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シンビジュームの育て方|植え替えや株分けの時期は?花が終わったら?

シンビジウム(シンビジューム)は、東南アジアを中心に生息する多年草植物で、胡蝶蘭よりも落ち着いた雰囲気で耐寒性もあります。寒さに強いため、無加温でも育てることができます。また、花持ちも非常に良く、切り花にしても1ヶ月以上咲き続けるため、切り花にして部屋に飾ることで空間もより一層華やぎます。今回は、そんなシンビジウムの育て方や植え替え、株分けの方法などについて詳しくご紹介していきます。

シンビジウム(シンビジューム)の育て方ポイント

シンビジウムを育てるときは、「肥料」と「水やり」が大切になります。

美しい花が醍醐味のシンビジウムですので、たくさん花を咲かせるためにも、肥料の量や与える時期を見極め、日々の水やりも季節によって調整してあげると良いでしょう。また、定期的に「芽かき」を行うことも大切です。

シンビジウム(シンビジューム)の置き場所

シンビジウムは日光を好みます。そのため、屋外の日当たりの良い場所で育てましょう。

ただし、長時間直射日光に当たると葉焼けを起こす原因となるため、真夏は風通しの良い場所で、適度に遮光して管理しましょう。

花が満開に咲いた状態であれば、日陰で管理しても大丈夫です。

シンビジウム(シンビジューム)の土

シンビジウムを育てるのに適した用土は、ホームセンターなどで販売されているラン用の用土です。

自作する場合は「石軽8:バークチップ2」または「日向土6:パーライト4」の割合土がおすすめです。バランスの良い用土を使用することで、シンビジウムもより良く育ちます。

シンビジウム(シンビジューム)の植え付け

シンビジウムの植え付け時期は、4〜5月頃が適期です。この頃にまだ咲いている花は切り取って切り花として楽しみましょう。

植え付け方法は、以下の通りです。

  1. 苗の大きさにあった5~8号の鉢を用意します。
  2. 鉢底に大きめの鉢底石を入れ、その上にシンビジウムに適した用土を入れます。
  3. 深く植えすぎないよう、苗の高さを調節します。
  4. 植えたら、周辺に新しい用土を入れます(隙間ができないように、棒などでつつくと◎)。
  5. 植え付けたら、鉢の下から水が出てくるまで水やりします。

なお、シンビジウムは根を縦に伸ばすため、縦長鉢を使用することをおすすめします。

シンビジウム(シンビジューム)の水やり

基本的に水は好きなので、ほかの蘭よりも水やりの頻度は高いですが、時期によってその頻度は変わります。

  • 春~秋の時期:1日に1~2回程度
  • 秋~冬:週に2回程度(土の表面が乾いているとき)
  • つぼみがつき膨らんできた頃:2~3日に1回程度

上記の水やりの頻度はあくまで目安ですが、水の与えすぎは根腐れの原因にもなるので気をつけてください。

シンビジウム(シンビジューム)の肥料

シンビジウムは比較的肥料を好む植物ですが、花が咲く冬の時期には肥料を与えずに育てることで花芽が多くつきます。

4~8月頃に有機肥料の置き肥をして、新芽が出る5月頃から1~2週間に1回を目安に液体肥料を与えましょう。

シンビジウム(シンビジューム)の植え替え

シンビジウムは2~3年に1度の頻度で、植え替えをしてあげましょう。植え替え時期は、4~5月頃が適期です。

一回り大きい鉢に、ラン用の用土を入れて植え付けます。植え替えをしてから約1週間~10日後に水やりや肥料を与えましょう。大きすぎる鉢に植え替えると花つきが悪くなるため、鉢の大きさには十分気をつけるようにしましょう。

シンビジウム(シンビジューム)の増やし方(株分け)

シンビジウムは、バルブや新芽の数が増えてきた頃に「株分け」で増やします。株分けの最適な時期は植え替えと同じく4~5月頃で、バルブが3つ以上を目安に一株にしましょう。

剪定ハサミや包丁などを使用して切り分けていきますが、このときバルブを傷つけないように注意しながら作業しましょう。株分けした後は、5~8号鉢に植え付けていきます。

シンビジウム(シンビジューム)の育て方で注意する害虫・病気

シンビジウムは、黒斑病というウイルス病や灰色かび病などの病気にかかりやすいです。特に、ウイルス病にかかってしまうと薬がないことから、感染が分かった時点で処分しなくてはなりません。

灰色かび病は枯れた花や葉などを放置しておくことが原因なため、日頃から花がらなどをこまめに取り除くようにしましょう。

また、シンビジウムには、アブラムシやカイガラムシ、そしてナメクジなども発生します。アブラムシはつぼみが大きくなってきた時期、カイガラムシは株が込むことでシンビジウムの葉裏に発生します。ナメクジがいることで新芽や花など柔らかい部分が食べられてしまうため、忌避剤を撒いて予防しましょう。

シンビジウム(シンビジューム)の手入れ:芽かき

花数が多いシンビジウムですが、全ての花を咲かせようとすると、株が弱り花芽をつくる力も弱くなってしまいます。そのため、4~5月頃と10~11月頃に新芽を除去する、芽かきを行います。

バルブと呼ばれる葉の付け根の膨らんだ部分に、新芽が1つだけ残るようにしていきます。特に、開花前の10月~11月頃は花芽を取り除かないよう気をつけながら作業しましょう。芽かきをすることで、冬の時期にきれいな花を咲かせてくれます。

シンビジウム(シンビジューム)の花が終わったら?

シンビジウムの開花時期は2~5月頃ですシンビジウムの花が咲き終わったら、剪定ハサミを使用して、花径を切りましょう。

花を長期間付けておくことで予想以上に負担がかかるため、開花して約1か月後には付け根から花径を切ります。

ただし、このときバルブは剪定せず、残しておくようにしてください。

なお、使用する剪定ハサミは、衛生面を考慮して加熱消毒をした清潔なものを使用しましょう。

シンビジウム(シンビジューム)の花が咲かない原因

シンビジウムの花が咲かないときは、「日光が不足している」「根詰まりしている」ほか、「芽かきが不足している」「バルブが十分に成長していない」といった原因が考えられます。

洋ランのバルブ(株元の膨らんだ茎のこと)は、水分や養分を蓄える機能を果たしています。適切な時期に、適切な量の肥料を与えることで、この株が大きく成長し、その結果花つきもよくなります。

シンビジウム(シンビジューム)の育て方はコツを掴めばかんたん!

ランの仲間であるシンビジウムは淡い花色が特徴で、胡蝶蘭などとは雰囲気も変わります。胡蝶蘭よりは控えめな印象ですが、数多くの花が咲くので豪華な印象があります。

日当たりや風通しが良い場所で育てるなどすれば、耐寒性に優れているため、気温が約2~3度でも枯れることはなく、園芸初心者の方でも育てることができる花です。

室内にシンビジウムの花を飾れば、寒い冬の時期でも一気に華やかな雰囲気になります。花の咲き方などもさまざまなので、ぜひともご自身が好きなシンビジウムを見つけて、ご自宅で育ててみてはいかがでしょうか。

デンドロビウムの育て方|植え替え時期や方法は?花が終わったらどうする?

デンドロビウム・ノビル 室内

一般的にいわれるデンドロビウム(デンドロビューム)とは、ノビル系、セッコク系のデンドロビウムのことを指すのが一般的です。デンドロビウムは寒さにも強く温室などを使わなくても育てられる花です。

この記事では、そんなデンドロビウム(ノビル系・セッコク系)の育て方について、置き場所や水やり、植え替えのポイントなどをご紹介します。

デンドロビウムの育て方のポイント

デンドロビウムの育て方のポイントは、気温に合わせた水やり頻度と、初冬の寒さに当てることです。

デンドロビウムは他のラン科植物よりも耐寒性が高くて丈夫で、栽培難易度も高くはありません。

気温に合わせた管理をすることで美しい花を咲かせられるようになるので、こまめに手入れをしていきましょう。

デンドロビウムの置き場所

春・夏の置き場所

デンドロビウムを育てる場所は、基本的に直射日光を避けた日当たりがいい場所です。

最低気温が10℃を下回らなくなったら、屋外に出しても大丈夫です。しかし、いきなり直射に日光のしっかり当たる場所に出してしまうと葉焼けしてしまうので、遮光ネットなどをかけてください。

屋外の気候になれたら、徐々に遮光率を下げて明るくしていきましょう。光線の当たる量が少ないと、花の付きが悪くなるので、木の下などは避けた方がいいです。

生育期には水を欲しがりますので、雨が当たる場所でも大丈夫です。台風などで塩分を含んだ雨が降り続いた後には、しっかりと水やりをして、塩分を流すことも必要です。

梅雨明けからお彼岸くらいまでは日差しが強くなるので、頻繁に水やりができない場合は遮光率を高くしてください。日光に当たり過ぎると葉焼けしてしまうので、地面や壁の照り返しに気をつけて、台などに乗せて育てるといいですよ。

秋・冬の置き場所

デンドロビウムはある程度耐寒性があるので、11月下旬〜12月上旬ぐらいまで、屋外に置いて大丈夫です。というのも、デンドロビウムは寒さにあたることで花芽がつきやすくなるため、気温6〜8℃の環境に10日程度置く必要があります。

しっかり寒さに当てたら、春になるまでレースのカーテン越しの屋内に置いて育てましょう。

デンドロビウムの水やり

春・夏の水やり

デンドロビウムは春から夏にかけの水やりは、土や植え込み材が乾いたのを確認してから、株元にたっぷりと与えます。

なお、デンドロビウムは過湿を嫌うので、ずっと土や植え込み材が湿りっぱなしという状態は根腐れの原因になるので絶対に避けてください。乾湿の差が大切です。

とはいえ、気温が上がるにつれて生育期を迎えるので、水の吸い込みも早くなります。夏時期に水切れするとすぐに弱るので、朝や夕方にしっかり水やりをしましょう。

そのほか、春・夏の水やりでは、葉の隙間に水が溜まりっぱなしにならないようにすることと、受け皿に溜まった水は捨てるということを気をつけてください。

秋・冬の水やり

デンドロビウムの秋から冬にかけての水やりは控えめにします。10月以降は休眠期に入るので、だんだんと頻度を落として、最終的には1ヶ月に2回くらいの水やりペースを目安にしましょう。

