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レモンの収穫時期を見極めよう!目安や食べ頃、実がなるまではどれくらい?

リスボンレモン

酸味があるレモンは、ジュースやジャムそして料理など使い方のバリエーションが実に豊富です。最近では家庭菜園としても人気が高まり、地植えと鉢植え両方で栽培することができます。

レモンの育て方は難しくないので、初心者の方でも育てられることが魅力の一つです。レモンは収穫のタイミングが大切なので、最適な時期に収穫しておいしいレモンを楽しみたいですね!

今回は、レモンの収穫時期や食べ頃の見分け方、収穫方法や注意点などについて詳しく紹介していきます。

レモンの実はなるまでどれくらいかかる?

レモンの木は春から秋にかけて白い小花を咲かせ、花が咲き終わってから約半年後に果実を収穫するとよいです。

レモンの木を苗から育てた場合は2~3年ほど、味のよいレモンを育てるには約5年の時間がかかります。少しでも早く収穫したいようであれば、ホームセンターなどで3年以上育てられている大苗を手に入れることをおすすめします。

レモンは国内では広島県や愛媛県が主産地で、温暖で日当たりのよい場所を好み、寒さを苦手とします。おいしいレモンを栽培するためにも、栽培環境には配慮しましょう。

また、レモンは鉢植えでも育てることができ、ベランダなど限られたスペースでも栽培が可能です。そのため、寒い冬の時期は室内に移動させて日当たりと風通しのよい場所で管理するとよいです。地植えであれば、木全体を不織布で覆い冬越ししましょう。

レモンの収穫時期はいつ?

レモンの収穫時期は地域によって異なりますが、一般的には10~3月頃です。グリーンレモンであれば9月頃、黄色いレモンの場合は12月以降が適期です。

レモンの収穫の目安・食べ頃の見分け方

レモンは直径5cmほどが収穫の目安で、皮の色がグリーンから黄色に変わる時がベストなタイミングです。黄色いレモンは熟しすぎてしまうと酸味や果汁が少なくなるので、なるべく早く収穫するようにしましょう。また、レモンの収穫は晴れた日の午前中に行うと良いです。

レモンはある程度の重みがあり、果実の表面にハリやツヤがあるものが食べ頃です。厚い皮よりも薄い方が果実が沢山詰まっていて、全体的にむらがないものがおいしいレモンです。

1本のレモンの木には約200~300個ほどの果実がなるので、お庭などに1本植えるだけで十分楽しめます!

レモンの収穫の方法

レモンを収穫する際は果実を手で持ち、果柄の部分をハサミでカットして枝から切り離します。カットした果柄は、果実を傷つけないように軸の長い部分をカットしましょう。

レモンを手でもぎ取ることも出来ますが、果実が傷つく場合があるのでなるべくハサミを使うとよいです。

また、レモンの枝にはトゲがあるため、収穫する時は軍手を着用して作業することをおすすめします。

レモンの収穫で注意すること

レモンは緑色のうちに収穫することもできますが、収穫が早すぎると果樹が少なく香りもあまりのっていません。レモンをおいしく召し上がるためにも、収穫のタイミングには注意しましょう。

また、レモンの果実が多い場合は、小さいうちに摘果するとよいです。レモンの木に果実を多くつけると一つ一つの果実が小さくなってしまい、翌年の収穫量も減ってしまう可能性があります。このような場合は、木の下の方から小さな果実を摘み取りましょう。

レモンは収穫後は早めに食べるべき?

レモンを収穫した後は、常温であれば10日ほど保存が可能です。グリーンレモンであれば、室内に保管して追熟させることもできます。

収穫したばかりのレモンは酸味が強いため、黄色いレモンは収穫後3~4日ほど追熟させると酸味が落ち着いてきます。

レモンは2~3個または一つずつビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存すれば1か月ほど持ちます。カットしたレモンはラップに包んで冷蔵庫で保管し、早めに使い切りましょう。

その他、レモンは冷凍庫でも保存可能ですが、その場合は丸ごとではなくイチョウ切りや輪切りなどあらかじめカットしておくと使いやすいです。レモンは常温保存も可能ですが、長期的に保存する場合は冷蔵庫または冷凍庫がおすすめです。

収穫時期を見極めておいしいレモンを収穫しよう

レモンは用途が多く料理などでも重宝するので、自分で育てて収穫できると便利ですね!レモンは収穫時期が早すぎると果実の味にも影響が出てくるので、最適な時期に収穫することが大切です。

レモンの収穫時期を見極めて、ぜひともおいしいレモンを収穫しましょう!

マリーゴールドの育て方|種まきや苗を植える時期は?切り戻しや増やし方は?

マリーゴールド

マリーゴールドは太陽のような明るい色の花々を長期間にわたって咲かせ、楽しませてくれるお花としてとても人気です。

初心者でも簡単に育てられ、少し手入れをするだけでたくさんの花がつくので、とても育てがいもあります。ガーデニング初心者にも人気のマリーゴールドの育て方をプロのアドバイス付きで紹介していきますね。

マリーゴールドの育て方の大事なポイントをプロが紹介!

マリーゴールドは育てるのは難しくない花ですが、植えっぱなしにしておくだけではいけません。今回は、ガーデニングのプロに特に重要なポイントを聞いてみました!ぜひ参考にしてくださいね。

マリーゴールドの育て方のポイントは、花柄摘みです。枯れた花をそのままにしておくと、花が雨で濡れた時に腐ってしまったり、種ができて栄養が次の花にいかなくなります。枯れた花はこまめにカットしましょう。

マリーゴールドはゴールデンウィーク辺りから園芸店などで見かけますが、梅雨時期をうまく乗り切れれば、夏の間も長く楽しむことができます。

長雨が続きそうな時は、思い切って蕾だけ残して花を全て摘んでも大丈夫です。伸びきってしまった茎も少し剪定します。雨のせいでお庭に出られる機会が限られてくると、こまめに花がら摘みができず、咲き切った花が雨で腐ってしまい、病気などを引き起こす可能性があるからです。

盛夏の時期もあまり長々と花を咲かせず、こまめに花を摘むことで、株も大きく育ち少し涼しくなってくるとまたたくさんの花を咲かせてくれるようになります。

マリーゴールドを育てるうえでのポイントは「花柄摘み」ということがわかりましたね。難しい作業ではないので、気がついたらこまめに花柄摘みをしてあげましょう。

マリーゴールドの日当たり

マリーゴールドは日当たりと水はけのよいところを好みます。日当たりが悪いと弱っていき、花つきが悪くなるので注意しましょう。

育成の適温は15〜25度です。耐暑性もあるので真夏の暑さも耐えますが、熱を持ちすぎると一旦花が咲き止まります。鉢植えやプランターの場合は、風通しの良い半日陰に移動させて熱がたまらないようにしてあげましょう。

マリーゴールドの栽培場所

マリーゴールドは風通しがよく、日当たりのよい場所に置くようにしましょう。

花壇などの地植えの場合は、草丈の低いフレンチ種は前側に、草丈の高いアフリカン種は壁側後方に植えると、まんべんなく日光が行きわたるのでおすすめです。室内の場合は、日当たりのよい窓際に置くようにしましょう。

マリーゴールドの種まき

種まき時期はいつ?

マリーゴールドの種まき時期は、3~5月に行いましょう。気温20~25度ほどの暖かいよく晴れた日の午前中に行うのがおすすめです。ちょうどソメイヨシノが咲く頃に種まきをするとちょうどいいですよ。

種まきの方法は?

  1. 種まきに必要なもの
    マリーゴールド 種まき1
    マリーゴールドの種まきをするときは、種まき用の土とセルトレーを用意しておきましょう。セルトレーの代わりに浅めの箱を用意して種まきすることもできます。

    種まき用の土は市販の種まき用培養土か、赤玉土5:バーミキュライト5の比率で混ぜた無菌で清潔な土を用意します。

  2. 種を一粒ずつまく
    マリーゴールド 種まき2
    セルトレーにすりきりいっぱい土をいれたら、指で5mmほどのくぼみをつけていきます。そのくぼみの中にマリーゴールドの種を一粒ずつまいていきましょう。
  3. たっぷり水やりをして明るい日陰へ
    マリーゴールド 種まき3
    種をまいたら5mm程度土をかぶせ優しくたっぷり水やりして、明るい日陰ほどの暖かい場所に置きます。

    発芽するまでは土が乾燥しないようこまめに水をあげますが、だいたい1週間ほどで発芽するので、発芽してからは土が乾燥してから水をあげるようにするとよいです。

  4. ポット上げ
    本葉が3〜4枚ひらいたら、3号(6cm)ポットに植え替える、ポット上げをします。ポットに市販の草花培養土をいれたら、トレーから優しく苗を取り出し、根には触らずに植えます。

    また、マリーゴールドは小苗の時にチッソ、リン酸欠乏になると生育不良になるので発芽したら、早い時期に、薄めた液肥を与えとよく咲くようになります。

マリーゴールドの植え付け

苗を植える時期はいつ?

マリーゴールドの発芽した苗を鉢や地植えに植え付ける時期は、4〜6月がおすすめです。

苗の植え方〜花壇に植える場合〜

  1. 庭土1㎡あたり2〜3kgの堆肥と緩効性化成肥料を混ぜておく。
  2. 1週間後にポットの根鉢分の植え穴を掘る。複数植えるなら株間はフレンチ種20〜25cm間隔、アフリカン種30〜35cm間隔をとる。
  3. ポットから苗を取り出し、植え穴にいれる。このとき根鉢の肩が地面のラインとそろうようにする。
  4. 隙間に土をいれ、軽く手で押し固めたらたっぷり水やりをする。

苗の植え方〜プランターに植える場合〜

  1. 鉢に底穴ネット、底石をしきつめて、土を3分の2ほどいれる。
  2. ポットから苗を取り出して、根鉢は崩さずに並べる。このとき株間は15〜20cmほどあけておく。
  3. 隙間に土をいれていき、鉢のフチ下2cmほどまでいれたら手で軽く押し固める。
  4. 底穴から水が流れ出るまでたっぷり水やりをして完了。

なお、マリーゴールドは一年草なので、一度植えつけたら植え替えは不要です。

マリーゴールドの水やり

地植えのマリーゴールドの場合、長期間雨が降らずに乾燥している時だけ水をあげます。通常の時期は水やりはほとんど必要ありません。

鉢植えやプランターの場合は、土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底の穴からしたたるくらい水をたっぷりあげるようにしてください。

マリーゴールドの肥料・追肥

マリーゴールドは地植えか鉢植えかで肥料の要否が変わります。

マリーゴールドを地植えする場合、植えつけの際に前述の土の調整をしたのであれば、肥料は必要ありません。

鉢植えやプランターの場合、花期中の4〜11月ごろは週1回程度、リン酸分の多い液肥を与えるといいです。ただし、酷暑の8月などで花が咲き止まる時期は一旦肥料を与えるのをやめ、秋の涼しい時期に差し掛かったところで再びあげるようにしましょう。

マリーゴールドの手入れ(摘心・花がら摘み・切り戻し)

摘心

摘心をすることによって、上に高く伸びるのを防ぎ、横に広がって絨毯のように花付きのよいマリーゴールドを育てることができます。時期的には4〜6月、苗が本葉10枚程度になったら、一番太い茎の頂点の芽から2節分を手で折るように摘心します。

花がら摘み

マリーゴールドは花期が長いので、こまめに咲き終わった花がらを摘んであげることが重要です。花が結実してしまうと養分を取られてしまうので、次の花がなかなか咲きにくくなったり色付きも悪くなります。

実がつかないうちに花茎から切り取りましょう。花びらをとっただけでは、萼から結実するので意味がありません。また枯れて地面に落ちた花・萼もカビの発生や病気の原因になるので取り除きましょう。

切り戻し

マリーゴールドを切り戻しすることによって、風通しを良くし、2度目の開花をうながすことができます。4〜7月の1回目の開花を楽しんだあとは、草丈の半分程度、今後の分岐となる葉があることを確認してカットします。9月ごろにもう一度切り戻しを行うと、うまくいけば冬のはじめごろまで咲き続けることもできます。

マリーゴールドの増やし方(種取り・挿し木)

マリーゴールドの増やし方は、種を採取して撒く「種まき」か「挿し木(挿し芽)」をするかの二通りです。どちらも簡単にできます。

種取り

種まきの場合、咲ききって枯れた花の中にある長細い形状の種を取り出します。採取した種は茶封筒などにいれて、種まきの3月ごろまで涼しい日陰で管理しましょう。その後は種まきの手順に従って植えてください。

挿し木

挿し木の場合、まず花のついていない茎を7cmほど切り取り、根元付近の葉を取り除きます。切り口を3時間ほど水につけてから育苗ポットに植え、水をあげて日陰で管理します。このとき重要なのは土を乾かさないことです。2週間ほどで根付くので、日当たりの良い場所に移し、本葉が2〜4枚できたら鉢や庭に植えつけしましょう。

マリーゴールドの育て方で注意する害虫・病気

5〜9月ごろはハダニがつきやすいので、葉の裏側にも霧吹きなどで水をかけてあげて予防してください。

また、植えつけあとに立ち枯れ病が起きることがあります。立ち枯れ病とは葉っぱが弱って黄色く枯れていく病気で、しっかり養分を調整した土に植えてあげることが予防に繋がります。オーソサイド水和剤などの殺菌剤を土に散布しておくとさらによいです。

