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イチジクの挿し木時期は?発根までの日数、実がなるまでどのくらい?

イチジク 挿し木苗 アルマ

柔らかい食感で甘みがあるイチジクは夏~秋にかけて旬を迎える果物で、西アジア~アラビア半島が原産です。栄養価が高く美肌や便秘解消などの美容効果が抜群なので、とくに女性に人気があります。

イチジクの実はスーパーなどで手に入りますが、家庭菜園でも育てることができます。イチジクの挿し木の時期や方法、成功させるポイントなどについて紹介してきましょう。

イチジクの増やし方は「挿し木」が一番簡単!

植物を増やすには種まきや株分けなどいくつもの方法がありますが、国内で手に入るほとんどのイチジクは受粉していないため、イチジクは挿し木で増やすことが一般的です。

イチジクの挿し木の発根率は90%以上なので、初心者の方でも挿し木で増やせますよ。それでは、挿し木の準備について見てきましょう。

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家庭菜園士 七尾びび
挿し木の繁殖に使う枝は「挿し穂」、挿し木する場所は「挿し木床」と呼ばれます。

イチジクの挿し木の時期はいつ?

イチジクを挿し木する時期は、2~3月頃が適切です。

ただし、寒い地域では凍害にあう場合があるため、暖かくなる3月中下旬~4月上旬頃に作業することをおすすめします。

ちょうどこの時期はイチジクの剪定作業をする時期でもあります。剪定で切り取った枝を使って挿し木することもできるので、一緒に作業するのがおすすめです。

イチジクを挿し木するのに必要なもの

イチジクの挿し木では、以下の道具を準備します。

  • 育苗ポットまたは素焼き鉢
  • イチジクの親株
  • 挿し木用土
  • 割りばし
  • ビニール袋

挿し木用土は、市販の挿し木用培養土を使用しましょう。イチジクを1本で育てる場合は3号の育苗ポット、2本以上まとめて育てる時は7~10号の素焼き鉢を準備することをおすすめします。

割りばしは土に穴を空ける時に使用するので、あると便利です。

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家庭菜園士 七尾びび
挿し木が成功するかどうかは土と水分管理にかかっています。土に水分がありすぎると挿し穂が腐ってしまいます。砂質で水はけのよい土を使いましょう。
イチジクを栽培した跡地、その場所の土を使うのは厳禁ですよ。

イチジクの挿し木の仕方

イチジクの挿し木では挿し穂づくりが大切です。

挿し穂は親株の剪定で切り落とした枝を使用するといいでしょう。剪定では芽の上から約2cmほどの位置で切り取り、挿し穂全体が15cm〜20cmほどになるようにしましょう。

親株の枝が直径2〜3cm以上あるような太い枝の場合は、挿し穂の長さ30cmほどを目安にして、枝をカットします。

いずれの場合も、枯れていない丈夫な枝を選んで挿し穂として使用しましょう。挿し穂の準備ができたら、下記の手順で挿し木していきます。

  1. 挿し穂の切り口を斜めにカットする。
  2. カットした後は、切り口の乾燥を防ぐために水に2〜3時間つけておく。
  3. 育苗ポットに挿し木用土を8割程度入れ、割りばしなどで土に植え穴をあける。
  4. 植え穴に挿し穂を挿す。この時、挿し穂は半分以上土に埋まるようにする。
  5. 挿し木した後はたっぷりと水を与え、発根するまでの期間は容器全体にビニール袋をかぶせ乾燥をふせぐ。

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家庭菜園士 七尾びび
中級者には「休眠枝ざし」という方法もおすすめです。
1年生の充実した発育枝を収穫し、貯蔵します。(貯蔵方法は、発育枝のさし穂を束ね、湿った砂やおがくずに埋める、もしくはポリエチレンなどの袋に入れて冷たい場所で保管することが推奨されています。)
その後、春の発芽前に取り出して節のすぐ下で斜めに切り、15~20cm程度の長さにします。
上部の1~2芽が土から地上に出るように埋めます。挿し穂の3分の2ほどを土のなかに埋めますよ。

