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ラン

蘭(ラン)の育て方|植え替え時期や水やり方法は?花が終わったらどうする?

洋ラン 蘭 花

ランはラン科植物の総称で、2万5千種以上の野生種があり、その分布は非常に幅広く、南極以外の全ての大陸に存在します。主に日本~東アジア原産のランの一部(春蘭、風蘭、エビネ、セッコクなどを「東洋ラン」、それ以外を「洋ラン」といい、趣味の観賞用や贈答用の花として古くから愛されてきました。

種類にもよりますが、一般的な家庭環境であれば温室がなくても育てられるものも多いです。この記事では、基本的なランの育て方ポイントをご紹介します。

【蘭の育て方】水やり頻度、おすすめの肥料は?

洋ラン 蘭 花

置き場所

暖かくなったら屋外の明るく風通しの良い場所に置きましょう。与えられる水の量に対して光線が強すぎると葉焼けを起こしてしまうので、その場合は日除けをしてください。

冬はレースのカーテン越しの室内に置きましょう。寒い地方では、窓際に置いてしまうと寒さで傷んでしまうことがありますので、夜は窓から少し離すか、箱をかぶせるなどして下さい。

水やり

ランは多くの場合、春から秋にかけて新芽を伸ばす「生育期」と冬に葉の生育が止まり、花芽を出しやがて花を咲かせる「休眠期」があります。

ランの生育期である5〜10月頃には、植え込み材の表面が乾き始めたタイミングで水をたっぷり与えましょう。生育期に水が少ないと株の生育が悪くなり、良い花が咲かなくなってしまいます。

休眠期に当たる11〜4月には、良く乾いてから水を与えましょう。冬の水やりが多すぎると根腐れを起こしやすいので注意しましょう。

肥料・追肥

蘭 肥料

ランは厳しい環境を生き抜いてきたこともあり、ほかの草花と比較して、ごくわずかな肥料で見事な生育を見せます。

春の植え替えのときに緩効性肥料を与えるか、春に新芽をのぞかせてから夏の終わり頃にかけて、1〜2週間に一回ほど、1000倍ほどに希釈した液肥を与えましょう。

それ以降に肥料を与えてしまうと、植物内の肥料が余って花芽をつけなかったり、根を痛めてしまう原因になってしまうので、気をつけてください。生育期に肥料を与えるので、花が終わったあとのお礼肥えという感覚とは違うためご注意ください。

【蘭の植え替え】時期や土の作り方は?

※蘭は原則として土を使用せずに育てますが、本記事ではわかりやすく植え込み材料のことを「土」と表現します。

蘭の植え替え時期

ランの植え替え時期は、生育期にあたる4〜6月です。何年に一度という感覚ではなく、新しく出てくる芽がはみ出そうになったらもしくは、土(植え込み材料)が傷んだら植え替えるようにしましょう。

もし花が咲いていたら、花が終わってから植え替えをしましょう。

蘭の土の作り方

ランを植え替えるときに使う土(植え込み材料)は、市販の洋ラン用培養土(ミックスコンポスト)か、水苔もしくはバークを使います。東洋ラン専用の培養土もあるので、ランの種類に合わせて探してみましょう。

比較的高価ではありますが、洋ラン用培養土は排水性・保水性のバランスがよく、根が細い種類のランや初心者に向いています。胡蝶蘭などの根が太い着生ランは水苔もおすすめです。

蘭の植え替えの仕方

ここからはパフィオペディラムを例に、洋ラン培養土(ミックスコンポスト)への植え替えを写真付きでご紹介します。

  1. 植え替えで用意するもの

    蘭 ラン 植え替え 用意するもの

    ランの植え替えには、下記のものを用意しましょう。

    • 一回り大きい鉢(※上の写真では素焼き鉢を使用していますが、ミックスコンポストを使う場合は原則素焼き鉢は使用しません)
    • 洋ラン用培養土
    • 鉢底石、鉢底ネット
    • 清潔なハサミ
    • ピンセット
    • 移植ゴテ
    • 緩効性肥料
    • 消毒用ライター(もしくは消毒液)
  2. ポットや元の鉢から取り出す

    蘭 植え替え ポットから抜く

    まずはランをポットから取り出します。種類によっては、根の成長が遅く折れやすいものもあるので、根鉢を揉むのではなく、そっと外すかハサミでポットを切って取り出します。

  3. もともとの植え込み材を落とす

    蘭 植え替え 古い植え込み材を落とす

    ポットが抜けたら、苗を揺すって軽く植え込み材を落とします。隙間が少しできたら根を傷つけないようにしながら指をいれるなどして、できるだけ古い植え込み材を落としましょう。

  4. 枯れた根を剪定する

    蘭 植え替え 枯れた根を剪定する

    古い植え込み材がある程度とれたら、根のスカスカになっているもの等や傷んで黒ずんでいる部分を、消毒したハサミで切りましょう。ハサミの消毒はライターやバーナーで焼いて消毒するか、リン酸三ナトリウム飽和溶液に15分程度付けておくかします。

  5. 新しい鉢に植え込み材をいれる

    蘭 植え替え 新しい鉢に土をいれる

    新しい鉢に鉢底ネットを敷いて、鉢底石をしきつめ、あらかじめ鉢の3分の1程度まで、新しい洋ラン用培養土などの植え込み材をいれます。

  6. 鉢に苗を据える

    蘭 植え替え 新しい鉢に苗を据える

    鉢を苗の真ん中にすえて、一番上の根の生え際は、鉢のふちから2〜3cm下の位置になるよう、あらかじめ入れる植え込み材の量を調整します。

    あまり押し付けると根が折れるので、そっと置いてちょうどいい位置にしましょう。

  7. 根の隙間に植え込み材をいれる

    蘭 植え替え 隙間に植え込み材をいれる

    根の隙間に入り込むように、少しずつ植え込み材をいれていきます。数回にわけて土を足して、その都度、鉢を揺らしながら根の隙間に土を落としていきます。

    根が多く根の間に植え込み在が入っていきにくい場合は棒などを使って根の隙間に植え込み材を積めるようにします。

  8. 鉢の周りを植える

    蘭 植え替え 隙間に鉢周りに植え込み材をいれる

    根の隙間にしっかり土が入ったら、鉢の周りもしっかりと植えていきます。植え替え後は緩効性肥料を鉢のふち側に置き肥しておくといいです。水やりも鉢底から流れ出るまでたっぷり行いましょう。

    蘭 植え替え バークで化粧

    今回は化粧土の代わりに洋ラン用バークを表面にしいて、より見栄えがよくなるように仕上げました。

こちらの記事では胡蝶蘭を例に、水苔やバークに植え替える方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

蘭の花が終わったらどうする?