湿気がこもる梅雨期や長雨の時期は、枯れ花・葉などによって灰色かび病が出やすいので、花がら摘みや間引きなどはこまめに行いましょう。発症初期であれば殺菌剤で治すか、切り取ります。

マリーゴールドの花

マリーゴールドはキク科の一年草で、品種にもよりますが4月〜11月と長期にわって、黄色やオレンジ色の花を次々と咲かせます。葉と花が隙間なくボリューミーに生えるため、花壇やプランター、ハンギングなどで、ひときわ輝く存在感があります。

さらにマリーゴールドには癖のある柑橘系のフレッシュな香りがあり、この香りによってネマトーダやネグサレセン虫などを寄せ付けない害虫予防効果があります。コンパニオンプランツとして寄せ植えの一緒に植えられた植物の役にもたつ草花です。

マリーゴールドの種類・品種

マリーゴールドの種類には大きく2種類あります。

ひとつは小輪のフレンチ種です。草丈は15〜30cm程度と小さめで、小さめの花々を横に広げて茂るので、花期になると花の絨毯のようになります。節からの分岐が多いのでボリューミーで地植え・鉢植え、ハンギング、室内での管理などにも適しています。フレンチ種で代表的な品種は「ディスコ」シリーズ、「ボーイ」シリーズ、「デュランゴ」シリーズです。

もうひとつは大輪のアフリカン系です。草丈は30〜80cmほどで、花形は10cm前後になる品種が多く、菊らしい筒状の花びらを寄せて咲く八重咲きの品種が多いです。茎が太く直立するので、花壇の中心や切り花に向いています。代表的な品種は「タイザン」シリーズ、「パーフェクション」シリーズ、「F1」シリーズなどがあります。

マリーゴールドの育て方は簡単!春夏に咲かせよう♪

マリーゴールドはとても丈夫で初心者にはもってこいのお花です。どの品種も黄色やオレンジ、そのミックスなど陽気な色味のお花をたくさん咲かせてくれるので、見ていると晴れやかな気持ちになりますよ。

また、マリーゴールドは虫除けの効果も発揮するといわれているので、ぜひご自宅のプランターや花壇などで寄せ植えとして楽しんでみてください。

パンジーの育て方を徹底解説!苗を植える時期と植え方は?水やりや肥料の頻度は?

パンジー

花の色が豊富なため、冬場の寂しい花壇を一気に彩ってくれることから、寄せ植えなどにも人気の高いパンジー。蝶々のような人の顔のような模様が特徴的ですよね。今回はそんなパンジーについて、育て方を中心に簡単にご紹介します。

パンジーの育て方のポイントは?

パンジー 花壇

松原真理子

パンジーは毎年新しい園芸品種が生み出されていて、花色・模様などさまざまな品種が楽しめるので、選ぶのも毎年楽しい一年草として人気ですね。パンジーは花期が長くたくさんの花を咲かせ続けてくれますが、植えっぱなしにはせず、定期的に様子をみてあげることで、花の量も断然変わってきますよ。

そんなパンジーの育て方のポイントは、植えるときの株間を広めに取っておくことと、咲き終わったら花がら摘みや切り戻しの手入れをすることです。

とはいえ、苗を植える時期さえ守れば、基本的な育て方で簡単にぐんぐん育つので、初心者でもたくさん咲かせられるよう、詳しくご紹介していきますね。

パンジーの苗を植える時期はいつ?

パンジーの苗を植える時期は10月中旬〜11月下旬が一般的です。

本格的に冬の寒さが来る前に植え付けることで、充分に根を張れ、春先でも生育がよくなるため長い期間花を楽しめます。関東などの一般地であれば、遅くとも12月中に植えておきましょう。

植え付けの目安は最低気温が10度以下ほどになったころです。もしくは最高気温が15度以上になった早春に植えても良いでしょう。

植える時期がわかったら、苗を入手して次に紹介する手順で育てていきましょう!

パンジーを植える場所

パンジーは日当たりのいい場所を好みます。日当たりの悪い日陰で育てると、茎だけが伸びた不格好な姿になり、花も咲かなくなってしまうので注意しましょう。

パンジーは寒さには強いですが、栽培適温は15〜20℃程度の環境を好む性質にあります。そのため、9月ごろのまだ残暑が厳しい時期に苗を育て始めてしまうと、高温多湿にやられてうまく育たないので、できれば苗の購入は涼しくなったあとの10月頃から育て始めるのがおすすめです。

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松原真理子
10月末から11月になると次々と変わった品種の苗も出回り始めます。選ぶ楽しみが広がりますよ。

パンジーの土づくり

プランター・鉢植えの場合

パンジーをプランターや鉢植えで育てるときは、初心者なら市販の草花用培養土を用いましょう。最近ではパンジーとビオラ専用の培養土もあるので、そちらもおすすめです。

市販の培養土にはだいたい元肥として肥料が含まれていますが、もし未配合の場合は規定料の緩効性肥料を足しましょう。

もし自分で配合土をつくるなら、赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混ぜたものに、規定量の緩効性肥料を元肥として足しておくといいです。

庭や花壇に地植えする場合

庭や花壇に地植えするときは、庭土を深さ30cmほど耕して、庭土に3〜4割ほど腐葉土か堆肥を混ぜておきましょう。さらに1㎡あたり緩効性肥料を200〜300gほど混ぜておくと元肥としてパンジーの生育を助けてくれます。詳しい肥料の量は肥料によって異なりますので、使用量を確認してください。

植え付けまでには1週間ほど時間を置いて土をなじませておきましょう。

パンジーの苗の植え方

パンジー 株間

プランター・鉢植えの場合

  1. 鉢に鉢底ネットを敷いて、鉢底石を底が見えなくなるまで敷き詰める。
  2. 草花用の土を鉢の1/2〜2/3くらいまでいれる。
  3. ポットからパンジーの苗を取り出して植える。
  4. 鉢の土の上に、十字に切った根鉢を開いて土と密着するように置く。
  5. 土を隙間にかぶせていき、鉢のフチ下3〜4cmほどのところまでいれる。
  6. 割り箸などでつついて、鉢の側面を叩きながら土をつめていく。
  7. 鉢の底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをする。

庭や花壇に地植えした場合

  1. 土づくりをすませたら、あらかじめ土を均しておく。
  2. ポットにいれたまま苗をおいて配置を事前に決める。複数植える場合は間隔を15cmほどあける。
  3. 配置が決まったら深さ15cmほどの植え穴を掘る。
  4. ポットから苗を取り出して植える。
  5. 植え穴に十字に切った根鉢を開いて土と密着するように置く。
  6. 隙間を庭土で埋め戻して、かるく株元を手で抑える。
  7. 花壇や庭土全体が湿るよう、たっぷりと水やりをする。
  • 植えるときは、株の間隔に注意!
  • パンジーを植えるときの株間は、とくに庭に地植えするなら20cm以上離して植えましょう。プランターの場合でも、一株を大きく元気に育てたい場合は、最低でも株間15cmをあけるといいです。
    パンジーは植えるときの苗は小さめでも、見頃を迎える春〜夏にかけて、株張りがいいのでグングンと大きく育ちます。株間をあけずに植えると、蒸れの原因になって春に枯れることもあります。
    植えたてのときは花壇がスカスカに見えても、春になれば一面パンジーが咲くので楽しみながら育てましょう。

  • 根張りをよくする植え方のコツ!
  • ポットから苗をとりだしたときに、写真のように細かな白い根がぐるぐると土全体にまわっているようなら、根鉢(ポットに埋まっていた根と土のかたまり)の底部分を、清潔なハサミで十字に切るといいです。ハサミを切る深さは根鉢の1/3がベスト。
    植えるときは十字部分をぱっくりと開いて置き、根鉢の内部と土が密着するように植えましょう。
    もしここまで根が張っていなければ、根鉢は崩さずに植えても大丈夫です。切るのが不安なときは根鉢を1/3ほどほぐしてから植えてもいいですよ。

    パンジーの水やり

    パンジー プランター 水やり

    鉢植え・プランターの場合

    鉢植えやプランターでパンジーを育てている場合、水やりは土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えてください。とくに乾燥する冬の時期は乾きやすくなるので注意しましょう。

    水やりのタイミングは、朝や日中の暖かい時間帯です。冬の夜はかなり冷えて、与えた水が原因となって土が凍ってしまう可能性があるため、夕方以降に水やりするのは控えてください。

    パンジーは土が凍っても枯れはしませんが、水が吸えなくなってしまい、しおれる原因になります。

    庭や花壇に地植えした場合

    パンジーを庭や花壇に地植えした場合は、苗を植えた後2週間は3〜4日に1回を目安に、表面の土が乾いたら水やりするようにしてください。

    しっかりと根付いて花が開いたり新芽がでてくるなど成長しだしたら、今後水やりをする必要はありません。雨の水分だけで育っていきます。

    ただし2〜3週間雨が降らない場合や、極端に土が乾燥しきっているときは水やりをしてあげるといいですよ。

    パンジーの肥料・追肥

    鉢植え・プランターの場合

    鉢植えやプランターでパンジーを育てているなら、冬ごろになって花がよく咲き始めるようになってから、液体肥料で肥料を与えましょう。

    液体肥料は規定量の水で十分に希釈して、10日に1回、水やりの代わりに与えてください。開花中はこのペースで肥料を与えておくと、長く開花が楽しめます。

    ただし、肥料の与え過ぎは厳禁です。株の調子や花数が少なくなってきた頃を目安に肥料を与えても遅くはありません。花数が少ないからとむやみに肥料を与え過ぎてはいけません。

    とくに4月以降は暑さで株が弱り始め、それに加えて肥料が多いとよえ系に株が逆に弱ってくるので、肥料の量を減らすか、様子をみて問題なさそうなら与えなくてもきれいに咲いてくれます。

    庭や花壇に地植えした場合

    地植えでパンジーを育てているなら、肥料は基本的には春になったら1回与えれば大丈夫です。元肥(植え付けの土づくりの段階で混ぜた肥料)として緩効性肥料を施しているので、3〜4ヶ月は追肥する必要がないのです。

    もし元肥に1年間効果が持続するタイプのものを使っていたら、そもそも追肥する必要もありません。

    春の3月ごろになったら、緩効性肥料を規定量まいて、土と混ぜてあげましょう。

  • おすすめの肥料の種類
  • 肥料にはいろいろな種類がありますが、ガーデニング初心者でも手軽に使えるのが化成肥料です。
    市販にはとくに草花用化成肥料や、パンジー・ビオラ用肥料などが売られているので、それを使うと失敗がないでしょう。
    理想的な成分の配合はN-P-K=11-11-7の割合のもので、茎や葉を丈夫にする窒素(N)、花を咲かせるリン酸(P)が多めに配合されたものがおすすめです。

    パンジーの芽の摘心(適芯)

    パンジー 摘心

    パンジーを植えてある程度経つと、どんどんと新芽が伸びてきます。このとき、芽の先を切る「摘心(適芯)」をすると、わき芽が増えて花付きがよくなります。

    画像の赤い線の部分で、清潔なハサミを使い切り取りましょう。

    パンジーの育て方でよくある質問

    パンジーが枯れたらどうする?花を長く咲かせるには?

    パンジーの花が咲き終わったら「花がら摘み」という、咲き終わった花を取り除く作業をしましょう。花がら摘みをすることで、種の形成に入るのを防いで、その分のエネルギーを次の花へと回すことができます。

    さらに夏までより長く咲かせたい場合は「切り戻し」という剪定のお手入れをするといいです。切り戻しとは、花が咲き終わって株姿が乱れたときに、茎を途中で切り揃えることで再びこんもりと咲かせることをいいます。

    詳しいやり方はこちらの記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてください

    ガーデンプランナー 松原真理子

    ガーデンプランナー 松原真理子

    パンジーの開花時期は11月上旬頃から最長で6月上旬頃までです。寒さにはめっぽう強く、暑さに弱いといっても25℃ほどまでは問題ないので、梅雨の前くらいまで咲くこともあります。

    パンジーは一年草なので、開花時期が長いのが魅力です。一度咲き終わったからといって放っておかず、しっかりとお手入れすると半年ほど咲いてくれますよ。

    4月下旬〜6月の間に花の勢いが衰えたら寿命を迎えたということなので、これを目安に片付けましょう。5月のGWはちょうど夏の花の植えどき時期なので、この連休で片付けるのもおすすめです。

    ガーデンプランナー 松原真理子

    ガーデンプランナー 松原真理子

    パンジーって多年草?夏越しできるの?

    確かにパンジーを夏越しさせることはできます。基本的には下記のような管理方法をすれば夏越しできる可能性が高まります。

    • 日陰、または室内の涼しい場所に移動させる
    • 余分な花を咲かせず、花がらも摘んで種をつくらせない
    • 肥料は控えて、水やりも葉がしおれてからやる

    とはいえ、夏越しの成功率はかなり低いです。成功したらラッキーぐらいに捉えたほうがいいでしょう。もし夏越しできたとしても株自体に疲労が溜まっているので、もともと咲いていたような豪華な花付きは期待できません。

    結果的に夏越しの労力に見合わないことになるので、鑑賞目的なのであれば、新しい苗を植えるか、挿し芽や種まきで増やした方が楽しめますよ。

    ガーデンプランナー 松原真理子

    ガーデンプランナー 松原真理子

    パンジーはどのくらい寒さに強い?雪が降っても大丈夫?