やまはる園芸園主 河村さん

乾いたら水やりというのが基本ですが、夏は乾いたらすぐ、冬はしっかり乾いてから与えるようにしましょう。

デンドロビウムの肥料

デンドロビウムに肥料を与える時期は4〜7月までです。8月以降に肥料を与えると花芽がつきにくくなるだけでなく、高めが出る原因ともなるので注意しましょう。

与える肥料は、洋ラン用の緩効性肥料(固形)か液体肥料がおすすめです。固形肥料なら4~6月に1~2回与えます。液体肥料なら10日から2週間に1回、1000〜2000倍に希釈して与えましょう。

デンドロビウムの花が終わったら?花後の管理方法

デンドロビウム 花が終わったら 花がら摘み

デンドロビウムの花が咲き終わったら、花がら摘みをしましょう。デンドロビウムの開花時期は3〜5月ですが、冬ごろから出回る開花株は1〜2月ごろに咲き終わります。

花がら摘みをするタイミングは、花びらが薄くなって表面に脈のような線がうっすら浮いてきたころです。デンドロビウムはうまく管理すれば1ヶ月程度咲き続けますが、自然に落ちるまで待つとカビから病気にかかる可能性があるので気をつけましょう。

花がらを摘むときは、花びらの付け根を人差し指と中指で挟み込んで摘み取るようにします。このとき大切なのは、花茎は消毒したはさみで切り取ることです。花が咲いたバルブはその後も成長に必要になるので、花が終わってからも2〜3年残しておきましょう。

デンドロビウムの植え替え

植え替え時期

デンドロビウムの植え替え時期は、気温が上がってくる4月から5月までの間が最適です。花が咲き終わったころが目安となります。

植え替えの頻度については2〜3年に1回程度です。とはいえ、植え込み材が傷んでいたり、鉢の中に根がいっぱいに回っているのであれば植え替えましょう。

植え込み材について

デンドロビウム 植え込み材

デンドロビウムは着生ランのひとつなので、一般的な草花用の培養土ではなく、水苔やベラボン、ラン用バーク、ラン用培養土(ミックスコンポスト)などの植え込み材に植え替えます。

主流なのは水苔のみで植える方法ですが、水苔は保水性が高いので通気性のいい素焼き鉢と合わせるようにしましょう。

水苔以外ではラン用の培養土で植える方法もあります。これはラン用のバークや赤玉土、軽石などが最適な比率でミックスされている培養土で、保水性・排水性・通気性などのバランスがデンドロビウム向きです。水苔以外のコンポストで植える場合はプラスチックや陶器の鉢で植えるようにしましょう。

植え替えのやり方

今回はラン用培養土を使った植え替え方法をご紹介します。水苔のみの植え替え方法が知りたい方は、同じ着生ランの植え替え記事を参考にしてみてくださいね。

  1. 花後のデンドロビウム

    デンドロビウム 植え替え前

    花が終わって花がら摘みだけした状態です。高芽がでたり、黄色い枯葉があり、株が乱れているので、剪定(高芽摘み)を兼ねながら植え替えをします。

    植え替え前は、水やりを1週間以上控えておき、乾燥させておきましょう。

  2. 高芽を摘む

    デンドロビウム 高芽摘み

    高芽をそのままにすると元株に栄養がいかないので、手でねじるようにして摘み取りましょう。

    高芽とは、花芽になるはずの部分が葉芽になってしまった芽のことです。茎の途中から白い根がでていたら、発根部より上は高芽なので、摘み取ってしまいましょう。

  3. 古い葉も落として全体を整える

    デンドロビウム 剪定後

    高芽のほかにも、変色した古い葉は摘み取っておきましょう。根が出ている高芽は株分けに使えるので、デンドロビウムを増やしたい方はとっておいてください。

    植え替えをしないデンドロビウムも、この高芽摘みの作業はしておきましょう。

  4. 鉢からデンドロビウムを取り出す

    デンドロビウム 植え替え 鉢から引き抜く

    デンドロビウムの株元をもって、優しく取り出しましょう。

    この写真の株はラン用培養土に植っていたため取り出しやすくなっていますが、値がしっかりと張っていたり、植え込み材が水苔だと引き抜きにくい場合があります。

    無理に引き抜くとバルブを折ってしまうので、軽く引っ張っても抜けない場合は鉢の縁にナイフを差し込んで抜くか、鉢をゴムハンマーなどで軽く叩きながら抜いてください。

  5. 根を整理する

    デンドロビウム 植え替え 根の整理

    古いラン用培養土を落としたら、黒っぽく変色している根を清潔なハサミで切り落とします。写真のとおり、健康的な白い根とは全然色が違うので見分けやすいです。

    水苔に植えられていた場合は、根の間に水苔が入り組むようになっていますが、無理に取り除かず、軽くむしって取れる部分だけとっておきましょう。

  6. 新しい鉢に植える

    デンドロビウム 植え替え 土をいれる

    新しい鉢にデンドロビウムを仮置きして、支えながら隙間に土をいれていきます。鉢を揺らしながら根の間に土がはいるようにしていきましょう。

    なお、ラン用培養土やバークを使う場合は、鉢の底穴をネットでふさいで、底石をしきつめてから植えましょう。水苔のみの場合は底石やネットは不要です。

  7. 細長い棒で植え込み材をつめる

    デンドロビウム 植え替え 突いてさらに土をいれる

    9割ほど植え込み材をいれたら、細長い棒でかるく突いてさらに詰めていきましょう。あまり強く突くと根が折れてしまうので、鉢の縁側面を突くようにします。

  8. 植え替え完成!

    デンドロビウム 植え替え後

    これで植え替え完成です。植え替え直後はラン用培養土なら水やりをしますが、水苔に植えた場合はすでに湿っているので、水苔が乾いてから水やりをします。

    肥料は植え替え直後には与えず、2週間〜1ヶ月後から再開してください。

デンドロビウムの増やし方

デンドロビウム 増やし方 株分け

デンドロビウムの増やし方は、高芽をつかった株分けが簡単です。とくに発根している高芽なら着生させるだけなので、初心者でもできますよ。

発根している高めをひとまとめにして、新しい水苔などの植え込み材に植えてもいいですし、水苔に包みながら板付や流木に着生させることもできます。

板に着生させる時に水苔が多いと板に根が張るまでに時間がかかりますので少なめにしましょう。

やまはる園芸園主 河村さん

ちなみに上の写真では水苔の量がやや多いです。水苔が多いと活着に時間がかかるので、これよりもう少し少なくして挑戦してみてください。

デンドロビウムの育て方で注意する害虫・病気

デンドロビウムは病害虫に強いといわれています。水や肥料のやりすぎ、高い湿度、風通しの悪いところに置くなどに注意すれば、デンドロビウムの生長を害する病気になる可能性は低くなります。

ただ虫については、若い芽や花芽を好むナメクジが付くことがありますので、駆除剤などを撒いて対応しましょう。

デンドロビウムの育て方のコツをつかもう!

洋ランの一種でありながら、家庭でも育てやすいデンドロビウム。鉢と植え付け材の相性や肥料を与えるタイミングなど気をつけるポイントを踏まえれば、きれいな花を咲かせられそうです。ぜひデンドロビウムを育ててみませんか?

カトレアの育て方|花が終わったらどうする?植え替え時期はいつ?

カトレアは中南米原産のランの一種で、「洋ランの女王」と呼ばれることもあるほど、そのたたずまいは華やかです。ここでは、そんなカトレアの育て方を中心に、植え替えの方法なども詳しくご紹介していきます。

カトレアを育てるのに適した環境

カトレアは寒さに弱く暑さには強い植物です。寒さに弱いため1年を通して日光が当たる場所を選んで植えましょう。とはいえ日光が当たりすぎるのもよくありません。

そのため、初夏から秋かけてはカトレアに日光が当たりすぎないように日陰をつくり、遮光してあげるなど調整が必要です。秋になり次の夏がくるまではできるだけ日光に当ててあげましょう。

カトレアの育て方!土は使わないのが常識?

植え込み材料はなにを使う?

カトレアを鉢植えするときには、植え付けの材料として土を使うのではなく、水苔やバーク(ミックスコンポスト)を使います。

カトレアを育てるときは、普段よく用いる園芸用の土は使いません。鉢は水苔を使うときは素焼き鉢を、バーク(ミックスコンポスト)を使う場合はプラスチック鉢を使うのが一般的です。初めてカトレアを育てる場合は、カトレアの株を購入するときにお店で植え付けの材料についても相談してみるといいでしょう。

鉢の選び方

カトレアを鉢植えで育てようとするときは、鉢の選び方が重要なポイントです。あまり大きすぎる鉢は、植え込み材料が水分を多く保持してしまい乾きにくく、根の張りが悪くなることもあるので、小さめの鉢がおすすめです。

植え付け方法

植え付けの手順は、カトレアの根を傷つけないように鉢のふちからナイフなどを入れ、植え付け材ごとカトレアの株を鉢から外します。次に根についている水苔などの植え付け材を、根を傷つけないようにていねいに取り除きます。

そして、古い植え付け材を取り除いたら、新しい植え込み材料で植え込みます。

新しい鉢に入れるときは新芽のほうにスペースをつくってあげましょう。植え替えのあとの水やりは、植え込み材料がしっかり乾いてからで大丈夫です。

水やり頻度はどれくらい?

カトレアの水やりは季節ごとに異なります。春から秋にかけては、こまめに水やりをしましょう。カトレアは夏に生長するため夏は特に多めに水を与えます。

一方で冬になるとそれほど水やりは必要ありません。気温が低い場所でカトレアを育てている場合は、冬のあいだ水やりは控えめに。ただし冬でも気温が比較的高い場所で育てている場合は、鉢の表面が乾いたら水を与えるようにします。

肥料はどれくらいの頻度で必要?

カトレアに肥料を与えるのは、生育期のみです。新芽が出だしたのを確認したあと、固形の肥料を春に1回から2回程度与えます。液体の肥料を使い場合は5月から7月まで、1週間から10日に1回ほど与えましょう。

カトレアに植え替えは必要?適した時期はいつ?

