キクザキイチゲ(菊咲一華)は、早春から春にかけて青や白の花を咲かせる多年草です。近畿、関東、東北、北海道各地の山林のなか、そして渓流のそばで咲き乱れるさまを目にすることができます。ここでは人気の高い山野草、キクザキイチゲの育て方全般についてご紹介します。
キクザキイチゲ(菊咲一華)を育てる場所
置き場所
冷涼な気候の土地の山林で育つキクザキイチゲには、温度と通風管理が重要です。地植え・鉢植え共に開花時期にあたる早春から春の終わりまでは、日当たりのよい場所で育てます。
花が終わると根元から葉が出るようになり(根生葉)、やがて地上部が消失します。鉢植えであれば直射日光のあたらない涼しい場所に移動させましょう。
日当たり
開花時期には日当たりのよい場所が好ましいですが、花後の地上部が焼失した後は半日陰になる場所で管理します。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の水やり
生育旺盛となる開花期には、水切れを起こさないように注意します。土の表面が乾いたら、たっぷり水やりを行いましょう。
花が終わり地上部が消失した後も乾燥に強くないため、週に1、2度の水やりを敢行します。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の肥料・追肥
山林の豊富な腐葉土に群生するキクザキイチゲを栽培するには、植え付け時にたっぷりと腐葉土を加えた赤玉土や鹿沼土で育てましょう。加えて緩効性肥料も与えておきます。
キクザキイチゲは開花前から地上部が消失するまでのあいだ最も旺盛に生育します。この時期には液肥や置き肥で開花と成長を促すようにします。
キクザキイチゲの休眠期にあたる夏から冬にかけては肥料は必要ありません。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の用土
キクザキイチゲを育てる用土は有機質に富み、排水性がよい土を選ぶことが重要です。
赤玉土を主体に腐葉土と緩効性肥料をプラスしておきましょう。市販の園芸用土に腐葉土を加えたものでもよいでしょう。
鉢植えの場合は根腐れ防止のために鉢底石を多めに入れて水はけのよい土で育てましょう。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の植え付け・植え替え
植え付け
赤玉土や鹿沼土に腐葉土をたっぷりと加えた有機質の多い水はけのよい土を用意します。市販の園芸用土に腐葉土を加えたものも適しています。地植え、鉢植え共に植え付け時には緩効性肥料を加えておきましょう。
植え替え
花が終わった夏以降の休眠期が植え替えに適した時期になります。キクザキイチゲの根張りは、水平方向に伸びていくことを覚えておきましょう。根を折ってしまうとその後の生育に影響が出ます。
鉢植えの場合は広くて底の浅い容器が適しています。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の増やし方(株分け・根伏せ)
キクザキイチゲを増やすには、「株分け」という方法を用います。根茎を2〜3節ずつ手で折って分けて植えればOKです。重要な点は必ず節ずつ外すようにすることです。途中で折ってしまうことのないように注意しましょう。
そのほか種から生じた実生や、挿し穂に根を用いる「根伏せ」でも増やせます。根伏せの方法は、健康な根を5~6センチほどカットして、先端を少し出して残りは土に埋めるというものです。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の手入れ
キクザキイチゲは、特に手入れを必要としません。自然の中にあった姿のとおり自由に咲くようすが最も美しいものです。
キクザキイチゲを育てる上で気をつけたいことは水切れです。特に地上部がなくなる休眠期は水やりを忘れがちなもの。この点は気をつけましょう。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の育て方で注意すべき病気・害虫
かかりやすい病気
キクザキイチゲは病気に強く、注意すべき病気は特にありません。
つきやすい虫
ネコブセンチュウがつくことがあるため、植え替えや根伏せ時には殺虫剤を施しておきましょう。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の花
キクザキイチゲの花の開花時期は3~5月頃で、この季節になるとピンクや薄紫の花を咲かせます。草丈は10~20センチまでと比較的低いものの、花の大きさは大きく、群生していることが多いので見ごたえがあります。
キクザキイチゲ(菊咲一華)の花を育ててみよう!
早春の山林や渓流を歩いた経験のある方なら、キクザキイチゲの群生に目を奪われた経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
春の訪れにふさわしい、山野草の中では華やかな大輪の花を見せてくれるキクザキイチゲ。ぜひ春花壇の仲間に加えたいですね。
※トップ画像はおーなみこなみさん@GreenSnap
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