ランは花茎の下から順に花が咲き、早く咲いた花から枯れていきます。咲き終わった花を放置すると病気に感染するリスクが上がるので、枯れた花から順次折り取っていきましょう。

また、花茎が黄色くなってきたら、まだ咲いている花がついていても、花茎ごと根本から5cmほどのところで切り取ります。黄色い茎を放っておくと、そこから腐って株全体が弱るので気をつけましょう。

【蘭の増やし方】株分けの時期はいつ?

ランの増やし方は「株分け」が一般的です。

株分けは春の植え替えと一緒に作業しましょう。鉢から株を引き抜き、植え込み材料を取り除き、バルブ(茎)を3〜4本ほどつくような分け目を探し、手で優しく分けましょう。あとは植え替えで紹介した方法と同じように、新しい植え込み材とともに植え付けてください。

なお、バルブが少ない場合は無理に株分けすると、両方とも枯れることがあるので、充実した茎が増えるまで控えてください。

【蘭に発生しやすい病気と害虫】

蘭 鉢植え

ランが注意すべき病害虫は、ほかの植物とくらべて少ないとされています。ただし、下記のような病害虫が発生することもあるので、より良い状態で花を保つためにも、病気や害虫を早期発見できるように、日頃のお手入れを心がけてください。

かかりやすい病気

ウイルス病 感染すると、葉や花弁に黒い斑点や色抜けなどが起こり、正常に生育しなくなります。ハダニなどの吸汁害虫の媒介や、ハサミについた汁液により感染し、一度かかると他の株にも感染が及ぶ危険性があります。そのため器具などの消毒作業を忘れないようにしましょう。
難腐病 細菌性の病気で、あたたかくなってきた春頃、新芽や葉、株が黒ずんで腐敗してしまう病気です。水がたまっている箇所に発生しやすいため、鉢を吊るしたり、植え込み材が乾いてから水やりをするなど、水気が溜まらないようにします。

つきやすい虫

ハダニ 体長は0.5mm程度と小さいものの、梅雨から夏にかけて繁殖し、葉の汁を吸うなど生育を妨害します。成虫だけ駆除しても、卵さえ残っていれば繰り返し繁殖するので、殺ダニ剤と残留薬剤を用いてどちらも駆除するのがおすすめです。
ナメクジ ナメクジは花弁や葉、出できたばかりの新芽などを食べてしまいます。見つけたら早いうちに殺虫剤で駆除しましょう。
アザミウマ アザミウマは蕾の中に入り込み、花弁の汁を吸います。繁殖力が強く、被害も広範囲にわたってしまうので、見つけたら早いうちに殺虫剤で駆除しましょう。
カイガラムシ カイガラムシはバルブや葉、花茎などあらゆる所で増殖し、汁を吸い株を弱らせます。バルブの薄皮の下や葉の裏などわかりにくいところにつき始め、気がついたときにはカイガラムシの巣になってしまっている事もよくあります。花弁や葉、見つけたら早いうちに殺虫剤で駆除しましょう。

ナメクジ以外は植え替えの時にオルトランDXを播いておくとある程度の予防になります。

蘭の育て方を覚えて、花を長く楽しもう!

洋ラン 蘭 花

ランは初心者から上級者まで、誰でも育てがいを感じることができる植物です。難易度も種類によって千差万別ですが、ていねいに育てれば色鮮やかなお花があなたを迎えてくれることでしょう。

ランは一部の種を除き、基本的に一年中屋外栽培をすることは難しいということを認識しておきましょう。比較的寒さに強い品種は、屋内に取り込むだけで冬越しができますが、寒さに弱い品種は、寒さが厳しい冬の場合は暖かい室内で育てたり、夜間は箱をかぶせたりするなどの工夫が必要です。

品種によって耐寒性は異なりますので、購入される際に確認することをおすすめします。

シンビジュームの育て方|植え替えや株分けの時期は?花が終わったら?

シンビジウム(シンビジューム)は、東南アジアを中心に生息する多年草植物で、胡蝶蘭よりも落ち着いた雰囲気で耐寒性もあります。寒さに強いため、無加温でも育てることができます。また、花持ちも非常に良く、切り花にしても1ヶ月以上咲き続けるため、切り花にして部屋に飾ることで空間もより一層華やぎます。今回は、そんなシンビジウムの育て方や植え替え、株分けの方法などについて詳しくご紹介していきます。

シンビジウム(シンビジューム)の育て方ポイント

シンビジウムを育てるときは、「肥料」と「水やり」が大切になります。

美しい花が醍醐味のシンビジウムですので、たくさん花を咲かせるためにも、肥料の量や与える時期を見極め、日々の水やりも季節によって調整してあげると良いでしょう。また、定期的に「芽かき」を行うことも大切です。

シンビジウム(シンビジューム)の置き場所

シンビジウムは日光を好みます。そのため、屋外の日当たりの良い場所で育てましょう。

ただし、長時間直射日光に当たると葉焼けを起こす原因となるため、真夏は風通しの良い場所で、適度に遮光して管理しましょう。

花が満開に咲いた状態であれば、日陰で管理しても大丈夫です。

シンビジウム(シンビジューム)の土

シンビジウムを育てるのに適した用土は、ホームセンターなどで販売されているラン用の用土です。

自作する場合は「石軽8:バークチップ2」または「日向土6:パーライト4」の割合土がおすすめです。バランスの良い用土を使用することで、シンビジウムもより良く育ちます。