植え替えの目的

カトレアを鉢植えする場合、2~3年に1回程度の植え替えが必要で、その理由は大きく2点あります。

一つはカトレアが生長したために、鉢のなかでさらに生長していくスペースがなくなったこと。花付きの株を購入した場合などは、新芽が出たときに鉢のふちに触れているかどうかで植え替えの時期を見極められます。新芽が鉢のふちに触れていたら、植え替えの準備をするサインです。

二つ目の理由は、植え付けに使った水苔やバークなどが2年から3年で腐敗してしまうことです。植え付け材が腐ってくると接しているカトレアの根も腐ってしまいます。根腐れを起こす前に、受け替えてあげる必要があります。

植え替え時期

植え替えのタイミングは一般的には4〜6月初旬ですが、初夏咲き種は9月頃が適期です。植え替えの時期を逃してしまうと、生育が遅れ、翌年の花がつかない原因になってしまいますので、忘れずに行いましょう。

植え替えに必要なものは、新しい植え付け材としての水苔やバークなどのほかに、これまでカトレアを植えていた鉢よりもひとまわり大きい鉢です。カトレアが生長し根を伸0ばすスペースがなくなったことによる植え替えなので、植え替えのときはこれまでよりもサイズが大きい鉢が必要になります。ただし、株分けや根腐れによる植え替えの場合はこれまでよりも小さなサイズに植え替える場合もあります。

植え替えの仕方については、植え付けと同じです。

カトレアの花が終わったらどうする?

カトレアの花が終わったら、少々お手入れが必要になります。花が終わったあと、枯れて落ちたらカトレアが病気になるのを予防するために、セパルが透き通って茶色に変化してきたタイミングで、花茎を切り落とします。切り落とすときに使うはさみはあらかじめ火で焼いて消毒しておきましょう。

カトレアの増やし方「株分け」の仕方や適した時期は?

カトレアは「株分け」で増やしていきます。株分けに適しているのは一般的には4月から6月初旬ですが、初夏咲き種は9月頃が適期です。

用意するものは、ピンセット、剪定ばさみ、ナイフなどです。いずれも株分け作業の前に消毒しておきます。株分けしたい株を鉢から抜き、植え込み材料を取り除きます。この際に、根を傷つけないように注意が必要です。株の根を傷つけないように適宜ピンセットなども使用していきます。

株を切り分けたら、植え替えと同じように新しい植え込み材料で植え込みます。新しい鉢に入れるときは新芽のほうにスペースをつくってあげましょう。植え替えのあとの水やりは、植え込み材料がしっかり乾いてからで大丈夫です。

カトレアの育て方で注意すべき害虫・病気

カトレアは非常に病気に弱い植物のひとつです。一度ウイルスに感染したカトレアは枯れてしまい、薬剤などで手当てすることは不可能です。

アブラムシやカイガラムシ、スリップス(アザミウマ)などがウイルスを運んでくることがあるので、虫がつかないようにじゅうぶんに注意しましょう。春から夏にかけては、葉に白い斑点が出るうどんこ病などに注意します。カトレアを手入れしたり植え替えしたりするときは、剪定ばさみなどの道具は必ず消毒してから使うのが病気を予防するポイントです。

カトレアを植え替えながら花を長く楽しもう!

カトレアはその花言葉が表すように、美しく咲き誇る花です。手に入れたいけれど手が届かない女性のように、手入れも細かく、ていねいな扱いが求められます。しかし手をかければかけるだけ、美しく咲いてくれるでしょう。生活に華やかさを添えてくれるカトレアを、ぜひ育ててみませんか?

オキザリスの育て方|花が終わったらどうする?地植えで冬越しできる?

オキザリス

オキザリスはカタバミの仲間で、地下に球根を持つ球根植物です。日が当たるとパッと花が開き、日が陰る雨や曇りの日は花を閉じてしまう、そんないじらしい一面もあります。今回は、そんな古くから人気を集めるオキザリスの育て方について、ご紹介します。

オキザリスの育て方のポイント

オキザリスの育て方のポイントは、「肥料の与え方」と「種類の把握」が大切です。

オキザリスは肥料過多になると花つきが悪くなります。ただし、春植え種は肥料切れを苦手とします。肥料の量や頻度には気をつけてください。

オキザリスの育て方は種類・品種でちがう?

オキザリス・バーシカラー
▲オキザリス・バーシカラー

オキザリスには、約800種類以上が存在します。オキザリスの育て方は、どの種類品種を育てるのかによって少しずつ違いがあるため、まずはどの品種を育てるのかを決めましょう。

それらを「春植え種・秋植え種」、「大型・中型・小型」などに分類し、「球根の形」や「地植え栽培・鉢植え栽培のどちらにするか」も確認しておいてください。

オキザリスは白、赤、紫、黄色、ピンク、複色など、さまざまな色の花をつけます。特に人気の品種は下記をご覧ください。

種類 特徴
ボーウィー 秋植え種。紫にも近いビビッドなピンクの大輪の花を咲かせる。
バーシカラー 秋植え種。白い花びらの外側を濃いピンクで囲んだような複色カラーが人気。
バリアビリス 秋植え種。大変育てやすく、純白の大輪の花を長期間咲かせる。
桃の輝き 秋植え種。霜に当たっても枯れないほど寒さに強く、明るいピンクの花がよく咲きます。

オキザリスの種類についての詳細は、関連記事を参考にしてください。

オキザリスを栽培する場所

オキザリス・トライアングラリス

オキザリスは、基本的に夕方の強い直射日光を避けた日の当たりのいい場所を好みます。また、気温がマイナスを越えると弱るので、12〜3月は室内や温室で管理するといいでしょう。

なお、地植えの場合は、霜に当たらない場所で育てるようにしてください。

また、休眠期と生育期では、管理する場所を少し変えた方が良いです。

春植え種 日の当たりのいい場所で育てるようにしましょう。 休眠期にあたるので、明るい日陰程度の場所でも問題ないでしょう。
秋植え種 休眠期にあたるので、風通しの良い明るい日陰で育てるようにしてください。過湿状態になると球根が腐る可能性があるので気をつけましょう。 生育期にあたり、開花シーズンを迎えます。日当たりのいい場所で育てることでよく花を咲かせます。

オキザリスの土

オキザリスは基本的に過湿を嫌うので、水はけのよい用土を使いましょう。元肥を与える場合は、塩分を含まない緩効性化成肥料を鉢底にまいておきます。

鉢植え・プランターの場合

鉢植え・プランターでオキザリスを育てる場合は、用土の配合は「赤玉土6:腐葉土3:川砂1」などの比率で混ぜておくといいでしょう。市販の草花培養土に、川砂を2割混ぜるのもいいです。

地植えの場合

地植え栽培のオキザリスは、植え付ける1週間前に土を耕して、3〜4割の腐葉土をすき込んでおきましょう。水はけの悪い地質であれば、川砂を2〜3割混ぜておくといいでしょう。

オキザリスの植え付け

オキザリスは、種類によってさまざまなサイズの球根があります。イナプスなどの小型種は3号ほどの鉢に植えるのがおすすめです。中型・大型種のバーシカラーやボーウィーなどは4号ほどの鉢で育てましょう。

植え付け時期

オキザリスの植え付け時期は、春植え種は3〜4月、秋植え種は9〜10月が適期です。ただし、秋植え種でも、ロバータ、ルテオラなどの早咲き種は8月に植えるといいでしょう。

品種 植え付け時期
春植え種 デッペイ/イナプス/ルブラ/アデノフィラ/ラシアンドラ/レグネリー 3〜4月
秋植え種 バーシカラー/ボーウィー/桃の輝き/ペンターフィラ/ヒルタ/バビアビリス/セルヌア 9〜10月

植え付け方法

オキザリスの植え付け方法は、球根のサイズや形状によって異なります。下記に代表的な5パターンの植え付け方法をご紹介します。

なお、地植えするときには球根の間隔を5cmほどあけておくといいでしょう。

玉ねぎ型の丸みと尖りがある球根

玉ねぎのような、下部は丸みがあり、上部は尖った形状をしています。このような球根の場合には、尖ったほうを上に向けて、深さ1〜2cmくらいの場所に埋めます。
例)ボーウィーなど

らっきょう型の細めの球根

らっきょうのように、全体的にほっそりとしながらも、下部に丸みと上部に尖りがある形状をしています。

このような球根の場合には、尖理があるほうを上にむけて、深さ2〜3cmほどの場所に埋めましょう。
例)バーシカラーなど

両端が尖った球根

オキザリスの品種の中には、上下の区別がつかない、両端が尖った形状をしている球根があります。このような場合には、球根を横向きにして、深さ1cmほどの場所に埋めていきましょう。

生姜型のいびつな球根

生姜にも似たいびつな根茎状をしています。このような球根の場合は、横にして深さ2cmほどの場所に埋めましょう。
例)レグネリーなど

松ぼっくり型の丸い球根

まつぼっくりのような鱗茎がついた丸みのある形状をしています。このような球根の場合には、球根の下部3分の1を地中に埋めるようにしてください。
例)アデノフィラなど

オキザリスの水やり

オキザリス 水やり

鉢植え・プランターの場合

葉が茂っている成長期には、表土が乾いたらたっぷりと水をあげるようにしましょう。休眠期に入って葉が枯れ始めたら、水やりを控えて乾燥気味に育てます。

地植えの場合

地植えの場合は、基本的に水やりは必要ありません。ただし、成長期に長く雨が降らない乾燥状態が続くようであれば、たっぷりと水をあげてください。休眠期は基本的に水をやらずに育てます。

オキザリスの肥料・追肥

オキザリスは生命力が強く、肥料を与えずとも育ちます。とはいえ、生育期に緩効性化成肥料を置肥するか、月1〜2回水やりの代わりに液肥を与えることで、花つきはよくなります。

バビアビリス、ボーウィー、ルブラ、レグネリーなどの開花時期が長い品種は「土の中」に、大型品種ではないもので、かつ開花時期が短い品種は「土の上」に肥料を与えましょう。

オキザリスの球根が発芽したら?

オキザリスの球根が発芽したあとは、よく日に当てて育てるようにしましょう。周りの土を固めて、株がぐらぐらしないようにします。

発芽後1ヶ月間は、表土が乾いたら水をたっぷりとあげるようにしてください。その後はやや乾かし気味に育てていきます。

春植え種の場合

気温が0℃を下回ってしまうと株が傷むため、寒い地域の場合には12〜3月頃までは、室内に取り込んでおくと良いでしょう。

秋植え種の場合

デッペイやレグネリー、ルブラは大株に育つので、ひとまわり大きいサイズの鉢に植え替えてあげましょう。

オキザリスの花の時期

オキザリス・トライアングラリス

オキザリスは植え付け時期によって、開花時期も異なります。

春植え種の場合は5〜9月頃、秋植え種の場合は9〜3月頃に開花時期を迎えます(※品種によって異なる)。

オキザリスの花が終わったら?

