夏の風物詩としても知られるヒマワリ(向日葵)は、太陽のような大きな、ビタミンカラーの花を咲かせ、多くの人に愛されています。
プランターでも簡単に育てることができるので、園芸初心者の方にも挑戦しやすい植物ですよ。
今回は夏に人気のヒマワリについて、種まきの時期や方法、お手入れの基本、花が終わった後の種の収穫方法までご紹介します。プロのアドバイスもあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ヒマワリの育て方の大事なポイントをプロが紹介!
ヒマワリの育て方のポイントは、日当たりと風通しのいい場所で育てることと、水やりの時間帯に気をつけることです。また、プランターで育てるなら、プランター栽培向きの品種を選ぶことも大切です。このポイントを守れば、ヒマワリは種まきからでも苗からでも簡単に育てられます。一年草なので、植え替えや難しい剪定はしなくても大丈夫!園芸初心者でも楽しみやすい植物ですよ。
また、今回は、ガーデニングのプロにヒマワリを育てるときのポイントを聞いてみました!ぜひ参考にしてくださいね。
ヒマワリの種には、だいたい播種から何日で開花するか記載されています。一番花を楽しみたい時期から逆算して播種すれば簡単に開花日を予測することができます。
また、ヒマワリは蕾の間は太陽の方向へ花の向きを変えますが、開花してしまうとほとんどの場合、南東で花の向きが固定されます。そのため、ほぼ西側を背に咲くのでお庭に植える時は方角をよく確認しないと、せっかく植えたヒマワリの背を鑑賞することになってしまうので注意してくださいね。
ヒマワリの種をとりたい場合は、茎が枯れたら花を切り、風通しのよい場所で乾燥させます。全体が茶色になったら種を採取し、来春まで冷暗所で保管してあげましょう。
日当たりや水やりなど、基本的なポイントのほかにも、「植える向き」や「種の採取」の方法なども大事なことがわかりましたね。プロならではのポイントもぜひ参考にしてみましょう!
プランター栽培向きのヒマワリの品種はどれ?
ヒマワリにもたくさんの品種がありますが、とくにプランター栽培に向いている品種は、草丈が60〜30cmの矮性種や、30cm以下のミニヒマワリです。
ヒマワリは直根性といって、根を下へ向かって長く伸ばすため、草丈が高い品種ではプランターの深さが足らず、うまく育たないこともあるので気をつけましょう。
代表的な矮性種、ミニヒマワリの品種には下記などがあります。
ヒマワリの種まきのやり方!
ヒマワリの種まき時期はいつ?
ヒマワリの種まき時期は、4月上旬〜6月頃です。ソメイヨシノが散り終わって葉桜になったころが目安です。
ヒマワリの種の発芽適温は20〜25℃ほどなので、寒い地域の場合は種まきの時期を遅らせて、気温が上がるのを待ちましょう。
種まきに必要なものは?
- プランター(深さ20〜30cmあるといい)
- 市販の草花用の培養土
- 鉢底ネット、鉢底石
- ヒマワリの種
プランターの大きさは、育てるヒマワリの草丈に対して、2分の1以上の深さがあるものを用意しましょう。草丈50cmのヒマワリなら、深さ30cmあるプランターだと安心です。
ヒマワリ栽培の土は市販の草花用培養土で問題ありません。自分で配合する場合は元肥となる肥料なども準備しておきましょう。
種まきの手順(種の植え方)
- プランターの下準備をする
まずはプランターに底穴ネットを敷いて、底石を敷き詰めましょう。今回はネットに底石をいれていますが、こうすると後片付けのときの分類が楽になりますよ。
- プランターに土を入れる
プランターに草花用培養土をいれていきます。プランターのふち下1〜2cmまで土を入れましょう。
もし自分で土を配合したのなら、底石が隠れるほど土をいれてから、適量の肥料をまんべんなくまいて、その上から土をかぶせていれます。市販の培養土には元肥が含まれているので必要ありません。
- 土に植え穴のくぼみをつける
土を入れたら、指をつかってだいたい深さ1cmほどの植え穴(くぼみ)をつけます。
植え穴の間隔は、草丈30cmの品種なら8〜10cm、草丈50cmの品種なら15〜20cm、草丈80cmの品種なら20〜25cm、草丈100cmの品種なら30cm以上はあけておきましょう。
地植えにする場合は、上記にプラス5cmの間隔をあけておくといいです。
- 植え穴にヒマワリの種をまく
植え穴に2〜3粒ずつ、ヒマワリの種をまきます。もし3号ポットで育苗をするのであれば、1〜2cmの間隔で3点に1粒ずつ種まきをしてください。
- 土をかぶせる
種をまいたら、植え穴をうめもどすように土をかぶせていきます。
ヒマワリは嫌光性種子といって、発芽のさいに日光を嫌う性質があるので、種の上に1cmほど土がかぶるようにしましょう。
- たっぷり水やりをして完了
土をかぶしたら、軽く手で土をおさえて種と土を密着させます。その後は、種が動かないように優しく水やりをして完了です。水は鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えてください。
種まき後の管理方法!種まきから何日で発芽する?