    パンジーは霜に当たっても枯れないほど寒さに強いです。とはいえ雪がたくさん降るような地域や、気温がマイナスになるような地域では、防寒対策をしたほうがいいでしょう。

    おすすめの防寒対策は、腐葉土を土の植えに5〜7cmほど盛ってマルチングをする方法です。こうすることで地温が下がるのを防止でき、寒さが和らいだあとはマルチング材を土にすき込んでより条件の良い土にすることもできます。

    また雪が降りつもるような場合は、できれば花壇やプランターにドーム型の支柱をさして、寒冷沙などをかけておきましょう。直接雪が降り積もると、茎が折れる原因になるので注意してください。

    なお、一般地や暖地であっても、ベランダの寒風が直撃するような場所で育てると葉が紫へと変色してしまう可能性もあります。急激な温度低下がありそうな時は注意して観察してください。

    ガーデンプランナー 松原真理子

    ガーデンプランナー 松原真理子

    パンジーの増やし方を知りたい!

    パンジーの増やし方は「種まき」と「挿し芽」があります。どちらも今育てている方法から増やすことができますよ。

    難しくはないので挑戦してみるといいですが、日本には種苗法という法律があり、登録品種のパンジーを増やして譲渡したり販売することは禁止されているので気をつけましょう。自宅で楽しむ程度ならば問題ありません。

    詳しいやり方はこちらの記事を参考にしてみてください。

    ガーデンプランナー 松原真理子

    ガーデンプランナー 松原真理子

    パンジーの育て方で注意すべき病気・害虫

    名前 原因・対処法
    うどんこ病 温度が低くても発病します。日当たりや風通しをよくすることで改善できます。また、お酢をかけておくことで予防にもなります。薬でも対処できます。
    モザイク病 アブラムシを媒体として起こります。害虫対策や薬での対処が重要です。
    灰色カビ病 カビが原因で、灰色の粉がつきます。日当たりと風通しをよくすることで防げます。薬でも対処できます。
    アブラムシ 発生したら、お酢をかけて駆除します。
    ナメクジ 鉢底に薬剤を置くだけで、未然に防ぐことができます。
    ヨトウムシ 発生したら、1匹ずつ駆除するしかありません。見つけ次第潰してしまいましょう。

    パンジーの育て方を覚えて花壇を彩ろう!

    パンジー 黄色

    今回は愛の花・パンジーについて、育て方を中心に簡単にご紹介しました。

    日本でも花言葉や伝承に違わず、子どもの頃から多くの人が、その鮮やかで美しい姿で楽しませてもらってきたことでしょう。

    そんな花を自宅で育ててみれば、家族や恋人と一緒に、もしくは一人身でも、真の愛を見つけるチャンスが得られるかもしれません。

    パンジーは比較的育てやすい花であり、ガーデニング初心者の方にもおすすめですので、ぜひ栽培に挑戦してみてください。

    シャコバサボテンの育て方を徹底解説!植え替えや土の選び方、剪定や挿し芽のやり方は?

    シャコバサボテン つぼみ

    寒い冬、お花がなくて寂しいと思っている人におすすめなのが「シャコバサボテン」です。11月頃から咲き始めクリスマス頃にも花を楽しめるので別名「クリスマスカクタス」ともいわれています。

    今回は、花が美しいシャコバサボテンの育て方について、植え替えや剪定方法などを詳しくご紹介します。

    シャコバサボテンの育て方のポイント

    シャコバサボテン 花

    松原真理子

    シャコバサボテンの育て方のポイントは、季節に合わせた置き場所と、開花中は断水気味に育てることです。そのほかにも花を確実に咲かせるには、芽摘みや短日処理というお手入れが必要な場合もあります。

    あとは花が終わったら剪定と植え替えをしてあげれば、初心者でも元気に毎年花を咲かせられるので、気軽に挑戦してみましょう。

    シャコバサボテンの置き場所・日当たり

    シャコバサボテンの開花時期である11月から2月までは、室内の日当たりのよい場所鉢を置くようにしてください。耐寒温度は10度ほどと寒さには弱いので、温度に気をつけましょう。

    花が終わった4月〜10月までは、気温も高いので鉢を屋外に置きます。7月~9月の暑い時期は、半日陰の場所に置いて直射日光を避けるようにしましょう。

    シャコバサボテンの水やり

    春〜夏の水やり

    屋外に鉢を置く4月~10月までは、土を乾燥をさせないようにたっぷりと水やりをします。とくに気温が高い夏の季節は、鉢の底から水が流れるくらいたっぷり水やりをします。根っこからしっかりと水分補給ができるようにしてあげましょう。

    ただし、30度以上にもなる真夏の時期は、シャコバサボテンにとっては暑すぎるので生長が緩慢になります。この時期に水やりしすぎると根腐れする可能性が高いので、真夏は少し控え目にしましょう。

    秋〜冬の水やり

    気温が低くなってきたら、水やりは少なめにします。シャコバサボテンの蕾が出てくる10月頃は、土を触ってみて乾燥していると感じたらたっぷり水やりをするようにしてください。

    開花中はほぼ水やりなしでも育ちます。雪が降り始めてから桜が咲くまでの期間は断水したほうがいい場合もあります。

    花が枯れてきたら水やりを再開しますが、それでも水やり頻度はかなり低めにして乾燥気味に育ててください。気温が低い時期に水やりをし過ぎると、根腐れを起こして「冬越し」ができなくなるので気をつけましょう。

    松原真理子

    水やりの頻度を低くしても、水やりの基本は「鉢のそこから水が流れ出るまでたっぷりと」です。水やりの回数を減らしても量は減らさないようにしましょう。株を弱らせる原因になります。

    シャコバサボテンの肥料

    シャコバサボテン 葉が赤い

    肥料を与える時期はいつ?

    シャコバサボテンに肥料を与える時期は、4月〜6月頃までです。夏以降は追肥の必要はありません。

    そもそもシャコバサボテンは基本的にかなり強健な植物なので、肥料を必要としません。ただし、花つきをよくしたいときや早く大株にしたい場合は、株の様子を見ながら施肥するようにしましょう。

    おすすめの肥料

    シャコバサボテンにおすすめの肥料は、サボテン用の緩効性肥料です。製品表示の効果持続期間にしたがって、1〜2ヶ月に1回の頻度で与えましょう。

    ただし、サボテン用の肥料では花を咲かせる栄養成分であるリン酸が少ない場合もあるので、株の様子をみながら草花用液体肥料を規定量よりも薄めに希釈して与えるといいでしょう。

    なお、肥料の与えすぎは「肥料焼け」の原因になるので注意してください。

    シャコバサボテンの土

    園芸店に行くと土のほかに、石灰や肥料を加えた培養土が販売されています。シャコバサボテンを育てるときは、サボテン・多肉植物用の培養土を選ぶとよいでしょう。

    自分で配合して土づくりをするときは、通気性がよい小粒軽石や川砂を混ぜるのがおすすめです。下記の配合例を参考にしてみてください。

    • 観葉植物用培養土7:川砂もしくは軽石3
    • 赤玉土小粒4:鹿沼土3:腐葉土3+緩効性粒状肥料
    • 赤玉土小粒6:腐葉土2:川砂2+緩効性粒状肥料

    シャコバサボテンの植え替え

    シャコバサボテン 花

    植え替えの時期はいつ?

    シャコバサボテンの植え替え時期は4〜6月頃です。植え替え頻度は1〜2年に1回を目安にしましょう。

    シャコバサボテンは多年草なので、夏越しと冬越しができれば翌年以降も花を咲かせることができます。ただし、成長をするとそれだけ根も張りますので、土の中にある水分や栄養が吸収しにくくなります。そのため定期的に植え替えをして、いい栽培環境を保つ必要があります。

    用意するもの

    • 新しい土
    • 一回り大きい鉢
    • 鉢底石と鉢底ネット
    • スコップまたはシャベル
    • 清潔なハサミ
    • 割り箸
    • 園芸シートや新聞紙

    植え替えの方法

    1. 植え替えする数日前から水やりを控えて土を乾燥させる。
    2. 鉢から丁寧にシャコバサボテンを取り出す。
    3. 根についた土をだいたい1/3か1/2ほど落とす。
    4. 黒く古い根や異常に伸びている根を切る。
    5. 根が乾燥していなければ数日日陰に置いて乾燥させる。
    6. 新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷いて、1/3ほどの高さまで新しい土をいれる。
    7. シャコバサボテンを植えて、割り箸などでつつきながら隙間に土を流し入れる。
    8. 植え替え後1〜2週間たってから水やりを再開する。

    シャコバサボテンの増やし方(挿し芽)

    シャコバサボテンの増やし方は「挿し芽」が一般的です。シャコバサボテンの生育期である4月~6月頃に、切り戻しの手入れででた葉茎の切れ端を使って増やしましょう。

    1. 切り戻しの手入れをして2〜3節ある挿し穂をつくる。
    2. 風通しの良い日陰で切り口を乾燥させて発根をまつ。だいたい2〜3週間ほどで発根する。
    3. 新しい鉢に鉢底ネット、鉢底石、培養土をいれて水で濡らしておく。
    4. 植え穴のくぼみをつけて、1節の半分ほどを土に挿す。
    5. 赤い新芽がでるまでは土が乾いたら水やりし、明るい日陰で管理する。

    シャコバサボテンの育て方でよくある質問

    シャコバサボテンの花が終わったら、切り戻し剪定をして植え替えをしましょう。シャコバサボテンの開花時期は1〜3月ごろなので、気温が15度以上になった春ごろに作業するといいです。

    切り戻し剪定は、株の全体が1/3〜1/2ほどのボリューム感になるように切り戻しをしましょう。シャコバサボテンは平たい茎が連なるように伸びるので、茎節のところでひねるだけでポロッと取れます。

    小さい株の場合は地際から3〜5節ほど残して、その先の茎を切り戻すようにしてください。切り戻しをすることで茎の分岐が増えて、より大株になっていきます。

    植え替えの方法はこちらの項目を確認してくださいね。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    シャコバサボテンの寿命は20〜30年ほどと言われています。栽培環境によってはもっと短くなったり長くなることもありますが、育てて数年なのにもかかわらず花が咲かないのは、日当たりと温度に原因があります。

    シャコバサボテンは短日植物といって、1日の日照時間が12時間以内と短くなることで花を咲かせます。開花適温は10~15℃ほどなので室内で育てる場合が多いですが、そうなると室内灯の影響を受けて開花条件に満たないことがあるのです。

    このようなときは、段ボールなどを被せて日照時間を短くする短日処理をする必要があります。10月ごろのつぼみをつけ始めた時期から、夕方17時〜朝7時くらいまで株全体が隠れるように段ボールを上から被せて遮光してあげましょう。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    シャコバサボテンの花付きをよくする「芽摘み(葉摘み)」とは?

    シャコバサボテンの花をたくさん咲かせたいなら、秋になってから伸びてきた赤く柔らかめの新芽を摘み取っておく「芽摘み(葉摘み)」という剪定作業をしましょう。

    シャコバサボテンは成熟した茎にしか花を咲かせないので、この時期の新芽に花をつけることはありません。芽摘みをすると栄養がより成熟した茎に回り、花つきがよくなりますよ。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    シャコバサボテンの葉が赤いのは病気のせい?

    シャコバサボテン 葉が赤い

    もともとシャコバサボテンの新芽は赤っぽい色をしていますが、もともとあった葉(茎)が夏場に葉っぱが赤くなるのは、水分が不足して乾燥していたり、根がうまく栄養と水分を吸い上げられていない可能性があります。

    このまま放っておくと枯れてしまったり、花がつかなくなるので、早急に植え替えをして新しい土に植えてあげましょう。黒っぽい根があれば必ず切り落としてください。

    ちなみに冬に葉が赤くなってしまうのは、休眠期に水やりをしすぎて根腐れしてしまったか、寒さで凍結している可能性があります。この場合の復活方法はかなり難しいのですが、できるだけ暖かい場所に移動させて様子を見てください。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    シャコバサボテンがぐったりとしおれている。原因と復活方法は?

    ぐったりしおれている、元気がないという状態の原因は一概にはこれとは言えないので、下記の基本の育て方をもう一度おさらいして振り返ってみましょう。

    • 水やり:控えめにしていたのにぐったりしてしまったということであれば水切れの可能性が高いので、バケツに半分ほど水をはって、鉢ごと沈めて数時間ほど灌水して、日当たりのいい場所において様子を見てください。
    • 温度:シャコバサボテンの栽培適温は15〜20度ほどなので、それより暑い場所の場合は涼しい場所へ、寒い場合は暖かい場所へ移動させてください。とくに日本の夏の暑さには弱い傾向があるので、風通しのよい涼しい軒下などに移動させるといいです。
    • 植え替え:シャコバサボテンは生育旺盛なので、最低でも2年に1回の植え替えが必ず必要です。植え替えをしないと鉢の中が古い根でいっぱいになり、水分や栄養を吸収できなくなるのでぐったりしおれてしまいます。土の状態を確認して、適宜植え替えしてください。
    ガーデンプランナー 松原真理子

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    シャコバサボテンの葉が落ちるのはなぜ?