イチジクの挿し木をした後の管理方法

置き場所

発根するまでは明るい日陰ほどの場所に置きましょう。風通しが良すぎると葉が擦れて病気になりやすいので、風当たりが少ない場所に置いてください。

水やり

発根するまではとくに乾燥が大敵です。できればポットの底面から給水できる状態にして、必要過不足なく水を吸収させてあげるといいです。

底面からの給水が難しい場合は、挿し穂に刺激を与えないように、優しい水流で水やりをしましょう。

イチジクは乾燥に弱い性質があるため、発根後も表土が乾いたらこまめに水やりをしてください。

鉢上げ(植え替え)

イチジクの挿し木苗がある程度発根して、生育旺盛になってきたら、鉢に植え替えるか地植えしましょう。

3月に挿し木をしたならば、真夏をさけて9月下旬ごろに植え替えるのがおすすめです。もしくは翌年の3月まで待ちましょう。

植え付け・植え替えの方法はこちらの記事を参考にしてください。

イチジクを挿し木してから発根するまでの日数はどれくらい?

イチジクは挿し木をしてから、約2〜3週間ほどで発根しはじめます。

イチジクの挿し木後、実がなるまでどのくらいかかる?

イチジクは挿し木をしてから約2〜3年で実がつきます。

ただしこれは日当たりや水やり、肥料などを適切に与えた上での収穫なので、発根してからは育て方の記事を参考に正しい管理方法で栽培することが大切です。

また、イチジクは品種によっては異種株2本を近くで育てないと結果しないものもあるので、親株の品種の性質には注意してください。

とはいえ、収穫前提で売り出されているようなイチジクであれば、だいたいは1株で結実する性質を持っているので、2〜3年以上たっても実がならない場合は、育て方を振り返ってみましょう。

イチジクを挿し木で増やしてみよう

イチジクは昔から不老不死の果物とも呼ばれ、食物繊維のペクチンやビタミンEなどの栄養価が豊富です。庭木のイメージがあまりないかもしれませんが、初心者の方でも育てやすく鉢植えであればマンションのベランダなど限られたスペースでも育てられますね。

挿し木であれば1本からでも増やせるので、機会があればイチジクを挿し木で増やしてみてはいかがでしょうか?

イチジクの種類|人気品種8選!育てやすいのは?特徴や味は?

いちじく 桝井ドーフィン

甘くてねっとりした食感が特徴のイチジクは、生食はもちろんドライフルーツやジャムなどで食べられています。

イチジクは品種が多く海外原産の品種が多くの割合を占めていますが、最近では国内産のイチジクも誕生していることをご存じですか?イチジクの種類について詳しく紹介していきましょう!

イチジクはどんな果物?

イチジクはクワ科イチジク属に分類される落葉高木で、西アジア~アラビア半島が原産の果実です。樹高は約3~6mにもなり、地植えと鉢植えどちらでも育てられます。

イチジクは漢字で「無花果」と書き、花が咲かないように見えていることから名付けられました。実際にイチジクは枝の先に花をつけず、実の中に花が咲くという大変珍しい果樹です。

イチジクには食物繊維のペクチンやカリウム、ビタミンEなどを多く含み、栄養価が高い果実として知られています。温暖な気候を好むため、北海道のような寒い地域では残念ながら育てることができません。

育て方は難しくないため、園芸初心者の方でも育てることができますよ。

イチジクにはどんな種類がある?

イチジクは国内だけでも約100種類以上の品種があり、日本の主な名産地は和歌山県や愛知県、そして兵庫県などです。

イチジクは年に1〜2回収穫できる果実で、夏の時期に収穫するイチジクを「夏果専用種」、秋に収穫するものを「秋果専用種」、そして夏と秋に収穫できる品種は「夏秋兼用種」と呼ばれています。

また、イチジクは熟すと表皮が赤くなるのが一般的と思われていますが、これは蓬莱柿という日本で昔から流通しているイチジクがそうなるだけであり、なかには熟しても表皮が黄緑色のもの(青イチジク)や、白っぽいもの(白イチジク)、黒くなるもの(黒イチジク)があります。

イチジクの種類の中でも家庭で育てやすいのは?