シンビジウム(シンビジューム)の植え付け

シンビジウムの植え付け時期は、4〜5月頃が適期です。この頃にまだ咲いている花は切り取って切り花として楽しみましょう。

植え付け方法は、以下の通りです。

  1. 苗の大きさにあった5~8号の鉢を用意します。
  2. 鉢底に大きめの鉢底石を入れ、その上にシンビジウムに適した用土を入れます。
  3. 深く植えすぎないよう、苗の高さを調節します。
  4. 植えたら、周辺に新しい用土を入れます(隙間ができないように、棒などでつつくと◎)。
  5. 植え付けたら、鉢の下から水が出てくるまで水やりします。

なお、シンビジウムは根を縦に伸ばすため、縦長鉢を使用することをおすすめします。

シンビジウム(シンビジューム)の水やり

基本的に水は好きなので、ほかの蘭よりも水やりの頻度は高いですが、時期によってその頻度は変わります。

  • 春~秋の時期:1日に1~2回程度
  • 秋~冬:週に2回程度(土の表面が乾いているとき)
  • つぼみがつき膨らんできた頃:2~3日に1回程度

上記の水やりの頻度はあくまで目安ですが、水の与えすぎは根腐れの原因にもなるので気をつけてください。

シンビジウム(シンビジューム)の肥料

シンビジウムは比較的肥料を好む植物ですが、花が咲く冬の時期には肥料を与えずに育てることで花芽が多くつきます。

4~8月頃に有機肥料の置き肥をして、新芽が出る5月頃から1~2週間に1回を目安に液体肥料を与えましょう。

シンビジウム(シンビジューム)の植え替え

シンビジウムは2~3年に1度の頻度で、植え替えをしてあげましょう。植え替え時期は、4~5月頃が適期です。

一回り大きい鉢に、ラン用の用土を入れて植え付けます。植え替えをしてから約1週間~10日後に水やりや肥料を与えましょう。大きすぎる鉢に植え替えると花つきが悪くなるため、鉢の大きさには十分気をつけるようにしましょう。

シンビジウム(シンビジューム)の増やし方(株分け)

シンビジウムは、バルブや新芽の数が増えてきた頃に「株分け」で増やします。株分けの最適な時期は植え替えと同じく4~5月頃で、バルブが3つ以上を目安に一株にしましょう。

剪定ハサミや包丁などを使用して切り分けていきますが、このときバルブを傷つけないように注意しながら作業しましょう。株分けした後は、5~8号鉢に植え付けていきます。

シンビジウム(シンビジューム)の育て方で注意する害虫・病気

シンビジウムは、黒斑病というウイルス病や灰色かび病などの病気にかかりやすいです。特に、ウイルス病にかかってしまうと薬がないことから、感染が分かった時点で処分しなくてはなりません。

灰色かび病は枯れた花や葉などを放置しておくことが原因なため、日頃から花がらなどをこまめに取り除くようにしましょう。

また、シンビジウムには、アブラムシやカイガラムシ、そしてナメクジなども発生します。アブラムシはつぼみが大きくなってきた時期、カイガラムシは株が込むことでシンビジウムの葉裏に発生します。ナメクジがいることで新芽や花など柔らかい部分が食べられてしまうため、忌避剤を撒いて予防しましょう。

シンビジウム(シンビジューム)の手入れ:芽かき

花数が多いシンビジウムですが、全ての花を咲かせようとすると、株が弱り花芽をつくる力も弱くなってしまいます。そのため、4~5月頃と10~11月頃に新芽を除去する、芽かきを行います。

バルブと呼ばれる葉の付け根の膨らんだ部分に、新芽が1つだけ残るようにしていきます。特に、開花前の10月~11月頃は花芽を取り除かないよう気をつけながら作業しましょう。芽かきをすることで、冬の時期にきれいな花を咲かせてくれます。

シンビジウム(シンビジューム)の花が終わったら?

シンビジウムの開花時期は2~5月頃ですシンビジウムの花が咲き終わったら、剪定ハサミを使用して、花径を切りましょう。

花を長期間付けておくことで予想以上に負担がかかるため、開花して約1か月後には付け根から花径を切ります。

ただし、このときバルブは剪定せず、残しておくようにしてください。

なお、使用する剪定ハサミは、衛生面を考慮して加熱消毒をした清潔なものを使用しましょう。

シンビジウム(シンビジューム)の花が咲かない原因

シンビジウムの花が咲かないときは、「日光が不足している」「根詰まりしている」ほか、「芽かきが不足している」「バルブが十分に成長していない」といった原因が考えられます。

洋ランのバルブ(株元の膨らんだ茎のこと)は、水分や養分を蓄える機能を果たしています。適切な時期に、適切な量の肥料を与えることで、この株が大きく成長し、その結果花つきもよくなります。

シンビジウム(シンビジューム)の育て方はコツを掴めばかんたん!

ランの仲間であるシンビジウムは淡い花色が特徴で、胡蝶蘭などとは雰囲気も変わります。胡蝶蘭よりは控えめな印象ですが、数多くの花が咲くので豪華な印象があります。

日当たりや風通しが良い場所で育てるなどすれば、耐寒性に優れているため、気温が約2~3度でも枯れることはなく、園芸初心者の方でも育てることができる花です。

室内にシンビジウムの花を飾れば、寒い冬の時期でも一気に華やかな雰囲気になります。花の咲き方などもさまざまなので、ぜひともご自身が好きなシンビジウムを見つけて、ご自宅で育ててみてはいかがでしょうか。

カトレアの育て方|花が終わったらどうする?植え替え時期はいつ?

カトレアは中南米原産のランの一種で、「洋ランの女王」と呼ばれることもあるほど、そのたたずまいは華やかです。ここでは、そんなカトレアの育て方を中心に、植え替えの方法なども詳しくご紹介していきます。

カトレアを育てるのに適した環境

カトレアは寒さに弱く暑さには強い植物です。寒さに弱いため1年を通して日光が当たる場所を選んで植えましょう。とはいえ日光が当たりすぎるのもよくありません。

そのため、初夏から秋かけてはカトレアに日光が当たりすぎないように日陰をつくり、遮光してあげるなど調整が必要です。秋になり次の夏がくるまではできるだけ日光に当ててあげましょう。

カトレアの育て方!土は使わないのが常識?

植え込み材料はなにを使う?