    葉が落ちるときも、シャコバサボテンのなんらかのSOSなので一つ前の回答を確認してみてください。なお、夏の終わりに葉が落ちるときは夏バテの可能性が高いです。

    ちなみにつぼみが落ちてしまうときは、環境の変化が原因の場合が多いです。秋頃になってつぼみをつけ始めたころ、寒いからといって急に暖かい室内に取り込んだりすると、気温の変化でつぼみを落としてしまうことがあるので気をつけましょう。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    シャコバサボテンの育て方で注意すべき病気・害虫

    つきやすい害虫

    害虫で注意したいのが、ケムシ、ナメクジ、ヨトウムシです。シャコバサボテンの生育期である4月~10月にかけて発生し、葉っぱを食い荒らします。虫を見つけたら取り除くか、薬剤をかけて駆除するようにします。

    このほかにもカイガラムシがつくと、葉っぱや茎が白くなります。放っておくと枯れる原因になるので、虫の付いた部分を取り除いたり、薬剤をかけて虫がつかないようにします。

    かかりやすい病気

    シャコバサボテンは比較的病気に強いといわれていますが、茎の部分に黒い斑点が出る「炭素病」やカイガラムシがウィルス媒介して起こる「スス病」にかかることがあります。病気にかかってしまったときは、できるだけ病気の箇所を早めに取り除くようにしてください。

    手入れしてシャコバサボテンの花を咲かせよう!

    シャコバサボテン つぼみ

    花言葉の「ひとときの美」のように、花が少ない冬の季節を楽しませてくれるシャコバサボテン。温度管理と乾燥に注意をすれば、何年でも冬に花を見せてくれます。

    挿し芽をすれば鉢を増やすこともできるので、クリスマスシーズンから翌年の春にかけてたくさんの花を見られますよ。

    オリーブの木の育て方を徹底解説!植え替えの時期や方法、室内で鉢植えを育てるコツは?

    オリーブ 鉢植え

    オリーブの木は地中海地域では盛んに栽培されている植物です。オリーブの木の実はオリーブオイルやオイル漬けなどとして盛んに用いられていますが、花の観賞価値も高い植物で、室内の観葉植物や地植えにして庭木として楽しめます。

    今回は人気の庭木、オリーブの木の育て方・栽培方法について、詳しくご紹介します。

    オリーブの木の育て方は日当たりがポイント!

    松原真理子

    オリーブの木を育てるときの一番のポイントは日当たりです。オリーブの木は地中海の乾燥地帯に点在しているので、強い日差しと風通しのいい環境を好みます。

    ほかの観葉植物や庭木よりも日当たりを好むので、室内でも屋外でも1日6時間以上、日光が当たる環境で育てましょう。育てる前に置き場所のチェックをしておくといいですよ。

    オリーブの木の置き場所

    オリーブ 鉢植え
    室内にオリーブの木を置く場合、できれば置き場所は南向きの窓辺が好ましいですが、なかなか日当たりを確保できないときは植物栽培王のLEDライトなども併用して育てるといいですよ。

    オリーブの木の水やり

    オリーブの木の水やりは、基本的にかなり控えめにして乾燥気味に育てます。

    鉢植えオリーブの木なら生育期の春から夏の間は土が乾いたらたっぷり水を与えて、冬の間は10日に1回くらいの水やりで問題ありません。

    地植えオリーブの木なら、2週間以上晴れの日が続くとき以外は、雨の水分で十分なので水やりの必要はありません。

    水やりの頻度や正しい水やりの仕方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。

    オリーブの木の肥料

    鉢植えや地植えに関わらず、オリーブの木を育てるときは、植え付けや植え替えのときに土に腐葉土や緩効性化成肥料を元肥に施すほか、追肥も必要です。

    追肥は6月と9月に、観葉植物用の緩効性化成肥料を置き肥して施しましょう。

    どんな肥料がいいのか、肥料の与え方などは、こちらの記事を参考にしてください。

    オリーブの木の剪定

    オリーブの木は定期的に剪定をすることで、株自体も健康に育ちますし、樹形も美しく仕立てられます。オリーブの木を剪定する時期は2月頃。基本的には混み合う原因となる不要な枝を間引きしたり、枝を切り戻して樹形を作っていきます。

    室内に置く鉢植えオリーブの木なら、より株の風通しがよくなるように枝数を減らしたり、地植えオリーブの木なら電線にかからないように大きさを管理しましょう。

    オリーブの木の木の栽培年数によっても剪定の仕方は異なるので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

    鉢植えのオリーブの木の植え替え

    オリーブ 鉢植え

    植え替えをする時期

    鉢植えのオリーブの木を植え替える時期は4〜5月頃が適期です。とはいえ、真夏と真冬をのぞいけばいつでも植え替えできます。

    オリーブの木は生育旺盛なので、植え替えをしないと根詰まりを起こしたり、根腐れをして枯れることもあります。鉢植えで育てるなら1〜2年に1回の植え替えが必要になるのですが、下記のような状態を目安にしてもいいでしょう。

    • 水やりをしてもすぐに水が染み込まない
    • 底穴や表土から根が見えている
    • 鉢に対して樹形が大きすぎて不安定
    • 葉の色が薄く、元気がない
    • 葉が突然たくさん落ちた

    植え替えで使う土

    オリーブの木を育てるときは、市販のオリーブの木専用土がおすすめです。専用土はオリーブの木が育ちやすいように酸度調整がしてあり、通気性や水はけも最適化されています。

    もし専用土がなければ、果樹用の培養土か野菜用の培養土を使いましょう。実の収穫を目的とするなら必ず食用前提の土を使ってください。収穫せず観葉植物としてのみ育てる場合は、市販の観葉植物の培養土でもかまいません。

    自分で配合する場合は、赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト(もしくは川砂)1の割合で混ぜたものに、緩効性化成肥料を元肥に施して寝かせます。1週間馴染ませたら、用土1ℓに対して2〜3gの苦土石灰を施して酸度を調整してください。植え付けはそのさらに1週間後です。

    植え替えで用意するもの

    • 一回り大きい植木鉢(テラコッタなど通気性のいいものがおすすめ)
    • 新しい土
    • 鉢底ネット、鉢底石(排水溝ネットや竹炭・大粒の軽石などで代用可)
    • 移植ゴテ、スコップ、シャベル
    • 長細い棒(菜ばしなど)
    • 園芸シート、マルチトレー(あると後片付けが楽)

    植え替えのやり方

    1. 数日前から水やりは控えて、鉢の中の土を乾燥させておく。
    2. 新しい植木鉢に鉢底ネットを敷いて、鉢底石を敷き詰める。
    3. 新しい土を植木鉢の3分の1か、2分の1までいれる。
    4. オリーブの木を鉢から取り出しトレーや園芸シートの上などで根の土をほぐす。
    5. 根の土があらかた落としたら、新しい植木鉢の真ん中に据え置く。
    6. 隙間に土を入れていき、菜ばしなどでぐりぐりとかき回しながら土を詰めていく。
    7. 植木鉢のフチの下3cmまで土をいれたら、たっぷりと水やりをする。

    植え替え後の管理方法

    植え替えしたばかりのオリーブの木は、1週間ほどは明るい日陰で管理しましょう。また、この間水やりは土が乾ききる前に与え、肥料はやらずに育てましょう。

    1〜2週間もすると根付くので、徐々に日当たりのいい場所に移動させて、その後は通常の育て方で管理します。

    オリーブの木の植え付け(地植えにする方法)

    オリーブの木

    地植えに植え付けする時期

    オリーブの木を庭に植え付けする時期は、4〜5月頃がおすすめです。9月に植え付けを推奨する人もいますが、9月以降は台風で強風・豪雨にあおられることが多いため避けた方が無難です。

    植え付けで必要なもの

    • スコップ
    • 腐葉土もしくは堆肥
    • 有機肥料
    • 苦土石灰
    • 支柱
    • オリーブの木の苗木

    植え付けのやり方

    1. 植え付け2週間前に、オリーブの木の根鉢よりも1〜2回り大きい植え穴を掘る。
    2. 掘り返した庭土に4割ほど腐葉土を混ぜて、元肥として有機肥料を規定量いれて混ぜる。
    3. さらに1週間後、2の土1ℓに対し2〜3gほどの苦土石灰をよく混ぜる。
    4. さらに1週間後、植え穴に支柱をぐらつかないようになるまで挿し込む。
    5. 植え穴に土づくりをすませた土を半分ほど埋め戻す。
    6. オリーブの木の苗を取り出して根鉢をほぐす。
    7. 支柱と隣り合うように苗を植え穴に入れ込む。
    8. 根鉢の肩と地面の高さが同じくらいになるように高さを調整する。
    9. 隙間に土をいれて、軽く踏み固める。
    10. 支柱と枝を麻紐などで八の字に巻いて固定する。
    11. 10〜15ℓほどたっぷりと水やりをする。

    植え付け後の管理方法

    オリーブの木を植え付けした後は、1〜2週間は土が乾いたら水やりをするようにしてください。しっかりと根付いた後は基本的に水やりの必要はありません。

    また肥料は元肥となる有機肥料の効果が切れる、1〜2ヶ月後から追肥し始めます。植え付け後すぐに肥料をやると肥料やけを起こして弱ってしまうので注意しましょう。

    オリーブの木

    ① 2品種を近くで育てる

    じつはオリーブの木はほとんどの品種が一株だけでは結実しません。結実には品種の異なる別の株を近くで育てる必要があるので注意しましょう。

    受粉のための株、受粉樹の品種にはネバディロ・ブロンコという品種が花粉の量が多くて最適です。1品種でも実がなる場合もありますが、確実に収穫したいなら2品種育てましょう。

    鉢植えの場合は別々の鉢で育ててください。同じ鉢に2株植える生育不良になり弱ってしまうので注意。隣同士で育てればOKです。

    地植えの場合はできれば5mほど離して植えるといいです。とはいえ、そこまでスペースが取れないという場合は1〜2m離して植えて、株立ち樹形のような形で合体させるように育てていきます。

    ② 日光と寒さに当てる

    オリーブの木は冬の寒さに当てることによって花芽分化が進んで、ゆくゆくはそこに実がなります。

    地植えであれば冬の寒さで十分ですが、室内で育てる場合にはたまにベランダなどに出して、寒さにしっかり当てるようにするといいですよ。目安は10℃以下の気温で10日間ほど。しっかりと寒さに当てるようにしましょう。

    ③ 人工受粉する

    オリーブの木は5〜6月ごろに開花しますが、このころに人工受粉をしておくと、より確実に実をつけることができます。ちょうどこの時期は日本では梅雨にあたるので、花粉が流れ落ちてしまい自然に受粉するのが難しいのです。

    人工受粉のやり方は簡単です。まず開花後なるべく早めの段階で、花の下にコップを添えて筆などを使ってコップ内に花粉を落とします。コップに花粉が溜まったら、別の品種のオリーブの木の花に筆を使って花粉を付着させれば完了です。

    ④ 摘果する

    摘果とはたくさんついた実の一部を取り除いて、残した実のほうを充実させるお手入れのことです。

    オリーブの木に摘果はそれほど必要ありませんが、もしもたくさん実がつきすぎたときは摘果することで大きい実を収穫できるようになります。

    7〜8月あたりに結実したのを確認できたら、葉10枚あたり実1個になるように摘果するといいですよ。

    オリーブの木の育て方でよくある質問

    オリーブの木の苗にも種類がある?おすすめの品種は?

    オリーブの木の苗を育て始めるなら春ごろに入手するのがおすすめです。オリーブの木の苗には接ぎ木苗と挿し木苗がありますが、初心者におすすめなのは接ぎ木苗のほうです。

    接ぎ木苗とは別々の株のオリーブの木を繋ぎ合わせて増やしたもので、病気などにも強いという特徴があります。一方、挿し木苗はオリーブの木の枝の切れ端から発根させて増やした苗のことで、安価ではありますが接ぎ木苗ほど強くはありません。

    見分け方は株下の幹・茎の色味を見れば簡単です。接ぎ木苗の場合は色が途中で変わっているはずなので慣れると見ただけでどちらかわかりますが、最初のうちはお店の方に聞いてみるのもいいでしょう。

    そのほか、実の収穫を楽しみたいのなら2品種を育てる必要があります。品種の選び方はこちらの記事を参考にしてみくださいね。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    基本的にオリーブの木は屋外での栽培向きですが、次の育て方のポイントを抑えれば、鉢植えにして室内で育てることもできます。

    • 南向きの窓辺に置いて、1日6時間以上の日光に当てる。
    • サーキュレーターを回したり換気をよくして置き場所の通気性をよくする。
    • 1〜2年に1度は必ず植え替えをして育てる。
    • 結実させたいなら秋から冬はベランダに出して寒さに当てる。
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    地植え(庭植え)オリーブの木を育てるコツは?

    オリーブの木を地植えで育てる場合、植える場所の選び方と植え付け時に支柱を立てることが育て方のコツです。

    オリーブの木の栽培には日当たりがよく風通しがいいところが適しているので、6時間以上日向になるような建物の日陰にならない場所で育てましょう。直射日光があたっても問題ありません。

    また、日本では台風やゲリラ豪雨など、自然災害が最近増してきています。このような過酷な環境に耐えられるよう、しっかりと支柱を立てておいてください。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    地植えオリーブの木に寒さ対策は必要?

    オリーブの木は寒さにはある程度強く、品種によっては-10℃くらいまでは耐えることができます。むしろ寒さにしっかり当てることによって、花もよくつくようになるのであまり防寒対策も必要ありません。

    ただし、-10℃より寒くなる寒冷地で育てる場合、地植えにするなら株下に10cmほど腐葉土をのせてマルチングという防寒対策をしておくと安心です。春になったらそのまま土にすき込むだけでOKなので後処理も楽です。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    オリーブの木の花が咲かないのはなぜ?