春植え種の場合

花が終わって冬になると休眠期に入り、地上部は枯れてしまいます。雨が降ったり、霜が降りない場所で、土を乾燥させすぎないように管理しておきましょう。

秋植え種の場合

花が終わって気温が高くなると、葉が枯れてきます。そうなったら、水やりをやめ、雨の当たらない日陰で管理しておきましょう。

松原真理子

地上部が枯れていても地下で球根は生きています。お水だけは切らさないようにしてくださいね。

オキザリスは地植えで冬越しできる?

春植え品種のオキザリスは、冬越しの際には室内に保管することがおすすめです。一方、**地植えの場合**は球根を掘り上げて乾燥させ、冷暗所で保管することもできます。

秋植え品種のオキザリス**は、冬の夜間に温度が5度以下になるような日に限り、室内に入れてください。暖かい場所でずっと管理すると成長が妨げられることもあるため、適度な寒さを与えることが大切です。

オキザリスの増やし方

オキザリス

オキザリスは、春植え品種は11月頃、秋植え品種は5月頃に休眠期に入ります。この時期に球根を掘り上げて、分球することで増やすことができます。

なお、球根は通気性の良いネットなどにいれて、風通しの良い暗所で、植え付け適期まで保管します。

とはいえ、基本的には3〜4年植えっぱなしでも、自然と増えて育ちます。

オキザリスが増えすぎたときは?

オキザリスは繁殖力が高い植物です。球根からだけでなく、地下茎や種などからも増えていきます。

オキザリスの増えすぎを予防し、手入れを楽にするためにも、初心者の方は地植えよりも鉢植えで育てることをおすすめします。

オキザリスの育て方で注意すべき害虫・病気

オキザリスは病気や害虫に強く、強健に育っていきます。しかしながら、6月の梅雨時期や、9〜10月の台風時期に大量の雨水にあたると、根腐れを起こす可能性があるので、初心者の方は鉢植えにして移動管理することをおすすめします。

オキザリスの育て方のコツを抑えよう!

オキザリスは基本的に乾燥に強く、多少放っておいても元気に花を咲かせます。オキザリスを育てるコツは、休眠期と生育期の育て方の違いをおさえることです。休眠期は乾燥気味に育ててあげることで、よりきれいな開花を迎えられるでしょう。

スパティフィラムの育て方|花が咲かない原因は?植え替え・株分けのやり方は?

スパティフィラム 鉢植え

スパティフィラムは丈夫で育てやすく、室内で栽培を楽しんだり、切り花としても親しまれている多年草の観葉植物です。とはいえ花が咲かない、植え替えの方法がわからないとう方も多いよう。

そこで今回はスパティフィラムの花がよく咲くように、正しい育て方をご紹介します。

スパティフィラムの置き場所!室内のどこに置く?

スパティフィラム 鉢植え

スパティフィラムの花を咲かせるには、年間を通して日当たりのいい場所で育ててください。ただし、直射日光は葉焼けを起こし、日陰の日照不足では花がつかなくなるので、室内の下記のような置き場所で育てましょう。

  • 木漏れ日が当たる程度の明るい日陰
  • レースカーテン越しの窓際

また、花を咲かせるなら室温は15〜20度の環境を保ってあげるといいです。逆にいうと冬でもこの温度が保てていれば一年中開花を楽しめますよ。

耐寒温度は8度ほどなので、冬の暖房切れの室内温度には注意してください。冬の夜の窓際はとくに冷えますので、寒すぎると花が咲かないどころか枯れる可能性もあります。昼間は日当たりのいい窓辺、夜は暖かい室内に移動させるといいです。

スパティフィラムの水やり!季節の頻度は?

スパティフィラムは湿潤を好む観葉植物のため、水切れが起きやすく、極度の乾燥は花が咲かない原因となります。

葉が茂って土に染み込みづらいので、水やりするときは茎をかき分けて土に直接流し込むように、鉢底から流れ出るまでたっぷり与えましょう。葉に霧吹きをする葉水も通年してやるとハリツヤが出ます。

なお、パキラやガジュマルなどの人気の観葉植物の多くは乾燥を好むので水やりを控えめにして育てますが、同じ水やり頻度だとスパティフィラムは水切れしてしまいます。

季節ごとに、次に説明する頻度で水やりしてください。

春〜夏の水やり

スパティフィラムの生育期は5〜9月くらいの最低気温25℃を上回る時期です。生育期には水の吸い上げが早いので水切れに注意してください。鉢植え・地植えともに表面の土が乾ききる前にたっぷり水をあげましょう。

秋〜冬の水やり

最低気温20℃を下回ると休眠期に入り吸水のペースも落ちます。それと合わせて水やりも頻度を落としてください。真冬は葉が萎れてきたら水をあげるくらいが目安です。

スパティフィラムの肥料!おすすめの種類は?

スパティフィラム 花芽

肥料を与える時期

スパティフィラムは春から秋ごろまで長期間にわたって花を咲かせるため、一般的な観葉植物よりもやや多めに肥料を与えましょう。

肥料は春に緩効性粒状肥料を置き肥し、春から夏の終わりごろの開花中は2週間に1回ほど液体肥料を水やりの代わりに与えます。

おすすめの肥料

スパティフィラムは観葉植物として楽しまれていますが、樹木類ではなく草花と同じように多年草に分類される植物です。

そのため、市販の観葉植物用として売られている肥料はおすすめしません。観葉植物用肥料には茎や葉の生長をうながす窒素が多くが配合されており、スパティフィラムに与えると花付きが悪くなる可能性があります。

スパティフィラムにおすすめの肥料は、窒素・リン酸・カリを表すN・P・Kの割合が8-8-8水平型のものか、8-10-8山型のものです。

緩効性肥料を観葉植物用、液肥を草花用のものを使う方法もおすすめです。

スパティフィラムの植え替えと株分けをやってみよう!

植え替えの時期はいつ?

スパティフィラムの植え替えは、生育期の初期4〜5月ごろか、9月に行いましょう。

花が付いているときは植え替えを控えた方がいいので、生育期のうち、できるだけ早いタイミングで植え替えするか、一通り花が先終わったタイミングで植え替えしましょう。

また、スパティフィラムは成長がとても早く、根詰まりを起こすと花が咲かなくなるので、1〜3年に1回の植え替えをおすすめします。

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松原真理子
購入して一番最初の花が終わったら早めに植え替えをすることで、夏場のトラブルを回避して、翌年の花付きが良くなります。

植え替えに必要なもの

スパティフィラム 植え替え 用意するもの

植え替えに必要なものは、下記などです。

  • 市販の観葉植物用もしくは草花用の培養土
  • 鉢底ネット、鉢底石
  • 一回り大きい鉢
  • 移植ゴテ
  • 菜ばしなどの細長い棒
  • 清潔なハサミ

株分けをする場合は鉢をもう一つ用意しておきましょう。

もし土を自分で配合する場合は、赤玉土小粒6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混ぜ、適量の緩効性肥料を加えて使います。

植え替えと株分けのやり方

  1. 元の鉢から取り出す

    スパティフィラム 植え替え 細長い棒で鉢のフチをつつく

    水やりは1週間以上控えておいて、あらかじめ鉢の中の土を乾燥させておきます。

    2〜3年ぶりに植え替えをする場合は、根が回りきってなかなか鉢から取り出せないので、鉢の縁を一周、菜ばしなどでつつきながら引き剥がしておきましょう。

    スパティフィラム 植え替え 鉢から出す

    鉢を真横に倒して、軽く揺すりながら鉢側を引き抜くようにすると取れます。

  2. 根鉢をほぐす

    スパティフィラム 植え替え 根鉢

    このスパティフィラムは3年植え替えしていなかったので、根が鉢の中でかなり詰まっていました。

    しっかり土が乾燥していれば、根鉢(根とその周りの土)をほぐすと古い土もどんどん落ちていきます。

    数年ぶりに植え替えをする場合は、土が古くなって機能性が落ちているので、できるだけ根鉢の土を落とした方がいいです。1年ぶりであれば根鉢の底を3分の1ほぐす程度でかまいません。

  3. 株分けをする

    スパティフィラム 株分け

    スパティフィラムを株分けをして増やしたい場合は、この段階で裂いて分割して、この後説明するのと同じやり方で別の鉢に植えます。

    スパティフィラムはサトイモ科の植物なので、土を落とすと芋が発達しているのがわかります。株分けするときはこの芋単位で分け目を探してみましょう。

    あまり細かく分けてしまうと花が咲かなくなるので、8号株以上になったら半分程度に株分けするくらいがおすすめです。

  4. 古い葉茎や短い葉茎を整理する

    スパティフィラム 植え替え 細い根を切る

    茶色く枯れた古い葉茎を、できるだけ根本からカットして整理していきます。

    また、短すぎる葉茎をそのままにしてしまうと土に埋まって枯れてしまうので、根から分割できるようであれば株分けし、無理なら茎の根本から切ってしまいましょう。

  5. 不要な根を整理する

    スパティフィラム 植え替え 茶色い古い根を切る

    地上の茎葉を整理したら、同じくらいの量の根を整理しておかないと、蒸散作用のバランスが崩れて弱ってしまいます。

    太く白い根を残すようにして、黒っぽい根は切ってしまいましょう。

    根が長い場合は、太い根から分岐した細い根を切っていくといいです。根が絡まっている場合はナイフやカマなどでとかすように根と平行にすきましょう。

    面倒な場合は、下部3分の1くらい根を切ってしまっても大丈夫です。

  6. 新しい鉢の準備をする

    スパティフィラム 植え替え 新しい鉢を準備する

    一回り大きい新しい鉢に、鉢底ネットをいれて、鉢底石をしいておきます。次に、あらかじめ4分の1〜3分の1ほど培養土をいれておきましょう。

  7. スパティフィラムを植える

    スパティフィラム 植え替え 土をいれる

    新しい鉢の中にスパティフィラムを一束に持って、もう片方の手で土を入れていきます。

    ある程度土で埋まったら、鉢の中に分散させるように茎を少し離して微調整します。株同士が密集しすぎないように、中心にも土を入れるようにしましょう。

    スパティフィラム 植え替え 真上から見た写真

    今回はこのように株の中心に空間があくように植えました。こうすると風通しがよくなって、室内でも元気に育ちます。茎が倒れる場合はリング支柱を併用するといいです。

  8. 細長い棒で土をつめる

    スパティフィラム 植え替え 細長い棒でつつく

    茎の間や根の間に土がつまるよう、菜ばしなどの細長い棒でやさしくつつきながら、最後まで土をいれていきます。

  9. たっぷり水やりをして完了!