イチジクを栽培するときは品種選びが重要です。とくに初心者の方が家庭で栽培するときにおすすめしたいのは、収穫が2度あって育てがいのある夏秋兼用種のイチジクです。次点で秋果専用種もおすすめです。

夏果専用種がダメというわけではありませんが、収穫時期が梅雨と重なるため、病害虫のリスクが高まり、初心者にはやや栽培難易度が高くなります。

人気のイチジクの品種を紹介する前に、まずは収穫タイプなどをそれぞれ簡単に表にまとめました。詳しい品種の特徴は次項からご紹介します。

桝井ドーフィン 夏秋兼用種 大果100〜200g 赤イチジク
とよみつひめ 夏秋兼用種 中果80〜100g 赤イチジク
バナーネ 夏秋兼用種 大果120〜200g 白イチジク
蓬莱柿 秋果専用種 大果80〜120g 赤イチジク
ビオレソリエス 秋果専用種 小果50〜80g/td>

黒イチジク
コナドリア 夏果専用種 小果50〜80g 白イチジク
ホワイトゼノア 夏果専用種 小果60〜80g 青イチジク
ザ・キング 夏果専用種 小果40〜80g 白イチジク

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家庭菜園士 七尾びび
国内でよく栽培されている品種は蓬莱柿」とドーフィンの2種類で、ほぼ独占状態です。
イチジクは品種によって育て方が異なります。一部のお店では品種が間違った名前で販売されていたりするので、信頼できるお店で購入しましょう。

イチジクの種類!品種ごとの特徴は?

イチジク・桝井ドーフィン

国内では約8割を占める品種で、初心者の方でも栽培しやすく家庭菜園でも育てられます。夏秋兼用種で、夏果は約100~200g、秋果の場合は約50~110gとやや小さめです。

果皮は淡い赤色で果実の形はしずく型なのが特徴で、甘みはありますが後味はさっぱりしていますよ。収穫時期によって味などが変わり、夏果の方が味に定評があります。

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家庭菜園士 七尾びび
青果店で見かけるイチジクはほぼこの品種(桝井ドーフィン)です。

イチジク・とよみつひめ

福岡県が開発したとよみつひめは2006年に品種登録され、現在では市場に多く出回っています。糖度が17度以上とメロンのように甘く後味はさっぱりしていて、皮が薄いので丸ごと食べられことが特徴です。

とよみつひめは夏秋兼用種の品種なので、10月下旬頃まで収穫できます。果汁が多く味がよいことで有名な品種ですよ。

イチジク・バナーネ

フランスが原産の白イチジクで、やや細長い形をしています。バナーネは夏秋兼用種で、夏果の重さは最大280gにもなり秋果も130gと大果なことが特徴です。

どちらの時期のバナーネも糖度が高く、濃厚な味わいで酸味はほとんどありません。秋果は甘さが濃厚なので、味においては秋果の方をおすすめします。

イチジク・蓬莱柿(ほうらいし)

日本には江戸時代に渡来したと伝わる品種で、当時は薬用植物として利用されていました。見た目が海外の柿のようであることから「蓬莱柿」と呼ばれ、日本に長く定着していることから現在では「日本イチジク」とも呼ばれています。

味はほのかな酸味があり、イチジク特有のねっとりした食感が特徴です。夏果は9月上旬~11月上旬に収穫できますよ。

イチジク・ビオレソリエス

原産国のフランスでは昔から有名な品種で、国内では流通が少ないことから「幻の黒イチジク」とも呼ばれています。国内では佐賀県を中心に生産され、果皮は全体的に黒紫色で果実の大きさは約50~80gとイチジクの中でもやや小ぶりです。