カトレアを鉢植えするときには、植え付けの材料として土を使うのではなく、水苔やバーク(ミックスコンポスト)を使います。

カトレアを育てるときは、普段よく用いる園芸用の土は使いません。鉢は水苔を使うときは素焼き鉢を、バーク(ミックスコンポスト)を使う場合はプラスチック鉢を使うのが一般的です。初めてカトレアを育てる場合は、カトレアの株を購入するときにお店で植え付けの材料についても相談してみるといいでしょう。

鉢の選び方

カトレアを鉢植えで育てようとするときは、鉢の選び方が重要なポイントです。あまり大きすぎる鉢は、植え込み材料が水分を多く保持してしまい乾きにくく、根の張りが悪くなることもあるので、小さめの鉢がおすすめです。

植え付け方法

植え付けの手順は、カトレアの根を傷つけないように鉢のふちからナイフなどを入れ、植え付け材ごとカトレアの株を鉢から外します。次に根についている水苔などの植え付け材を、根を傷つけないようにていねいに取り除きます。

そして、古い植え付け材を取り除いたら、新しい植え込み材料で植え込みます。

新しい鉢に入れるときは新芽のほうにスペースをつくってあげましょう。植え替えのあとの水やりは、植え込み材料がしっかり乾いてからで大丈夫です。

水やり頻度はどれくらい?

カトレアの水やりは季節ごとに異なります。春から秋にかけては、こまめに水やりをしましょう。カトレアは夏に生長するため夏は特に多めに水を与えます。

一方で冬になるとそれほど水やりは必要ありません。気温が低い場所でカトレアを育てている場合は、冬のあいだ水やりは控えめに。ただし冬でも気温が比較的高い場所で育てている場合は、鉢の表面が乾いたら水を与えるようにします。

肥料はどれくらいの頻度で必要?

カトレアに肥料を与えるのは、生育期のみです。新芽が出だしたのを確認したあと、固形の肥料を春に1回から2回程度与えます。液体の肥料を使い場合は5月から7月まで、1週間から10日に1回ほど与えましょう。

カトレアに植え替えは必要?適した時期はいつ?

植え替えの目的

カトレアを鉢植えする場合、2~3年に1回程度の植え替えが必要で、その理由は大きく2点あります。

一つはカトレアが生長したために、鉢のなかでさらに生長していくスペースがなくなったこと。花付きの株を購入した場合などは、新芽が出たときに鉢のふちに触れているかどうかで植え替えの時期を見極められます。新芽が鉢のふちに触れていたら、植え替えの準備をするサインです。

二つ目の理由は、植え付けに使った水苔やバークなどが2年から3年で腐敗してしまうことです。植え付け材が腐ってくると接しているカトレアの根も腐ってしまいます。根腐れを起こす前に、受け替えてあげる必要があります。

植え替え時期

植え替えのタイミングは一般的には4〜6月初旬ですが、初夏咲き種は9月頃が適期です。植え替えの時期を逃してしまうと、生育が遅れ、翌年の花がつかない原因になってしまいますので、忘れずに行いましょう。

植え替えに必要なものは、新しい植え付け材としての水苔やバークなどのほかに、これまでカトレアを植えていた鉢よりもひとまわり大きい鉢です。カトレアが生長し根を伸0ばすスペースがなくなったことによる植え替えなので、植え替えのときはこれまでよりもサイズが大きい鉢が必要になります。ただし、株分けや根腐れによる植え替えの場合はこれまでよりも小さなサイズに植え替える場合もあります。

植え替えの仕方については、植え付けと同じです。

カトレアの花が終わったらどうする?

カトレアの花が終わったら、少々お手入れが必要になります。花が終わったあと、枯れて落ちたらカトレアが病気になるのを予防するために、セパルが透き通って茶色に変化してきたタイミングで、花茎を切り落とします。切り落とすときに使うはさみはあらかじめ火で焼いて消毒しておきましょう。

カトレアの増やし方「株分け」の仕方や適した時期は?

カトレアは「株分け」で増やしていきます。株分けに適しているのは一般的には4月から6月初旬ですが、初夏咲き種は9月頃が適期です。

用意するものは、ピンセット、剪定ばさみ、ナイフなどです。いずれも株分け作業の前に消毒しておきます。株分けしたい株を鉢から抜き、植え込み材料を取り除きます。この際に、根を傷つけないように注意が必要です。株の根を傷つけないように適宜ピンセットなども使用していきます。

株を切り分けたら、植え替えと同じように新しい植え込み材料で植え込みます。新しい鉢に入れるときは新芽のほうにスペースをつくってあげましょう。植え替えのあとの水やりは、植え込み材料がしっかり乾いてからで大丈夫です。

カトレアの育て方で注意すべき害虫・病気

カトレアは非常に病気に弱い植物のひとつです。一度ウイルスに感染したカトレアは枯れてしまい、薬剤などで手当てすることは不可能です。

アブラムシやカイガラムシ、スリップス(アザミウマ)などがウイルスを運んでくることがあるので、虫がつかないようにじゅうぶんに注意しましょう。春から夏にかけては、葉に白い斑点が出るうどんこ病などに注意します。カトレアを手入れしたり植え替えしたりするときは、剪定ばさみなどの道具は必ず消毒してから使うのが病気を予防するポイントです。

カトレアを植え替えながら花を長く楽しもう!

カトレアはその花言葉が表すように、美しく咲き誇る花です。手に入れたいけれど手が届かない女性のように、手入れも細かく、ていねいな扱いが求められます。しかし手をかければかけるだけ、美しく咲いてくれるでしょう。生活に華やかさを添えてくれるカトレアを、ぜひ育ててみませんか?

蘭の種類一覧|代表的な洋ランと東洋ランの名前や画像、見分け方など

お祝い事の花としてよく知られている蘭の花は種類がとても多く、地球上のあらゆる地域に分布している植物です。蘭の種類は「洋ラン」「東洋ラン」というように原産地で分類されたり、「着生蘭」「地生蘭」というような生育環境で分類されます。

今回は蘭の種類について紹介していきます。

蘭の種類・品種はどれくらいある?

