柔らかい食感で甘みがあるイチジクは夏~秋にかけて旬を迎える果物で、西アジア~アラビア半島が原産です。栄養価が高く美肌や便秘解消などの美容効果が抜群なので、とくに女性に人気があります。
イチジクの実はスーパーなどで手に入りますが、家庭菜園でも育てることができます。イチジクの挿し木の時期や方法、成功させるポイントなどについて紹介してきましょう。
イチジクの増やし方は「挿し木」が一番簡単!
植物を増やすには種まきや株分けなどいくつもの方法がありますが、国内で手に入るほとんどのイチジクは受粉していないため、イチジクは挿し木で増やすことが一般的です。
イチジクの挿し木の発根率は90%以上なので、初心者の方でも挿し木で増やせますよ。それでは、挿し木の準備について見てきましょう。
イチジクの挿し木の時期はいつ?
イチジクを挿し木する時期は、2~3月頃が適切です。
ただし、寒い地域では凍害にあう場合があるため、暖かくなる3月中下旬~4月上旬頃に作業することをおすすめします。
ちょうどこの時期はイチジクの剪定作業をする時期でもあります。剪定で切り取った枝を使って挿し木することもできるので、一緒に作業するのがおすすめです。
イチジクを挿し木するのに必要なもの
イチジクの挿し木では、以下の道具を準備します。
- 育苗ポットまたは素焼き鉢
- イチジクの親株
- 挿し木用土
- 割りばし
- ビニール袋
挿し木用土は、市販の挿し木用培養土を使用しましょう。イチジクを1本で育てる場合は3号の育苗ポット、2本以上まとめて育てる時は7~10号の素焼き鉢を準備することをおすすめします。
割りばしは土に穴を空ける時に使用するので、あると便利です。
イチジクを栽培した跡地、その場所の土を使うのは厳禁ですよ。
イチジクの挿し木の仕方
イチジクの挿し木では挿し穂づくりが大切です。
挿し穂は親株の剪定で切り落とした枝を使用するといいでしょう。剪定では芽の上から約2cmほどの位置で切り取り、挿し穂全体が15cm〜20cmほどになるようにしましょう。
親株の枝が直径2〜3cm以上あるような太い枝の場合は、挿し穂の長さ30cmほどを目安にして、枝をカットします。
いずれの場合も、枯れていない丈夫な枝を選んで挿し穂として使用しましょう。挿し穂の準備ができたら、下記の手順で挿し木していきます。
- 挿し穂の切り口を斜めにカットする。
- カットした後は、切り口の乾燥を防ぐために水に2〜3時間つけておく。
- 育苗ポットに挿し木用土を8割程度入れ、割りばしなどで土に植え穴をあける。
- 植え穴に挿し穂を挿す。この時、挿し穂は半分以上土に埋まるようにする。
- 挿し木した後はたっぷりと水を与え、発根するまでの期間は容器全体にビニール袋をかぶせ乾燥をふせぐ。
1年生の充実した発育枝を収穫し、貯蔵します。(貯蔵方法は、発育枝のさし穂を束ね、湿った砂やおがくずに埋める、もしくはポリエチレンなどの袋に入れて冷たい場所で保管することが推奨されています。)
その後、春の発芽前に取り出して節のすぐ下で斜めに切り、15~20cm程度の長さにします。
上部の1~2芽が土から地上に出るように埋めます。挿し穂の3分の2ほどを土のなかに埋めますよ。
イチジクの挿し木をした後の管理方法
置き場所
発根するまでは明るい日陰ほどの場所に置きましょう。風通しが良すぎると葉が擦れて病気になりやすいので、風当たりが少ない場所に置いてください。
水やり
発根するまではとくに乾燥が大敵です。できればポットの底面から給水できる状態にして、必要過不足なく水を吸収させてあげるといいです。
底面からの給水が難しい場合は、挿し穂に刺激を与えないように、優しい水流で水やりをしましょう。
イチジクは乾燥に弱い性質があるため、発根後も表土が乾いたらこまめに水やりをしてください。
鉢上げ(植え替え)
イチジクの挿し木苗がある程度発根して、生育旺盛になってきたら、鉢に植え替えるか地植えしましょう。
3月に挿し木をしたならば、真夏をさけて9月下旬ごろに植え替えるのがおすすめです。もしくは翌年の3月まで待ちましょう。
植え付け・植え替えの方法はこちらの記事を参考にしてください。
イチジクを挿し木してから発根するまでの日数はどれくらい?
イチジクは挿し木をしてから、約2〜3週間ほどで発根しはじめます。
イチジクの挿し木後、実がなるまでどのくらいかかる?
イチジクは挿し木をしてから約2〜3年で実がつきます。
ただしこれは日当たりや水やり、肥料などを適切に与えた上での収穫なので、発根してからは育て方の記事を参考に正しい管理方法で栽培することが大切です。
また、イチジクは品種によっては異種株2本を近くで育てないと結果しないものもあるので、親株の品種の性質には注意してください。
とはいえ、収穫前提で売り出されているようなイチジクであれば、だいたいは1株で結実する性質を持っているので、2〜3年以上たっても実がならない場合は、育て方を振り返ってみましょう。
イチジクを挿し木で増やしてみよう
イチジクは昔から不老不死の果物とも呼ばれ、食物繊維のペクチンやビタミンEなどの栄養価が豊富です。庭木のイメージがあまりないかもしれませんが、初心者の方でも育てやすく鉢植えであればマンションのベランダなど限られたスペースでも育てられますね。
挿し木であれば1本からでも増やせるので、機会があればイチジクを挿し木で増やしてみてはいかがでしょうか?
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