秋果専用種の品種で、果肉は赤い部分が多くねっとりした食感で甘みも楽しめますよ。

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家庭菜園士 七尾びび
ほかのイチジクと比べてジューシーさはないものの、甘みがとても強くて人気の品種です。

イチジク・コナドリア

アメリカ生まれの白イチジクで、1957年に初めて公開されました。コナドリアは果肉が柔らかく甘さは控えめで、ドライイチジクにするのに向いています。

国内では富山県にて栽培が盛んに行われ、収穫時期は8~9月頃なので夏果専用種ですが温暖な地域では年に2回実がなることが特徴です。

イチジク・ホワイトゼノア

イチジクの中でも日持ちする品種で、耐寒性が優れているので秋田県や岩手県を中心に栽培されています。ホワイトゼノアは夏果専用種で果皮は黄緑色なことが特徴で、果肉はしっかりしていて皮ごと食べられますよ。

原産国のアメリカでは、ケーキに使用される品種として有名な品種です。

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家庭菜園士 七尾びび
夏果は7月上旬、秋果は8月中旬以降に収穫できます。完熟少し前で収穫するのがおすすめといわれている品種ですよ。

イチジク・ザ・キング

イチジクの中でも品質が高いことで知られ、生食だけでなくドライフルーツとしても利用されることが多いです。国内では本州~九州地方まで広範囲で栽培され、果実は卵型の白イチジクで夏果専用種なので6月中下旬~7月中旬頃に収穫されます。

味は滑らかで、程よく食べやすいイチジクです。6月下旬から収穫できます。味は「極上」といわれていますよ。

いろいろなイチジクの種類や品種を覚えよう

今回は8種類のイチジクの種類や品種を紹介してきましたが、それ以外にもイチジクの品種はまだ沢山あります。

品種によって味や形などが変わるので、まずは興味がある品種から試してみてイチジクの種類や品種を覚えてみてはいかがでしょうか?

イチジクの剪定|時期や強剪定の方法は?誘引や樹形づくりの方法は?

いちじく 枝

イチジクは昔から「不老長寿の果物」とも呼ばれていて、栄養が豊富な果物です。ドライイチジクなどで手軽に食べることができ、美容効果もあることから女性にも大変人気が高いですよね。

品種によって異なりますがイチジクの木は樹齢20年以上のものもあり、イチジクを長く育てるためにも剪定はとても大切な作業の一つといえます。

イチジクの剪定の時期や方法、剪定で失敗しないコツなどについて紹介していきましょう!

イチジクを剪定してたくさんの収穫を目指そう!

イチジクといえば栄養豊富な果物として人気で、その育てやすさからも果樹栽培デビューに向いているとも言われていますよね。

そんなイチジクですが、落葉低木なので樹高が約2~3mまで生長します。地植えならば剪定せずとも育てられる自然樹高ではありますが、より収穫量をあげるためには、日光がまんべんなく当たる樹形づくりと剪定が必要です。

また、鉢植え栽培の場合は大きくても樹高2mほどで管理したほうがいいので、剪定が必要不可欠です。

イチジクは剪定することで風通しもよくなって株自体の健康にもつながるので、収穫量をあげたり、長く安定的に栽培するためにも、定期的に剪定をしましょう。

イチジクの剪定の時期

イチジクを剪定する時期は12~3月頃が最適です。

イチジクは春の時期に生長して夏~秋にかけて収穫するので、休眠期にあたる冬であれば大胆に剪定しても回復が早いですよ。

イチジクの剪定の方法

イチジクの剪定は、強剪定と間引き剪定を組み合わせて作業します。強剪定は枝を途中で切り戻して分岐をうながす剪定で、間引き剪定は混み合った枝や不要枝を切り落として、日が株の内部まであたるようにする剪定です。

なお、強剪定はイチジクの品種によって切る位置や切る枝が異なるので注意しましょう。

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家庭菜園士 七尾びび
枝の切り口から出る白い樹液に触るとかぶれますので、作業する際にはグローブ・軍手の着用がおすすめですよ。