    スパティフィラム 植え替え 水やりをして完了

    最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出るまで水やりをして、植え替え完了です。新しい土でも微塵が混ざっているので、植え替え後の水やりは微塵を押し流すようにたっぷりと水やりしましょう。

    ただし、皿に水が溜まりっぱなしにならないようにしてください。

    植え替え後の置き場所は明るい日陰ほどの場所がおすすめです。

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松原真理子
植え替えた後は特に水を欲しがります。株が落ち着くまでは、水やりのペースを良く見極めてくださいね。

スパティフィラムの花が咲かない原因は?

スパティフィラムはきちんと育てると、5月〜10月と長期間にわたって開花時期をむかえます。ですがこの花を咲かせるのが難しいと、栽培に行き詰まっている方も多いようです。

スパティフィラム花が咲かない原因の多くは、次の4つなので、日々の手入れを見直してみましょう。

  • 寒すぎる、日当たりが悪い→8度以上の明るい日陰に置く
  • 水やりが少なすぎる→春〜秋は表土が乾いたらたっぷり
  • 肥料のリン酸が少ない→観葉植物用の肥料だけだとNG
  • 根詰まりしている→植え替えをする

スパティフィラムの花が終わったらどうする?

スパティフィラムの花が終わったら、長く開花を楽しむためには花がら摘みをしましょう。

ちなみにスパティフィラムは白い花が咲くと思われがちですが、実際の花は「肉穂花序」という黄色い棒状の部分で、白い部分は「仏炎苞」とよばれるガクの一部が変形した部分です。

スパティフィラムの花が終わるサインは、この白い部分(仏炎苞)が緑色に変色してきたころです。

種を採取しない場合は、早めに花がついていた茎を根本から切り落とすことで、株に栄養がまわり、次の花を咲かせる肥やしになります。

スパティフィラムの増やし方

スパティフィラムは株分けのほか、種まきでも増やせます。とはいえ、種まきから育てると開花までに3〜4年かかるので留意してください。種はほとんど販売していないので、採取したものをまくようにします。

赤玉土(小粒)と水苔などを混ぜ、保水力をあげた育苗ポットを用意します。たねを重ならないように均等にまいたら、5mmほどと浅く土をかぶせて、乾燥しないように日陰で水をよくやり管理します。

スパティフィラムの育て方で注意する害虫・病気

スパティフィラムは、比較的病気には強いですが、害虫には気をつけましょう。葉茎に寄生して弱らせるカイガラムシ、葉の裏側に寄生するハダニなどが発生しやすいです。発見した場合はブラシなどでこそげ落とし、殺虫剤をまいて対処してください。

スパティフィラムは葉に埃が溜まりやすいので、日頃から濡れた布巾などで、軽く葉の表面を拭いてあげてください。また、1日1回霧吹きなどで、葉の表面に水分を行き渡らせることも病害虫の防除や埃の除去に繋がります。

スパティフィラムの育て方のコツをおさえて花を咲かせよう!

スパティフィラムは美しい花も楽しめる観葉植物として人気です。気をつけるべきは温度ですが、一年を通して室内で楽しめば、そこまで気にかける必要もなく、簡単に育てることができます。ぜひみなさんもスパティフィラムの上品な佇まいを楽しんでください。

シュウメイギク(秋明菊)の育て方|花が終わったらどうする?苗の植え変え時期は?

シュウメイギク 秋明菊

秋に菊に似た花を咲かせることからその名前がついたシュウメイギクは、夏から秋にかけて花を咲かせます。名前に「キク」とついていますが、菊とは全く異なる植物です。園芸種としてさまざまな種類があり、育てやすいため、ガーデニングでも人気があります。

そんなシュウメイギクの育て方について見ていきます。

シュウメイギク(秋明菊)の育て方のポイント

シュウメイギク 秋明菊
シュウメイギクの育て方は、日当たりに注意することがポイントです。

耐寒性と耐暑性があり、さまざまな環境に順応できるシュウメイギクですが、本来は半日陰かつ湿った土を好み、夏が冷涼な地域での育成のほうが成長が活発で、株も増えやすいという特徴があります。

日差しの強すぎる場所では草丈があまり伸びず、逆に日当たりの悪い場所で育てると花つきが少なくなってしまうことがあります。

特に、根っこの部分は高温と乾燥に弱いため、管理するときは地温の上昇を防ぎ、株元が直射日光に当たらないように心がける必要があります。

できるだけ強い直射日光が長時間当たるような場所を避け、乾燥するときは腐葉土やマルチングを根元にかぶせてあげるなどしましょう。

シュウメイギク(秋明菊)の日当たり

シュウメイギクは、「葉っぱには日光が当たり、株元は日陰になるような場所」や「半日陰」となる場所で育てましょう。

夏の直射日光の厳しい時期には、半日陰の場所に移すか、木漏れ日の当たる木の下などで育ててあげると良いです。そこまで神経質になる必要はありませんが、できるだけ強い直射日光を避けられる場所を選んでください。

それ以外の季節は、花つきをよくするために屋外でよく日の当たる、風通しの良い場所で育ててあげます。

松原真理子

地植えにする場合は落葉樹の足元などに植えてあげることで、夏と冬の日差しをコントロールすることができるのでおすすめです。

シュウメイギク(秋明菊)の土

シュウメイギクは湿潤な土を好むため、水はけがよく肥沃で保水性に優れた土を用います。配合例としては、「赤玉土を4、鹿沼土を3、腐葉土を3」の割合で混ぜ合わせた土などが理想的です。

地植えの場合は、保水力を高めるために腐葉土を混ぜ合わせて30cmの深さまでよく耕すのがポイントです。落葉樹が周りにあると、落ち葉が冬場にマルチングの役割を果たして、湿り気のある土になります。

また、シュウメイギクは弱酸性の土壌が生育に適しています。ただし、日本の庭土はどちらかといえば酸性よりなところが多いので、あまり気にしなくても大丈夫でしょう。

シュウメイギク(秋明菊)の肥料・追肥

シュウメイギクへ追肥する時期は、春と秋です。真夏などの高温期に肥料を与えすぎてしまうと、根っこを痛める原因となるため、注意してください。

シュウメイギクの成長期にあたる春(3〜5月)の間には、地植えなら月に1回程度の置き肥、鉢植えなら月2〜3回ほど液体肥料を施します。

秋の花が咲いたあとには、来年もきちんと花をつけるようお礼肥を与えます。与えなくても枯れるというわけではありませんが、なるべく与えてあげてください。

なお、肥料分を吸収するのは根の先端部分です。そのため、株元に肥料を置いてもあまり効果が期待できません。肥料を与えるときは、株から少し離れた場所に置いてあげるのが重要です。

シュウメイギク(秋明菊)の種まき

シュウメイギクの種は、冬の間に採ることができます。地上部が枯れてきたときがタイミングです。

種まきするときは土を被せず、かつ風で種が飛ばされないよう注意しながら育てます。また、乾燥しないよう適度に水やりも必要です。弱々しい苗を間引きながら、翌年の春頃まで育てたのち、ほかの場所へ移植しましょう。

松原真理子

シュウメイギクの種は、覆土すると発芽率が下がります。そのため、通常の種まきのように、土の中に埋める方法は向きません。

シュウメイギク(秋明菊)の苗の植え付け

シュウメイギクの植え付け時期は、3月〜4月頃が適期です。

シュウメイギクを鉢植えにする場合は、株がすぐに増えてしまうので、ひとまわり大きめの鉢に植え付けましょう。

シュウメイギク(秋明菊)の水やり

シュウメイギク 秋明菊

夏の時期

シュウメイギクはやや湿り気のあるような土壌を好みます。

鉢植えの場合には、土の表面が乾いてきたと感じたら、たっぷりと水を与えてあげます。

地植えの場合、半日向で湿り気のある土壌で植えていれば、極端に乾燥しない限りはとくに水を与える必要はありません。ただし、植え付け直後から苗が土に根付くまでの間は、雨の様子をみながら必要に応じて水を与えてあげたほうがよいです。

また、シュウメイギクは夏の暑さと水切れの状態には非常に弱いです。朝と夕方にしっかりと水を与えてください。

冬の時期

シュウメイギクを地植えで育てている場合には、極端な乾燥をしない限りは雨水だけでも育ちます。

鉢植えの場合には、冬は休眠状態に入りますが、シュウメイギクは宿根草であるため、冬場でも土が乾燥することのないように、適宜水を与える必要があります。

シュウメイギク(秋明菊)の植え替え

シュウメイギクを鉢植えしている場合は、1〜2年に1度程度の頻度で植え替えが必要となります。植え替えの時期は花が終わった後の3〜4月が適しています。

シュウメイギク(秋明菊)の花が終わったら?

シュウメイギクの花が終わったら、花を切り戻します。

冬場になると地上部分は枯れてしまいますが、春になると新しく芽吹きます。

また、花が咲いたあとの綿毛から種を採種できる種類もあるので、種を収穫する場合には袋をかぶせて風で飛ばないようにします。

シュウメイギク(秋明菊)の増やし方

シュウメイギク 秋明菊

シュウメイギクの増やし方には、「挿し木」・「葉挿し」・「株分け」・「根伏せ」といったさまざまな方法があります。ここではおすすめの2つの方法を説明します。

株分け

鉢植えで育てている場合は、葉っぱが伸びてくる前に株分けをしてあげるのがよいでしょう。春先には、地下の茎からランナーと呼ばれる茎が伸びて、その先に子株がでてきます。子株を掘り上げて、別の場所や鉢植えで簡単に増やすことができます。

根伏せ

根伏せで増やす場合には、根っこを5cmほどの長さに切り取ったあと、きれいな用土に寝かせて土を被せます。種からも増やすことができますが、品種によっては種を実らせないものもあるので、事前に確認が必要です。

シュウメイギク(秋明菊)の育て方で注意すべき病気・害虫

つきやすい虫

シュウメイギクを育てるときには、新芽やつぼみの部分にアブラムシやシンクイムシが付着しやすいです。日の当たりやすい場所で育てていると、夏場にハダニが発生することもあります。

また、花茎の地表に近い部分では、メイガの幼虫が入り込むことがあります。食い荒らされてしまうとその後の生育に影響が出ますので、できるだけ早めに殺虫剤を散布して駆除、防除します。

かかりやすい病気

白絹病が発生しやすいのは、水はけが悪かったり、梅雨や長雨で用土が湿った状態が続いた環境です。風通しがよく、排水性のよい環境を作ってあげましょう。

うどんこ病は、空気が乾燥し始める秋の開花する時期に発生しやすくなる病気です。株分けなどをして、できるだけ風通しの良い状態をつくりあげましょう。

シュウメイギク(秋明菊)の毒性

シュウメイギクの主な用途は花の鑑賞です。切り花としてお花屋さんでも扱いがありますし・華道の世界でも季節を演出する花材として重宝されます。中国では根の部分を解毒や解熱に使うこともあるようですが、シュウメイギクには毒性があるため、個人の判断での使用はおすすめできません。

シュウメイギク(秋明菊)の花をお庭で育てよう!