    オリーブの木の花が咲かない原因のほとんどは、栽培年数が若すぎることにあります。オリーブの木はだいたい5年以上の栽培しないと株が未熟で体力がないので花を咲かせられないのです。品種によっても異なりますが、栽培してから数年は鑑賞目的で育てるくらいの心構えでいたほうがいいですね。

    ほかにも実付きが悪い場合には以下のような原因が考えられるので、心当たりがあれば改善しましょう。

    • 寒さが足りない→10℃以下の気温で10日間を目安に寒さに当てましょう。
    • 剪定で花芽を切ってしまっている→葉色の薄い新しい枝は残して剪定しましょう。
    • 鉢が小さい→8号以上のサイズになるまで鉢上げしながら育てましょう。
    ガーデンプランナー 松原真理子

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    オリーブの木の収穫時期はいつ?実をつける方法は?

    オリーブの木の収穫時期は9〜10月ごろです。成木の場合なら、春に開花してから5ヶ月後くらいに実がつきます。

    ただしオリーブの木は結実させるのにちょっとしたコツが必要なので、実つきをよくするためにこちらの項目を確認しておきましょう。

    ちなみにオリーブの木は苗の植え付けから実がつくまでには、約3〜5年ほどかかるので、もしも初年度から収穫したいならば、実がついているオリーブの木を購入することをおすすめします。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    オリーブの木の葉が落ちる原因は?

    オリーブの木は常緑樹ですが、だからといって葉を落とさないわけではありません。

    なかでも、オリーブの木は5〜6月ごろがもっとも葉が落ちる時期と言われており、この時期は新芽が伸びる代わりに古い葉がぱらぱらと落ちていきます。

    新芽が伸びているようなら葉が生え変わっているだけなので、病気ではないでしょう。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    オリーブの木の増やし方は?

    基本的にはオリーブの木は挿し木で増やします。挿し木用に30cmほどの元気な枝を切り落としましょう。これを用土に埋めていきます。あとは新芽が出てくるので、通常通りに育ててください。

    ただしこうした挿し木による増やし方は、オリーブの木の木に負荷を与えるので、剪定などの際に生じた枝などを有効活用して行うのがおすすめです。

    また種まきからでも増やすことはできるのですが、かなり発芽率が低い上に成長も遅いのであまりおすすめはしません。

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    オリーブの木でおしゃれな寄せ植えを作りたい

    オリーブの木を寄せ植えするときは、株下にオレガノ・ケントビューティー、ローズマリー、レモンタイムなどのハーブを合わせるのがおすすめです。

    ハーブは他の草花よりも丈夫なので、オリーブの木が好むような寒さや日当たりの環境でも丈夫に育ってくれます。とくにオレガノ・ケントビューティーなどは花も可愛らしいですし、収穫して料理に使うこともできますよ。

    ただし、ツバキやサザンカ、サツキなどは相性が悪いので、地植えにするときも近くに植えないよう

    ガーデンプランナー 松原真理子

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    オリーブの木の害虫対策

    オリーブの木にはオリーブの木アナアキゾウムシという、オリーブの木特有の害虫がよく発生します。オリーブの木アナアキゾウムシの幼虫が発生すると幹の内部を食害されます。もしも幹に穴が空いているようならば、オリーブの木アナアキゾウムシが発生している可能性が高いです。

    もしも発生したら、棒などを使ってほじくりだしましょう。また、薬剤散布も効果があります。

    松原真理子

    急に葉が散ってきたり、小枝が枯れ込んで来るような症状がある場合には、幹元をみてみましょう。小さな穴が空いていたり、木屑が散ってたりする場合には、オリーブの木アナアキゾウムシが来ている可能性が高いです。

    オリーブの木を鉢植えや地植えで育ててみよう!

    オリーブは日当たりさえよければ鉢植えでも地植えでも丈夫に育ちます。なかには樹齢2000年を超えるオリーブの木もあるくらいなので、正しい育て方でお手入れをして長く育ててくださいね。

    オリーブの剪定を徹底図解!時期はいつ?形が悪い木はどう切る?強剪定の頻度は?【仕立て方の実例つき】

    オリーブ

    平和の象徴ともされるオリーブの木は、地中海沿岸部が原産の常緑高木です。その見た目と生命力の強さから、シンボルツリーとして長年人気を得ています。寒さに強く、ほとんどの品種で-10℃ほどまで耐えられるので、地植えにして庭で育てたり、鉢植えで育てるなど、庭木としても室内葉の観葉植物としても人気があります。

    今回は、そんなオリーブの木を育てる上では欠かせない、剪定の方法についてイラストを用いながら詳しくご紹介します。

    オリーブの木は、剪定しないとどのくらい大きくなる?


    ▲樹高5mにもなるオリーブの木

    オリーブは自生地の地中海沿岸部では、最大で樹高10mほどまで伸びることもあるほど、生育旺盛な樹木です。

    日本で育てる場合も、オリーブの成長スピードはとても早く、地植えにすれば年間約50cmほど、鉢植えでも約20〜30cmほど伸びていくといわれています。

    上の写真は、日本の一般地で地植えにして育てているそうですが、樹高は5mほどにもなるようです。

    オリーブは理想の樹形を思い浮かべながら適度に剪定をしていかないと、このようにあっという間に上に横にと成長していくので注意してくださいね。

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    松原真理子
    品種によっても乱れやすい樹形、比較的自然に整いやすい樹形などの性質があります。成長スピードにも多少差が出ますので植え付けを検討されている方は、調べてみてくださいね。

    オリーブを剪定する3つのメリット・目的

    オリーブの木の高さを抑えられる

    先述したように、オリーブは成長スピードが早いのであっというまにぐんぐんと上に伸び、管理しきれない高さまで育ってしまうことがあります。

    とくに、地植えにするとどんどん大きくなっていくので、オリーブを大きくしたくない方は、剪定をして2〜3m程度の樹高を保つのが理想です。

    ひょろひょろと長いだけの樹形を整えられる

    とくにオリーブの苗木にありがちなのですが、樹形の基礎ができていないオリーブは枝分かれせずにひょろひょろと上にだけ伸びていってしまいます。

    剪定をすることで枝が分岐して樹形が整っていくので、1〜5年生の苗はとくに樹形づくりをメインとした剪定をする必要があるのです。

    風通しが良くなり病害虫の予防になる

    オリーブは生育旺盛な一方で、適度に剪定しないと葉が茂りすぎて風通しが悪くなることがあります。そうなると株が群れて病害虫の被害に遭いやすくなったり、日に当たらない葉が弱り落ちて不恰好な姿になることも。

    定期的に剪定をしてオリーブの木を健康に育ててあげましょう。

    オリーブの剪定時期はいつがベスト?

    オリーブの剪定時期は2月中旬〜3月中旬の早春が適期です。

    オリーブは平均気温が15℃ほどになる春の時期に花芽をつけ始め、初夏ごろに花を咲かせます。

    そのため、花芽がつく前に剪定をすることで、花芽を誤って剪定してしまうというミスが防げるので、結果的に花つき・実つきがよくなります。

    また、この時期はちょうど休眠期から覚めるタイミングで、春から秋まで生育期になるので、強く剪定しても育成に影響がでにくいです。

    なお、基本的には年に一度、春の時期に剪定を済ませますが、樹形があまりにも乱れて風通しが悪いようであれば、不要枝を落とす間引き剪定や、新梢の切り戻し剪定などは年間を通して行うこともあります。

    【基本】オリーブの剪定の仕方

    不要な枝を切ってから切り戻しする

    オリーブの剪定はつくりたい樹形をイメージしてから、下記の手順で切っていきましょう。

    1. 間引き剪定 → 不要な枝を切り落とす。
    2. 切り戻し強剪定→ 理想の樹形になるように枝を切り戻す。
    3. 切り戻し弱剪定→ 樹形を乱す枝を浅く切り戻す。

    切る枝の量を調整する

    オリーブの剪定では、最終的に下記のようなイメージになるように切っていきましょう。

    • 小鳥が通り抜けられる程度
    • 木の向こう側が透けて見える程度
    • 株の内側のほうまで日光が入る程度

    具体的に5年生以上の成木であれば全体の3割、それ以下の苗木の場合は全体の1割ほどの不要枝を切るのが目安です。

    切りすぎてもその後の回復が遅くなったり、逆に切らなすぎても株が蒸れてしまう原因になるので、適度に枝葉の量を減らしてください。

    3つの剪定を使い分ける

    そもそも剪定と一口にいっても、枝を切る位置やねらいによって、大きく「間引き剪定」と「切り戻し剪定」に分けられます。また、さらに切り戻し剪定には枝を切る深さによって「強剪定」と「弱剪定」に分けられます。

    それぞれの剪定を行う目的は異なるため、オリーブの剪定では上記の3つの剪定方法を使いわけてお手入れします。小難しく聞こえるかもしれませんが、とくに難しいことはないので安心してください。

    なお、切るべき枝や枝を切る位置については、後項で詳しくご説明していきます。

    オリーブの剪定方法① 間引き剪定

    間引き剪定とは、不要枝を根元から切ることで株全体の枝数を減らす剪定のことです。透かしと呼ばれることもあります。

    目的

    間引き剪定をすることで風通しがよくなり、株全体に日がよく当たるようになります。つまり、間引き剪定はオリーブの木を健康に保つことができるのです

    不要な枝の切り方

    オリーブ 間引き剪定 切る位置 太い枝の切り方 イラスト

    間引き剪定で枝を切る位置は、分岐している根元ぎりぎりのところです。

    間引き剪定では切ったあとに同じ場所から萌芽しないように、必ず成長点を残さずに剪定していきます。切り口が最小になるよう角度をつけて、なおかつできるだけ根元から切るようにしていきましょう。

    もし枝を中途半端に残して切ってしまった場合、さらに枝が分岐して増えてしまったり、残した部分が枯れ混んで健康的にも見栄え的にも悪くなってしまうので気をつけましょう。

    また、枝の直径3cmを超えるような太い枝を切るときは、ノコギリを使って下記のような手順で枝を切りましょう。

    1. 枝の分岐部分から3〜4cm離れた位置で下から切り込みをいれる。
    2. 最初の切れ込みからさらに枝の先端側2cmほど隣の位置で、上から枝を切り落とす。
    3. 切り口が最小になるように角度をつけて、根元で切り直す。

    このような手順で切ることで、枝の重みで途中で枝が裂けてしまっても、①の下からの切れ込み部分で止まるので、幹を傷つけないですみます。

    不要枝の見分け方

    オリーブ 間引き剪定 不要枝の種類 イラスト

    不要枝とは、下記のような枝のことをいいます。

    • 内向枝:株の内側に向かって伸びる枝
    • 絡み枝:幹に巻き付くように伸びる枝
    • 交差枝:他の枝と交差して重なるように生えた枝
    • 下垂枝:地面に向かって下向きに伸びる枝 (逆さ枝)
    • 車枝:1箇所から枝が3つ以上分岐している枝
    • ひこばえ:株元の地面から伸びる枝
    • 平行枝:他の枝と近い位置で平行して生え、日当たりを妨げる枝
    • 徒長枝:上に向かって他の枝より突出して強く伸びる枝

    なお、オリーブの間引き剪定では平行枝・徒長枝については、ほかの不要枝を切って透かす量にまだ余裕があるようなら間引くようにしましょう。無理に減らす必要はないので、樹形をみながら切ってください。

    また、樹形の頂点部分で分岐して、主幹の枝と競うように伸びている枝(立ち枝)があれば、どちらか1本を残して剪定しておきましょう。

    オリーブの剪定② 切り戻し剪定(強剪定)

    間引き剪定が終わったら、次は切り戻し剪定です。切り戻し剪定をすることで樹形をつくることができます。

    なかでも強剪定とは、枝を深めに切り戻しする方法のことをいいます。

    そもそも「切り戻し剪定」とは、枝を途中で切ってその下の脇芽に栄養を与えるようにし、枝を分岐させる剪定のことをいいます。

    目的

    強剪定で枝を切ると、元々あった長い枝を生かすためのエネルギーが行き場を失って、切り口の下の芽に回るようになります。

    すると、結果的に切り口の下の芽から勢いよく新しい枝が伸びていき早く太く育つので、樹形の骨格となるような枝をつくることができます

    切るべき枝・切り方

    強剪定では、その後の樹形をイメージして枝を切ることが大切です。

    株を遠くから見つめて未来の樹形・骨格を想像しながら、樹形を伸ばしたい方向の近くにある枝を選んで、芽の上5mmのところで切り戻ししましょう。

    ただし、あまり強剪定で切り戻しする枝が多すぎると、樹形の風情が失われて不恰好になるほか、一気に勢いよく枝が増えるので乱れやすくなります。

    そのため、強剪定をするのは5年生以降の成木であっても2〜3本にとどめ、1回の剪定で50cm以上は切らないようにしてください。

    一気に強剪定するのではなく、数年かけて目指したい樹形に近づけていくといいでしょう。

    オリーブの剪定③ 切り戻し剪定(弱剪定)

    強剪定が終わったら、最後に弱剪定をして微調整しましょう。

    弱剪定とは枝を浅めに切り戻す剪定のことで、強剪定とは反対に、切り口の下の芽から細めの枝が分岐して伸びていきます。

    目的

    強剪定によって樹形の骨格ができたら、弱剪定を行って樹形に肉づけをしていきます

    切るべき枝・切り方

    弱剪定で切るべき枝は、不要だけれども残すことになった平行枝や徒長枝です。

    とはいえ、あまり深く考えずに、全体の樹形を乱すような枝や、20cm以上の長い枝の先端を3分の1ほど切り落とします。強剪定と同じく、芽の上5mmのところで切りましょう。

    ときおり樹形を遠くから眺め直して、微調整するようなイメージで切るといいですよ。

    オリーブの剪定の仕方は、品種によって変えるべき?