基本的には強剪定をしてから間引き剪定をする順番です。それでは詳しくやり方をご紹介します。

① イチジクの強剪定のやり方

イチジクには夏の時期に収穫できる「夏果専用種」、秋に収穫する「秋果専用種」、そして夏と秋年に2回収穫できる「夏秋兼用種」の3種類があり、この種類によって花芽の付き方が異なるので、強剪定の方法も異なります。

初心者向きと呼ばれているのは秋果専用種か夏秋兼用種なので、自分が育てている品種がどの種類かわからないという方は、夏秋兼用種の方法を参考にしてください。

秋果専用種 前年に伸びた枝にある芽を2〜3芽残して、それ以上先にある枝は切り戻す。 春から伸びた新梢にのみ花芽がついて実がなる。
夏果専用種 前年に伸びた枝にある芽を5〜8芽残して、それ以上先にある枝は切り戻す。 剪定のときに残した芽が花芽となって実がなる。
夏秋兼用種 芽がついている枝の分岐部分を起点として、半分の位置で枝を切り戻す。 剪定のときに残した芽に夏果が、春から伸びた新梢に秋果がなる。


② イチジクの間引き剪定のやり方

間引き剪定では樹形を乱したり、混み合う原因となるような不要枝を、必ず分岐の根元から切り落とします。切る位置が浅いと、そこから枯れ込んだり、さらに分岐して伸びてしまったりするので、必ず根本から切るということを覚えてください。

イチジクでよく見られる切るべき不要枝は、具体的に下記のようなものです。

  • 車枝:1箇所から3本以上の枝が分岐している状態。分岐が2本になるように、余分な枝は間引く。
  • 平行枝:近い位置で同じ方向に伸びている枝。日陰をつくってしまうので、どちらか一方の枝を間引く。
  • 交差枝:他の枝と交差するように伸びている枝。どちらか一方の枝を間引く。
  • 内向枝:株の内側に向かって伸びる枝。分岐の根本から間引く。
  • 下垂枝:地面に向かって下向きに伸びる枝。分岐の根本から間引くか、枝数が少ないなら上向きに誘引する。

イチジクの樹形づくり!剪定と誘引のコツ

イチジクの苗木を育て始めたばかりの時期や、3年生以内の若木の場合は、まず剪定をする前にどのような樹形にするかを決めておきましょう。

地植えのイチジクの樹形でおすすめなのはワイングラスの形に似た「杯状仕立て」か、フェンスや棚を使う「一文字仕立て」の2つです。

鉢植えの場合「ほうき仕立て」と言う樹形が、コンパクトにまとまって観賞用としても手頃です。

ここからはそれぞれの樹形づくりについてご紹介していきます。

杯状仕立ての樹形づくり

杯状仕立てというのはワイングラスのような樹形のことで、家庭での栽培ならスペースもあまりとらないのでおすすめの樹形です。

苗木を植え付けた1年目の冬は、地上から高さ50cmほどのところで主幹を切って、主枝の分岐をうながします。

2年目の冬は主幹から分岐した主枝4本残して、前回切り詰めた位置より下にある分岐枝は根本から切りましょう。さらに一番上の主枝分岐部分で主幹の方を切り詰めて、上に伸びる主幹のエネルギーを左右の主枝に回すようにします。