蘭の種類は非常に多く、野生種だけでも2万5千種以上あり、主な原産地としては熱帯アメリカ、熱帯アジア、熱帯アフリカなどがあげられます。また、園芸用に品種改良されたものは毎年新品種が登録されており、それを加えると非常に多くの種類が存在しています。
温暖な気候を好む種類も多いですが、地球上では南極大陸をのぞき、アラスカ大陸や北極圏など極寒地域にも分布しています。非常に広範囲で分布しているラン類の植物は、地球上に生息する植物の1割を占めていることになります。
このように非常に多くの種類が存在する蘭ですが、蘭の種類は、生育している場所(着生蘭と地生蘭)や原産地(洋蘭と東洋蘭)などで分類することができます。

蘭の種類の分け方① 着生蘭と地生蘭

蘭を「生育している場所」で分けると、「着生蘭(ちゃくせいらん)」と「地生蘭(ちせいらん)」というように分けられます。

着生蘭と地生蘭では、どちらも生質や形態が大きく異なり、おのずと栽培形態も異なります。蘭を育てる上では手元にある蘭植物が「着生」「地生」どちらなのかを知ることも重要です。

着生蘭とは?

まず「着生蘭」というのは、ラン科の植物の中でも木や根に寄生するように根を張り、そこで成長していく種類のことをいいます。この着生蘭と呼ばれる種類には、コチョウランのほか、カトレアやオンシジウム、バンダ、デンドロビウムなどが含まれます。

主に熱帯、亜熱帯に分布しており、その多くが樹上に生息しています。樹上というのは水分や栄養を確保しづらい環境ですが、それにもうまく対応できるように、その分葉や茎が進化していきました。

根からも空気中の水分を取り込みますが、それだけでは必要な水分量を確保できないので、葉や茎が肥厚し水分や養分を蓄えられるようになっています。これを「バルブ(偽球茎)」と呼びます。

樹木の枝や幹に根を這わせ、株の基部から茎を伸ばして葉をつけたあと、その茎が丸みを帯びて肥厚し、水分や養分を蓄える器官になるのです。

また、そのほかにも「CAM植物」と呼ばれる特徴があります。これは、通常植物が行う光合成とはまったく逆の作用で、日中は気孔を閉じて水分の蒸発を防ぎ、夜になると二酸化炭素を取り込む光合成を行うことです。

地生蘭とは?

もう一つは「地生蘭」です。これは地中や岩などに直接根を張って成長していく種類を指します。

この種類にはシンビジウムやパフィオペディラムなどが含まれます。また熱帯や亜熱帯をはじめとする温帯まで広く分布しています。生育特徴としては、雨期に根や茎を肥大させて水分や栄養を蓄えたあと、乾期になると休眠するものが多くみられます。

中にはツチアケビのように葉緑素をもたず、共生している菌から栄養をもらうものもあり、このような生体のものを腐生ランと呼びます。腐生ランと呼ばれるものの中には花も地中で咲かせ、植物としての一生を土の中で過ごす「リザンテラ・ガードネリ」のようなユニークなものもあります。

蘭の種類の分け方② 洋蘭と東洋蘭

蘭を原産地(生息地)で分類する場合は、以下のような2種類に分けられます。

ラン科の植物のうち、日本~中国を原産とする種類の一部を「東洋ラン 」と呼び、それ以外を「洋ラン」と呼びます。

次に、洋蘭・東洋蘭に分けて、それぞれの代表種の名前や特徴をご紹介します。

東洋蘭の種類

東洋蘭は名前のごとく、これまで古くから培われた東洋人の美意識や生活になじみ深い趣が感じられるものが多いようです。
東洋蘭には花だけでなく葉芸、鉢も含んだ全体像が観賞対象とされる物もあります。中には、「根」を観賞するフウキランのような種類もあります。セッコクの芸物を長生蘭、風蘭の芸物を富貴蘭といいます。
そのほか、東洋蘭に含まれる「カンラン」は寒さに比較的強く、一般家庭でも比較的栽培しやすい種類です。

シュンラン

日本を代表するランの種類で、北海道から九州まで広く分布しています。

里山や雑木林などに自生しており、漢字では「春蘭」と書きます。

古くから季節の花や祝い事の花として親しまれています。

カンラン

「寒蘭」は、単子葉植物ラン科シュンラン属の1種で、南部以南の森林内に自生しています。

寒い冬の時期に咲くことから、「寒蘭」という漢字があてはめられています。

花柄は4cmと日本産のランとしては大柄な種類です。

フウラン

日本原産のランで着生植物の一種で、うどんのような白く太い気根を長く伸ばして、樹木や岩の上に着生します。葉は硬く、5cm~10cm程度の長さ、花は6月~7月頃に1cm~1.5cm程度の小柄で香りのよい花を咲かせます。花色は白やピンク、グリーンをはじめ淡い色合いもあり、園芸種としても人気を集めています。

このほか、エビネやセッコクなども東洋ランの代表種として知られています。

洋蘭の種類

洋蘭の種類は東洋蘭に比べて花色があでやかなものが多く、花を中心に鑑賞されるものが多いです。

中でも胡蝶蘭(ファレノプシス)は、開店祝いなど贈答用としてよく用いられる定番の蘭の花としてよく知られています。栽培時には、最低温度が15度以上になるような環境を作り、温室で丁寧に手間をかけて育てられています。

ファレノプシス(胡蝶蘭)

贈り物の花としてよく知られている花です。蝶が舞うような花を咲かせることからこの名がつきました。東南アジア原産の着生ランで、暖かい栽培環境を好みます。

シンビジウム

年末の贈り物としても良く使われる蘭で、主に地生のランです。花の大きさはさまざまで、10cm以上の大型種から3cm程度の小型種まであります。

オンシジウム

ラン科の植物の中では、小ぶりで甘い香りをもつ種類が多く存在する植物です。中南米を中心に約400種が存在します。

耐寒性が比較的高く、環境適応能力が高いので、一般的なガーデニング品種としても栽培しやすくなっています。

デンドロビウム

棒状の茎を伸ばして葉をつけ、葉を落とした茎から順に花を咲かせていきます。原種は約1000種ともいわれ、色や形、特徴などがそれぞれ違うことから、鉢植えで愛好される方も多いようです。デンドロビウムの1種であるデンファレは胡蝶蘭に似た花を咲かせることでも知られています。