ヒマワリの種まきをした後は、日陰で水を切らさないように管理しましょう。発芽まではだいたい1週間〜10日程度です。
子葉のあとの本葉(葉先が尖っている葉)が2枚ひらいたら、ひとつの植え穴に対して1本になるよう、生育の悪い方を間引きしてください。この頃になったら、徐々に明るい日陰→直射日光を避けた日当たりのいい場所に移動させていきましょう。
ヒマワリの苗の植え方
苗を植える時期はいつ?
ヒマワリの苗を植える時期は5〜8月です。ただし、時期というよりは苗の本葉が5〜6枚のタイミングで植えることが大切です。
ヒマワリは直根性で移植を嫌うので、本葉が6枚より多く育ってしまうと、植え付けた後に弱る可能性があります。苗を入手するときは、本葉の枚数や葉色が濃くて元気かどうかをみながら選びましょう。
プランターへの苗の植え方
- プランターに鉢底ネット、鉢底石を敷き詰める。
- 草花用培養土をプランターの3分の1ほどいれる。
- ポットからヒマワリの苗を抜き取り、根を崩さずそのまま土の上に置く。
- 複数株植える場合、草丈30cm以下の品種なら10cm、草丈50cmの品種なら15〜20cmほどの株間をあけて植える。
- ヒマワリの子葉(一番下の葉先が丸い葉)が、プランターのフチの高さと揃うように、土の高さを調整する。
- 隙間に土をいれていき、細長い棒などでつつきながら土をつめていく。
- 子葉が埋まらないよう、プランターのフチ下1〜2cmまで土をいれる。
- 軽く手で押し固めて、たっぷりと水やりをして完了。
花壇への苗の植え方
- 植え付け1週間前に腐葉土か堆肥を、庭土1㎡あたり2〜3kgまぜて、深さ40cmまで耕しておく。
- その1週間後、高さ15cmほどの畝をつくったら、苗の根鉢がうまるくらいの植え穴を掘る。
- 複数植える場合、草丈50cmの品種なら20〜25cm、草丈100以上なら30〜40cmの株間をあけておく。
- ポットからヒマワリの苗を取り出して、根鉢は崩さずに植え穴にいれる。
- 隙間を土で埋め戻して、軽く手で押し固め、たっぷりと水やりをする。
たくさん咲かせたいなら「摘心」をしよう
一本の茎から分岐してたくさんの花がつく分枝タイプのヒマワリは、植え付けのときに茎を上で切り戻す「摘心」という剪定をしておくと、より花つきがよくなります。
本葉5〜6枚のときに芽の先端を清潔なハサミで切り取ってください。植え付けと一緒に作業すると楽ですよ。
ただし、摘心をするとひとつひとつの花は小さくなります。大きは花を咲かせたいときは、摘心はしなくても大丈夫です。
ヒマワリの置き場所はどこ?日当たりは?
ヒマワリは太陽のイメージが強くあるとおり、日当たりをとても好む植物です。よく日が当たる明るい場所に置いて、しっかりと日光を与えてあげましょう。日当たりが不十分だと、茎などが痩せて細くなり、葉の色も黄色く変色してしまうことがあります。
ヒマワリを育てるためには、暖かい温度と日当たりが大切です。日がよく当たる暖かい場所に置いて、育てるようにしましょう。
また、風通しが悪いと病気や害虫が発生しやすくなるため、風のない蒸れやすい環境には置かないようにしましょう。
ヒマワリの水やり!頻度はどのくらい?
正しい水やりのしかたは?
ヒマワリの水やりは、土の表面が乾いてきたら、プランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりするのが基本です。
また、水やりのポイントは朝か夕方の涼しい時間帯に行うことです。栽培期間中は気温が高い時期なので、日中に水やりすると、プランターのなかが蒸し風呂状態になってしまいます。
ヒマワリは暑さには強いですが、蒸れには弱いので、水やりの時間帯に気をつけましょう。
水やり頻度はどれくらい?
ヒマワリの水やり頻度は、7〜9月の暑さがピークの時期は、朝夕の1日2回与えてもいいくらいです。
とくにヒマワリは開花時期を迎えると水をよく吸うので、土が乾きやすくなります。夏の暑さに強いヒマワリですが、水不足は枯れる原因にもなるので気をつけましょう。
ただし、土が乾いていなければ与えなくて大丈夫です。土が湿ったままの状態がずっと続くと根腐れが起きるので気をつけましょう。
ヒマワリの肥料!与える種類や頻度は?