秋に咲き誇るシュウメイギクについて紹介しました。

暑さや直射日光に弱いため、その分手間がかかりますが、秋の訪れとともに、庭に四季を感じさせる情緒があります。

この記事を参考に、ぜひシュウメイギクを育ててみてください。

園芸初心者からプロの専門家まで!誰もが目指せる『グリーンアドバイザー』合格体験記

やまかなさん

植物を育てたり、眺めたりすることは、多くの人にとって日々の生活を彩る大切な趣味ですね。そんな園芸やガーデニングの楽しさをより深く理解し、正しい知識を身につけるために役立つのが「グリーンアドバイザー」の資格です。

資格を通じて、正しい植物の育て方から園芸に関する幅広い知識を学び、趣味から一歩先へ踏み出した「植物の専門家」としてのスキルを磨くことができます。

この記事では、グリーンアドバイザー認定試験に合格した方たちの体験記をご紹介します。

今回の体験記を通じて、グリーンアドバイザーへの道のりや、それを通じて見えてくる園芸の世界の魅力について、ぜひご覧ください。

「グリーンアドバイザー」ってどんな資格?

「グリーンアドバイザー」とは、植物の基本的な知識や、正しい育て方を身につけ、園芸・ガーデニングの魅力や育てる楽しさを伝える専門家を目指せる資格試験です。

日本家庭園芸普及協会が実施するインターネット講習を受講して試験に合格すると、「グリーンアドバイザー」の称号を得ることができ、個人の趣味の領域を超えて、実際のお仕事や地域活動、園芸に関するイベントの企画・運営など、幅広い場面で知識を活かすことができます。

詳しくはこちら 》
植物の魅力を伝えるグリーンアドバイザーになろう!2024年度の試験概要の変更点とは

植物との対話が、ガーデニングの行き詰まりを解消する突破口になる!やまかなさん(山田香菜子さん):アナウンサー・園芸YouTuber

やまかなさん:アナウンサー・園芸YouTuber
やまかなさん(山田香菜子さん):フリーアナウンサー
2023年 グリーンアドバイザー取得

2018年からyoutubeチャンネル「yamakanafarmやまかなふぁーむ」を開設し、日々園芸情報を発信。
樹木医補として樹木治療にもあたっている。

Instagram:@yamakanafarm
youtube:yamakana farm やまかなふぁーむ

豊かな自然のもと、作物や花を育てるのが当たり前の環境で育ったやまかなさん。身近だった植物や園芸を学ぶために千葉大学の園芸学部に入学しましたが、大学で学ぶ学術的な内容にはあまり惹かれず、卒業後は当時好きだったテレビ業界で、アナウンサーとしてのキャリアをスタートさせました。

後にフリーアナウンサーに転向し、最初に担当したのが夕方の情報番組のガーデニングコーナー。知識がない中、大学の恩師にも頼りながら必死になってお花や樹木の知識を視聴者に発信する中で、「一見地味な存在だと思われがちだけれど、樹木たちは意思を持ってそこに立っている」ということに気づかされ、改めて植物の魅力に引き込まれていったそう。

妊娠・出産を通した働き方の変化もきっかけとなり、YouTubeやInstagramを通して、知識のない時に自分が知りたかった園芸の知識や楽しみ方を紹介するようになったそうです。

ーグリーンアドバイザーを取得しようと思ったきっかけは?

やまかなさん:アナウンサー・園芸YouTuber

YouTubeを始めて5年が経ち、より深く、わかりやすく情報を発信したいと考えたことが受験のきっかけのひとつでした。植物を育てる中で、「なぜここで切るの?」「どうして葉っぱが落ちるの?」といった疑問は誰もが持つものですよね。

現象に対して理論的に理由を説明できたら、普段のお手入れに対する理解も深まるはず。専門用語を交えて、植物の不思議な生態をわかりやすく伝えるためにもう一度学術的に学び直したくて、グリーンアドバイザーを受験することに決めました。

実は私自身、樹木医補という資格を持っているのですが、やはり専門的な資格はとっつきずらく難しい内容なんです。グリーンアドバイザーは「家庭園芸」という点で幅広い分野をカバーしていると感じます。理科の教科書に出てくるような基礎の基礎から教えてくれるので、ガーデニングを楽しむ上で、日頃のメンテナンスに直結する知識が得られるのが魅力でした。

ーグリーンアドバイザーの勉強はどのように進めましたか?

子育てをしながらの受験だったので、子どもが寝静まってから、テキストに赤ペンで線を引いて、緑のシートで隠して何度も何度も復習して勉強しました。

テキストは難しすぎず、簡単すぎず、すごくわかりやすい参考書のような感じでしたね。受験のための本というよりも、日頃のガーデニングで生じる疑問を専門用語も交えながら優しく解きほぐしてくれるような参考書で、学ぶ時間がとても楽しかったです。

ーテキストや動画で、特に印象に残っている部分はありますか?

やまかなさん:アナウンサー・園芸YouTuber
暑い夏の時期に勉強していたこともあり、植物が夏バテする原理について書かれた部分が印象に残っています。真夏は植物の体内から水分がどんどん蒸散していくので、植物は水分量が減ると気孔を閉じ水を出さないようにします。しかし、気孔を閉じれば葉っぱの温度は上がりっぱなしで、太陽の光が当たり続けるとバテてしまう。

蒸散や気孔の開閉、光合成など、当たり前の話なのに、そうだよね!と思わずハッとさせられる学びが多くありました。こうした植物の原理を理解することで、今後のお手入れのアイデアにつながるような学びが得られました。

ーグリーンアドバイザーを取得して変わったことはありますか?

やまかなさん:アナウンサー・園芸YouTuber

YouTubeチャンネル「yamakana farm やまかなふぁーむ」で配信中のやまかなさん

例えば、一言で葉っぱと言っても、葉身と葉柄では指す部分が異なります。葉身を指して「この部分を切ってください」と説明すれば、初心者の方でも迷わずに作業ができるでしょう。また、葉柄の付け根から切ってもらうよう伝えれば、的確な剪定ができます。

このように、専門用語を使い分けることで、YouTubeでの解説もよりわかりやすくなったと感じています。理論的な裏付けを持って説明ができるようになったことが、一番の変化ですね。

ーグリーンアドバイザーは中級者さんや、お仕事に使う方にもおすすめしたい資格!

グリーンアドバイザーは、植物を育てる楽しさを知って、もっと上手に育てたい!と思い始める中級者さんに特におすすめしたいですね。中級者になってくると、日頃の知識だけでは行き詰まりを感じるようになると思います。知識を身につけて、植物と会話ができるようになれば、さらに植物を上手く育てられる突破口になるように感じます。

また、お仕事で植物に関わる方にもぜひおすすめしたいですね。私自身がよくホームセンターに通いますが、育てる土地の気候に合わせたお手入れの時期などの細かい情報が得られると安心して購入できるもの。正しい知識を広げることで、ガーデニングを楽しむ方の人口も増えるのではないでしょうか。ぜひ楽しんで勉強してくださいね。

小さい頃から植物が大好き!小学六年生のチャレンジ!及川仁太さん

及川仁太さん

及川仁太さん:小学6年生(12歳)
2023年 グリーンアドバイザー取得

仁太さんが植物に興味を持ち始めたのは、小学1年生の頃から。小さな頃から昆虫や生き物が好きだった仁太さんは、次第に身の回りの野草や雑草にも興味を持ち始め、植物の世界にのめりこんでいったそう。
グリーンアドバイザーの資格に挑戦した理由は、お母さんの提案がきっかけでした。年齢制限が撤廃されたことを知り、チャレンジすることを決意しました。

ーグリーンアドバイザーの勉強はどのように進めましたか?

大事だなと思った部分にテキストに線を引いて、今までの自分の経験と知識を結びつけながら進めていきました。

植物の育て方だけじゃなくて、植物の体の仕組みや、園芸に使う道具まで、今まで知らなかった知識を幅広く知ることができて新しい発見がたくさんありました。

ーテキストや動画で、特に印象に残っている部分はありますか?

及川仁太さん

文章だけじゃなくて図で分かりやすく解説してくれる部分が多かったり、動画では大事なポイントをゆっくりハキハキ話してくれたのが印象に残っています。特に、肥料についての法律があることを知らなかったので、こんなことまで勉強できるんだなと思いました。

大人向けの試験なので、まだ習っていない漢字が出てきて難しかった部分もあったけれど、テキストには動画の解説がついていたので小学生でもわかりやすかったです。

試験に合格してからは、グリーンアドバイザーを受験するまで触れてこなかった植物の分類について調べたり、肥料の法律にも目を向けるようになれたのが楽しいです。

ーこれから資格をどんな風に生かしていきたいですか?

及川仁太さん

資格を活かして、園芸で困っている人のお悩み相談に乗れたらいいなと思っています。家ではクレマチスやバラ、クリスマスローズ、オダマキ、キャットテールなどの多年草をたくさん育てているのですが、今特にハマっているのが砂漠のバラといわれる「アデニウム」です。

今の将来の夢は、アデニウムの品種改良をしたり、育種家になること。将来植物の仕事をするために、グリーンアドバイザーで学んだ知識を生かしていきたいなと思います。

ーこれから受験する方へのメッセージをどうぞ!