カトレア

大ぶりでゴージャスな花を咲かせることから、「ランの女王」とも呼ばれているカトレアは、荘厳で美しく鉢植えや切り花などどのような形式であっても華やかさが感じられる花です。四方に開いた花びらが四方に開き、その中心は筒状になっています。

バンダ

東南アジア原産でヒスイラン属に属するランです。濃紫色の花がよく知られていますが、最近は濃ピンクや黄色、白などの花色もあります。花の寿命が長いのが特徴で、花びらに独特の網目模様が入ります。洋ランの中では珍しく神秘的な青系の色と大輪花を咲かせる種類です。

パフィオペディラム

カトレア・シンビジウム・デンドロビウムと並ぶ世界4大洋ランの一つです。袋状の唇弁が特徴的な花です。洋ランの中では比較的寒さに強い方です。花の形からよく食虫植物に間違われることがありますが、自ら虫を捕食するようなことはありません。

たくさんの種類の蘭の名前を覚えよう

種類が多く、種類ごとに色や見た目など生体の特徴はさまざまです。

贈答品としての胡蝶蘭以外にも種類ごとに観賞ポイントを知り、それぞれの美しさや生体に目を向けたいものです。

胡蝶蘭の育て方|水やり頻度や初心者必見のポイントとは?

胡蝶蘭

開店祝いや移転祝いなど、ギフトとしてお祝いごとに贈られる胡蝶蘭。もらったはいいものの、どこに置けばいいか、どんな手入れをすればいいか困ることもありますよね。

そこでこの記事では、初心者にもわかるように胡蝶蘭の育て方を詳しく見ていきます。水やり頻度、置き場所、お手入れの方法についてご紹介しているのでぜひ参考にしてください。

初心者必見!もらった胡蝶蘭の育て方ポイント

胡蝶蘭

お祝いでもらった胡蝶蘭のラッピングをそのままにしておくと、蒸れや傷みの原因となります。花を長持ちさせるためにも、もらった胡蝶蘭はできるだけ早くラッピングを外しましょう

花が終わったあとは、化粧鉢に寄せ植えしたままではなく、一つずつ分けて栽培した方が管理がしやすいです。

また、胡蝶蘭の育て方のポイントは、「水やり頻度」と、「生育気温・湿度」です。

これらさえ抑えておけば、初心者の方でも、お祝いごとなどでもらった胡蝶蘭の花を1〜3ヶ月ほど楽しむことができます。また、一度花が終わった胡蝶蘭を2度咲きさせることもむずかしくありませんよ。

胡蝶蘭の置き場所

胡蝶蘭 正しい置き場所

胡蝶蘭は基本的に「直射日光の当たらない明るい場所(気温18〜25℃)」かつ「風通しの良い場所」に置いて育てます。

夏はレースカーテン越しの窓際に置いて、窓を開けるかエアコンで温度を下げましょう。夏以外の時期は午前中にのみ日光が当たるような半日陰の窓際に置くといいでしょう。

また、胡蝶蘭は多湿も好むため、エアコンの風が直接当たるような場所は避けてください。

胡蝶蘭はどれくらいの湿度を好むの?

胡蝶蘭はもともとアジアの熱帯地域のジャングルに自生する着生ランの一種であるため、高温多湿の環境を好みます。

本来は「湿度60〜80%」ほどの環境が適していますが、水やり頻度で調整できるので、おうちで育てる場合はそこまで神経質になる必要はありません。

胡蝶蘭は屋外に置いて育てることもできるの?

気温18〜25℃の環境を維持できる5〜9月頃に限っては、胡蝶蘭を屋外に置いておくこともできます。ただし、その場合は直射日光が長時間当たらないよう、遮光ネットなどを活用してください。

胡蝶蘭の水やり頻度

胡蝶蘭 ポット

胡蝶蘭を元気に長く育てるには「水やり」が最も大切な作業になります。花を長持ちさせるためにも、以下3つの水やりポイントをを押さえておきましょう。

  • 水苔が乾いてから水やりをする
  • 水やりのあとは、しっかり水を切る

水やりの仕方

多くのプレゼント用の胡蝶蘭は、一つの贈答鉢の中に、水苔で根をつつんだ透明ポットが3〜5株セットになって入っています。

すべての株に水が届くようにするためにも、贈答鉢全体に水やりをするのではなく、内側に入った透明ポット一つひとつの水苔に、まんべんなくたっぷりと水をあげます。

また冬は、濡れた状態で夜になると植え込み材が冷えて株に負担がかかるため、午前中に水やりをしてあげるといいでしょう。

なお、水やりのあとに受け皿にたまった水は必ず捨ててください。

大きさ 水の量(目安)
3号(6cm) 100〜150㎖
3.5〜4号(10〜12cm) 200㎖

※水苔ではなく、バークチップで包まれている場合もあります。

ぬるま湯は必要ですか?

ぬるま湯を与える必要はありません。冬の水やりは、水温は重要ではなく、夜に冷え込むまでに湿っている状態になっていること(濡れているのではなく湿っている程度)の方が重要ですので、午前中に終わらせるようにしましょう。

水やり頻度

胡蝶蘭 水やりカレンダー 水やり頻度
胡蝶蘭へ水やりするタイミングは、基本的には「水苔の表面が乾いてから」です。水苔が湿っているうちは、水やりをする必要はありません。

また、季節や株の状態によっても水やり頻度を変えてあげるといいでしょう。冬については胡蝶蘭の休眠期に当たるため、「水苔全体が乾いてから」でも問題ありません。

季節 頻度目安 水やりの時間帯
1〜2週間に1回 日中
3日〜1週間に1回 夕方
1〜2週間に1回 午前中
2週間〜1ヶ月に1回 午前中

冬は室内を暖かくしています。その場合も、水やり頻度は少なめにしますか?