このとき残す主枝が真上から見たときに「+」の形になる配置だと理想的です。残した主枝の中間部分から紐で誘引して地面に引き寄せるようにしましょう。

3年目の冬は主枝の強剪定と実がついた結果枝を全て基地戻すようにしてください。強剪定は先述の通り、品種によって切る位置が違うので注意。

さらに4本それぞれの主枝は、側枝が分岐している位置で切り戻して、側枝がたくさん伸びるようにエネルギーの流れを調整します。誘引は継続してください。

4年目以降の冬は樹形も落ち着いているので誘引を外しても大丈夫です。混み合った部分を間引くなど、先述のイチジクの剪定方法を参考にしましょう。

一文字仕立ての樹形づくり

一文字仕立てというのはフォークの横幅が伸びたような、2本の主枝を左右に伸ばして主枝から伸びる側枝を上方向に伸ばしていくような樹形です。

プロの果樹園でよくみられる樹形でフェンスや棚などに誘引するのでスペースがある方におすすめです。

苗木を植え付けた1年目の冬は主幹を地上から50cmの高さのところで切り詰めて、主枝の分岐をうながします。

2年目の冬は、前回切り詰めた位置で分岐している主枝2本を、左右に一文字になるように、フェンスやトレリスなどに誘引します。このとき主枝の先端を芽の上で切り戻しておきましょう。

3年目の冬からは、主枝から上に向かって伸びる側枝の間隔を30cm間隔になるように、混み合っていれば間引くように根本から剪定します。また、実をつけた結果枝は、品種ごとのやり方に従って強剪定で切り戻します。

ほうき仕立ての樹形づくり(鉢植えイチジクの剪定)

ほうき仕立てというのは、ほうきを逆さに立てたような樹形のことで、鉢植え栽培に向いています。

苗木1年生の冬、主幹が30cm以上あるのであれば20〜30cmの位置で切り戻します。まだ高さが満たない場合は翌年の冬まで作業を1年ずらしましょう。

2年目の夏に、主幹から分岐した主枝を3本程度に納めて、地面から20〜30cmの高さ以内にある枝は全て根本から間引くように切りましょう。

2年目の冬に、残した3本の主枝を根本から20〜30cmのところで切り戻してください。主枝は地面に引き寄せるように誘引しておくといいです。

3年目の冬は主枝からさらに分岐した側枝がたくさん出ますが、側枝は2芽を残して全て切り戻してください。

イチジクの剪定が終わったら

イチジクを剪定した後の枝の切り口をそのままにしておくと、病害虫にかかる原因になりかねません。とくに大きなイチジクの木の場合は切り口を保護するために時間がかかってしまうため、剪定後は癒合材を塗布するなど対策する必要があります。

また、剪定後はカミキリムシがつきやすいため、イチジクの幹に穴が空いているようであればミキリムシの可能性があります。剪定後は、カミキリムシが発生していないか確認するようにしましょう。

その他、イチジクを剪定する際は最適な時期に作業することが大切です。イチジクの枝は春先になると硬くなり折れやすくなってしまうため、特に枝を曲げる一文字仕立ては適さない時期に剪定すると上手くいかないことがあるので注意しましょう。

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家庭菜園士 七尾びび
枝の切り口から枯れないように、切ったあとの傷口に「木工用ボンド」などを塗っておくのもおすすめですよ。

イチジクの剪定と一緒に挿し木をしてみては?

イチジクの剪定で切り落とした枝を使って、挿し木をして株を増やしてみてはいかがでしょうか。挿し木苗から収穫までは2〜3年かかりますが、収穫量も上がるのでおすすめです。

もともとイチジクは生命力が強く、挿し木の成功率もかなり高いので、初心者の方でも簡単にできますよ。

挿し木での増やし方はこちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。

イチジクの剪定は冬!品種に合わせて切ろう

イチジクは特別な手入れは必要ありませんが、剪定は大切な作業の一つです。イチジクの木はすぐに大きくなってしまうため、枝が伸びてきたようであれば剪定する必要があります。

剪定することでおいしいイチジクの実がなり健康も維持できるので、ご自宅でイチジクを育てている方は定期的に剪定してみましょう!

イチジク(無花果)の花言葉|怖い意味があるの?葉っぱには面白い意味があった!

イチジク

「無花果」と表記するイチジクにも、じつは花言葉がついています。イチジクといえば栄養豊富かつ家庭で育てやすい果樹として人気ですが、花言葉や聖書にまつわる興味深いエピソードがあるのをご存知でしょうか。

今回は、知って得するイチジクの花言葉や聖書にまつわる逸話などをご紹介していきます。

イチジク(無花果)はどんな果物?

