要はありません。
ただし、肥料不足になると、実のつきが悪くなったり、実が大きくならなかったりします。つるが細く元気がない場合は、早めに肥料を与えましょう。
- つるを伸ばしていない側の畝脇に溝を掘る
- 溝の中に1㎡につきひと握り(20〜30g)の化成肥料をまきいれる
- 溝の外側から土を寄せるようにして溝を埋め、肥料に土をかぶせる
- 子づるを伸ばしている場合は、敷きわらを少しのけて追肥する
スイカの実の管理
スイカの実がこぶし程度の大きさになったら、病気を予防するために実の下に発泡スチロールやわらを敷きましょう。また、収穫間際には鳥の被害にも遭いやすくなるので、わらやネットなどで目隠しをしてやると良いでしょう。
また、実の片側だけが熟さないよう、時々上下を回転させてやりましょう。この時、つるを強くひねらないように注意してください。
スイカの収穫
スイカは、7月中旬〜8月下旬頃が収穫に適した時期です。種類によって収穫の目安が異なりますが、大玉スイカなら開花から45日程度、小玉スイカなら35日程度が収穫の目安となります。
果実のついた節の葉が褐色に枯れ、果実を指で叩いたときにボテボテとした音がすれば収穫して良いでしょう。試しにひとつ収穫してみて、完熟していれば同じ日に受粉したものを収穫すると確実です。ヘタをハサミで切って収穫しましょう。
収穫直後よりも2~3日置いてから食べると甘みが増して美味しいです。
スイカのトラブル・生育不良
スイカは乾燥を好むので、多湿を原因とした病気を発症しやすい野菜です。過剰な水やりをせず、梅雨時期の管理には特に注意しましょう。スイカの病害虫について、詳しくは関連記事を参考にしてくださいね。
また、美味しいスイカは鳥の被害にも遭いやすくなります。もうすぐ収穫!と思っていたら、カラスに食べられていたなんてことも。
収穫前のスイカは、ネットをかぶせたり、テグスを張ったりして鳥の被害から守りましょう。肥料袋やカゴ、ザルなどをかぶせることでもガードできますよ。
スイカは種まきからでも育てられる?
スイカは種まきからでも育てられますが、種から育てるのは難易度が高い作業です。本格的な栽培を目指していないならば、市販の苗から育てるのをおすすめします。種まきから育てる場合は、3月下旬〜4月上旬に種まきをしましょう。
手順は以下の通りです。
- スイカの種を一晩水に浸けておく
- 育苗ポットに培養土を入れ、指先で3箇所に軽くくぼみをつけ、くぼみに種を1粒ずつまく
- 周囲の土を寄せるようにしてかぶせ、指で土を軽く押さえる
- 土と種が密着するように、たっぷりと水やりをする
- 本葉が1〜2本の時に2本立ち
- 本葉が2〜3本の時に1本立ち
- 本葉が4〜5枚出たら、植え付け苗の完成!
スイカを元気に育てて収穫しよう!
スイカには色々な種類があり、果実の色や形、大きさも様々です。品種によって味が違うので、好みのスイカを選んで、ぜひ自宅で育ててみてくださいね。
スイカは、手をかければかけるほど甘くて美味しい実を収穫できます。暑い夏の時期に、美味しいスイカの収穫を楽しんでくださいね!
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