僕のように植物が好きな人にとって、グリーンアドバイザーは園芸やガーデニングだけではない植物の色々な知識を知ることができる機会になると思います。ぜひ一度挑戦してみてください!

撮影協力

七北田公園都市緑化ホール

七北田公園都市緑化ホール

七北田公園都市緑化ホールは、宮城県仙台市内にある緑とふれあえる公園緑地です。今回は、施設内の温室をインタビューで使用させていただきました。

施設名 七北田公園都市緑化ホール
公式HP www.sendai-park.or.jp/web/office/nanakita/index.html

子育てをきっかけにガーデニングに夢中に!植物の魅力を多くの人に伝えたい!yukkyさん

yukkyさん

園芸好きの両親のもと、小さい頃からたくさんのお花に囲まれて育ったyukkyさん。自身も子育てに励むようになり、お子さんの幼児クラブでの寄せ植え体験をきっかけにガーデニングに夢中になっていったそう。子どもが少し大きくなったことを機に、さらに専門的な知識を身につけたいと考えて、グリーンアドバイザーの資格取得に挑戦することを決意しました。

yukkyさん
Instagram:@gardener_yukky.3
2023年 グリーンアドバイザー取得

ーグリーンアドバイザーを取得しようと思ったきっかけは?

小さい頃から植物に囲まれて育ち、子育てをきっかけに自身もガーデニングの楽しさに目覚めました。子育てと植物を育てることはとてもよく似ていて楽しいと思ったんです。ガーデンストーリーが運営する植物好きのオンラインコミュニティ『ガーデンストーリークラブ※』に参加したことをきっかけに、将来的に植物に対する仕事がしたいと思うようになりました。色々な資格があるけれど、グリーンアドバイザーなら、オンライン動画とテキストで家事や育児の合間をぬって勉強できる。それに、植物の基本的な部分から学び直せるのが魅力でした。

※「ガーデンストーリークラブ」は、ガーデニング・植物情報を発信するウェブマガジン「ガーデンストーリー」が運営する、全国の花ファン・庭ファンが集う会員制度です。

ーグリーンアドバイザーの勉強はどのように進めましたか?

試験日から逆算して、家事と育児の合間をぬって勉強を進めていきました。専用のノートを準備して大切なポイントをメモしたり、テキストから図をコピーして貼り付けたり、試験に出るところは付箋をつけたりして、自分だけのノートを作っていきました。

ーテキストや動画で、特に印象に残っている部分はありますか?

専門的な知識だけではなく、日本の園芸が持つ文化的な側面も学べたのがとても楽しかったです。特に印象に残っているのは、日本の園芸の歴史について解説されていたところですね。

昔の人たちも、現代を生きる私たちも、花を愛でる気持ちは同じなんだなと思ったら、親近感が湧いてきて。「幕末日本探訪記」という、英国生まれのプラントハンターが日本の文化や社会を観察した体験記が紹介されていたのですが、実際に購入して楽しく読みました。

ーグリーンアドバイザーを取得して変わったことはありますか?

ガーデニングを始めたばかりの頃はインターネット上の情報や書店で見つけた園芸書を頼りにしていましたが、思うようにいかないことが多く、失敗を通して学ぶことの方が多かったかもしれません。例えば、ホームセンターで土や肥料を選ぶときも、どのような時期や植物の状態に合わせて選べばいいのかがわからず、試行錯誤を繰り返す日々でした。

グリーンアドバイザーの資格取得に向けたテキストは、植物の基礎知識編と資料編の2冊に分かれていて、基礎から順を追って体系的に学べたので、土の配合など、今まで困っていたことへの理解が深まりました。

ーこれからどんな風に資格を活かしたいですか?

将来的には、植物に関わる仕事を本業にしたいですね。現在は、InstagramなどのSNSを活用して、植物の魅力を発信しているのですが、この活動を通じてより多くの方に植物やガーデニングの楽しさを伝えていきたいと思っています。
また、引き続き、自宅に作っている小さな庭で実験を重ね、将来的には植物、生き物たち、そして人にとっても心地のよい庭を作れるように精進していきたいと思います。

ーこれから受験する方へのメッセージをどうぞ!

グリーンアドバイザーを受けることで植物についての理解が深まり、上手に育った時の喜びにつながります。資格を取るというよりも、植物を理解するための第一歩として楽しんで受験してみてください。

試験は満遍なく出題されるので、どこが出てもいいようにしっかり資料を読み込んでくださいね!

あなたもグリーンアドバイザーに挑戦しませんか?

今回は、グリーンアドバイザーに挑戦した2名の方にインタビューを行いました。受験をきっかけに、さらに植物との暮らしを活き活きと楽しまれているのが印象的でしたね。

今年度のグリーンアドバイザー試験は、2024年4月1日から受験への応募が開始されます。昨年から開始されたCBT方式により、日本全国にある最寄りのテストセンターで受験が可能です。詳しくは詳細記事をご確認くださいね!

詳しくはこちら 》
グリーンアドバイザー認定試験に新方式導入!全国47都道府県・300ヶ所以上にて、コンピューター上で受験が可能に

植物の魅力を伝えるグリーンアドバイザーになろう!2024年度の試験概要の変更点とは

フェイジョアの育て方|鉢植えの植え替え時期、挿し木や剪定の方法は?

フェイジョア

日本ではあまり食しませんが、フェイジョアは食べられる果物です。低木なので庭で育てることもできます。

このページではフェイジョアの育て方をご紹介しています。土選びや育てる場所などを記載していますので、これから育ててみたい方はぜひ参考にしてみてください。

フェイジョアはどんな植物?


フェイジョアはフィジョアとも呼ばれるフトモモ科の植物です。日本では珍しいですが果実が食べることができます。花も美しく良い香りがする低木なので、庭木としてもおすすめで、海外では人気があります。

果実は10月下旬から12月中旬にかけて熟し、鳥も好むため、お庭に植えると鳥がやってくることもあります。

フェイジョアの育てる場所

フェイジョアは日当たりのよい場所を好みます。パラグアイやウルグアイなどあたたかい地域が原産の植物ですが、耐寒性もあります。果実を収穫するとなると-5℃以下の低温にあたってしまうと品質が悪くなってしまいます。収穫の前には低温に当たらないような場所に植え付けましょう。

基本的には常緑性のある植物ですが、寒い地域だと葉を落とすこともあります。日当たりのよい場所であれば、どこでも問題はありません。

フェイジョアの植え付け


フェイジョアはいつでも植えつけられるわけではありません。3月から4月に苗木を植え付けましょう。

1本でも実がなる品種もありますが、2本以上混植すると実つきが良くなります。

フェイジョアの用土

フェイジョアは湿気を嫌うので、土がジメジメしないように気をつけましょう。

地植えだけでなく、鉢植えでも育てることができ、土を作るときは赤玉土を多めにすると水はけがよくなりますよ。赤玉土と腐葉土の割合を7:3にするのがおすすめです。

フェイジョアの肥料

フェイジョアに肥料を与える場合は春にしましょう。芽を出す前が最適です。さらに果実を収穫したあとに化成肥料を与えると良いですよ。

フェイジョアの水やり

フェイジョアをお庭に直接植える場合は、降雨のみで問題ありません。ただし、真夏であまり雨が降らない時期は、土が乾燥して硬くなるので水やりをしましょう。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。水切れを起こすと果実が育たないこともあるので注意してください。

フェイジョアの植え替え

庭に地植えする場合は植え替えは必要ありません。

鉢植えで育てる場合は、生長していくと鉢が小さくなることがあるので、3月から4月に植え替えをしてあげましょう。根を傷つけないように植え替えることが重要です。

フェイジョアの剪定

フェイジョアは発芽前の3〜4月に剪定するのが最適です。長く伸びてしまっている枝、混み合っている葉や枝を間引いてあげましょう。

下垂気味の枝には大きな実がつきやすいので残してください。

フェイジョアの増やし方

挿し木

フェイジョアは挿し木で増やすことができます

挿し木は6月が適した時期で、フェイジョアの枝を5cmから10cmほどカットし、切った枝の下の葉は取り除きます。枝を挿し木用に用意した鉢に移して増やすことができます。

種まき

収穫した種を植えることで増やすこともできます。

フェイジョアの果実から種を取り出したあと、よく洗い果肉を落とします。陰干ししてから鉢または地面にまいてください。種まきの時期は春の3月から4月に行ってください。芽が出るまではたっぷりと水を与えましょう。種から育てる場合は時間がかかりますが、5年前後で花が咲くようになりますよ。

フェイジョアの注意する害虫・病気

フェイジョアはコウモリガの幼虫がつくことがあります。フェイジョアの枝のなかに入り込み内部を食べてしまいます。被害にあうと生長が止まることもあるので注意してください。

雑草が生い茂っていると、コウモリガの幼虫がつきやすいので雑草の手入れはこまめにしましょう。

フェイジョアの花言葉は?


フェイジョアの花言葉は、「情熱に燃える心」、「満ち足りた」、「実りある人生」、「豊穣」です。食べられる美味しい果実が収穫できることからこのような花言葉がつけられたと考えられます。

フェイジョアを育てて食べてみよう


フェイジョアは海外では食用として有名です。自宅で育てたフェイジョアをぜひ食べてみませんか。花も楽しむことができるので庭木としても育ててみてくださいね。

シモツケの育て方|植え替えや剪定の時期はいつ?挿し木で増やす方法は?

シモツケ 花

シモツケは、日本や中国、朝鮮半島原産の落葉低木です。日本では、現在の栃木県である下野(しもつけ)の国で最初に見つかったことから、「シモツケ」という名称になったといわれています。

この記事では、そんなシモツケの育て方についてご紹介します。

シモツケとはどんな植物?