イチジクは落葉低木果樹で、日本には江戸時代初期から育てられる、馴染み深い植物ですね。栄養豊富で、美容効果もあることから、最近ではドライイチジクとして再び注目されています。

イチジクは育てやすく、一度根づくと毎年収穫が見込めるので、便秘解消にイチジクを栽培している女性も多いのだとか。

またイチジクは旧約聖書に登場したり、エジプト第12王朝の時代(紀元前2400年から2200年前)には、すでに壁画のレリーフとしてイチジクが彫刻されており、アラビアの遺跡でもすでに栽培されていたとされる痕跡が発見されています。それほど、イチジクの歴史は古く長いものなのです。

科・属名
クワ科・イチジク属
分類・性質
落葉低木果樹
原産地
学名
Ficus carica
英語名
Fig
和名
無花果
出回り期
果実は5〜11月
誕生花
4月5日

イチジク(無花果)の花言葉

「子宝に恵まれる」「実りある恋」「裕福」

イチジクの花言葉には「子宝に恵まれる」、「実りある恋」、「裕福」という意味がついています。この花言葉がついたのは、酒の神バッカス(ディオニソス)にまつわるローマ神話が由来しています。

ローマ神話には、当初実つきが悪かったイチジクをバッカスがたくさん実らせるように栽培を成功させ、結果的に一株からたくさん実がなるようになったと綴られており、そんなイチジクの生命力や実つきの良さから、この花言葉がついたとされています。

イチジク(無花果)の花言葉には怖い意味があるって本当?

イチジクの花言葉には怖い意味があるという噂がありますが、これは事実無根であり、イチジクの花言葉はどれもポジティブな意味のものがついています。

ですが、じつは旧約聖書にしるされるアダムとイブが食べた禁断の果実は、リンゴではなくイチジクだったのではないかという説があります。禁断の果実といえば、アダムとイブが知恵をつけてしまい、結果エデンを追われることになった原因です。

このような説から、イチジクにはネガティブな花言葉がついていると勘違いされたと考えられます。

イチジク(無花果)の葉っぱには「恥隠し」の意味があった!

もうひとつ聖書とイチジクにまつわる興味深い逸話をご紹介します。

禁断の果実を食べたあと、無垢を失い知恵をつけたアダムとイブは、裸を恥じて局部を隠しますが、それにイチジクの葉を使ったというのです。その姿を見て神はエデンから追放したというので、イチジクの葉が楽園追放の引き金ともいえそうですね。

禁断の果実は名指しされておらず、真偽がはっきりしませんが、局部を隠したのはイチジクの葉であると明記されており、これが禁断の果実をイチジクとする説を後押ししています。

このことから、海外ではイチジクの葉「fig leaf」のことを「恥ずかしいことを無害なもの・最小なもので隠す」という意味表現で使うこともあるそうです。

イチジク(無花果)の名前の由来

イチジクとういう名前の由来には、一ヶ月間実がなっていることや、一日一つずつ実を熟すことから、一熟が転訛してイチジクになったという説と、中国名のインジェクフォがなまって由来したという説と2つあります。

イチジクはユダヤやキリスト教が発祥した、アラビア半島が原産国ですが、ギリシャではギリシャ神話の女神デメテルが、イチジクの栽培方法を伝授したとされ、ギリシャ、ローマやオリエントの地域では、古来から繁栄のシンボルに「知恵の木の実」としてイチジクが栽培されてきました。

イチジク(無花果)に花は咲かない?

イチジクは漢字で書くと「無花果」と書き、花が咲かない植物として知られていますが、実際にはイチジクの花は果実の中に咲く、面白い構造をしています。

イチジクの花の特徴についてはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。

イチジクの花言葉はシンボルツリーにもぴったり!

イチジクの花言葉は、とてもポジティブな意味があり、おうちのシンボルツリーにしてもピッタリですね。イチジクの花言葉に怖い意味ありませんし、落葉果樹の四季の変化を楽しみながら育ててみるといいでしょう。