暖房などによって、冬でも室温15℃以上を常に保てる場合は、水やり頻度を無理に減らさなくても大丈夫です。春や秋と同じく、1〜2週間に1回程度を目安に水やりしましょう。

また、室内が乾燥している場合は、週1程度の間隔で葉に霧吹きをしておくと乾燥を防ぐことができますよ。

胡蝶蘭の肥料

胡蝶蘭 肥料カレンダー

初心者の方は、市販の洋ラン専用の液体肥料を使うのがおすすめですが、花用なら何でも問題ありません。活力剤のようなアンプルタイプではない、液体肥料を使うのがおすすめです。

4月下旬〜10月上旬頃かつ花がついていない間にのみ、10日に1回ほどの頻度で、液肥を規定量よりも薄めに希釈して与えます。

胡蝶蘭の花が終わったあとの手入れ方法

胡蝶蘭 植え替え

胡蝶蘭は一度花が終わっても、きちんと管理を続ければ、数十年もの間くり返し花を咲かせることができます。

花茎の剪定

そのためには、花が半分以上咲き終わりはじめたら、花がついていた茎の2〜3節ほどを残して切り落とします。詳しい方法については、こちらの記事を参考にしてください。


その後3〜4か月ほどかけて新しく花茎が伸びてきて、花を咲かせます。しっかりと株を育てたい場合は株元から花茎を切りましょう。

植え替え

また、水苔などの植え込み材が傷んできた場合、株が弱っている場合は、植え替えもしてあげるといいでしょう。

植え替えには「水苔」を使う方法と「バークチップ」を使う方法の2パターンがあります。それぞれの詳しい方法については、こちらの記事を参考にしてください。

胡蝶蘭は着生ランなので、流木やコルクに植え替えて着生させれば、吊るして飾ることもできます。いろんな楽しみ方ができるのも魅力のひとつなので、花が終わったからといって捨てずに、お手入れをして長く楽しんでくださいね。

胡蝶蘭の育て方でよくある病害虫トラブル

花がすぐ枯れてしまいました。原因と予防策は?

胡蝶蘭の花が早く枯れてしまうのは、ほとんどが水やりのしすぎによる「根腐れ」、もしくは乾燥しすぎによる「シケ」が原因です。

ポットの上にのせてある飾りの水苔ではなく、その下の株元にある水苔が乾燥したかを確認しながら水やりをすることで予防につながります。

葉っぱが黄色く変色した!原因と予防策は?

茎の下の方にある古い葉っぱが黄色くなっている場合は、病気ではなく寿命です。

茎の上の方についている新しい葉っぱが変色している場合は、「立ち枯れ病」の可能性があります。風通しの良い場所で育ててあげることで予防できます。

葉っぱに茶色い斑点ができた!原因と予防策は?

茶色い斑点が徐々に腐ってきている場合は、「軟腐病」の可能性があります。

これに感染すると栄養分の通り道が塞がれ、全体が枯れてしまいます。こちらも風通しの良い場所で育ててあげることで予防できます。変色した葉や病気になった箇所は、その都度切り落としておきましょう。

胡蝶蘭の増やし方

胡蝶蘭 株分けカレンダー

胡蝶蘭の増やし方は、「株分け」が一般的です。難易度はやや高めですが、ポイントさえ押さえておけば、むずかしすぎることはありません。

株分けに適した時期は、4〜6月頃です(ただし、室温を常に20℃以上に保てる場合は通年可)。

胡蝶蘭を株分けするには、「①高芽を分ける方法」と「②子株を分ける方法」の2つのパターンがあります。高芽の株分けについては、根が数本出て植えられる長さになってからおこないます。

次にそれぞれの手順について説明します。

①高芽の株分け

  1. 高芽を切り取る

    親株から約4cmほどを残して、高芽を切り取ります。

  2. 水苔で巻く

    水苔で覆うカットした高芽を水苔で巻きます(巻く量は植えこむ鉢の直径より少し多め)。

  3. 鉢に植える

    親指の腹で押し込むと簡単にできます。

②子株の株分け

  1. 株を抜き取る

    子株の葉っぱが2〜3枚になったら、親株ごと鉢から抜き取ります。

  2. 苔を取り除く

    株についている苔を取り除きます。

  3. 傷んでいる根を取り除く

    傷んでいる根や子株を、ていねいに根本から切り落とします。

  4. 水苔で巻く

    なるべく根を傷つけないようにして水苔を巻きます(巻く量は植えこむ鉢の直径より少し多め)。

  5. 鉢に植える

    親指の腹で押し込むと簡単にできます。

胡蝶蘭の育て方初心者は、水やり頻度と水のやり方を抑えるべし!

今回は、胡蝶蘭を育てる上で初心者が押さえておきたい、置き場所と水やりについて詳しくご紹介しました。水やり頻度や量、正しい与え方を守ることに注意して、胡蝶蘭を長く育ててくださいね。

セッコクの育て方|着生ランに適した水やりって?花言葉に込められた意味とは?

セッコク

セッコクは東アジアを原産とする、ラン科セッコク属の多年草です。
豊北地方以南の比較的涼しい山地や森林の樹木に生息する着生ランの代表種として知られています。江戸時代には、まだら模様の葉が特徴の班入り植物「長生蘭」として認知されて以降、現代でもインテリアプランツとして根強い人気を誇る植物です。
今回はセッコクの育て方についてご紹介します。

セッコクの育て方:栽培する場所


セッコクはラン科の他植物と比べて比較的風通しと日当たりのよい環境を好みます。
新芽が固まる春〜夏には遮光ネットや寒冷紗で40〜60%程度遮光をしつつ、秋〜翌年の新芽が固まる春にかけてはしっかり日に当てることが大切です。セッコクは着生ランである以上強風には弱いため、風の避けられる場所や麻ひもで着生先の植物や石に縛りつけて固定するなどの対策を取りましょう。

セッコクの育て方:水やり

セッコクは自生地では自然の降雨のみで生き抜けるほど乾燥に強い性質をもちます。生育期である春には表土が乾いたらたっぷりと水やりをし、休眠期前の秋〜冬には表土を軽く湿らせる程度の水やりに留めましょう。
いずれの季節も、水やり毎に表土の乾燥している期間を2〜3日設けることがポイントです。