    オリーブは品種によって上にスリムに伸びる「直立型」と、横に広がる「開帳型」の2タイプの樹勢があります。

    それぞれの代表品種については、こちらの記事を参考にしてください。

    どちらも基本の剪定方法は変わりませんが、直立型の場合は高さを抑える剪定を、開帳型の場合は枝の切り替えと切り戻しで整えることを意識して剪定するといいでしょう。

    直立型オリーブは「高さを抑える剪定」

    オリーブの高さを抑えたい場合は、主幹を思いっきり切り戻しする必要があります。理想の高さの近くにある主枝の3〜5cmほど上で、ノコギリを使って切りましょう。

    その後は切り口の主枝がよく伸びるようになるので、翌年あたりに主枝を切り戻して高さを保つといいですよ。

    開帳型オリーブは「横への広がりを抑える剪定」

    オリーブが横に広がるのを抑えるには、枝の切り替えをするか、強めに切り戻しをしましょう。

    枝の切り替えとは、主枝からさらに分岐して伸びる亜種があれば、上に伸びるほうの枝を残して分岐部分で切る方法です。

    こうすることで、成長エネルギーを上に伸びる枝に切り替えられるのでスリムな樹形づくりができます。

    また、横に伸びる枝を強剪定すると、翌年には強剪定した部分から分岐して枝が伸びているはずなので、上向きの枝だけ残すように剪定しながら管理していけば問題ありません。

    オリーブの木を剪定し終わったらどうする?

    オリーブを剪定し終わったら、切り口には癒合剤を塗っておきましょう。余計な水分の侵入や樹皮の乾燥を抑え、病害虫を予防する効果があるので、とくに太い枝を切ったときは必ず塗布してください。

    置き場所や水やりの頻度はとくに変えなくても大丈夫です。

    オリーブが苗木の間(1〜4年目)は、年数によっても剪定の仕方が異なる!

    オリーブ 剪定 樹形づくり

    オリーブの剪定は「1〜4年生の若木」と「それ以降の成木」では、剪定の方法が異なります。

    これまでは成木のオリーブの剪定方法をご紹介しましたが、ここからはオリーブの苗木の剪定についてご紹介していきます。

    若木(苗1〜4年生)のオリーブの剪定は樹形の骨格をつくる、とても大事な剪定になります。枝がバランスよく配置されるように数年かけて樹形づくりをしていきましょう。

    また、オリーブは樹形のパターンがいくつかあり、どこで幹を分岐させるかで樹形のイメージもかなり変わります。オリーブを剪定するときは、理想の樹形を思い浮かべながら剪定しくといいですよ。

    1年目の剪定

    主幹を思いっきり切り戻します。切り戻す位置は地上から40〜60cmのところがおすすめですが、次項の理想の樹形に合わせて切り戻す位置は変えましょう。切り戻した部分から主枝(主幹から分岐する枝)が伸びてくるので、イメージしながら切ってください。

    2〜3年目の剪定

    主枝候補の枝を4〜5本残して、あとは切り落としてください。基本的には株を真上から見たときに360°に枝の広がりが分散するようなイメージで枝を残していきます。

    また、一般的には第一主枝の分岐角度が50〜60°、第二主枝45°、第三主枝40°程度が理想的とされています。下の主枝から上にいくにつれて角度が狭まるようにすればいいです。

    また、この時期に麻紐などで誘引して角度を変え、理想の樹形に仕立てていくことも可能です。

    切り落とすものと残すものを判断するコツは、下記のとおりですが、心配であれば残して翌年に切り落としてもいいでしょう。

    • 主幹から生える主枝候補のうち、分岐角度が狭いものは切る。
    • 地面に近すぎる主枝候補は切る。
    • 主枝候補と主枝候補の間隔が近いものは細いほうを切る。

    4年目の剪定

    主枝3〜4本を残して、それ以外の枝は間引いてください。主枝の先端は3分の1くらいの短さになるよう切り戻し剪定をしましょう。収穫を楽しみたい場合は新梢を多く残してください。

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    松原真理子
    基本的にオリーブの実がつくのは、その年の春〜夏に伸びた枝になります。その枝を剪定してしまうとオリーブの実が成らないので注意しましょう。

    【実例】オリーブの樹形の仕立て方

    ナチュラルなひし形の樹形

    オリーブの樹形は、鉢を含めて、ひし形になるように剪定していくと、ナチュラル感のある雰囲気を楽しむことができます。

    鉢植えなら好みの高さで、地植えなら30cmほどの位置で主幹を切り戻して樹形作りをしていきます。翌年は主枝を4本ほどに整えて、左右交互になるように配置するのがポイントで、麻紐で左右に開くよう誘引しながら形作るといいでしょう。

    スタンダード仕立て

    株の下の枝を伸ばさずに切り落とし、株の上の方をこんもりと茂らせた、トピアリーのようなデザインです。主幹がある程度まで伸びたら地上60〜90cmほどの高めの位置で切り落とし、主枝に分岐させて、株上部のボリュームを作っていきます。

    シンボルツリー向きの細めひし形樹形

    庭木のシンボルツリーとして、樹高2〜3mほどで楽しむスタイルです。苗木一年目は主幹を60〜90cmのところで切り戻し、3〜4年目はひし形になるよう、バランスよく剪定していきましょう。上へ上へと成長していくので、10〜14年の間に、主幹を2段階にわけて短く切り戻してください。

    収穫しやすい逆三角樹形

    低い位置で主枝を分岐させ、逆三角形のように茂らせるスタイルです。斜めに仕立てるため、花芽がつきやすく、管理もしやすいので収穫にも適しています。苗木一年目は主幹を地上30cmのところで切り戻してください。その後は斜めに伸びる主枝の側枝を切り戻してください。

    形が悪いひょろひょろのオリーブの木は、仕立て直そう!

    オリーブは枝が細く長くひょろひょろとした姿で成長していってしまう場合があります。

    苗木1〜4年程度では一般的ですが、成木になっても株に太さが出ない場合は、高さを抑えるように頂部の主幹を思い切って切り戻すといいでしょう

    枝を短くすると、そのまま枯れるのではと心配になるかもしれません。しかし、オリーブはかなり丈夫な植物なので、その切り口の下から分岐して枝が伸びていきます。

    あとは、前の項目で説明したような手順で樹形の骨格をつくっていきましょう。

    そのままひょろひょろと高さだけが出てしまうと、根が支えきれなくなる可能性があります。場合によっては、支柱などを挿して風の抵抗に負けないよう支えてあげてください。

    オリーブの剪定した枝は、挿し木にして増やすこともできる!

    オリーブの剪定ででた不要枝は、挿し木にして増やすこともできます。その際は一芽ついた新梢を選ぶようにしましょう。

    オリーブの剪定のコツを抑えよう!

    海外には樹齢2000年にも達するオリーブの木がある通り、オリーブはとても強健で、うまく育てればわたしたち人間よりはるかに長生きする果樹です。

    剪定を制すもの、オリーブを制すとまで言われるほど、剪定はオリーブ にとって、とても大事なメンテナンスなのでしっかり剪定のコツを覚えて、長くオリーブの栽培を楽しんでくださいね。

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    松原真理子
    オリーブは葉っぱの裏がシルバーで軽さのある雰囲気の常緑樹なので、おしゃれな庭木として人気です。ぜひお庭に植えて楽しんでみてください。
    実の収穫を目的とする場合には、異品種で2本植えておくと実の付きが良くなりますよ。

    シマトネリコの剪定を徹底図解!時期はいつ?株立ちの幹はバッサリ切っていい?

    シマトネリコ

    民家の庭先や公園などに植えられている人気の庭木、シマトネリコ。常緑樹で風景になじむ樹形や葉のかたちをしていますが、実は生育旺盛なため、美しい樹形で保つためには定期的な剪定作業が必要となります。今回は、そんなシマトネリコの剪定の方法や時期、目的や効果などについてイラストを用いながら詳しくご紹介します。

    シマトネリコは剪定しないとどうなる?

    シマトネリコはモクセイ科の常緑小高木に属する樹木類です。寒さにも暑さにも強く、1年中鮮やかな葉が楽しめることから、日本では庭木によく選ばれていますよね。

    ただしシマトネリコは剪定をしないで育てると、鬱蒼とした姿になったり、風通しや日当たりが悪くなって株自体も不健康になる影響があります。

    そもそもなぜシマトネリコが庭木に選ばれてきたのかというと、常緑樹と生命力の強さの他にも、涼しげでさわやかな演出ができるという点が大きいです。しかしシマトネリコは剪定をしないと、どんどん葉が茂って重たく鬱蒼とした姿になるので、さわやかな姿とは程遠い印象になってしまうので注意が必要です。

    シマトネリコは定期的に剪定すると下記のようなメリットがあるので、必ず定期的に行いましょう。

    • 樹形の高さや大きさをコントロールする
    • さわやかな見た目を保つ
    • 風通しや日当たりをよくして病害虫の被害を防ぐ
    • よりよい成長をうながす

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    松原真理子
    常緑の植物が大きく育ってくると、大きな日陰を作り室内が暗く感じたり、冬場に必要な日光がえられなくなったりと、暮らしに影響が出てきます。それを避けるためにも剪定をしてくださいね。

    シマトネリコの木は、どのくらいの成長速度で大きくなるの?

    住宅街などで見る庭木として育てられているシマトネリコは、地面から複数の幹が伸びる「株立ち」という樹形で2mほどの高さにつくられることが多いです。しかし、じつは自生地なら10mほどの高さに伸びる生育旺盛な植物でもあるのです。

    8号以上の大株になると、地植えなら1年で1m、腰ほどの小さい株でも50cmほどは伸びます。庭木に選ばれる植物の中では群を抜いて成長速度が速いので、定期的に剪定をする必要があります。

    シマトネリコの剪定時期と頻度は?

    シマトネリコの剪定をする時期は、春(3月下旬〜4月上旬)、初夏(5月中旬〜6月)、秋(9月中旬〜10月中旬)頃が適期です。

    樹形を見ながら、1年に1〜2回剪定する頻度でお手入れすると、さわやかな株姿を保つことができますよ。

    年に1〜2回の剪定といいましたが、基本的には毎年必ず「春」にバッサリと剪定して、「夏」「秋」には樹形と軽く整えるイメージと思っておくといいでしょう。

    なお、剪定をする時期によって剪定方法や、剪定後の成長が異なるので、詳しく解説していきます。

    春の剪定は必ず必要!

    春の剪定はシマトネリコを大きくしたい、逆に高さを低くしたい、樹形をコントロールしたいというときの剪定に向いています。

    3月下旬〜4月上旬は新芽が伸びていく時期でもあるので、春の剪定では思いっきり剪定しても、どんどんと大きさを増して伸びていってくれますよ。万が一切り方に失敗しても、強い萌芽力があるので枯れてしまうことはほぼありません。

    剪定を年1回に抑えたいというなら、春の剪定がおすすめです。

    初夏の剪定は花を咲かせたいなら避けて!

    初夏の剪定は枝ぶりのバランスを整えたいときに向いています。ただし、シマトネリコの開花は7月ごろなので、初夏に剪定をすると花芽まで切ってしまう可能性があります。開花を楽しみたいなら、この時期の剪定は避けましょう。

    初夏は新芽が成長して安定している時期なので、5月中旬〜6月頃に剪定をすると、太さや伸び具合がそろった枝が伸びていきますよ。

    秋の剪定は切りすぎに注意!

    秋の剪定は不要な枝だけを切る、仕上げの剪定に向いています。

    シマトネリコは冬に休眠を迎えるため、この時期の剪定では負担のない軽めの剪定にとどめましょう。9月中旬〜10月中旬ごろに伸びすぎた枝だけを切るような軽い剪定だけにします。休眠中のシマトネリコに負荷をかけないよう、切りすぎには注意が必要な時期です。

    シマトネリコの剪定 〜基本の透かし剪定〜

    お家の庭木として植えられているシマトネリコは、株立ち樹形が多いです。「株立ち」とは一つの株元から複数の幹が生えている、上の写真のような樹形のことをいいます。

    株立ちシマトネリコの剪定の基本は、「透かし剪定(間引き剪定)」という方法です。透かし剪定とは不要な枝を付け根から切って、二度と生えないように取り除いていく方法のことをいいます。

    最終的に、株の向こう側が透けて見える程度、小鳥が通り抜けられる程度を意識して、バッサリと思い切り剪定していきましょう。春の剪定ならかなりたくさん切ってもすぐに茂るので、やりすぎかなというくらいがちょうどいいです。

    株立ちシマトネリコの剪定方法(透かし剪定)

    シマトネリコ 剪定

    1. まずは樹高の3分の1、もしくは2分の1以下の位置で分岐している枝を切る。
    2. 地面から立ち上がる若い枝「ひこばえ」は株の更新のために、1本だけ残してあとは切る。
    3. つぎに不要枝を分岐の根元から切って完了。

    なお、不要枝とは、下記のような枝のことをいいます。

    • からみ枝:他の枝に巻き付くように伸びる枝
    • 逆さ枝:地面に向かって垂れ下がるように伸びる枝
    • 平行枝:近い位置で同じ方向に伸びている枝(どちらか一方を切る)
    • 内向枝:株の中心に向かって伸びている枝
    • 徒長枝:勢いよく伸びている枝(樹形を乱す、混み合いの原因であれば切る)
    • この他、枯れた枝、車枝(1ヶ所から4~5本にわかれて伸びている枝)があれば切る。

    透かし剪定は「不要な枝の切り方」がポイント!