ヒマワリにおすすめの肥料は?
ヒマワリの肥料には、花つきをよくするリン酸が多めに配合された、市販の草花用の肥料を使いましょう。
観葉植物用の肥料などのチッ素成分が多い製品だと、葉が増えすぎる原因にもなるので控えてください。
肥料には速効性のある液体肥料と、緩効性の粒状化成肥料の2タイプありますが、コントロールしやすいのは液体肥料です。
肥料はいつから与える?頻度は?
ヒマワリの肥料は、元肥の効果が切れる時期から与え始めます。元肥の効果が1ヶ月で切れる製品の培養土であれば、植え付け後(種まき後)1ヶ月後から与えましょう。
ヒマワリに追肥する時期は、6〜9月の間です。
液体肥料なら10日に1回水やりのかわりに、緩効性化成肥料なら2ヶ月に1回土にまいて与えてください。
ヒマワリの開花時期は?枯れる時期はいつ?
ヒマワリの開花時期は、7月中旬〜9月です。大きな花を太陽に向かって咲かせます。
種まきから開花までの日数は、草丈100cm以上なら60日前後、50〜100cmなら50日前後、50cm以下なら40日前後かかります。
ヒマワリが枯れる時期は10月から11月ごろです。このころになると種がふくらんで充実してきます。
ヒマワリの花が終わったら?種の取り方・保存方法
ヒマワリの花が終わったら
ヒマワリには一本の茎に一つの花しか咲かせない一本立ちタイプと、一本の茎から数個の花を咲かせる分枝タイプがあります。
一本立ちタイプのヒマワリの花が終わったら、そのまま1〜2ヶ月ほどおくと大きな種がつきます。
分枝タイプのヒマワリの花が終わったら、早めに花がらから切り取ってやると、次の花が咲きやすくなります。切りとった花はドライフラワーにして飾るのもおすすめです。
もちろんそのまま切らずに置いておけば、種を収穫できますよ。
種取りのしかた(収穫)・保管方法
- 開花してから1〜2カ月ほど待つ。
- 花中央が黒くなり、花首が徐々に下を向いてきたら収穫の合図。茎の部分で切り取る。
- ネットなどに入れて数日間天日干しで乾燥させ、完全にカラカラになるまで待つ。
- しっかり乾燥したら目の荒い網の上で花がらをこするようにして種を落として収穫する。
- ゴミやカビの生えた種などを取り除いて、蓋つきのビンにいれて冷暗所で保管する。
ミニひまわりの種は収穫できない?
ミニひまわりは種の収穫が難しく、種が取れても発芽する確率が低いです。これは、品種改良が進みF1という品種が主流となっていることが原因に挙げられます。
F1の品種は、一代勾配種で、種が出来てもその種から親と同じ種が取れるわけではありません。ミニひまわりの種はお店で購入するようにしましょう。
ヒマワリは冬越しできる?
ヒマワリは一年草なので、基本的に冬越しはできません。
とはいえ、種を付けないように早めに花がら摘みをして、秋頃に室内にしまって管理すれば、冬越しすることもきます。
ただし、翌年は花数がへったり、花が小さくなることもあるので、新しく育て直したほうが花を楽しめます。
ヒマワリの育て方で注意すべき病気・害虫
かかりやすい病気
ヒマワリで気をつけるべき病気としてはベト病があります。
梅雨の時期など湿度が高い環境で発生しやすく、菌が葉に感染することで黄緑色の斑模様をつくります。葉が枯れる原因にもなるので、風通しを良くしたり、マルチングを施すなどして感染を防ぎましょう。
つきやすい虫
害虫ではハダニやナメクジがヒマワリには発生しやすいです。
ハダニは高温で乾燥した環境を好み、主に葉の裏側に多く発生します。葉の養分が吸われて、葉色や生育が悪くなるので、水やりの際に茎や葉を濡らすようにして発生を防ぎましょう。
ナメクジは発芽後から多く発生します。塩水をまくことなどで駆除するようにしましょう。
ヒマワリの育て方を覚えてきれいな花を咲かせよう!
太陽のような明るく大きな花を咲かせるヒマワリの育て方についてご紹介しました。
ヒマワリが咲いているのを見て、夏を感じる方も多いのではないでしょうか。1年草であるヒマワリは、種まきから開花までの期間も比較的短く、種を収穫すれば毎年のように育てることができます。
ぜひヒマワリを育てて、夏の花壇や庭を彩ってみてはいかがでしょうか。
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