シモツケ 花

シモツケは落葉低木のひとつで、5月中旬〜6月ごろにかけて、小さな花を密集させた繊細な花姿で咲きます。

アジア原産なので暑さにも寒さにも強く、難しい手入れがあまり必要ないので、公園などにもよく植えられています。自宅の庭でも簡単に育つので、庭植えにしたり鉢植えにして育ててみましょう。

シモツケを育てる場所

シモツケは日当たりが良く、風通しのよい場所で育てます。やや耐陰性もあるので、屋外の明るい日陰でも育ちます。

もし鉢植えで育てる場合は、日差しが強い夏場だけ、明るい日陰に移動させてあげるといいです。

シモツケの水やり

シモツケ 花畑

シモツケの水やりは、鉢植えで育てる場合は鉢土が白っぽく乾き始めたらたっぷり与えましょう。冬は休眠するので、水やり頻度を控えめにしてください。

シモツケを地植えで育てる場合は、一度根付いてしまえば基本的に雨の水分で十分に育ちます。ただし、夏場に乾燥が続くなら朝方に水やりしてあげましょう。

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松原真理子
シモツケは葉が混み合っているので、株全体ではなく根元に十分にお水をあげましょう。葉の間に残った水が夏の暑さで熱湯になって蒸れの原因になります。

シモツケの肥料

シモツケはあまり肥料を必要としませんが、鉢植えで育てるなら4月ごろの新芽が伸び始めたころに、マグァンプKなどの肥料効果が長期間続く緩効性肥料を株元にほどこしてあげましょう。

地植えする場合には、基本的に肥料は必要ありません。

シモツケの剪定方法

シモツケ 花後 剪定

シモツケの剪定時期は、花が終わり、完全に枯れる直前です。この時期に、枝先の花がらを剪定することで、剪定した下のわき芽が伸ばしてまた花を咲かせてくれます。

花後の切り戻し剪定を定期的にすることで、1ヶ月ほどは繰り返し開花するようになります。

樹形を低く仕立てたいときなどは、この時期に強剪定をします。低くしたい枝を選んで、枝の途中の芽の上で切り戻しましょう。

シモツケの植え付け・植え替え

シモツケの植え付けや植え替えに適した時期は 、芽が出る前の3月頃か、もしくは10月下旬から11月頃です。鉢植えでシモツケを育てる場合は、毎年1回は植え替えをしましょう。

シモツケを地植えする場合は、庭土に3割ほどの腐葉土と元肥として緩効性肥料をよく混ぜてから植えましょう。

鉢植えで育てるときは、市販の花木用の培養土に植えましょう。自分で配合する場合は、赤玉土小粒4:鹿沼土2:腐葉土3:バーミキュライト1の割合がおすすめです。

シモツケの増やし方

挿し木

とくに地植えのシモツケを親株に増やしたいときは、「挿し木」という増やし方がおすすめです。挿し木に適している時期は5月頃なので、剪定の作業で切り取った枝を使いましょう。

シモツケを挿し木するときは、その年に伸びた新しい枝先10cmをカットして、先端2〜3枚の葉以外を取り除き、挿し木用の土をいれた鉢に挿しましょう。

発根して新芽が動くまでは、土が乾燥しすぎないようにこまめに水やりしてください。秋には十分に育つはずなので、鉢上げしましょう。

株分け

とくに鉢植えのシモツケを親株に増やしたいときは、「株分け」という増やし方がおすすめです。株分けは植え替えと同時に作業します。

植え替えのときに根鉢をやさしく崩し、古い土を落としたら、分けられそうな根の分け目を探します。だいたい二等分になるように手で割いて、別々の鉢に植えれば完了です。

シモツケの育て方で注意すべき病気・害虫

シモツケ 花

シモツケに付きやすい害虫というと、アブラムシです。春から秋にかけて発生しやすいので注意しておきましょう。また、枝が密集して風通しが悪くなると、カイガラムシが付くこともあります。

いずれも早めに見つけて殺虫剤を散布し、駆除してください。アブラムシはテープに貼り付けて駆除することも可能ですし、カイガラムシは殺虫剤がうまく効かない場合、歯ブラシなどでこすり落としてしまえばOKです。

被害が大きくなりそうな場合は、薬剤散布を行いましょう。

シモツケの育て方は簡単!庭に植えてみよう!

小さな花が枝先に集まるようにして咲くという特徴のあるシモツケは、どれもとてもかわいらしく、種類によってその花の付き方や色も異なります。

庭植えにしても小さい鉢でも育てられますし、日当たりの良い場所に置いて毎日水やりをすれば、比較的初心者にも育てやすいのでおすすめです。

ユリオプスデージーの育て方|剪定や挿し木の方法は?冬越しはできる?

Photo by ハルヒツジさん

秋から春にかけてマーガレットによく似た黄色い花を咲かせるユリオプスデージーは、花壇でよく見かけるお花の一つです。
この記事では、冬の寂しい風景にぱっと映える、ユリオプスデージーの育て方についてご紹介します。

ユリオプスデージーの日当たり

ユリオプスデージーは、一年を通して、直射日光を避けた明るく日当たりの良い場所で栽培しましょう。
半日陰で育てることもできますが、日差しが足りないと花つきが悪くなってしまいますので、花を楽しみたい方は日光をあててやりましょう。

アフリカ生まれのユリオプスデージーは、乾燥には強い反面、多湿の環境が苦手です。地植え、鉢植え問わず、水はけのよい土で育てるのがポイントです。
雪の降る寒冷地では越冬できないので、雪や霜が降りる地域では雪や霜を避けられる場所で、鉢植えで育てるのがおすすめです。

ユリオプスデージーの栽培環境

ユリオプスデージーじゃ耐寒性も耐暑性もあるのですが、霜が何回も当たったり、寒い風に当てていると枯れるので注意しましょう。

場所によっては、冬越しも可能です。関東の南部にかけては冬越しできるでしょう。

また、霜は降りることがあっても、マイナス5度以下にならない地域の海岸や平野などでは心配する必要はありません。

ユリオプスデージーは夏の暑さと湿気が苦手なので、風通しの良い場所を確保して管理します。降雨が継続しているときは、軒下に移動させて雨にかからないようにしてください。

ユリオプスデージーの水やり

夏の水やり

夏に、太陽の日差しがきつくてすぐに水が乾くからといって、水やりをやりすぎると腐ってしまうので、表土が乾いてから与えるようにしてください。

水やりの量は、鉢の底から流水するぐらいたっぷりとあげます。

冬の水やり

寒さが厳しい冬(12月〜2月)にかけては、気温が高い日を狙って午前中に少ない量を少しずつ与えます。冬の間でも、土が乾いてからたっぷりと水分を与えるようにしましょう。

ユリオプスデージーの肥料・追肥

ユリオプスデージーを鉢植えで育てる場合は、真冬と真夏を除き葉の色合いをみながら、液体肥料と化成肥料を施します。化成肥料は緩効性のものを使用し春〜秋の生育期間中に施肥します。

ユリオプスデージーを地植えで育てる場合は、肥料を施す必要はありません。肥料は植え付けるときから混ぜ込んでしまうと、ダメージを与えてしまう危険性があるので控えましょう。

葉の色が薄いときは液体肥料を用いるようにしてください。葉の色が濃いと、肥料を与えすぎている可能性があります。

肥えていると根腐れの原因になりますので様子を見ながら育てていきましょう。花つきが悪かったときは10日置きに液体肥料を与えてみてください。

ユリオプスデージーの土

ユリオプスデージーを育てるときは、水はけの良い土、もしくは有機質に富んでいる土を用います。

配合としては、赤玉土の中粒サイズと腐葉土とピートモスを5:3:2の割合にします。そこのリン酸の成分が多く含まれた緩効性化成肥料を加えるようにします。

市販の花と野菜の培養土でも可能です。または、ピートモスを無しにして、赤玉土6割と腐葉土を4割にしてみても構いません。

ユリオプスデージーの植え替え・植え付け・種まき

植え替え

ユリオプスデージーの植え替え時期は、3月〜5月か9月〜10月が最適です。根の成長が早いユリオプスデージーは、2年に1度は植え替えを行います。

鉢から取り出して根と土が固まっているときは、半分ほど崩してから植え替えるようにしてください。鉢は植えていた鉢よりも1サイズ大きい鉢を用意しましょう。

植え替えしないと根詰まりになり、生育に悪影響を及ぼします。

植え付け

ユリオプスデージーの植え付け時期は、9月〜10月の秋頃です。苗を購入したらすぐに植え付けましょう。冬が到来するまでに生長させると冬に負けない体になります。

ユリオプスデージーは根をよく伸ばす植物ですので、鉢植よりも地植えにしたほうが無理なく生長できます。

種まき

ユリオプスデージーは種まきからでも繁殖させることができます。しかし、種からの生長は難しいとされています。

ユリオプスデージーの剪定時期

ユリオプスデージーの剪定時期は、5月〜6月、9月下旬〜10月ごろが適しています。樹形が乱れていたら、株の半分ほど切り戻してやりましょう。

ユリオプスデージーは草花のようには見えますが、実際は樹木です。樹齢を重ねると幹が太くなり、ゴツゴツとして花が咲きずらくなる性質があるため挿し木で増やすのもおすすめです。

ユリオプスデージーを挿し木で増やす方法

ユリオプスデージーの増やし方には、「挿し木(挿し芽)」という方法があります。5月〜6月が適しています。

枝を分裂させるため新芽を摘み取ります。新芽の長さを5cm〜10cmの大きさに剪定し、きれいな水を容器に入れて1時間程度吸水させます。

容器はコップなどを使いましょう。赤玉土を湿らせて浸水していた新芽を挿します。

用土は、バーミキュライトや川砂でも構いません。日陰での管理に徹し乾かさないようにしましょう。

1ヶ月程度育てると根が出てきます。発根した芽は一つひとつ仮で鉢に植えます。

冬を越すためにも、温かい気温のところに移動させます。春先になったら鉢などの植え替えして育成していきましょう。

ユリオプスデージーの育て方で注意すべき病気・害虫

ユリオプスデージーには「アブラムシ」が発生することが多くあります。

アブラムシは年に季節を問わず出てくるので、観察しながら育てましょう。風通しの悪い場所で育てたり、肥料を多く与えすぎたことなどで、アブラムシは発生するので気を付けましょう。

ユリオプスデージーの管理温度

ユリオプスデージーは10度〜25度が生育適温です。

耐寒性は0度で強い方です。マイナス2度の気温を1日でも浴びせてしまうと、1か月経ったときの花の数が減少します。

ユリオプスデージーの花言葉

ユリオプスデージーの花言葉は「円満な関係」「夫婦円満」「清楚」「明るい愛」「無意識」「無邪気」です。

ユリオプスデージーの花を花壇や鉢植えで楽しもう!

黄色一色の花を咲かせるユリオプスデージーの育て方をご紹介しました。

冬から春にかけて休眠する植物が多い中、満開に咲くユリオプスデージーは、辺りに明るさをもたらしてくれそうですね。

ある程度の耐寒性を持っているので、初心者にも育てやすいです。

※トップ画像はPhoto by ハルヒツジさん@GreenSnap