    シマトネリコ 透かし剪定 切り方

    透かし剪定では枝を切る位置、枝の切り方にポイントがあります。

    透かし剪定は根元から切ると先述しましたが、こちらのイラストの通り、分岐元の枝のように切るのではなく、少し角度をつけて切り口を最小にすることが大切です

    このように切ることでその後切り口が早く塞がり、ぼこっとならずにキレイに治ります。

    また、枝をきちんと根元から切らないと、減らしたいはずがさらに分岐して枝が増えたり、枯れてしまうことがあるので、必ず根元で切るようにしてください。

    とくにシマトネリコは萌芽力が強く、少しでも枝が残っていると分岐するので注意しましょう

    なお、直径が2〜3cm以上の太い枝を切るときは、まず分岐点から少し離れた位置で下側から切り込みをいれ、切れ込みから先端側に少しずれて切り落としましょう。

    こうすることで、枝の重みで途中で折れたり、切れ込み部分で止まるので幹を傷付けずにすみます。最後にもう一度根元で切り直して完了です。

    株立ちシマトネリコは、根元からバッサリ剪定しても大丈夫?

    シマトネリコはとくに株立ちの樹形で長年育てると、1本1本の幹が直径15〜20cmにも太くなって、植樹したときとはほど遠い力強い姿になってしまいます。

    これは上に伸びるにしたがって土台を強くしなければというシマトネリコの本能であり、定期的に透かし剪定・強剪定をしていても、年々太くなるのはあたりまえのことです。

    でもせっかくシマトネリコを植えたのなら、繊細で涼しげな株立ちの樹形を保ちたいものですよね。

    そのようなときは、株立ち樹形のシマトネリコなら、複数あるうちの1本の幹を根元からバッサリ剪定して、株の更新をしていくのもいいでしょう。

    シマトネリコの株立ち樹形では、地面から立ち上がる幹を3〜4本程度(樹高が低い若い株なら5〜6本)で保つのが理想です。

    それに加えて、地面から伸びる若い枝「ひこばえ」を1本残して育てておけば、幹を根元からバッサリ剪定しても、そのひこばえが次の幹となるので樹形が大きく乱れることもありません。

    どの幹をバッサリ切るかですが、複数の幹が円を描くように分散配置されていることが大切なので、より密集して偏っている幹を選ぶようにしてください。のちにノコギリを入れるスペースも考えながら伐採する幹を選ぶといいですよ。

    ちなみに株への負担が大きいので、この根元から切る剪定は必ず春の時期に行ってください

    シマトネリコの剪定 〜高さを抑える強剪定〜

    シマトネリコの剪定は基本的に透かし剪定をすれば問題ありません。ただし高さを抑えたい場合や、枝数が少なくてみすぼらしいと感じる場合には、強剪定を同時に行うといいです。

    「強剪定」とは枝を途中で切って再び伸ばしていく剪定方法のことをいいます。

    透かし剪定とは違って、切り口の下から新しい枝が生えてくるように、節や芽の上1cmほどの位置で枝を切ります。

    木の高さを抑えたいときは、高く伸びている幹を好みの高さでバッサリと切りましょう。その後切り口の下から新しい枝が伸びますが、これを根元から切っておけば当分は高さを生み出すような枝は伸びてきません。

    ちなみに、強剪定とは切り戻し剪定のひとつであり、強剪定のほかに弱剪定という方法もあります。

    この強弱の違いは枝を切る深さの違いです。強剪定では枝を深く切り戻し、その後太い枝を早く伸ばします。反対に弱剪定では枝を浅く切り戻し、その後細い枝をゆっくり伸ばします。

    たとえば、細い枝は強剪定して、太い枝は弱剪定していくと、どの枝も太さや勢いが揃うようになります。枝数を増やしたい場合や、樹形をコントロールしたい場合は、強剪定と弱剪定をうまく使いわけて切るといいですよ。

    シマトネリコを剪定した後のお手入れ

    シマトネリコの剪定後は、どんなに細い枝を切っても必ず癒合剤を塗ってあげましょう。

    シマトネリコは丈夫な木として知られていますが、それでも無防備な状態におくと、樹勢が弱い時期などには枯れたり病気や虫の影響が樹木全体に広がってしまう可能性もあります。

    剪定と剪定後のケアは、シマトネリコに限らず常にセットで行ってあげましょう。

    シマトネリコの剪定のポイントを抑えよう!

    シマトネリコを剪定するポイントをいくつか紹介しました。シマトネリコを剪定するときのポイントは「風の通り道」をつくってあげること。枝どうしがぶつからないことや、葉が重ならないことなどを念頭において作業すれば、それほど難しくないでしょう。

    切るべき枝の特徴を覚えておき、気づいたら清潔な剪定バサミで切る、といった習慣をつけておくといいかもしれません。

    大きくなり過ぎたシマトネリコの剪定は、けがや事故を避けるためにも、無理をせずプロの庭師さんや業者さんの手を借りるようにしましょう。

    1年中鮮やかな緑の葉を楽しめるシマトネリコ。大きくなりすぎないよう、上手にバッサリ剪定してきれいに育ててあげたいですね。

    【動画で解説】ポインセチアを赤くする方法|短日処理のやり方は?いつまでやればいい?

    ポインセチアを赤くする方法(短日処理)

    ポインセチアはクリスマスシーズンによく見かける、真っ赤な葉が特徴の植物です。秋冬は鉢花として室内で育てている方も多いと思いますが、じつはふつうに育てただけでは葉が赤くならない可能性もあるんです。

    そこで今回は、ポインセチアを赤くするための短日処理についてご紹介します。

    【動画】簡単にわかるポインセチアの短日処理

    この動画ではポインセチアの短日処理の方法や時期を簡単にまとめています。まずは、こちらの動画をチェックしてみましょう。

    より詳しく知りたい方は、以降の内容を参考にしてくださいね。

    ポインセチアはどんな植物?

    ポインセチアは、メキシコ西部を原産とするトウダイグサ科・ユーフォルビア属の常緑性低木です。野生種は軽い霜に当たっても枯れないほど耐寒性がありますが、園芸品種は寒さに弱いので、鉢花として室内で育てるのが一般的です。

    鉢花といっても実際の花は葉の付け根に小さく咲くだけで、赤い花びらのように見えるのは、じつは葉の一部が変形してできた「苞(ホウ)」という部分なのです。

    そのため、ポインセチアは冬の時期になると、緑色だった葉(苞)がだんだん赤く色づいていき、クリスマスシーズンには真っ赤に染まった鉢花として長期間楽しむことができます。

    ポインセチアが赤くならないのはなぜ?

    そもそもなぜ赤くなるの?

    そもそもポインセチアはなぜ赤くなるのかというと、虫を赤色で誘き寄せて受粉をうながす習性があるからなのです。花が小さく受粉しにくいというデメリットを、特有の進化を遂げて克服した結果ともいえますね。

    そのため、ポインセチアは花芽がつくと同時に、だんだんと色づいて冬開花ごろには赤くなります。

    赤くならない原因は?

    このような習性があるのにもかかわらず、なぜか赤くならないという方が多いようですが、ポインセチアが赤くならない原因は単純で、つまりは花芽をつける環境条件に満たしていないからです。

    じつはポインセチアには「短日植物」といって、日中の時間が短くなることで花芽をつける性質があります。そのため下記のような育て方では、花芽がつかず苞も赤くなりません。

    • 長時間日当たりのいい場所で育てている。
    • 夜になっても室内灯や街灯があたる場所で育てている。
    • 1日の気温の変化が激しい場所で育てている。

    ポインセチアを赤くする「短日処理」とは?

    ポインセチアを赤くする方法 短日処理とは?

    ポインセチアを赤くするには、光の当たらない真っ暗な時間を12時間以上保つ必要があります。そのためには他の植物とは違った、短日処理というお手入れが必要です。

    短日処理とは、一定の時間ポインセチアを日光にあて、そのあと日光を遮断することによって、冬が来たと錯覚させる方法です。これにより花芽分化が進み、同時に葉が赤く色づいてきますよ。

    短日処理といっても、要は一定時間暗闇になるようにすればいいだけなので、とても簡単です。一例として、段ボールつかった短日処理のやり方をご紹介します。

    ポインセチアの短日処理のやり方

    用意するもの

    • ポインセチアの鉢花
    • ダンボール
    • ダンボールを覆える大きさの袋や布

    短日処理の手順

    1. ポインセチアの鉢に段ボールをかぶせる。

      ポインセチアを赤くする方法(短日処理) 段ボールを被せる

    2. さらに全体を覆うように、布や黒のビニール袋をかぶせる。

      ポインセチアを赤くする方法(短日処理)

    3. 17時~7時までそのまま遮光し、7時〜17時まで日当たりのいい場所に置く。

      ポインセチアを赤くする方法(短日処理)

      毎日、夕方17時~朝7時までの14時間ほどかぶせたままにしておきます。

      そのあと朝7時~夕方17時までの10時間は、十分に日光が当たる場所において完了です。

    ポインセチアの短日処理はいつからいつまでやる?

    ポインセチアを赤くする方法(短日処理の時期)

    ポインセチアの短日処理は、9月下旬〜10月中旬頃の気温が18度〜20度になった頃に行います。短日処理を始めた日から約1ヶ月〜1ヶ月半ほど継続することで葉が赤くなっていきます。

    ポインセチアの寿命を伸ばしたいという場合は、9月の中旬頃からはじめるのもおすすめです。

    赤く色づくまで2ヶ月ほどかかる場合もあるので、焦らずにじっくり行いましょう。赤く色づき始めたら短日処理をやめる合図です。毎日ポインセチアの様子を見ながら行ってみてくださいね。

    短日処理でポインセチアを赤くきれいに色付けよう

    ポインセチアを赤くするには、短日処理を行う必要があります。毎日行うのは少し手間ですが、赤く色づいたときには喜びもひとしおですよ。

    クリスマスには、自分で育てたポインセチアを楽しんでみてくださいね。

    ユーカリの剪定方法を写真で解説!時期はいつ?伸びすぎた主幹を切る強剪定とは?

    ユーカリ 強剪定 主幹

    丸いフォルムのシルバーリーフが可愛らしいユーカリは、庭木やシンボルツリーとして人気ですよね。地植えでも鉢植えでも、ユーカリを育てるためには、定期的に剪定作業が必要となります。

    この記事では、ユーカリの剪定方法や時期などについて、実例写真付きで詳しくご紹介します!

    ユーカリは剪定しないとどうなる?

    ユーカリ 剪定

    ユーカリといえば日本では庭木のひとつとして、よく1〜2mほどの高さで管理されていますね。ですが、じつは常緑高木のひとつで、自生地のオーストラリアなどでは、10mを超えるほど高く伸びることもあります。

    とくに地植えのユーカリは剪定をしないと上に伸び続けますが、そもそもユーカリは浅層根で根を深く張らないため、台風などで倒れたりすると電線にひっかかる可能性もあります。

    また、ユーカリはオーストラリアなどの温暖で乾燥した地を原産としているため、日本の高温多湿は苦手です。夏が来る前に多少枝葉を減らさないと、病害虫が発生して枯れることもあるので、必ず定期的に剪定をしましょう。

    ユーカリの剪定時期はいつ?