セッコクの育て方:用土


セッコクは通気性と水はけのよい土を好みます。洋ラン用培養土や硬質鹿沼土など、土中の水分が比較的早く抜ける土質を選択しましょう。水苔に植える形でも問題ありません。

セッコクの育て方:肥料・追肥

セッコクは新芽が形成される春と花芽の充実する秋に肥料をあたえます。
規定量の3〜5倍に薄めた液肥を2週間に1回施してください。

セッコクの育て方:植え付け・植え替え


セッコクの植え付け・植え替え適期は春の芽出し前3〜4月です。土質や水苔の劣化をふまえ、1〜2年に1回の植え替えをおすすめします。

セッコクを土に植え付ける

  1. 植え付け2〜3日前から水やりを控え、土を乾燥させる
  2. 株より一回り大きな鉢を用意する
  3. 鉢底ネットを敷いた鉢に、鉢底石を入れる
  4. 容器の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
  5. 株を根を広げるようなイメージで植え付ける
  6. 根の上部がやや表土から露出する位置に土の高さを調節する
  7. 水やりをして株をしっかり土着させる

セッコクの水苔への固定や石付け方法

  1. 鉢の2/3ほどの長さの割り箸や木片を束ねてワイヤーで巻き、苔玉の芯をつくる
  2. 芯に水苔を巻いて苔玉を作る
  3. 苗の根を広げて、苔玉や他植物、石の上にかぶせる
  4. 根の周りに水苔を巻き、根全体を水苔で覆う
  5. 苗を鉢に入れて、周囲に水苔を足してしっかり固定する

セッコクの育て方:増やし方


セッコクは株分けや挿し木や高芽とり、矢ふせで増やせます。

株分け(3〜4月)

掘り出した株をナイフや手で2〜3つに割いて、植え付けと同じ手順で植えます。細かく割きすぎた株は生育不良に陥る可能性があるので注意しましょう。

高芽とり(花後の5〜6月)

花芽が成長しきれずに花が咲かなかった節を根元から外し、軽く水を含ませた水苔に包んで育てます。

矢ふせ

節から分岐した短い茎を切り取り、湿らせた水苔に横たえて高芽を発生させる方法です。ごろ石を敷いた浅鉢に湿らせた水苔を敷き詰め、花芽のない茎を並べます。水苔を常に湿らせた状態を保ち、発根を促しましょう。

セッコクの育て方:注意する病気や害虫

セッコクはハダニやカイガラムシの被害を受けやすい植物です。ハダニやカイガラムシは枝や葉裏に寄生して栄養を吸い取ることで、株の生育を阻害してしまいます。被害が拡大する前に殺虫剤を吹き付けるか、歯ブラシで擦り落とすなど駆除しましょう。

セッコクの育て方:どんな花を咲かせる?


セッコクは5〜6月にかけて、茎先の花茎から2〜3輪の花を咲かせる植物です。
大きいもので15cm以上にもなる唇形の大輪を複数つけるため、実に見応えのある姿となっています。

セッコクの花言葉

セッコクの花言葉は、『私を元気づける』です。
凛として咲く白〜薄桃色の花々からは、花言葉の通り元気をもらえそうです。

セッコクの育て方を覚えよう


セッコクは着生ランであるため、少々日頃の管理に気を遣わなければならない植物です。植え付けをはじめ栽培方法は多岐に渡るため、お好みの方法で栽培にチャレンジしてみると面白いですよ。

アングレカムとは|花言葉や育て方は?水苔で育てられる?

アングレカムはやや珍しい洋ランの仲間で、良い香りがして、花の見た目もきれいです。珍しい花が好き方は、ぜひアングレカムを育ててみませんか。このページでは、アングレカムの育て方や花言葉などについてまとめています。肥料や育てる場所、気をつける害虫などを記載していますので、ぜひご参照ください。

アングレカムとは、どんな花?

アングレカムはランの一種です。マダガスカルが原産とされていて、日本国内では珍しいランとされています。

多くのアングレカムの花の色は白で、夕方から夜にかけて花からよい香りがするのが特徴です。距(キョ)という特有の器官を花に持つのも特徴といえます。

アングレカムの花言葉

アングレカムの花言葉は、「祈り」、「いつまでもあなたと一緒」です。

アングレカムの育て方

栽培場所

アングレカムは日当たりを好みますので、一年中よく日のあたる場所で育ててください。地植えは不向きで、鉢植えをしましょう。

耐寒性は強くありませんので、冬になったら鉢ごと室内に入れてください。梅雨や秋雨前線の影響を受ける時期は、室内に入れて雨対策をしてください。

用土

アングレカムは水苔、バークで育てることができます。鉢は素焼きのものをおすすめします。

水やり

アングレカムの生育期は水分を求めますので、水苔が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。高温期はよくアングレカムがよく生長し、水苔も乾燥しやすいので、水やりを多めにします。

寒くなるとアングレカムは休眠しますので、気温が下がる時期から水やりの頻度を落として、乾燥気味に育ててください。

このアングレカムの休眠期に水やりをしすぎると傷みますので注意をしてください。

肥料

アングレカムは5月から9月くらいまで、肥料が必要です。

肥料は液体タイプを週に1回の頻度であげてください。肥料が濃いと肥料焼けすることがありますので、与える液体肥料をやや薄めるようにしてください。肥料焼けとは肥料を与えすぎることで株が弱ることを意味します。

希釈タイプの液体肥料であれば、規定の量よりも薄めにしましょう。

植え付け・植え替え

アングレカムの植え付けは4月から5月です。雨の日は湿気が多いので、晴れの日に植え付けるのがおすすめです。

花がら摘み

アングレカムは花がら摘みが必要です。花が終わって傷んだら摘み取ってください。

そのままにしていると枯れた花がある茎から傷んでしまいますので注意しましょう。

増やし方

アングレカムは株が育つと、脇芽を出すことがあります。この脇芽を育てて、根がでてきた段階で切り取って増やしてください。ただし、基本的にアングレカムは増やしにくいため、難易度は高めです。

害虫・病気

アングレカムの栽培では、カイガラムシに注意をしてください。カイガラムシは葉の付け根や茎につくことがあります。カイガラムシの特徴は白色です。白いものがついていたら、次第駆除してください。ブラシやテープで取り除くことをおすすめします。

アングレカムの花言葉や育て方を覚えよう!

アングレカムは綺麗な見た目のランでやや珍しいです。基本的に日当たりのよい場所で育て、雨には気をつければ育てられます。

ただし、冬に水やりをすると傷みますので、秋の終わりごろから乾燥にならしていきましょう。いい香りのお花が楽しめるアングレカムを育ててみましょう。