    ユーカリの剪定時期は、春(3~5月)と秋(9~10月)ですが、できれば梅雨前に剪定するのがおすすめです。

    ユーカリはおしゃれでささやかなシルバーリーフが魅力ですが、放っておくと葉が茂り放題になるので、梅雨の蒸れる時期を迎える前に剪定してあげると、病害虫のリスクも低減できますよ。

    なお、ユーカリのような常緑樹は冬の休眠期に剪定すると枯れる原因にもなるため、必ず適した時期に剪定を行いましょう。

    ユーカリの剪定の仕方

    ユーカリの剪定の仕方は、不要な枝を根本から切る「透かし剪定(間引き剪定)」が基本です。ただ、伸びすぎたユーカリの高さを低くしたいときや、枝を分岐させて樹形を変えたいときは、主幹や太い枝を切り戻す「強剪定」をします。(芯止め、摘芯ともいう)

    ここからは、地植えした一本立ちのユーカリ・グニーの剪定を、写真付きで詳しくご紹介していきます。

    1. 剪定前のユーカリ

      ユーカリ 剪定 ビフォー

      こちらのユーカリは、樹高が3mを超えてかなり伸びてしまったので、主幹を切り戻す強剪定をして低く仕立て直します。

      また、葉もかなり密に茂っているので、透かし剪定もしっかりおこなって風通しをよくする予定です。

      ユーカリ 剪定箇所

      赤い直線の部分で強剪定をして、半円のラインにほかの主枝を残すようなイメージで剪定していきます。

    2. 主幹を強剪定する

      ユーカリ 強剪定 主幹

      まずは主幹をバッサリと強剪定をして、樹高を低くします。白いテープの部分が、先ほどの赤いラインの位置です。

      主幹を切るときは剪定ノコギリを用意し、剪定した木を倒したい方向と反対側に立って切ります。切る位置は主幹から分岐した主枝の生え際から3cmほど上の部分を、地面と平行に剪定しましょう。

      ここで剪定すると、切り口の下の主枝が太く強く伸びるようになります。

    3. ひこばえを剪定する

      ユーカリ 剪定 ひこばえ

      今回はひこばえもより美しく仕立てたいので、同じように強剪定して、枝を分岐させていきます。

      ちなみにひこばえとは、地面から分岐して伸び上がる枝のことで、より効率よく光合成をしようと生え上がる芽・枝のことです。

      残して伸ばすとエネルギーが分散するので、元株の生長がゆるやかになります。もし不要なら若いうちに地面の根元から切り落としましょう。反対に、今回のようにばっさりと主幹を強剪定するときは、ひこばえを残しておいたほうがいいです。

    4. 不要な枝を透かし剪定する

      ユーカリ 透かし剪定 不要枝

      あとは不要枝を根本から剪定します。不要枝とは次のような枝のことです。

      • 枯れ枝・細い枝
      • 主枝同士が近い位置で同じ方向に伸びる平行枝(どちらかを剪定)
      • 主枝同士が近く、交差するように伸びる交差枝(どちらかを剪定)
      • 主幹の株から伸び上がる胴吹き枝
      • 主枝から分岐して地面に下に伸びる下垂枝
      • 主枝から分岐して株の内側に伸びる内向枝
      • 主枝から分岐して真上に伸びる立ち枝・徒長枝
      • 主枝から分岐して主枝に巻くように伸びる絡み枝
      • 1箇所から多方向に複数の枝が分岐する車枝

      上の写真では、とくに胴吹き枝がだいぶ伸び、下垂枝や内向枝があって混み合っていますね。このような枝を、必ず根本から切りましょう。

      枝を中途半端に残してしまうと、切り口の下で分岐して余計に混み合うので、必ず根本から切り口がなるべく正円になるように角度をつけて切ってください。

    5. 剪定後のユーカリ

      ユーカリ 剪定 after

      これで剪定作業は完了です。

      透かし剪定とはよくいったもので、まさに株の向こう側が透けて見えるくらいまで、思い切って剪定します。主枝の先端に少し葉を残した程度なので、かなり風通しもよくなりました。

      ユーカリ 剪定 ビフォーアフター

      角度を変えるとビフォーアフターがわかりやすいと思います。ここまで切っても夏ごろにはたくさん茂りますよ。

    ユーカリの剪定で失敗しないコツ

    剪定道具

    ユーカリの剪定では、かならず清潔なハサミやノコギリを使うようにしましょう。使用前にアルコールティッシュでふいたり、専用消毒液などにつけて殺菌しておくと安心です。

    また、太い枝や主幹を切るときは、切り口癒合材を塗布しておくと安心です。もしくは湿度の低い晴れた日の午前中に作業すると、最近に感染することなく、切り口が塞がりますよ。

    ユーカリを剪定した後は挿し木で増やしてみよう!

    ユーカリは剪定した枝の切れ端をつかって、挿し木で増やすこともできます。挿し木とは、切り取った枝を発根させてあらたに新しい株として育てることです。

    剪定したユーカリの枝の切り口を水に2〜3時間つけてから、清潔で無菌な挿し木用の用土に挿せばOKです。

    そのほか、ユーカリの枝を水に挿して、そのまま数週間管理して発根させる水差しという方法もあります。

    ユーカリの剪定の方法を覚えよう!

    生長が早いユーカリの木は、樹形を維持するためにも定期的に剪定が必要です。剪定に慣れていない方は初めは難しく感じるかもしれませんが、他の植物の剪定と比べるとユーカリの剪定はそこまで難しくありません。春と秋の時期にてきしん摘芯と透かし剪定を行えば、ユーカリの基本的な手入れはできています。

    剪定したユーカリの枝は花瓶に入れて飾ったり、お部屋に吊るして飾ればドライフラワーとしても楽しめるだけでなく、リースなどにも用いて豊富にアレンジできます。ユーカリは爽やかな香りでアロマの効果もあるので、お部屋に飾ればリラックス効果も期待できます!

    ユーカリの剪定方法を覚えて、ご自宅のお庭などでぜひともユーカリを育ててみることをおすすめします!

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    松原真理子
    ユーカリの新葉は、春先に花瓶に活けても上手に水揚げできずに葉先が萎れてしまうかもしれません。梅雨が終わると新葉が固まって活けた時にも美しいですよ。

    サンスベリアの植え替え方法えを写真で解説!時期はいつ?株分けのコツ、土と鉢の選び方は?

    サンスベリア 植え替え 元の鉢から取り出す

    おうちのサンスベリアが伸びすぎてしまった、葉先が枯れている、なんだか最近元気がない気がする。そんなときは植え替えをしてみませんか?

    この記事では、人気の観葉植物サンスベリアの植え替え・株分けについて、時期や土・鉢の選び方まで詳しくご紹介しています。ぜひ参考にして、きれいな株姿に仕立て直してあげましょう。

    サンスベリアは植え替えしないとどうなる?

    サンスベリア 植え替えサイン

    サンスベリアは植え替えをしないと、次のような症状が出ます。

    • 葉先が枯れる
    • 葉が垂れる
    • 細長く伸びる
    • 葉の模様がうまく出ない
    • 全体的に元気がなくしわしわ

    このような状態になるのは、土の栄養や排水性が失われて、根がうまく水分や栄養分を吸収できなくなっているからです。また、根が伸びる余地がないことも原因のひとつです。これを根腐れ、根詰まりといいます。

    見た目も悪くなりますが、放っておくと枯れてしまうこともあるので、サンスベリアは2年に1回の頻度を目安に、定期的に植え替えしましょう。

    サンスベリアの植え替えの時期

    サンスベリアの植え替え時期は5〜7月、もしくは9月頃です。気温が20〜30℃ほどの、暖かい時期に行いましょう。

    サンスベリアは春と秋に生育期を迎える植物なので、暑すぎる30℃以上の夏や冬は成長が緩慢になるのでおすすめしません。

    また、次のような状態を植え替えのサインだと思っておくといいです。

    • 水やりをしても水の吸い込みが遅い。
    • 底穴や表土から根が見えている。
    • 鉢の端の方から子株がたくさん伸びてきている。
    • 全体的にしおれていて元気がない。

    サンスベリアの植え替えに必要なもの

    サンスベリア 植え替え 必要なもの

    • 一回り大きい新しい鉢
    • 多肉植物もしくは観葉植物培養土
    • 鉢底石と鉢底ネット
    • 清潔なハサミ
    • 移植ゴテ、スコップ
    • 菜ばしなどの細長い棒

    サンスベリアの植え替えの方法

    1. 元の鉢から取り出す

      サンスベリア 植え替え 元の鉢から取り出す

      元の鉢から優しくサンスベリアを取り出します。無理に引き抜くのではなく、鉢ごと横に持って、底穴から指で押し出すようにするといいです。大株の場合は、あらかじめ鉢の内側を細長い棒で一周つついて崩しておくと、抜けやすくなりますよ。

    2. 根鉢をほぐす

      サンスベリア 植え替え 根鉢をほぐす

      鉢から抜けたら、根鉢(根とその周りについた土)をほぐします。一回り大きい鉢に植え替えるなら根鉢は下の3分の1ほどほぐしてください。大きさを変えたくないときや、根腐れしていた場合などは根鉢をすべて崩して、傷んだ根をカットしましょう。今回は伸びすぎたサンスベリアを仕立て直したいのと、害虫の被害があったため、根鉢をよくほぐして土を水で洗い流します。

    3. 不要な葉をカットする

      サンスベリア 植え替え 不要な葉を切る

      この段階で、細長い葉や葉焼けが目立つ葉などは取り除いておきます。サンスベリアは他の観葉植物とは違って、葉を途中で切ってもそこから分岐して茂ることはないので、不要な葉はできるだけ根元からカットします。

      内側の葉なら根元はハサミで。外側の葉なら割るように手で割けば根本から取り除けます。

    4. 新しい鉢の準備

      サンスベリア 植え替え 新しい鉢

      一回り大きい鉢に、鉢底ネットをしいて鉢底石を敷き詰めます。こうすることで水はけがよくなり、過湿を嫌うサンスベリアが元気よく育ちますよ。

      サンスベリア 植え替え 土をいれる

      あらかじめ新しい土を鉢の3分の1〜2分の1ほど入れておきましょう。

    5. サンスベリアを鉢に据える

      サンスベリア 植え替え 鉢にすえる

      サンスベリアを鉢の真ん中に据えます。このとき、少し離れて見てそれぞれの株が近くなりすぎないよう、葉が重ならないように位置を調整しておきましょう。

    6. 土をすきまにいれる

      サンスベリア 植え替え 土を入れる

      位置が決まったら、土をいれて植えていきます。細長い菜箸などでつつきながら、株同士や根の隙間に土が入り込むように植えましょう。

    7. 植え替え完了!

      サンスベリア 植え替え

      土を鉢のフチ下2〜3cmほどまで土をいれたら植え替え完了です。倒れるときはリング支柱や棒支柱を2〜3本挿して、ヒモで固定しておくといいです。

      サンスベリア 植え替え ビフォーアフター

      上の画像左は植え替え前のサンスベリア。右が植え替え後のサンスベリアです。高さがバラバラな葉や枯れ葉が目立っていましたが、植え替え後は鉢の大きさにあった葉がイキイキと伸びていてキレイになりました。

    サンスベリアの植え替えと株分けは同時にやろう!

    サンスベリアは上へと伸びる成長は比較的ゆっくりですが、横へと地下茎を伸ばしていく成長は早いです。そのためサンスベリアを今までの鉢で育てたい、大きくしたくないのであれば「株分け」を植え替えと同時にしてみましょう。

    株分けをすることで、横へと伸びていったサンスベリアのボリュームが減ってコンパクトになるので、今までと同じサイズの鉢植えで育てることができますよ。

    株分けのやり方は、植え替えのときに根鉢の土を落として、地下茎を清潔なナイフで切りはなすだけです。地下茎の断面は数時間天日干しして乾燥させてから植えましょう。

    株分けのほかにも、不要な葉の健康な部分をつかって葉挿しで増やすこともできますよ。

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    松原真理子
    地下茎の断面を天日干しすることで、切り口を乾燥させ切り口から雑菌が侵入するのを軽減できますよ。

    サンスベリアの植え替え後の水やりや置き場所

    サンスベリアを植え替えたあとは、しっかりと水やりをしてください。鉢の底から水がたっぷりと出るくらい与えて問題ありません。一度水をたっぷり与えたあとは、水やりはこまめにする必要はなく、乾燥気味に育ててください。

    置き場所に関しては、植え替え直後は直射日光が当たらない半日陰で育てましょう。

    植え替え後、よく成長するようにと肥料を与えたくなるかもしれませんが、肥料は与える必要ありません。むしろまだ根が定着しておらず、栄養を処理する力がないので肥料焼けを起こして生育不良になる可能性があるため控えてください。

    2、3週間後、葉っぱを軽く引っ張って抜けないくらい根付いているようであれば、従来の育て方で管理してください。

    サンスベリアの土の選び方

    サンスベリア 植え替え 土

    サンスベリアにおすすめの土は、とくに通気性・排水性が高いものです。

    市販にはサンスベリアに適した土壌になるよう配合されたサンスベリア用培養土も売られているので、そちらがおすすめです。他にも観葉植物用培養土や多肉植物・サボテン用培養土も使えます。ただし観葉植物用培養土は製品によって通気性・排水性が低い可能性があるので、場合によっては川砂やパーライトなどを1〜2割足してあげるといいでしょう。

    自分でブレンドする場合は、赤玉土6、腐葉土2、川砂2の割合で混ぜて、元肥用に緩効性化成肥料を土1ℓあたり20〜30gほど混ぜて使ってください。

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    松原真理子
    観葉植物用培養土には「根腐れ防止剤」が配合されているものが多くみられます。水管理が苦手な方は観葉植物を植え替えする場合には「根腐れ防止剤」入りの培養土を試してみてください。

    サンスベリアの鉢の選び方

    鉢の素材

    サンスベリアは乾燥を好む植物なので、できるだけ通気性のいいテラコッタや素焼き系の鉢に植え替えするのがおすすめです。

    プラスチックやガラス製などの通気性の悪い鉢に植える場合は、土により多めに川砂を配合して通気性を上げてあげましょう。置き場所も風通しの良い場所に置くことが大切です。

    鉢の大きさ

    植え替えの場合は必ずひとまわり大きい鉢にします。一気に鉢の大きさを上げてしまうと、土の量も増えるため水やりをすると水分過多になります。また根がスカスカに育ってしまって生育不良の原因となるので、必ずひとまわり大きなサイズの鉢を選びましょう。

    また、サンスベリアの根は短く、地下茎を横に伸ばしていくので、倒れないようにするためにも深植えにする必要があります。そのため深型の鉢を合わせると見た目もスタイリッシュで素敵です。

    サンスベリアの植え替えをして元気に育てよう!

    サンスベリア 植え替え後

    サンスベリアの植え替えのタイミングで株分けにもチャレンジしてみませんか。お気に入りの植物が増えるのでおすすめですよ。適切な時期に行えば失敗リスクは下がります。ぜひ行ってみてください。